ふくなが洋議員の議案質疑および答弁(要旨)

2013.9.11

 議案第87号平成25年度千葉市一般会計補正予算について

【ふくなが洋議員】

 最初に生活困窮者自立促進支援モデル事業についてです。

 補正予算額4,456万5千円で、財源はセーフティネット支援対策等事業費補助金補助率10/10です。

 この12月から実施をされますが、事業は自立相談支援事業、就労準備支援事業、就労訓練事業の推進、家計相談支援事業の4つがあります。

 この背景には現在、自公政権によって生活保護法改悪案と生活困窮者自立支援法の2つの法案で、生活保護受給者の削減と保護費の大幅カットを狙っています。

 そして最大の問題は、福祉事務所の窓口で生活保護の申請すら認めない「水際作戦」を合法化しようとする大改悪です。安倍政権が6月に閣議決定した「骨太方針」で生活扶助費にとどまらない大がかりな保護費削減を打ち出しています。さらに生活保護の改悪を突破口に社会保障制度の大改悪につき進もうとしています。

 今大事なことは、生存権を保障した憲法25条の全面実施と社会保障の充実が求められているのです。そこで伺います。

 今回の事業はこの国の生活保護改悪案とどのように関連するのか。

【保健福祉局長答弁】

 新たな生活困窮者支援制度は、生保受給者や生活困窮となるリスクが高い層が増加を踏まえ、生活保護前に自立支援策の強化を図り、生活保護制度の見直しと一体的に実施するものだ。H27年度から制度の本格実施へ、地域の社会資源や課題等を把握するモデル事業を実施するものだ。

【ふくなが洋議員】

 4つの事業は具体的にはどの様な内容なのか。

【保健福祉局長答弁】

 必須事業に位置付けられている「自立相談支援事業」は、生活に困った市民の相談を受け付け、その人にあった自立支援計画を策定する。その結果、生活習慣の確立や社会参加能力形成が必要な人には、「就労準備支援事業」で必要な就労準備への支援を行い、家計管理に関する指導が必要な人には「家計相談支援事業」につなげることになる。「就労訓練事業の推進」は、直ぐに一般就労が困難な人には、支援付きの就業機会の提供を行う「中間的就労を実施する事業者」の育成支援などを行っていく。

【ふくなが洋議員】

 就労準備支援事業に類似した事業として、生活保護の各種就労支援事業のこれまの成果を伺います。併せて「自立・就労サポートセンター設置事業」との違いなどについても明らかにしていただきたい。

【保健福祉局長答弁】

 就労準備支援事業に類似した生保受給者への各種就労支援には、原則として一般就労をめざす「就労促進事業」と、一般就労が困難な人に就労意欲を喚起する「農業等就労・社会体験支援事業」がある。昨年度の実績は、「就労促進事業」で支援対象者約1600人、就労者約650人、生保廃止件数77件、保護費の削減効果額は約1億6000万円だった。「農業等就労・社会体験支援事業」では、約160人の支援対象者のうち約80人が就労・ボランティア体験に参加している。就労準備支援事業と自立・就労サポートセンターとの違いは、就労準備支援事業が一般就労の前段階として、生活習慣や社会参加能力形成への援助や訓練を中心に行うが、自立・就労サポートセンターは、一般就労につくための支援を行う違いがある。

【ふくなが洋議員】

 中央区及び稲毛区に設置するとのことですがどこの場所に設置をするのか。

【保健福祉局長答弁】

 この事業の対象者は生保に至る一歩手前の生活困窮の人たちであり、生保の相談に来た人のうち保護に至らなかった人たちを想定している。そのため、市民からの最初の相談を受け付ける「自立相談支援事業」は、社会援護課がある両区の保護福祉センター内で実施することになる。就労準備支援事業や家計相談支援事業は、保健福祉センター内に設置する必要はなく、事業者の事業所内に置いて実施することも可能だ。

【ふくなが洋議員】

 現在、生活保護費の減額が8月から始まり、受給者の生活に影響が出始めています。集団訴訟も視野に自治体への不服を申し立てる「審査請求」が進んでいる。この審査請求への見解を求める。

【保健福祉局長答弁】

 審査請求は、不服のある者の申し立てで行政庁が審理、裁断する制度の一つだ。行政不服審査法に基づき、国民の権利利益の救済を図り、行政の適切な運営を確保することを目的に設けられたもので、本市としても適切に対応していくべきと認識している。

