野本信正議員の代表質問に対する答弁(要旨)

2013.7.5

1.市長の基本姿勢

【市長答弁】

○ 市長選挙の結果について

 はじめに、難病見舞金カットや敬老会補助金の見直しなど、たくさんの声が寄せられたことへの感想についてですが、私は、高齢者や障害者の方々などに、必要なサービスを的確に提供し、安心して暮らしていただくことを願う中で、中長期の財政見直しや少子・高齢化の進展など、将来を見据えた場合に、一律に手厚いサービスを提供するのではなく、真に必要としている方々への支援に重点化することが必要であると考えております。

 次に、多くの市民が市政への関心を高めたことと、様々な市民の声を尊重して、今後の市政に生かすべきではないのかについてですが、私自身、選挙を、市民の皆様に関心を持っていただく大きな機会として捉え、選挙戦に臨むとともに、対話会などを通じて、多くのご意見を頂いて参りました。

 こうしたご意見も参考にしながら、マニフェストを作り上げてきたところであり、市民の皆様の声を今後の市政運営に生かして参りたいと考えております。

○2期目の熊谷市政について

 高い得票で当選し、全面的に評価されたと思っているのではないか、また、熊谷市政を批判している市民がいることを忘れるべきではないなどの声をどう受け止めるのかについてですが、私は、初心を忘れず、投票に行かれなかった方や他の候補者に投票された方の思いも汲み取りながら、緊張感を持って、市政運営にあたって参りたいと考えております。

 次に、「ワンマンになるのではないのか」と懸念されているがどうか、また、「意見をよく聞く」、「謙虚な姿勢」は、リーダーに絶対必要要件であるがどうかについてですが、当選後、職員に対して、「自分も1期目からという新たな気持ちでスタートするので、率直に進言してほしい。」とお願いしました。

 また、引き続き、謙虚な姿勢で、市民の皆様からの様々な声に十分耳を傾けて、市政運営に取り組んで参りたいと考えております。

○市長選挙での市民への公約とマニフェストについて

 はじめに、財政健全化と市民サービスカットについてですが、本市の財政は、健全化判断比率が依然として政令市ワーストであるとともに、少子・高齢化の急速な進展を背景に社会保障費の増が予測される中、公債費の償還が平成27年度をピークに高止まりが続くなど厳しい状況であり、将来に向け持続的に発展していくためには、引き続き財政健全化に向けて取り組んでいく必要があると認識しております。

 また、全ての市民サービスをこれまでと同様に行うことは中長期的に困難であることから、真に支えを必要としている方々のために予算が配分されるよう、事業効果が薄れた事業や他の事業で代替えが可能な事業について、市民サービスの低下を極力抑えながら見直しを行って参ります。

 次に、公共料金については、市民の負担の公平性の観点や受益負担の原則を踏まえ、市民生活に与える影響などを考慮しつつ、必要最小限の見直しを行うなど、引き続き、事務事業の見直しや公共料金の適正化に努めて参ります。

○大型開発について

 大型開発についてですが、緊急性、必要性の観点から、これまで蘇我スポーツ公園整備の縮小や千葉都市モノレールの延伸凍結など、可能な限りの見直しを行って参りました。その上で、継続している事業については、整備効果などを踏まえ、取り組んで参ります。

 次に、西口再開発事業についてお答えします。B棟の建設と事業費についてですが、 千葉駅西口地区は千葉都心の一翼を担い、更に臨海部への玄関口としての地域特性を活かすため、駅前広場などの公共施設整備を行うとともに、再開発ビルA棟及びB棟を引き続き早期完成に向け整備を進めて参ります。

 B棟については、A棟と同様に民間活力による事業を考えており、現在、事業協力者を公募するための準備を進めております。この民間活力による事業手法を採用することにより、市の負担を最小限に抑えたいと考えております。

 次に、蘇我副都心の駅周辺設備や街並みの整備についてですが、蘇我副都心における東西の駅前広場や自由通路の改良などの駅周辺設備については、地権者などの合意状況などを踏まえ、費用対効果を考えながら、進めて参ります。

