日本共産党が提出した意見書

平成25年第2回定例会
No.1

 (提出年月日)平成25年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

憲法第96条の改定をやめるよう求める意見書(案)

 安倍晋三首相は、国会答弁や記者会見などで「憲法の改定はまず96条から」との発言を繰り返している。憲法第96条は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で改定案を発議し、国民投票にかけると定めているが、この要件を各議院の総議員の過半数にまで引き下げようとするものである。
 これは、国会の過半数を制した政権党が、みずからに不都合な憲法を自由勝手に改定できるようハードルを下げることであり、憲法の根本精神を否定するものである。
 こうした政府の動きに対し、「憲法とは、国民が権力者を縛ることができる唯一の仕組みである」、「憲法をその時々の支配層が安易に改定することは許されない」、「反対に国民を縛る憲法になる」など、改憲論者も含めた多くの法律家・研究者・国民が反対の声を上げる事態となっている。
 日本弁護士連合会も憲法第96条の発議要件緩和に反対する意見書を発表し、「立憲主義と基本的人権尊重の立場に反するものとして極めて問題であり、許されないもの」と強く反対を表明している。
 憲法第99条では、首相を初め、全ての公務員の憲法遵守義務を明確にしている。その張本人がみずからの縛りを解こうとするのは、文字どおりの禁じ手である。今、政府に求められているのは、憲法の改定ではなく、第9条の厳格化などを初め、憲法の全条文を守り、国民の平和と暮らしに生かすことである。
 よって、本市議会は国に対し、憲法第96条の改定をやめるよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成25年  月  日

千 葉 市 議 会


平成25年第2回定例会
No.2

 (提出年月日)平成25年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

消費税増税の中止を求める意見書(案)

 民主党・自民党・公明党の3党の談合で成立した消費税増税法では、2014年4月から8%、2015年10月から10%に引き上げることになっている。
 消費税増税の口実とされたのは、社会保障の安定財源の確保及び財政の健全化を同時に達成することである。しかし、安倍晋三政権が実施しようとしているのは、消費税増税を見込んで、現在の財政危機を招いた不要不急、不採算の大型公共事業に再び巨額の税金の投入である。
 例えば、事前防災・減災対策として、新規のダムや高速道路の建設、凍結していた群馬県の八ッ場ダム再開などに多額の事業費を計上したのを初め、高速道路のネットワーク整備として1,598億円を計上した。また、成長戦略を名目に、三大都市圏環状道路など物流ネットワーク整備に3,539億円、整備新幹線に706億円、国際コンテナ港湾整備に400億円、首都圏空港の強化に123億円の計上など、まさに大盤振る舞いである。
 一方、「社会保障の安定財源の確保」とされた消費税増税で、社会保障は改善されるのかといえば、最後のセーフティーネットである生活保護費の減額を初め、年金支給額も3年で2.5%削減されようとしている。さらに、医療費の窓口負担の増加、年金支給開始年齢の先送りなどの議論も行われているのである。結局、消費税を8%、10%と引き上げを図っても、社会保障の拡充どころか、大型公共事業に湯水のごとく税金を注ぎ込み、財政を悪化させて、さらなる消費税増税と社会保障削減だけが、国民に押しつけられるのは明らかである。
 よって、本市議会は国に対し、消費税増税の中止を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成25年  月  日

千 葉 市 議 会


平成25年第2回定例会
No.3

 (提出年月日)平成25年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

共通番号制(マイナンバー)法の廃止を求める意見書(案)