【ふくなが洋議員】

 今回の生活保護費の引き下げで、影響を受けるのは生活保護世帯の96%とされています。特に影響が大きいのが都市部の多子世帯とされています。国は「健康で文化的な生活」の科学的な根拠を示さず、生活保護基準以下で生活している人と比較して基準の引き下げを決めました。憲法違反の引き下げです。ここを支援しなければ自立支援は絵に描いた餅になるのではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 新しい生活困窮者支援制度は、生活保護基準の見直しや生活保護法の改正など生活保護制度の全般の見直しと一体的に実施することを前提に提案されている。本市としてもモデル事業の実施にあたり、十分な効果が上がるように努めていく。

【ふくなが洋議員】

 次に、障害者グループホーム等スプリンクラー設置補助事業費について伺います。

 利用者の安全確保のために早急な実施が求められています。スプリンクラーの設置はこれまで要望をしてきました。そこで伺います。

 補助率は基準額の3/4ですが、実態として設置義務のない小規模施設は苦しい運営を余儀なくされており、負担を実質的にゼロにするべきではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 これまで、スプリンクラー設置その他設備整備に関する補助でも、補助率は基準額の4分の3としており、今回もこれに準じたものだ。

【ふくなが洋議員】

 今回の設置補助事業ですべての障害者グループホームに設置が完了するのか。

【保健福祉局長答弁】

 市指定のグループホーム・ケアホーム59か所は全て、法令上設置義務はないが、既に5か所設置されており、この事業で設置される8か所を加え、合計13か所となる。今後は国・県の動向を注視しながら未設置施設への対応を検討する。

【ふくなが洋議員】

 総務省消防庁は、認知症高齢者が暮らすすべてのグループホームスプリクラーの設置を義務付ける方針を固めています。こうした施設への支援はどうなるのか。認知症施設への支援も急がれるにではないか。

【保健福祉局長答弁】

 今年8月末現在、認知症高齢者グループホーム92事業所のうち、91か所にスプリンクラーが設置されている。未設置の1事業所は、設置義務のない小規模施設だが、引き続き消防局と連携し、設置に向け指導を行っていく。

【ふくなが洋議員】

 次に、待機児童解消加速度プラン事業について伺います。

 待機児童解消では、安全・安心の認可保育所を大幅に増設することが求められています。しかし「詰め込みや」営利企への丸投げは認められません。保育所の増設では保育室の面積や職員配置の引き下げを許さず、計画的に改善する。国の責任で市町村の財政負担の軽減、国有地等の活用で建設用地の確保、認可保育所へ入れない子どもへの緊急措置の実施などが求められます。そこで伺います。

 認可外保育施設運営支援事業についてですが、保育ルームを対象にして認可保育所に移行支援をとのことですが、認可保育所においては先に述べたように質的な向上が必要ではないのか。

【こども未来局長答弁】

 市の認可保育所の認可基準は、保育士の配置や乳児室の面積など国基準を上回っており、保育の質確保・向上に努めている。今後、本事業の実施で、保育ルーム等の認可外保育施設が、認可保育所になるよう、有資格者の雇用や施設改善などへ努力することが期待でき、市全体の保育環境や保育の質向上につながると考えている。

【ふくなが洋議員】

 保育士等処遇改臨時特例事業についても、これまで改善を求めてきました。特に賃金が極めて低いことや労働条件の改善はどのようになるのか。また、専門職としての対応は。

【こども未来局長答弁】

 保育の担い手の保育士確保や質向上には、保育士が働き続けられるよう、専門性と職責に見合った処遇改善は重要だ。本事業は、保育士等の職員経験に応じ、きめ細かな加算率を適用し、現行の民間施設給与等改善費に上乗せし、補助するものだ。その使途は職員の給与改善に限定するので、保育士等の給与改善に確実な効果が見込めるため、保育士の定着率や保育の質向上につながると考えている。

【ふくなが洋議員】

 潜在保育士再就職支援研修事業についてです。これらも処遇等の問題で潜在化している問題をしてきました。この狙いは何か。根本的な課題は何と考えるのか。100万円の予算では不十分ではないのか。

【こども未来局長答弁】

 保育士資格がありながら、保育現場で働いていない潜在保育士になる理由は、待遇面も含め様々な要因が考えられるが、その1つに実務から長時間離れているため、現場復帰への不安がある。本事業は、最新の保育事情に係わる研修や実習を通じ、潜在保育士の不安解消と、保育士の仕事に再び関心を持ってもらい、保育人材を掘り起こす目的で実施するものだ。予算は、実施期間や対象人数、研修内容等を踏まえ来年度以降の効果的な取り組みを検討していく。