 また、これらの整備とあわせて、地元のまちづくり協議会や住民との協働により、ホームタウンとしての街並み整備に取り組んで参ります。

○幕張新都心について

 IRについてお答えします。カジノによる多重債務者の実態とIRの推進はしないとするべきとのことですが、諸外国において、カジノによる多重債務者の問題や、青少年への影響など、様々な問題があることは承知しております。

 一方で、IRは、観光振興や雇用の創出など、相当の経済波及効果をもたらしており、今後は、地元や経済界における気運の高まりと県民・市民のコンセンサスを経ながら懸念される問題にも留意しつつ、具体的な研究を進めて参ります。

 次に、幕張新都心の道路や下水、公園などの公共施設の移管にあたり、通常の維持管理費が増加するのは、やむを得ないことと考えておりますが、大幅な改修等の必要があるものについては、県企業庁の責任と負担による整備、改修等の機能保全の確保を前提に、移管を受けているところであります。

○都心開発、基本構想について

 都心開発、基本構想についてお答えします。本市の財政危機が国の計画等に基づく3都心の開発であることを教訓としないのか、についてですが、本市の財政状況の悪化は、政令指定都市移行後、3都心の整備や都市基盤の整備に積極的に取り組んだことを大きな要因とするものと考えており、財政状況の改善を喫緊の課題として健全化に取り組む中で、大型開発についても、進歩状況や事業効果などを勘案し、必要な見直しは最大限行なってきたところであります。

 次に、3都心の全面見直しを求めることについてですが、本市が将来にわたって魅力と活力にあふれる都市であり続けるためには、まちの魅力を高めることが必要であり、新基本計画においても、3都心それぞれの特徴を踏まえた魅力の創出や向上を進めることとしております。なお、新基本計画の策定にあたっては、「脱・財政危機宣言」を踏まえ、また、市民ワークショップや新基本計画審議会などを通じて、様々な方々に多くの貴重なご意見を頂いたところであります。

○民間出身市長について

 はじめに、自治体の仕事は民間企業の効率主義が全部当てはまるものではない、および不採算であっても実施する事業がたくさんあることが基本、について併せてお答えします。選択と集中の視点のもとで、今後も真に必要なサービスを将来にわたり持続的に提供することを念頭に、実施する事業が、そもそも「住民福祉の増進」という目的に合致しているのか、また、効果的・効率的に行われているかなどといった点について、民間の視点からチェックし、見直しを行うことは、限られた財源を、有効に活用することにつながり、広く市民の皆様にもご理解が得られるものと考えております。

 次に、「民間出身だから市民の切実な願いを切り捨てることができる」というのは間違いではないか、また、公務員のトップであることの自覚があるのか、さらに、自治体の長としての自覚を持ち、住民福祉の増進に努めることを求めるがどうかについては、あわせてお答えします。私は、民間出身かどうかは関係なく、本市の将来を考え、今後も真に支援を必要とする方々に対して、的確に救いの手を差し伸べ、市民福祉の維持・増進が図られるよう、優先順位に基づき、必要な見直しを行って参りました。

○家庭ごみ有料化について

 家庭ごみの有料化についてお答えします。まず、意図的に値上げ隠しをしたのではないのかについてですが、家庭ごみ手数料徴収制度導入に伴う条例改正は、すでに平成25年3月市議会において可決され、来年2月からの実施が決定されたことから、私の公約となる他の政策を優先して掲載したところです。

 なお、ローカルマニフェストには、併せて実施する施策のごみステーション管理支援や不法投棄・不適正排出対策、ごみ出し支援事業などについて記載し、市民の皆様にご説明したところです。

 家庭ごみ手数料徴収制度に関するご批判に対しての見解についてですが、清掃工場建て替え費用の節約に関しては、本市がめざしている「焼却ごみ1/3削減」により、北谷津清掃工場の建て替えが不要になり、建設費用など節減でき、市民の皆様の税金を有効に活用できることを説明したものであります。

