もりた真弓議員の一般質問

2013.7.11

写真1.子ども・子育てについて

 はじめに、「子育て世代」の実態についてです。

 日本の少子化は依然として深刻です。女性1人が一生に産む子ども数の推計値である、合計特殊出生率の1.41は16年ぶりの回復ですが、昨年1年間に生まれた子どもの数は約103万7,000人にとどまり過去最低を更新しました。

 子どもを持ちたいと希望してもさまざまな困難を前に二の足を踏む。30歳未満の既婚女性の8割以上が希望の子ども数を持てない理由について「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」と答えています。

 安倍自民党政権がすすめる「成長戦略」は、子育て世代に苦難をもたらす政治をさらに加速させるものです。「解雇自由化」や「サービス残業合法化」は日本をますます子育て困難な国にしてしまいます。実際に子どもを育てながら、お母さんたちがどんな生活をおくっているか、紹介します。

 一人目の方ですが、中学3年生と幼稚園の年中さん、2歳と間もなく1歳になるお子さん、4人の子どものお母さんです。ご主人の仕事は自営業で、家計の収入の足しになるからと、年中のお子さんがまだ1歳になる前から、コンビニの深夜のアルバイトを始めました。夜の10時から夜中の2時まで週四日の勤務です。出産後2〜3か月は仕事を休んだけれど、今も週3回、深夜のコンビニの仕事をしています。「保育所は申し込んでも無理だろうし、3人預けると保育料が高くつく。それより夜中働いた方がいい。」とのことでした。来年は3人目が年少さんで幼稚園に入園です。上の子は高校生になり幼稚園には2人同時に通うため、さらに出費がかさみます。

 二人目の方は、年中と1歳のお子さんのお母さんです。24時間のファミレスのアルバイトで、夜の10時から夜中の3時か4時まで。時にはローテーションで夜10時〜朝の6時までの勤務もあるとのこと。「時給が高いので夜働いているが、朝6時までの勤務だと帰宅して家族を送り出すだけで精いっぱい。1歳の子は男の子で今ちょうど、外に出て遊びたい時期だけど、家の中で遊ばせて、その間に少し体を休めている。」とのことでした。

 昔と違って、今は幼稚園のお母さんは、クラスの3分の1が平日に仕事をし、3分の1は夜中家族が寝ている間に、宅配便の荷物の積み込みや、商品の陳列、早朝のパン屋のアルバイトなどの仕事をしています。幼稚園の送迎時のお母さんたちの会話に「今度開店する店の時給はいくら」などと話がでているとか。世の中の景気は一向に良くなる兆しもなく、仕事をしないと子どもを育てられない家庭が増えているのではないでしょうか。そこでうかがいますが、

 1に、乳幼児を抱えた母親が、子どもを寝かしつけた後、夫や上の子どもに世話を頼んで夜中に仕事をしている実態を把握しているのでしょうか。

 2に、子育て世帯の実態調査を早急に行うべきではないのか、お答えください。

 次に、保育についてです。

 今、紹介したように、働かないと家計を維持することができない家庭は確実に増えています。しかし、「保育所は足りないし、きっと入れない」とあきらめて申し込みもしていない潜在数はかなりあることが容易にわかります。

 7月3日付の日経新聞が「首都圏の自治体で待機児童の定義にばらつきの大きいこと」がわかったと報道しています。この間千葉市では、小規模保育所、駅前保育所などの増設や、既存保育所の定員増、幼稚園の預かり保育などで、待機児童解消を図ってきました。熊谷市長も、一定待機児童数を減らすことができたと評価しているようですが、本当に保育所の数は足りているのでしょうか。また、保育施設の環境など、預けられる子どもたちの側からの視点はあるのでしょうか。うかがいますが、

 1に、千葉市の待機児童には、希望通りの入所がかなわず育休を延長したり、一時的に別の保育を利用する子どもも人数に入れているのか。入所待ちの人数を入れると何人になるのか。

 2に、横浜市では、入所保留児童のうち、横浜保育室や家庭的保育に入所した児童が877人います。「親が育児休暇中」が203人、「自宅で求職活動」が100人、「特定の保育所のみの申し込み」も566人いますが、待機児童数からは除かれています。これをどう評価するのか。

 本来の待機児童とは、認可保育所の入所申込み者数から入所児童数を引いたものではないのか。入所を希望する全員が入所できるようにするのが本来の行政の役割ではないのか、お答えください。