 5月24日の参議院本会議で可決・成立した共通番号制(マイナンバー)法は、法曹界や研究者、市民団体から、法案に対して、費用対効果や情報流出の危険性、国民のメリットなどへの疑問が繰り返し出ていたにもかかわらず、明確な説明もないまま拙速な採決を行ったことは、まことに遺憾である。
 国会論議の中では、初期投資に3,000億円、稼動費用に300億円を見込みながら、その費用対効果の根拠が示せないこと、情報漏えいや「なりすまし」犯罪への有効な対策がないまま、施行3年後には民間にも開放しようとしており、極めて危険であること、国民にはさしたるメリットがない一方で、社会保障給付の抑制、税や保険料等の徴収強化に利用されることが明らかになった。
 同様の制度を導入した米国や韓国では、情報漏えいや「なりすまし」犯罪が多発し、見直しが迫られている。これでは、国民の個人情報保護など二の次で、莫大な国民の税金を注ぎ込み、国民を管理・把握するための大型公共事業を実施するものとなる。
 よって、本市議会は国に対し、共通番号制(マイナンバー)法を廃止するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成25年  月  日

千 葉 市 議 会


平成25年第2回定例会
No.4

 (提出年月日)平成25年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

生活保護法の改悪をやめるよう求める意見書(案)

 安倍晋三内閣によるアベノミクスと称する経済政策によって、円安を引き起こし、輸入品価格が軒並み上昇し、小麦や食用油などの生活必需品や光熱水費などの値上げが相次いでいる。
 ところが、政府は物価が下がっているなどと実態とかけ離れた理由で、生活保護費のうち食費や光熱費など生活扶助分の引き下げを強行したのである。その結果、削減対象は生活保護世帯の9割以上に上り、その多くは子供のいる世帯である。今でさえ、経済的理由により中退や進学断念を余儀なくされる子供が少なくない中で、扶助費の大幅削減は子供たちの未来を奪うことになる。
 その上さらに、生活困窮世帯を制度そのものからも締め出そうとしていることは重大である。現在の生活保護法では、保護の申請意思を口頭で表示すれば受付は可能となっているが、実際には証明書の提出を求めるなど、役所の窓口で申請書を交付せず追い返す「水際作戦」が各地で行われており、餓死や孤立死が相次ぐなど、大きな社会問題となっている。
 しかし、今回の生活保護法改定案では、書類提出による保護申請の厳格化や親族の扶養を事実上の要件とするもので、これまでは違法だった「水際作戦」を合法化しようとする、大義も道理もない改悪が盛り込まれているのである。
 貧困と格差が一層広がる懸念がある中で、生活保護を利用するハードルを高くすれば、最後のセーフティーネットとしての役割を果たせなくなるのは明らかである。
 よって、本市議会は国に対し、現実とかけ離れた生活保護法の改悪をやめるよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成25年  月  日

千 葉 市 議 会


平成25年第2回定例会
No.5

 (提出年月日)平成25年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

ディーセントワーク(人間らしい労働)を奪う規制緩和をやめるよう求める意見書(案)

 安倍晋三政権のもとで、労働・雇用分野の規制緩和が議論されている。その内容は、解雇の自由化、労働時間の規制緩和と適用除外制度の導入、有期雇用や派遣労働の規制緩和など、労働者保護の根幹を破壊するものである。
 財界と政府は、経済のグローバル化のもとで国際競争力の強化が必要との理由から、構造改革路線を強行し、労働・雇用分野での規制緩和を進めてきた。その結果、今では非正規雇用は全体の38.7%(厚生労働省調査)を占め、年収200万円以下の労働者が1,000万人を超える事態となっており、多くの労働者の雇用・将来不安や長時間労働、低賃金が、現在のデフレ不況や経済の疲弊をつくり出している大きな要因となっているのである。
 デフレ不況からの脱却や経済活性化のためには、雇用への支援策強化が求められているときに、企業の思惑だけで解雇自由の原則を法に明記、事務・研究開発職の「残業代ゼロ法(ホワイトカラー・エグゼンプション)」の導入、有期雇用や派遣労働に対する規制をなくすなどの議論がされているのは、乱暴で不公平なものである。
 ILO(国際労働機関)は、ディーセントワーク(人間らしい労働)の実現を各国政府に求めている。しかし、それと対極にあるのが日本の雇用形態である。労働者を保護する労働基準法を拡充し、安定した雇用と賃上げによる労働者の所得アップこそ必要とされているのである。
 よって、本市議会は国に対し、ディーセントワーク(人間らしい労働)を奪う規制緩和をやめるよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成25年  月  日