 また、現在の指定袋と新しい指定袋の交換比率については、現在指定袋が特売品として低価格で販売されている事例や、販売促進用に無料で配布されている事例もあるほか、現在の指定袋の買い占めが発生し、袋を必要とする方が購入できなくなることがないよう、他市の事例を参考にしながら交換比率を設定いたしました。

 市民の方には、様々な疑問もあると思われますので、制度導入の背景や経緯、制度のしくみなどについて、説明会の開催やコールセンターの設置などを行い、わかりやすく説明していきたいと考えております。

 来年2月実施の中止を求めるについてですが、容器包装リサイクル法については、現在、国において見直しをす据えていると聞いておりますが、同法の改正内容を見極め、収集・再資源化費用が約8億円と試算されることから、費用対効果を勘案した上で検討していきたいと考えています。

 また、家庭ごみ手数料徴収制度は、一般廃棄物(ごみ)処理基本計画に位置付けられた計画事業の一つであり、さらなる削減効果が期待できる施策であることから、市民の皆様のご理解とご協力をいただき予定どおり平成26年2月から開始する予定です。

 次に、2清掃工場体制は平成何年度からの予定なのか、についてですが、家庭ごみ手数料徴収制度などの施策による焼却ごみの減量効果及びごみ量の動向を見極めつつ、老朽化した北谷津清掃工場を平成28年度末までに停止し、2清掃工場体制に移行する予定です。

 次に、北清掃工場代替施設の方向性と建設時期の想定についてですが、北清掃工場は平成8年の稼働であり、稼働後30年を迎える平成38年頃には代替施設が必要になると考えられます。

 清掃工場の建設には10年以上の期間を要することから、今年度策定する「一般廃棄物処理施設整備計画」の中で、北谷津清掃工場停止後の跡地の利用可能性についても調査を行うとともに、施設規模や建設スケジュールなどについて検討を行います。

○中学校卒業までの子ども医療費無料化について

 まず、通院医療費助成の小学校6年生までの早急な実施と中学校卒業までの実現についてですが、通院医療費の対象年齢拡大については助成対象を小学校6年生まで拡大した場合には、新たに約3億6千万円の財源が必要となることから、市全体の将来的な財政見直しの下で、判断する必要があります。

 しかしながら、子どもの健康保持の推進や子育て世帯の経済的負担の軽減のため、また、少子化が進行する中、子育て世帯の本市への転入を促進するうえからも有効な施策の一つであると認識しておりますので、できるだけ早期に小学校6年生まで拡大したいと考えております。

 次に、県補助金の補助率が4分の1から2分の1に改善された場合における、中学3年生までの助成対象拡大についてですが、仮に、県補助金の補助率が2分の1となり、通院医療費の助成対象を中学3年生まで拡大する場合に、事業全体で必要となる一般財源の額は、18億9千万円と推計され、現行の補助率のまま小学6年生まで引き上げる場合に必要となる一般財源の額、21億円よりも、現状では、2億1千万円ほど少なくなるものと認識しております。

 次に、県補助金の補助率を2分の1まで改善するよう、千葉県知事と交渉することについてですが、これまで、知事や副知事とのたび重なる協議や、市議会各会派の皆様のお力添えにより、平成23年度に補助率6分の1から4分の1へ引き上げられたところです。

 子ども医療費助成に関する、首都圏の他政令市の状況については、さいたま市が県の補助制度の対象外になっていること、また横浜市、川崎市、相模原市と同水準になっていることなどを勘案すると、現時点では、さらなる引き上げを求めることは難しいものと考えておりますが、今後、他政令市の状況等に注視しつつ、時期を捉え、県との協議について検討して参ります。

○防災対策と庁舎建て替えについて

 まず、本庁舎をスリム化すれば新築予定費用を大幅に削減できるのではないかについてですが、現在、区役所の窓口改革を含む業務プロセス改革に取り組んでいることから、その推進状況を踏まえ、本庁舎の規模について検討して参ります。

