佐々木ゆうき議員の一般質問

2013.7.9

写真1.平和行政について

 1945年7月7日の七夕空襲から68年が経ちました。3日から15日まで「きぼーる」で開催されている「長崎原爆・千葉空襲展」は、長崎市との共同で行なわれ、原爆資料がケースに入れられ、触れることもできる資料があり、今後もこうした取り組みを広げていくことを望みます。また6日「きぼーる」で開催された「千葉市空襲68周年・戦争を繰り返さないための集い2013」に参加をしてきました。戦地に行った方、千葉空襲を体験された方の証言は、貴重でした。千葉空襲の犠牲者の正確な人数が定まっていないために、空襲犠牲者の情報を集めているとのことでした。行政と協働して、犠牲者名簿を作成したいとのことです。「核廃絶」をめざす平和市長会議に県内すべての自治体に加盟してもらうことと、市長として「核兵器全面禁止」に向け、継続して発信していくために、「平和行政」の位置づけを高めて、市内外へアピールしていくことが必要だと考えます。

 神奈川県三浦市の吉田市長は、「地域住民の日常生活に密着している自治体として、核廃絶と平和を求めて活動し、世界中の各都市と恒久平和に向けて協調していくことは重要であるとの考えから、2010年6月には平和市長会議に加盟」されています。また、平和活動へのメッセージ対応のほかに、「みうら市民まつり」に平和行政ブースを設けて、市の平和行政の取り組みを紹介されています。

 そこで伺います。

 1つに、これまで千葉市では主なもので「千葉空襲パネル展」や「戦跡めぐりツアー」、広島と長崎への「平和の折り鶴送呈」に取り組んできました。これらの主要事業についての課題と今年度の取り組みについて伺います。

 2つに、「戦災遺品」について各区役所への巡回展示を行ない、市民に「戦争の悲惨さと平和の尊さ」の大切さを伝えていくべきではないですか。

 3つに、展示だけでなく、戦争体験者に依頼し、「千葉空襲パネル展」開催期間中に語り部として担っていただくことが必要ではないですか。

 4つに、各小・中学校での平和教育を位置づけて、そのための語り部について戦争体験者を中心に確保して、平和の意識啓発で千葉空襲パネル展等を実施するための協力体制を構築すべきではないですか。

 5つに、様々な団体が「千葉空襲パネル展」や「原爆写真パネル展」を開いています。市政だよりや市ホームページで開催情報を掲載して、市民団体の取り組みを紹介してはどうですか。

 6つに、市が独自に持っている死没者・犠牲者名簿と市民団体が集めている情報を照合して、調査を協力して行ない、正確な千葉市空襲の犠牲者の数を把握するようにすべきではないですか。

 7つに、県内の平和市長会議の加盟は、あと2町だけです。あらためて市長が未加盟の町に呼びかけて全ての市町村で加盟できるように取り組みを求めますが、お答え下さい。

 8つに、神奈川県の三浦市長の取り組みに学び、「非核」の自治体ということを明確にして、核兵器廃絶に活動する諸団体への挨拶やメッセージ対応をすべきではないですか。とりわけ若い市長が「核兵器廃絶」に向けたメッセージを継続的に出し続けることが重要です。お答え下さい。

 9つに、今年8月3日から6日まで行なわれる第8回平和市長会議総会への参加についての検討と、千葉市の取り組みのアピールをすべきではないですか。

2.教育費の負担軽減策について

 学生・若者を苦しめる高学費と奨学金返済という状況は深刻です。両親の年収別に高校卒業後の進路を見ると歴然で、年収1,000万円以上では4年生の大学への進学率は6割を超えますが、年収400万円以下では3割となっています。憲法と教育基本法が禁じる「経済的地位による教育上の差別」が生じています。

 4月13日付け「毎日新聞」の夕刊では、「若者つぶす奨学金」と題し、初の全国組織となる「奨学金問題対策全国会議」が設立され、同会議の共同代表である大内裕和・中京大学教授が、「奨学金が貧困ビジネスになっている」と語り、社会的救済が必要と述べています。そこには非正規雇用のひろがりで、奨学金返済の延滞が急増しているなかで、日本学生支援機構が返済の回収強化に乗り出し、取り立てを強めている実態に触れられています。中等・高等教育の漸進的無償化を定めた国際人権規約を具体化するためには奨学金制度の改善が求められています。

 熊谷市長は前のマニフェストで「奨学金制度検討委員会設置」を掲げていましたが、高校の授業料無償化や所得連動型奨学金制度ができたことから内部での協議で終わってしまっています。

 そこで伺います。

 1つに、憲法と教育基本法が禁じる「経済的地位による教育上の差別」が生じていることについて、見解を求めます。

 2つに、市長の前マニフェストに掲げられていた「奨学金制度検討委員会設置」検討に向けた議論と課題は何であったのか明らかにしていただきたい。

 3つに、今回の市長マニフェストから「奨学金制度検討委員会設置」の文言が消えてしまっている状況について、前マニフェストとの関係について伺います。また、市長の「未来への投資」の理念にも反しているのではないですか。