千 葉 市 議 会


平成25年第2回定例会
No.6

 (提出年月日)平成25年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

環太平洋連携協定(TPP)交渉参加から離脱するよう求める意見書(案)

 安倍晋三政権は、昨年の衆議院議員選挙公約に反し、TPP交渉参加へ暴走を続けている。
 非関税障壁の撤廃により、「日本の食料自給率が激減し、農業は壊滅的打撃となる」、「山間部の農地は荒廃し、環境が破壊される」、「安全基準の緩和で食の安全が守れなくなる」、「地域経済が破綻する」、「皆保険制度が破壊され、命がお金で左右される」など、TPP交渉参加に対する懸念や怒りの声が沸き起こっている。
 安倍首相は「国益を守る」と言うが、実際はアメリカ側の要求に次々と譲歩するばかりで、「日本ではなくアメリカの国益を守るのか」との声さえ出るほどである。そもそもTPPは例外なき関税撤廃を原則とし、その上、後から参加する日本には何の権限もなく、2月の日米共同声明では「包括的で高い水準の協定を達成する」と合意しており、例外など存在しないことは既に明らかにされているのである。このような状況でも国益を守れるかのように言い続けるのは、国民を欺くものと言わざるを得ない。
 よって、本市議会は国に対し、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加から離脱するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成25年  月  日

千 葉 市 議 会


平成25年第2回定例会
No.7

 (提出年月日)平成25年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

原発の再稼働と輸出をやめ、全原発の即時廃炉の決断を求める意見書(案)

 安倍晋三内閣は、財界と一体となって原発の再稼働を前提とした成長戦略を掲げ、原発の輸出を強力に推進しようとしている。
 いまだに、東京電力福島第一原子力発電所事故の原因が解明されていないばかりか、破損した原子炉から出る高濃度の放射能汚染水に、流入した大量の地下水が加わった汚染水の処理が、大問題となっている。つまり、原発事故は収束しておらず、廃炉のめどさえ立っていないのである。現在も、避難したまま故郷に戻れない人々は15万人を超えている。
 それにもかかわらず政府や財界・電力会社は、「新規制基準への適合性が確認された段階で、立地自治体等の理解と協力を得る」として、泊・柏崎刈羽・高浜・大飯・浜岡・伊方・玄海・川内など各原発の再稼働を目指している。
 しかし、「原発事故の原因究明も対策もない中でつくった新規制基準が、再稼働の基準になるのか」との疑問や批判が起こっている。
 また、海外には「原発事故を経験した日本こそ、安全な原発を提供できる」などと、無責任な原発「輸出セールス」を行っていることは許されない。
 現在、世論調査を見ても「再稼働に反対」が多数であり、国民の強い願いである。原発の「絶対安全」はもう通用しない。全原発をなくし、再生可能エネルギー導入に抜本的に転換すべきである。
 よって、本市議会は国に対し、原発の再稼働と輸出をやめ、全原発の即時廃炉を決断するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成25年  月  日

千 葉 市 議 会


平成25年第2回定例会
No.8

 (提出年月日)平成25年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

橋下徹大阪市長の旧日本軍「慰安婦容認発言」に抗議する決議(案)

 日本維新の会共同代表・橋下徹大阪市長は5月13日の記者会見で、「戦場では慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」と発言し、在沖縄米軍司令官には「風俗業を利用すべき」だと勧めたことを明らかにした。
 これらの旧日本軍「慰安婦容認発言」は、女性はもちろん、男性の人格を否定し、深く傷つける重大な人権侵害である。
 よって、本市議会は橋下徹大阪市長に対し、旧日本軍「慰安婦容認発言」に抗議するとともに、発言の撤回と謝罪を強く求めるものである。
 以上、決議する。

平成25年  月  日

千 葉 市 議 会