【ふくなが洋議員】

 国は待機児童対策として、新たな保育制度「小規模保育」について、そこで働く保育士の国家資格者の割合は「半分」でよいとする案を検討中です。これは質の低下を招くものであり問題です。この点について伺います。

【こども未来局長答弁】

 国の検討内容では、小規模保育事業の保育従事者は2分の1以上保育士にすることで、認可基準を満たす形態もあるが、無資格者には一定の研修受講が義務付けられ、保育内容に関する支援等を行う保育所・幼稚園が連携施設となるなど、保育の質への配慮がされている。また、国の定める事業者への助成金額も保育士の配置比率の向上に応じて増額する仕組みの検討など、保育士配置にインセンティブを与えるものだ。本市では、今後国から実施要綱や補助単価などの詳細が示され次第、保育の質にも留意しながら実施の検討を行っていく。

【ふくなが洋議員】

 併せて千葉市の保育環境の質の引き上げについて具体的にお答えください。

【こども未来局長答弁】

 本市では、子どもの安全と心身の健全な成長を図るため、1・2歳児の保育士配置基準や乳児室の面積などで国を上回る基準を設けている。また「市保育アクションプログラム」に基づき、保育士等の自己評価の推進、研修の充実、保育内容の監査体制の構築に取り組み、民間保育園での保育の質向上へ研修事業に助成するなど、保育の質の維持・向上に努めている。

【ふくなが洋議員】

 保育士が国家資格になったのは、命を預かり養護と教育を行い人間の基礎をつくる専門性が高い仕事だからです。この点について千葉市の考えについて伺います。

【こども未来局長答弁】

 保育所は、保護者から子どもの命を預かり、保護者に代わりその健全な心身の発達を図ることを使命としている。保育士は、保育所の役割と機能が十分発揮できるよう、専門的知識に裏付けられた技能を持って、子どもを保育し、保護者の子育てに関する様々なアドバイスや支援を行うなど、極めて重要な役割があると認識している。

【ふくなが洋議員】

 次に、住宅用省エネルギー設備等設置助成事業について伺います

 省エネは時代の流れです。そして、原発依存から再生可能・自然エネルギーへの転換が求められ、さらにエネルギーシフト求める国民の声が高まっています。そこでは省エネ推進は待ったなしです。そこで伺います。

 家庭用燃料電池システム、定置用リチウムイオン蓄電システム、エネルギー管理システム、電気自動車充給出設備、地中熱ヒートポンプシステムについてわかりやすい説明と効果について。

【環境局長答弁】

 家庭用燃料電池システムは、都市ガスやLPガスを分解して水素を取り出し、空気中の酸素と反応させ発電するものだ。また、この時の熱を利用し給湯するシステムで、導入することで二酸化炭素の排出量を4割程度削減することもできる。

 定置用リチウムイオン蓄電システムは、太陽光発電やエネファームで得られた電力を蓄え、夜間や災害時に蓄えた電力を使用する。

 エネルギー管理システムは、家庭内の使用電力を管理するシステムで、家庭内の使用電力を設定し、使用量が設定量に達したらエアコンの温度設定を変えたり、不要な機器の電力を切ったりできるシステムだ。太陽光発電や燃料電池を合わせて使用することで効率的な電力管理ができる。

 電気自動車充給電設備は、通常の電気自動車の充電器に加え、電気自動車の蓄電池から家庭に電力供給できるもので、災害時に電気自動車に蓄えた電力を家庭で使用できるもの。

 地中熱ヒートポンプシステムは、年間を通して一定の地中の熱を、夏の気温30℃を超す場合でも、20℃程度の地中熱を利用し冷暖房するものだ。このシステムは、通常のエアコンに比べ、電気使用量、二酸化炭素排出量を減らすことができる。

【ふくなが洋議員】

 市内業者の活用や市民が広くエコに取り組んでいることにも支援を行うべきではないのか。また千葉市に向いている省エネ事業とは何か。

【環境局長答弁】

 この助成事業は、本年6月に千葉県の補正予算で県下の市町村に対し、住宅用省エネ設備導入促進事業で補助金支出を制度化したことを受け、本市でも新たな助成制度を実施するものだ。省エネ設備導入にあたり、1人でも多くの市民に導入してもらう目的なので市内外の業者を区別していない。また、この補助事業のうちエネルギー管理システムなどは、戸建・集合住宅を問わず広くエコに取り組む市民に活用してもらえるものだ。