 3に、園庭の無い保育所は、毎日の保育に支障が生じたり、災害時の一時避難場所など、庭のある保育所と比べてリスクを負っているのではないか。今後も園庭の無い保育所を増やすのか、うかがいます。

 4に、鉄道の高架下にある保育所は3歳以上の子どもの入所がほとんどありません。3歳以上児の定員に空きがあっても入所を希望しないのは、子どもが一日過ごす場所として適切といえないからではないのか。こうした保育所を増やしても、定員が埋まらなければ運営にも支障があるのではないでしょうか。

 第3は、幼稚園についてです。

 千葉市はすべて私立幼稚園です。幼稚園の保護者負担は軽いものではありません。今年の5月29日の幼稚園教育振興大会の大会宣言でも、「憲法で保障されている教育の機会均等を図るため、保護者の期待に応えられる幼稚園就園奨励費の増額を要望します」と宣誓されました。入園費、毎月の保育費用、制服代、バス代、給食費、行事や物品購入、長時間の預かり保育など積み重なるとかなりの負担になります。

 また、保育所の待機児童の受け皿としての預かり保育や、地域の子育て支援など、幼稚園の抱える課題が増える中で、行政側の支援も手厚くすることが求められています。そこで、うかがいます。

 1に、幼稚園就園奨励費について、過去5年間の金額の推移と国庫補助事業と市単独事業それぞれいくらか、お示しください。

 2に、園児一人あたりの就園奨励費の金額は増えたのか、減ったのか。増えたのは何人で、減ったのは何人かうかがいます。

 3に、幼稚園への支援についてです。障害児や特別な配慮を必要とする子どもを受け入れた場合、千葉市では幼稚園に対して、費用負担をしています。早期発見、早期対応の大切さから、先進市を見習って、発達障害に詳しい臨床心理士を雇って全幼稚園を見て回るなど、充実させることを求めますが、いかがですか。

 第4は、就学援助についてです。

 子どもたちが安心して楽しく学校生活を送れるように、憲法や教育基本法、学校教育法などに基づいて、義務教育である小中学校の子どもがいる家庭に、学用品費や学校給食費などを市町村が援助する制度です。親の経済状況がこれほど厳しいにも関わらず、千葉市の受給世帯は増えていません。教育委員会が率先して、必要としている家庭へ制度の利用を進めるべきです。

 私は平成22年3月議会での一般質問で就学援助制度について取り上げ、広島市では就学援助制度を受給している世帯のうち、生活保護受給世帯が8%、児童扶養手当受給世帯は20%、経済的に困っている世帯は65%が受給していると紹介しました。千葉市はその時、経済的に困って就学援助制度を受給している世帯が全体の28%とのことでした。うかがいますが、

 1に、就学援助受給者数の推移と、現在の受給割合はどうなっているのか。経済的に困って受給している方は全体の何%か。

 2に、千葉市は、生活保護世帯の1.0倍であることが受給枠を狭めることになっている。基準額の引き上げをするべきではないのか。

 3に、申請しやすい用紙への改善や、申請の受付窓口の拡充や手続きの簡素化については、研究・検討はされたのか。

 第5は、子どもの医療費についてです。

 子育て支援の最後に、子どもの医療費助成についてです。熊谷市長は市長選挙の公約に、小学校6年生までの通院医療費の助成を掲げました。子どもの医療費助成の拡充は、この間新日本婦人の会などの女性団体のみなさんが、くりかえし求めてきたもので、実施は当然です。お金の心配なく医療機関に通院させることができる制度は、子どもの健康と健やかな成長を保障するもので、県内で半数以上の28自治体が中学3年生以上の医療費助成に取り組む中、政令市である千葉市が子育て支援で遅れをとっていることこそ問題です。そこで、うかがいます。

 1に、市長が公約として選挙広報でも知らせた「小学校6年生までの医療費助成」の実施はいつか。

 2に、子育てするなら千葉市でというなら、中学3年生までの助成をするべきではないのか。

2.家庭ごみ有料化について

 来年2月1日実施予定の家庭ごみ有料化は、まだまだ市民のみなさんに知られていません。この間、町内会や自治会単位で、地域住民向けに開かれている市の説明会でも、さまざまな意見や疑問が寄せられており、ごみ袋の値上げは依然として納得されたとは言えない状況ではないでしょうか。

 先日、地域の方を訪ねた際に、「ごみ袋の値上げを全く知らなかった。」と言われました。詳しい説明をすると、「これまでの6倍ですか?」「いくらなんでも上げすぎでしょう。」と驚き、「それは困る。どうしてそんなことになったんですか。」と家庭ごみ有料化はとても受け入れられないとお話しされていました。