 次に、財源の確保についてですが、新築費用の財源については、手法により異なりますが、市債や民間資金により調達が可能と考えております。また、基本構想から竣工までの期間として、8年程度を見込んでおります。

 次に、健全化判断比率についてですが、新築費用約275億円のうち、新庁舎件セルの財源として活用できる市債を約220億円発行した場合、実質公債費比率は平成24年9月に策定した「公債費負担適正化計画」を基に試算しますと、当面の10年間で最大0.6%程度、将来負担比率は平成23年度決算ベースで試算しますと、13%程度の影響となります。

 次に災害対策本部の現場機能は各区役所機能を強化し、分担すべきではないのか。その方が現実的ではないのかについてですが、市災害対策本部は、道路や上下水道等のインフラの復旧などのほか、被災者の皆さんが必要とする食料や生活物資の供給などについて、全市的かつ総合的な視点から調整を図ります。一方、区災害対策本部は、被災者の医療・救護、避難所の開設・運営など、より地域に密着した活動を行います。

 東日本大震災の際には、特に被害が大きかった美浜区では、美浜区役所内に「災害総合相談窓口」を設置するなど、市災害対策本部と区災害対策本部が連携し、迅速かつ必要な対応を図ったところであります。今後も、災害の種類、規模及び被害の程度等に応じ、適切な災害対応に取り組んでまいります。

 次に、大震災・災害時に耐えられる改修への提案についてですが、ご提案にある22億5千4百万円の改修は、本庁舎及び議事堂棟の柱や梁や基礎の耐震性を高める工事費を抜き出したものとなっています。

 壁や天井などの非構造部材に対する耐震化や、在外時においても業務を継続するために必要な主要設備の更新や配管類の改修工事は含まれておりません。また、中央コミュニティセンターの改修工事についても、含まれておりません。

 東日本大震災の教訓として、本庁舎は大規模災害にあっても、建物の安全性はもとより、業務継続性が、具備すべき最も重要な機能であると考えており、ご提案の改修だけではこれらの機能を確保することは難しいと考えております。

 私は、基礎調査の結果を踏まえ、長い目で見て一番コストが抑えられ、かつ防災面も含めた市役所の機能が最も高められる事業手法で、庁舎整備を進めてまいりたいと考えています。

○国の政治に対する姿勢

 憲法遵守義務を負って市長職を行うのかについてですが、第99条の規定に基づき、国の最高法規である憲法を尊重し、順守して参ります。

 次に、憲法96条改正に対する見解についてですが、改正要件の緩和は、憲法の価値を低下させることになりかねず、慎重に議論すべきものと考えております。

 次に、憲法の平和的、民主的条項の完全実施と憲法の全条項を生かすことについて、また、基本的人権などが生かされた行政の実施が求められるがどうかについてですが、 平和憲法を順守する精神は、尊重されるべきであると考えておりますが憲法制定当時には想定されなかった環境権などの新たな人権問題への対応や、地方自治の充実に関する記述については、より国民の権利の保障するためにも、改正に向けた議論は必要であるものと考えております。

 また、基本人権の尊重など、憲法の基本理念は尊重されるべきであり、この立場に立った市政運営を行うことは、当然の責務であると考えております。

 次に、憲法第9条改憲の動きに対しての見解についてですが、自衛隊の保持が、第2項に規定する「戦力の不保持」に反するとの課題もあることから、この点については、国民的議論の余地があるものと考えております。しかし、平和憲法を順守する精神は、尊重されるべきと考えております。

 次に、橋本大阪市長の「慰安婦容認」に対する見解についてですが、橋本市長の発言は、女性の名誉や尊厳を深く傷つける人権問題として、到底容認できるものではなく、また、我が国の信用を著しく失墜させるものであったと考えております。

 次に、公人としての資格が問われていることに対する見解についてですが、橋本市長がご自身で判断されるべきことですが、自治体の長として、また、国政政党の代表の立場として、女性の人権を軽視する不適切な発言であったと考えております。