 今年3月策定の「再生可能エネルギー等導入計画」で、本市の地域特性から太陽光・太陽熱・地中熱・コージェネレーションの4つを積極的に推進する。従来実施している太陽光・太陽熱に加え、地中熱・コージェネレーション等の補助事業を追加した。

 議案第91号・千葉市国民健康保険条例の一部改正について

【ふくなが洋議員】

 市町村の国民健康保険は約3,500万人が加入しています。しかし、国保料は値上げ続きで、高すぎて払えないと悲鳴があがっています。例えば横浜市のこれまでの国保料は、障害者や高齢者がいる世帯、子どもなど扶養家族の多い世帯の負担を抑える算定方式でした。しかし、国保運営を市町村から都道府県に広げる政府の方針に合わせて横浜市は、今年度から独自方式をやめました。こうしたことは、全国的に進められており問題となっています。

 千葉市国民健康保険条例の一部改正は、これまでの保険料率を明示方式から告示方式に算定方法を変えるとのことです。そこで伺います。

 なぜ算定方式を変えるのか。その狙いはなにか。市民にとって簡単に負担を増やす方式に変えることではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 国保財政の運営が厳しくなることが見込まれており、累積赤字を増やさないために単年度収支の改善が必要だ。告示方式を導入し、保険料率算出方法を条例で規定することで、改定の根拠が明確になり、年度ごとの実質収支目標を設定することで、安定的な財政運営が可能となる。また、実質収支の目標を設定する際は、段階的に収支改善を図り、被保険者の負担に配慮していく。

【ふくなが洋議員】

 国民皆保険制度を下支えする国民健康保険は極めて重要な制度です。そのため原則として、日本国内に現住所のある人は何らかの公的医療保険に入ることになり、国保はセーフティネットの機能を果たしています。

 問題は、国保に加入する人は千葉市ではどのような構成になっているのか。無職や非正規雇用の人が増えているのではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 国保加入者の職業別構成は、市としての集計は行っていないが、H22年度の国の調査では、世帯主の被保険者で無職者が40.8%、被用者が35.3%、自営業が15.5%、その他が8.3%となっている。H17年度との比較で、被用者は約4ポイント増加しており、非正規雇用者も含まれていると考えられる。

【ふくなが洋議員】

 国保は、他の医療保険に加入できない人を支える重要な役割を果たしています。そのために国保加入者の多くは、保険料の負担能力が高くないのではないか。

【保健福祉局長答弁】

 保険料は、所得に応じた負担だが、国保は加入者のうち高齢者の割合が高く、また低所得者の割合が高く、他の医療保険制度に比べ、構造的に所得額に対する保険料負担が高いと認識している。

【ふくなが洋議員】

 そのことで他の被保険者保険と比べて、所得に占める1人当たりの保険料負担率を明らかにして欲しい。

【保健福祉局長答弁】

 国の統計では、H23年度の加入者の平均所得に対する1人当たりの保険料割合は、国保が9.7%、協会けんぽ7.2%、組合健保が5.0%、共済組合が4.9%で、国保がいちばん高い割合になっている。

【ふくなが洋議員】

 最も平均所得の低い国保加入者が最も高い保険料を支払っています。ここが問題であり、支払えるかどうかの視点が、国や千葉市にかけているのではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 国保制度は、所得の低い人の負担軽減の観点から、法律上一定以下の低所得の被保険者は、保険料の軽減が行われている。本市でも市独自の減額措置で、所得年額200万円未満の世帯には、応益割絵を1割減額している。

【ふくなが洋議員】

 高い保険料の主な理由は、国保の運営に対して国が国庫負担を削減したからではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 国保事業の安定的運営には、国の財政支援が必要だ。引き続き国に要望していきたい。現在、国では社会保障制度改革国民会議の報告を受け、国保制度の改革が検討されており、その動向を注視したい。

【ふくなが洋議員】

 そこで、国が負担を減らして自治体にその分を転嫁したのではないのか。自治体の繰り入れは住民の健康を支え、皆保険制度を下支えする国保の役割が重要だからではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 現状では、国保特別会計の収支不足を一般会計から繰り入れることはやむを得ないと考えるが、繰入には一般会計の財政状況を見極めながら、規模の妥当性に配慮すべきと考える。

【ふくなが洋議員】

 国民健康保険は社会保障ではないのか。

【保健福祉局長答弁】

 国保は、国民皆保険を支える重要な制度だ。将来にわたり持続可能で安定的な運営がされるべきと考える。

【ふくなが洋議員】

 今回の条例の大きな問題は、明示方式から告示方式に変更されることによって議会の審議がなくなり、国民健康保険事業の実態が分かりにくくなることです。この点について伺います。