 また別の方からは、町会の説明会に参加した様子を、教えていただきました。「どこでそんなことが決められたのか。」「反対したところはなかったのか。」「今使っているごみ袋は近所の店でも取り替えられるのか。」「決められた場所でしか交換しないなら、そこまで行かれない人はどうしたらいいのか。」などなど次々に質問や意見が出され、紛糾したとのことでした。

 この間、意見を寄せていただいた方々からは、「経済的負担が増えることは本当に大変」という声を多くいただいています。市民の暮らしは厳しく負担増は深刻です。

 また、有料化することも有料化の時期も勝手に決め、行政が勝手に進めているとの受け止めをされていることも改めてわかりました。これでは、千葉市が進める「ごみの減量・削減」にも、市民の協力が得られるのか疑問です。

 今の時期に値上げに踏み切るのは拙速であり、有料化実施による市民生活への影響を慎重に考えることが必要です。そこでうかがいます。

 1に、可燃ごみの中から雑紙を資源ごみとして回収したことで、ごみの減量を大きく進めました。千葉市は、雑紙の分別から何を学んだのか。

 2に、行政が決めた結論を説明するだけのトップダウン式の有料化説明会の開催では、いくら回数を重ねても、住民の積極性や意欲、自覚を引き出すことは難しい。住民への周知さえ徹底すれば、ごみが減るのか。

 3に、有料化は「お金さえ払えばどうでもいい」という意識にさせ、市民と築いてきた分別や減量の取り組みを後退させる。ごみ削減にはマイナスだと考えるが、どうか。

 4に、不法投棄や不適正排出対策に、かえってお金がかかるのではないか。

 5に、市民に6倍もするごみ袋を買わせる、家庭ごみ有料化は実施するべきではない。今からでも見直すことを求めるが、お答えください。

3.花見川区の諸問題について

 図書館の利用についてうかがいます。

 さつきが丘公民館を利用している方から、閲覧室設置の要望をいただきました。

 公民館のロビーは出入り口付近に面しています。人の出入りのたびに、冷暖房などの空調が効かなくなることや、落ちついて資料に目を通すこともできないとのことです。さつきが丘公民館は以前、管理人が宿直しており、今はその部屋を予備室としています。貸し部屋としての利用もできるとのことですが、部屋の位置や設備などの条件があって、実際の利用はほとんどないようです。

 管理人が宿直していたスペースであるため、給湯器や炊事場などもそのままで、部屋の床や畳なども直されていません。本来は、使用目的が変わった時点でリニューアルも含めて整備されるべき場所だったと思いますが、「閲覧室を望む」市民要望に応えて対応してはどうでしょう。公民館のデッドスペースを市民に開放し、有効利用するために、以下うかがいます。

 1に、管理人の宿直室が残してあるが、使用目的はあるのか。

 2に、空いている部屋の市民利用を広げることは、公民館の大事な役割ではないか。

 3に、管理人室を整備し、図書室の閲覧室として利用することを求めるがどうか。

<2回目>

保育について

 千葉市は、国の「子ども・子育て支援新制度」の施行にあわせて、6月に設置した「千葉市子ども・子育て会議」で今後の事業計画を策定するとのことです。子どもと保護者のおかれている環境や実態を把握し、保護者のニーズを踏まえるための調査は当然必要です。

 特に、国が示す「保育所入所待機児童の定義」では、今年の4月1日時点で千葉市の待機児童は32人ですが、保育ルームや認可外保育施設などを利用したケースも含めると、入所待ち児童は231人です。また、申し込みをしていないが、潜在的に保育所を必要としている家庭数がどのぐらいあるのかは、まったくつかめていません。

 千葉市が以前「次世代育成支援行動計画(後期計画)」を策定する時に実施したアンケートは、今から5〜6年も前の調査ですから、子どもと保護者を取り巻く環境は、かなり変化しているはずです。幼い子どもを置いて深夜に仕事をしなければならない状況は、尋常ではありません。急いで実態を把握し、対応する必要があります。

 うかがいますが、

 来月実施予定の「保護者に対するニーズ調査」とは具体的にどんな内容か。

 調査の対象者や、ニーズ調査の期間、事業計画策定までのスケジュールはどうなっているのか。

 また、希望通りの保育所に入所できていない人にも、適切な対応をするべきだが、どうか。

待機児童解消について

 次に、待機児童解消のために「あらゆる手法を用いて、入所児童数の拡大に取り組む」とのことですが、「駅近くの利便性の高い場所に、ピンポイントで小規模な保育所を整備することは有効な手段」として、今後も小規模保育所の整備を継続することは必要との答弁でした。園庭の無い保育所や高架下の保育所でも、保育の実施上、問題ないとの認識ですが、そうでしょうか。