【藤代副市長答弁】

○財政危機打開と財源確保について

 市内業者に仕事が増え、雇用、税収が増え、福祉や環境が向上し税金が循環する事業の推進と、住宅リフォ−ム助成条例、地域経済振興基本条例制定など、千葉市元気サイクルの取り組みについてですが、震災に対する安全・安心の観点から、施策の優先度を考慮し、重点的に耐震改修事業を推進しておりますので、住宅リフォーム助成条例につきましては、現在のところ考えておりません。

 また、地域経済振興基本条例につきましても本市地域経済活性化戦略に基づき各種施策を積極的に推進していくこととしておりますので、制定することについては考えておりません。

 次に、公契約条例の制定についてですが、賃金等の労働条件は、最低賃金法などの国の法令を踏まえ、労使が自主的に決定する枠組みとなっております。条例制定により労働条件の改善を図ろうとした場合、民間企業等への影響など、様々な課題があることから、慎重な対応が必要であると考えております。なお、本市では、厳しい労働環境に配慮し、低価格入札を抑制するため、低入札価格調査制度や最低制限価格制度について順次改善を図るとともに、労働者にしわ寄せがいくことがないよう、従事する職員の賃金や労働条件について、最低賃金法などの労働関係法令を遵守するよう指導を行っております。

【教育長答弁】

○学校の耐震化とエアコン設置について

 まず、交付金を活用したエアコンの整備についてですが、現在、児童政党等安全・安心の確保を図るため、喫緊の課題として、平成26年度末までに、学校施設の耐震化を完了するよう誠意取り組んでいるところです。

 また、本市の学校施設は、昭和40年代から50年代の児童生徒数急増期に建設されたものが多く、築後30年以上回化している施設が75%にのぼっております。

 そのため、外壁や屋上防水、消火栓など、老朽化に伴い施設の安全性の確保や学校運営に重大な支障を及ぼす箇所の改修について、劣化の進行している学校から順次、取り組んでおり、現在のところ、エアコンの設置の予定はありません。

 次に、小・中・養護学校の教室数とエアコン設置事業予算の想定についてですが、平成25年5月1日現在、小学校の普通教室は1,832室、中学校は781室、養護学校は49室、合計2,662室で、これらの教室すべてにエアコンを設置した場合の概算費用は、電気工事方式で約80億円となります。

 次に、年間32億円程度の予算額でエアコン設置事業を進めた場合についてですが、3か年で完了することとなります。

2.総務行政について

【市長答弁】

○災害時要援護者支援について

 改正災害対策基本法が成立し、改正前との比較で、災害時の支援でどんな変化があるのかについてですが、改正された災害対策基本法では、市町村の条例に特別の定めがあれば、自主防災組織や自治会などの避難支援団体に、あらかじめ名簿情報を提供できることが法的に位置付けられたものです。これにより、要援護者対策への一層の理解と支援に資するものと考えております。

 次に、条例の制定についてですが、災害時における要援護者の避難については、共助である地域・近隣の支援が不可欠であり、平常時から要援護者名簿の情報を自主防災組織や自治会とで共有することが重要であります。

 現在、庁内にプロジェクトチームを設置し、拒否の意思表示がない限り、自主防災組織や自治会等へ名簿情報を提供できるよう、条例制定の検討を重ねており、年内には災害時の要援護者支援に関する条例案を議会に提案したいと考えております。

3.環境行政について

【市長答弁】

○航空騒音対策について

 航空騒音対策についてお答えします。まず、平成24年度の年間苦情件数についてですが、平成24年度については、550件でありました。

 次に、平成25年4月及び5月の苦情件数についてですが、4月は39件で、5月は52件でありました。

 次に交差地点移動による新たな騒音被害に関する責任についてですが、騒音被害の軽減策として、安全を確保しつつ、市街地上空を回避するとともに、飛行高度引き上げを可能にするため、経路を見直したと国土交通省から説明を受けており、騒音対策の一つとして認識しております。

 次に近隣住民に耐えがたい騒音被害を与えて居ることへの認識についてですが、市に寄せられた苦情件数の多さやその切実な内容、また最大騒音レベルが70デシベルを超えている場合があることなどから、日常生活において非常に重要な問題であると認識しております。

