ふくなが洋議員の条例提案説明

2013.9.6

写真 発議23号千葉市被保護者等住居・生活サービス提供事業の業務の適正化等に関する条例制定検討委員会の設置条例の提案理由の説明を行います。

 この条例は生活困窮者から生活保護費を不当に徴収する「貧困ビジネス」の規制を行うとともに適正化をはかり、被保護者等の自立支援を図るための検討委員会を設置しようとするものです。

 同様の条例は今年3月埼玉県議会で全会一致により可決され、さいたま市では先の6月議会において全会一致で可決をされています。また大阪府にも同様の条例がすでに制定されています。

 千葉市議会においてもこれまで「貧困ビジネス」の問題は無料低額宿泊施設の劣悪な生活環境や建設をめぐりかなり議論が行われてきました。

 そうした中で千葉市では平成13年6月28日から「社会福祉法第2条第3項第8号に規定する宿泊事業を行う施設の設備及び運営に係るガイドライン」が制定され施行されています。それは第2種社会福祉事業(無料低額宿泊所)について事前相談、地域住民への事前説明、設備や運営基準などを示しています。

 ただ、あくまでガイドラインであり、現状では新たな無料低額宿泊施設の建設はある程度規制はされるものの、住居として妥当なのか又食事提供での問題はないのか居室面積はこれでいいのか金銭管理上の問題はないのかなど多くの問題があり入居者の自立支援には程遠い実態となっています。

 2010年6月18日日本弁護士連合会は「無料低額宿泊所」問題に関する意見を発表しています。これは第1種社会福祉事業の実態を有する無許可施設が第2種福祉事業として営業することを容認する平成15年7月31日の厚生労働省社会・援護局通知「生活困窮者のために無料又は低額な料金で宿泊所を利用させる事業を行う施設の整備及び運営について」は廃止を求めて、この日弁連の意見書においては「無料低額宿泊施設」について社会福祉法に照らし厚労省社会・援護局通知は誤りとの強い指摘を行っています。

 それは、そもそも社会福祉法では本来許可を得なければ第1種事業を営むことが出来ないにもかかわらず、この通知により無許可で営業することを認めることは重大な人権侵害である。

 さらに厚生労働省が社会福祉法の誤った解釈により地方自治体が混乱に陥り、規則権限を適正に行使していないことが明らかであるとも指摘しています。

 こうした経過を踏まえ条例制定の設置検討委員会では日弁連の意見書や厚労省社会・援護局通知に対する千葉市としての見解・対応を明らかにし、千葉市における無料低額宿泊所の実態や現在では脱法ハウスと呼ばれる無届けの施設等も視野に入れて適正化を図らねばなりません。

 国の法制化が求められますが現状ではなかなか進んでいません、そこでまず行政として「貧困ビジネス」を必要悪とする姿勢は早急に改めて、弁護士会や関係する市民団体など幅広く委員を組織して「貧困ビジネス」の問題解決に向けて行動することがどうしても必要です。

 そこで、まず千葉市における「貧困ビジネス」の実態を明らかにすることにより、市内の関連する施設すべてを行政が把握し指導できるようにしなければならないと考えます。

 また同じ課題を抱える他の自治体とも連携し国にも解決を求めるなど実効性ある条例にすることが必要です。

 この課題の基本は住居や福祉の問題でもあり率直に非常に困難な側面があります、当然千葉市だけで解決する課題ではありません。

 だからこそ千葉市がさいたま市に続いて「貧困ビジネス」の規制と適正化のための条例の制定を行い問題解決に踏み出す時です。

 「貧困ビジネス」の適正化をはかる条例提案に同僚議員の賛同を求め提案理由の説明を終わります。