 保育室を一歩出たら、土があって、お日様や風にゆれる木々の風景があって、暑かったり寒かったりの季節を感じ、時には虫がいて小鳥が飛び交う、音や光を全身で受け止める。そうした環境がどこの保育所にも必要ではないのでしょうか。砂場や遊具や一輪車、ボールを使って自由に遊びを繰り広げる。五感で刺激を受けることで子どもは感性豊かに、健やかに発達できるのではないでしょうか。近隣の公園に、みんなでそろって出かけることとはやっぱり違います。「太陽の子を育てる」と公立保育所の設置をしてきた千葉市の保育方針はどこにいってしまったのでしょうか。

 うかがいますが、

 園庭の無い小規模保育所で、保育の質を確保できるのか。今後増やす認可保育所には、園庭をつくることを求めるがどうか。お答えください。

就学援助について

 次に、就学援助についてですが、受給者は微増で「経済的に困っている。特別な事情がある。」との理由で受給している人の割合は25%しかありません。受給者がいかに狭い範囲にとどまっているかわかります。他市と比べても、まだ受給できる人が広がる制度だと思います。

 就学援助の基準額の考え方ですが、政令市20市中、生活保護基準額を用いているのは、18市です。千葉市も入れて7市が1.0倍ですが、あとの11市は1.1倍〜1.5倍の基準額にしています。生活保護を受給していない家庭で、生活保護と同じ1.0倍の基準では、子どもたちの学びを保障できない実態があるから、自治体独自の基準額の上乗せをしているんです。いまこそ、就学援助制度の主旨を十分活かすべきではないのか。うかがいますが、

 1に、千葉市の小中学校の対象者がすべて申請できるように、制度を改善するべきだが、どうか。

 2に、8月に生活保護基準額が改定になると、就学援助の受給基準額が下がることになる。今の基準を引き下げないために生活保護基準額の1.0倍を1.2倍〜1.3倍へと改定することを求めるが、いかがか。

幼稚園について

 幼稚園については、就園奨励費が年々増額されているとのことですが、国庫補助事業分は増えても、市単独事業分は据え置きです。就園奨励費が手元に還元されるのは、翌年の2月。実費として先に支払わないといけない入園料も、毎月の保育料もお母さんが深夜のアルバイトをしないと、間に合わない状況です。

 子どもの通院医療費は熊谷市長の2期目の任期中の早い時期に、小学校6年生までの助成対象を拡大する意向です。お金がなくて子どもに通院を我慢させることが、実際にあるんです。子どものいのちや健康に係わる問題であり、住んでいる自治体で違いがあることを容認するわけにはいきません。

 市長が約束した小学校6年生までの通院医療費助成をただちにおこなうことと、中学校3年生までの実施をもとめるが、どうか。

家庭ごみ有料化について

 次に、家庭ごみ有料化についてです。

 この間「雑がみ」の分別では、種類も多く分別がわかりにくい雑がみでも、古紙回収量が大幅に増加するなど、市と市民が協力して前進させてきました。燃えるごみから資源ごみへ、環境に負荷をかけない暮らし方に賛同し、市民も積極的に分別に取り組む中で、それは達成感と自信につながりました。

 しかし、今度の有料化でごみの排出抑制をするやり方を、多くの市民は気持ちの上で受け入れていません。市民の減量意識が高まったとは言えず、ごみのリバウンドや不法投棄の増加を引き起こすことになります。

 行政だけでごみの減量はできません。市民の理解と協力で、ごみの削減をするべきではないのか。住民の声を尊重する姿勢はないのか。

お答えください。

花見川区の諸問題について

 最後に、花見川区の諸問題についてですが、「公民館施設は、有効かつ効率的に市民のために利活用する必要があると認識している」との答弁でした。「防災の備蓄庫や公民館文化祭等の催しの際の控室や臨時的な機材置場などで使用している」とのことですが、一年中文化祭をしているわけではありません。防災のための緊急の受け入れ先としての役割もあるならば、なおさら整備をして、いつでも使える場所にしておく必要があるのではないでしょうか。

さつきが丘公民館の管理人室の整備を行い、公民館図書室の閲覧室としての利用を求めておきます。