 4つに、4月23日付けの「毎日新聞」で、4月22日に文部科学省が導入を検討している返済義務のない高校生向けの「給付型奨学金」について、大学生も対象に含める方針であることが明らかになりましたが、支給額や選考方法などの制度設計を検討しているという段階です。財源は、現行の高校授業料無償化の予算を削るというもので、これ自体認められるものではありませんが、制度の詳細について千葉市として把握していることや、千葉市としての要望について伺います。

 5つに、国待ちにならず、千葉市独自に給付制奨学金を創設して、千葉市在住の高校生・大学生の支援をあらためて求めるものです。

3.美浜区の諸問題について

(1)JR京葉線について

 3月16日の「ダイヤ改正」によって京葉線の平日通勤時間帯午前7時8時台の快速電車が廃止された問題で、私ども日本共産党が取り組んだアンケートに結果では、回答者の半数以上がビラを見て知ったという方がほとんどでした。3月8日にJR千葉支社に要望と交渉を行なった中で、「周知不足」が明らかになりました。JRは「ダイヤ改正」について当該自治体にお知らせしたとしていますが、習志野市は、3月1日付け「広報習志野」で、新習志野駅への停車回数が増加することを市民にお知らせしていました。

 4月3日付けの「朝日新聞」の千葉版では、快速停車駅の利用者から不満が漏れ、県議会で見直しを求める意見書が可決されたと報道されています。また、「快速が止まる駅に住居を構えた人びとにとって耐え難い」などと利用者の声がよせられています。私たちのアンケートにも、「快速が停車する駅だから県外から転入してくる人が多いのに、そのメリットがなくなる」「快速なくすメリットよりデメリットの方が大きい。乗客に聞けば良くわかると思う」などの声が寄せられました。一方で歓迎する声もあり、賛否両論でしたが、今後、こうした事態が起こらないようにするためには自治体としての姿勢も問われます。

 そこで伺います。

 1つに、JRの「ダイヤ改正」公表の昨年12月21日以前にどのような説明がなされ、千葉市としてどのような意見をJR側に伝えたのか伺います。

 2つに、市として把握されている市民の意見や要望について伺います。

 3つに、千葉市では特に美浜区の住民が影響を受けるため、千葉市政だよりで広報すべきではなかったのか。過去の市政だよりには「ダイヤ改正」については掲載していないため、広報で周知する責任もあるのではないですか。今後の取り組みも含め、市の見解を伺います。

(2)URや千葉大学等との包括協定・相互連携の現状と今後について

 「UR都市再生機構との包括的な連携によるまちづくりの推進に関する協定書」が、2011年8月26日に締結され、協定書に基づいて幸町団地をモデル的にセンター地区への高齢者・子育て支援施設などを整備し、多文化共生で外国人居住者に対する団地生活・防災オリエンテーション、団地自治会との国際交流イベントを開催するなど、さまざまな取り組みが行なわれています。

 大規模団地がある千葉市と、そこに住む市民にとっても、こうした取り組みは引き続き求められています。

 埼玉県春日部市では、「官学連携団地活性化推進事業」に取り組み、武里団地内の部屋のルームシェアをしながら、地域貢献活動に取り組んでもらうために、学生へのサポート事業に取り組んでいます。助成条件は、2人上でルームシェアリングし、居住に際し、住民登録をしていること。大学からの推薦を受けていること。武里団地居住者を対象に地域貢献活動を実施することで、家賃の半額と電車賃の半額を助成するというものです。

 同様に、埼玉県立大学でも武里団地に居住する方々の健康な暮らしを支援するために、実態やニーズを把握し、「介護予防」「食品選択」「大学見学」「禁煙」4つの健康プログラムを実施してきています。

 そこで、伺います。

 1つに、「UR都市再生機構との包括的な連携によるまちづくりの推進に関する協定書」「国立大学法人千葉大学との包括的な連携に関する協定書」「淑徳大学との相互連携に関する協定書」の現状の取り組みと課題について伺います。

 2つに、市内の大規模団地に対するUR千葉幸町団地での取り組み等の周知と、取り組みの拡大について伺います。

 3つに、美浜区内の各UR団地における課題の整理と検証をどのように取り組むのか。

 4つに、「地方自治体としてはじめての試み」として打ち出している春日部市の「官学団地活性化推進事業」や埼玉県立大学の「健康支援プログラム」のように、URや市内大学との連携を図りながら、学生への支援とともに、市内の団地への地域貢献活動のプログラムを実施してはどうですか。

(3)学校跡施設の活用について

 市は、昨年12月末から1月初めまで「高洲・高浜・磯辺地区の学校跡地利用に関するアンケート」を対象地域の13歳以上を対象に無作為抽出で3,000名に行ないました。これら3地区では「学校適正配置地元代表協議会」や「跡地活用検討会」から跡施設活用に関する要望書が提出されています。「地元の要望に配慮するとともに、全市的な行政施設との調整を図りながら別途利用計画を策定する」とした市の方針に基づいて、同協議会の方々が地元住民の意見を聞き、提出したものです。