 次に6月・7月8月は飛行回数が増えて騒音の数値がもっと高くなるのではないかについてですが、これらの時期の天候に左右されるかと思いますが、騒音の発生回数が増えることから、70デシベルを超える最大騒音値の出現が4月、5月と比べると増えることが予想されます。

 次に騒音低減の改善が支給必要だが同課についてですが、飛行ルート下の住民より多くの苦情が寄せられていることから、航空機騒音の低減に向けた改善を一刻も早く進めなければならないと考えております。

 次に国土交通省に北ルートの騒音の改善を速やかにさせるべきではないかについてですが、県・市町村連絡協議会において、国からは、現在試行中である南ルートの高度引き上げを11月に本格運用とし、またそれに併せて北ルートの高度引き上げの本格検討を開始すると説明がありました。

 本市としましては、北ルートの高度引き上げの検討を直ちに開始し、来年3月までに高度引き上げを実施するよう求めております。

 次に海上ルートへの早期変更を求めるべきについてですが、飛行高度の引き上げは抜本的な対策ではないと考えており、本市はこれまでにも海上ルートへの移行や飛行ルートの分散化による首都圏全体での騒音の共有化について、早期実現を強く求めております。

 次に平成25年度末に1日当たり42便増える次の計画を、現状では受け入れられないと断るべきについてですが、これまでも、私は、「騒音対策が進展しない状況で増便計画のみが先行することは容認できない」と、直接、国土交通省に対し伝えております。

 次に住民の被害状況を直接聞く、住民対話会を開くコトの提案についてですが、昨年2月に宮崎公民館でコミュニティー懇談会を開催し、市民の皆様の声を直接把握するとともに、8月には大宮台小学校で南ルートの高度引き上げ状況を確認しながら、地元自治会長と意見交換を行いました。

 さらに9月には国土交通副大臣の視察の際に、私と副大臣ともども、周辺の自治会の方々と意見交換し、被害状況を直接伺っております。今後も、市長への手紙など様々な手段を通じて、住民の皆様の声を聞いて参ります。

 最後に、国土交通省が出席する住民説明会の開催についてですが、これまでも、国土交通省に機会があるたびに開催を要請して参りましたが、制度に基づかない住民説明会を開催することは難しいとのことでありました。しかしながら、本市としましては、今後も、あらゆる機会を通じて、引き続き開催を求めて参ります。

4.保健福祉行政について

【藤代副市長答弁】

○墓地行政について

 まず、専修寺が、墓地計画の説明をすることなく事前協議書を提出したことは、要綱違反ではないかとのことですが、地元自治会への墓地計画の説明については、昨年10月14日及び12月17日に実施したことを、宗教法人及び自治会役員から聞いております。なお、地元自治会からは、説明が不十分であるとの意見もあることから、今後も必要に応じて、説明会を開催するように指導して参ります。

 次に、原状回復の確認等についてですが、原状回復については、本年5月7日に、現場の調査を行い確認しております。また、事前協議書の受理日を変更することについては、すでに事前協議書を受理し、現在、審査中であることから、困難です。

 次に、事前協議書を差し戻すことについてですが、既に、受理した事前協議書を、差し戻すことはできませんが、墓地の経営許可に関しては、「千葉市墓地等の経営の許可等に関する条例」や「事前協議実施要綱」に基づき、経営主体、永続性、非営利性、施設基準などの審査を行って参ります。

 最後に、墓地建設が目的ではないとの約束を履行させることについてですが、墓地の経営許可に関する事前協議書が提出されており、市としては、条例等に基づき、墓地経営の適合性について適切に判断して参ります。

5.教育行政について

【教育長答弁】

○いじめに対する「安全配慮義務」について

 まず、学校と教育行政において「安全配慮義務」はどの程度定着しているのかとのことですが、教育委員会では、児童生徒の安全は最優先して守るべきことと認識しております。そのために、危機管理体制の構築や安全管理の一層の充実を図るよう管理職研修等で指導に努め、楽しい学校づくりを推進しております。