 そこで、伺います。

 1つに、該当地区の住民3,000名を抽出して意見を聞くことと、地元代表協議会等から出された要望書の扱いとどのような関係にあるのか。

 2つに、対象地域の既存公共施設の活用状況は、施設管理者を調査すれば正確な内容がつかめるはずですが、あえて住民側の活用状況を調査した理由は何ですか。

 3つに、アンケート結果の評価ですが、有識者アドバイザーは、磯辺1小と2小は「企業庁への返還が妥当」とし、さらには磯辺2中についても、3地区内の公共施設の連携強化の検討が述べられています。また、不動産関係者からは「用地売却」が触れられています。アンケート結果を市はどのように評価しているのか。また、有識者や不動産関係者からの意見について、どのように評価していますか。

 4つに、アンケート項目の設定にあたり、3.11の経験を教訓にした防災・減災の視点が全く触れられていないのは問題ではないですか。

 5つに、3地区の学校跡施設活用についての方針策定の今後のスケジュールについて伺います。

(2回目)

1.教育費の負担軽減策について

 日本学生支援機構の2012年度の奨学金事業予算の75%は有利子である「第2種奨学金」です。これを月10万円借りると4年間で総額480万円、利子が3%の場合、返還総額は646万円になります。月2万7千円、返還年数20年となります。返せなくなったら年利10%の延滞金が発生します。裁判に訴え、猶予を一切認めなくなり、延滞金の減額もありません。「サラ金以上に悪質」という声も上がるほどです。「低収入で月数万円の返済では親元から自立できない」と友人から寄せられます。国の奨学金が若者を苦しめる実態を変えなければなりません。

 政令市では、川崎市、新潟市、浜松市、岡山市、熊本市が「経済的理由のため就学が困難なものに対し、奨学金の貸付等を行なうことにより、社会に有用な人材の育成に資することを目的」として、また、「教育の機会均等を図り、本市の発展を支える有能な人材の育成を目指し」など、「教育の機会均等を図ること」が目的に掲げられています。

 1つに、教育委員会は、市立高校までの所管であり、大学や専門学校については、「各種の奨学金制度が整っていることから、経済的地位による教育上の差別はないもの」との答弁は、教育委員会の枠の中での考えにあるからです。千葉市民である子どもたちのことを見るのであれば、市全体で責任を持って、教育が保障されるように、この問題について考えるべきではないですか。

 市長自ら掲げた公約については責任を持って取り組むべきであり、本来であれば市長が答弁すべきです。あらためて、「経済的地位による教育上の差別」が生じていることについて市長の見解を求めるものです。お答え下さい。

 2つに、庁内の協議・検討に留めずに、有識者など第3者を含めた奨学金制度のあり方を検討する委員会の設置を求めます。千葉市に住む進学を希望する高校生や大学生が希望の持てる奨学金制度を実施すべきです。お答え下さい

2.美浜区の諸問題について

(1)JR京葉線について

 JRは「ダイヤ改正」を決定事項として、自治体等の意見が反映されないことや、「サービス向上」と言いながら、「みどりの窓口」閉鎖など、サービス低下を招いています。市民に不利益や大きな影響を与える問題については、当該自治体間との事前協議するよう市長など然るべき立場の方がJRに要求すべきです。お答え下さい。

(2)URや千葉大学等との包括協定・相互連携の現状と今後について

 商業施設や子育て支援施設、高齢者施設、医療機関、住宅が一体となった街は、少子高齢化社会に合わせた街のあり方と考えます。買い物も気軽に行け、住民の中にも時間的余裕がうまれ、すべてを完結できる街として、幸町団地がその第一歩の教訓となると考えますが、見解を伺います。

(3)学校跡施設について

 アンケートによる意見と地元代表協議会等から出された要望書との関係について、「広域的な検討となることからアンケート調査を実施した」としていますが、要望書は「地元代表協議会」等の方々が地域の意向を重視して作成したものであり、軽く見ていると言わざるをえません。既存公共施設への地域住民の利用についても磯辺・高洲・高浜と広域的に聞いた結果、利用率が低くなっており、正確な数値とは言えません。防災・減災の視点も明確にして検討すべきです。

 1つに、「年内を目途に利用方針を決定したい」との答弁ですが、跡施設の利活用にあたっては、その地域のまちづくりに大きな影響を与えます。3地区から出された「要望書」を踏まえた方針を策定するよう求めます。お答え下さい。

 2つに、地域住民の方々は災害時の避難所としての機能を見込んで、避難所運営委員会や災害対策に取り組んでいます。仮に活用方針で「企業庁への用地返還」や「用地売却」が出され、学校跡施設がなくなり避難所としての機能がなくなれば、市は住民の声を放棄することになりかねません。「防災機能を残した跡施設の活用」を明確にすべきではないですか。