 また、学校においては、いじめに限らず、児童生徒が安心で安全に学校生活を送るために、子どもどうしの人間関係づくりや教職員と子どもとの信頼関係づくりに努めるとともに、家庭、地域と連携を密にした取り組みを進めております。

 次に、「いじめ」の放置・隠蔽が「安全配慮義務」に反することが明確になっているのかについてですが、本市では、平成3年度から生徒指導調査研究委員会を設置し、いじめや不登校など生徒指導上の諸問題を解明するための報告書を作成し、校内研修で活用するために配布して参りました。平成22年度には、「いじめを防ぐ学校・学級づくりと初期対応」についての提言をまとめ、事例研修において、より活用しやすくするためにファイリングして配布されたところです。提言内容には、いじめのサインを見逃さず、アンケート調査や観察をしたり、子どもや保護者の訴えを真剣に受け止めたりすること等を通していじめの発見に努めるとともに、いじめがあった時は、学年内だけでなく管理職にも伝え、学校全体で情報を共有して組織で対応することを示し、周知徹底を図っております。

○いじめの対応について

 まず、「事実を確認してから報告」など、様子見して事態を悪化させていることはないかとのことですが、学校では、学級担任や教科担任等による日々の観察やアンケート調査、教育相談などを通して、児童生徒一人ひとりの状況把握に努め、いじめ事案には、学校全体の組織で丁寧に対応しております。いじめの解決には早期発見・早期対応が重要であることを踏まえ、今後も、小さなサインを見逃さず、子どもや保護者等の訴えを真剣に受け止め、迅速かつ誠実に対応するよう学校に指導して参ります。

 次に、ささいなことに見えても様子見せずに、全職員、全保護者に知らせることが実施されているかについてですが、いじめの解決に向けては、生徒指導委員会、教育相談部会等を通して、教職員間で情報を共有するとともに、スクールカウンセラー等も活用し、組織で丁寧に対応しております。また、必要に応じて保護者や地域に情報提供するとともに、指導方針等を伝え、理解と協力を得て、相互に連携した取り組みが進められております。更に、いじめ等の諸問題の情報を共有し、学校、家庭、地域、行政が連携していじめの早期解決に向けて努めて参ります。

○いじめの未然防止について

 いじめをなくすために、どのような取り組みがされ、それを発展させる計画はあるかについてですが、本市では、人間尊重の教育を基調とし、互いを思いやり、好ましい人間関係をつくること等が重要であると捉え、道徳教育や児童・生徒会活動での自治活動の充実等を図っております。具体的には、道徳の時間や学級会活動、児童・生徒会活動等において、互いに協力するなど、より良い人間関係を主体的に築こうとする児童生徒の育成や、系統的な体験活動等を通した豊かな人間性や社会性の育成などに努めています。今後も、全教育活動を通して、規範意識の醸成や豊かな心の育成を目指し、諸施策の充実を図ることから、いじめの防止に努めて参ります。

○いじめ解決のための条件整備について

 いじめ問題の研修を教員が自主的に実施することについて、教育委員会の見解はどうかについてですが、教員は常に研究と修養に励む義務があることから、いじめ問題の研修だけでなく、教職の専門性を高め、指導力の向上を目指した不断の教育研究は不可欠なものと捉えております。本市では、「いじめを防ぐ学校・学級づくりと初期対応」等の冊子を各学校に配布し、いじめ対策について学校内の研修で取り扱えるようにしております。また、教育センターでは、昨年度、大学教授による「いじめで子どもが壊れる前に」という講演会を開催しました。

 今年度は、「楽しい学級をつくる人間関係づくり講座」、「子どもの理解のためのカウンセリング講座」等9講座を開設し、心の教育の充実を図るとともに、いじめの解消に向けた研修の充実を図っております。今後も、研修を充実させることにより、「夢と思いやりの心を持ち、チャレンジする子ども」の育成に努めて参ります。