【保健福祉局長答弁】

 告示方式は、各年度の当初予算案で一定の実質収支比率を前提に、必要となる保険料総額と条例に定めた算出方法で算出した保険料率を示すことで、明確な審議ができることになる。

【ふくなが洋議員】

 安倍政権は「効率的な医療提供体制への改革」として国保の「広域化」を計画しています。国保の広域化は国保の黒字化や収納率をアップした所が高く評価されたり、保険料引き下げの一般会計を繰り入れを減点するなどの問題が指摘されています。国保の広域化では国保の危機は解消しないのではないか。

【保健福祉局長答弁】

 国保の広域化には様々な課題があるが、広域化で財政運営の安定化が図られると考えている。国が運営主体などの検討が行われており、動向を注視したい。

【ふくなが洋議員】

 低所得者が多く加入して、保険料に事業主負坦がない国保は、適切な国庫負担がなしには成り立たないと考えないのか。

【保健福祉局長答弁】

 国保事業は、被保険者の保険料と国や県の支出金、被用者保険からの拠出金(前期高齢者交付金)が主な財源であり、中でも国庫支出金は財政基盤強化・拡充にとって必要であると考えており、その旨を国に要望しているところだ。

【ふくなが洋議員】

 この間、国は国保に対する国庫負担を医療費の45%から38.5%に引き下げました。その後も国保に対する国の責任を後退させました。その結果、市町村国保の総収入に占める国庫支出金の割合は、1984年度の50%から2010年度には25%に半減しました。千葉市での国庫負担の割合はどのようになっているのか伺う。

【保健福祉局長答弁】

 H24年度決算で、歳入総額に占める国庫支出金の割合は23.4%となっている。

 議案第94号・千葉市ユース・ホステル設置管理条例の廃止について

【ふくなが洋議員】

 昭和58年開設した昭和の森のユース・ホステルをニーズの変化、利用者の減少で廃止しようとするものです。そこで伺います。

 千葉市ユース・ホステルはどのような経過で建設されたのか。これまで果たしてきた役割は。またキャンプ場についても伺います。世界や日本において、ユース・ホステルの果たしてき役割や現状について。

【経済農政局長答弁】

 当初、本市のユース・ホステルは稲毛海岸にあり、S39年から潮干狩りや海水浴客に利用されていたが、埋め立てや近隣の団地化等で立地環境が変わり、自然環境豊かな昭和の森内に移設、S58年7月に現在のユース・ホステルが開設された。これまで果たした役割は、「青少年の健全な旅行を推奨し、低廉な経費で規律正しく宿泊させ、または交歓させる」施設として、設立当初は相部屋での宿泊や宿泊者全員によるミーティングなど宿泊者同士の交流を図る取り組みを行ってきた。今はこのような運営はされておらず、「見知らぬ者同士の交流」の目的より、青少年団体や部活動の合宿という団体利用が多くなっている。キャンプ場は、H24年度は年間19,000人が利用し、昼食や夕食にキャンプ場でバーベキューを行い、宿泊はユース・ホステルでとの利用形態もみられる。ユース・ホステルは、子どもたちが長期の徒歩旅行の際、セルフサービスや自己管理も学びながら宿泊できる施設としてドイツで発祥。その後は一人旅・家族旅行・グループ旅行等で世界各国や日本各地から集まる旅人の交流や情報交換の場として利用されている。滞在中の空き時間などに手軽に参加できる、その地域ならではの体験プログラム、地域の観光案内なども行われている。ピーク時のS49年には、日本全国で587か所のユース・ホステルが開設されていたが、H24年には224か所になっている。

【ふくなが洋議員】

 廃止にいたる経過を今一度明らかにして欲しい。また、関係者と十分な協議は行われてきたのか。

【経済農政局長答弁】

 現在の指定管理者を選定したH22年度に、当初目的の希薄化、利用者数減少、管理運営費の負担増、施設の老朽化などが課題となり、指定管理期間をH23年度から通常より短い3年間とし、休止・廃止を含め今後のあり方を検討してきた。H23年度には跡地利用について庁内調査したが、実現化が見込める利用方法を見出せなかった。庁内設置の資産経営会議では、千葉市ユース・ホステルをH25年度末で廃止し、跡施設の利活用は民間事業者の提案募集を行う方針を決めたものだ。

【ふくなが洋議員】

 もう少し経営改善や運営について、関係者との協議を行うべきではないのか。

【経済農政局長答弁】

 従来の指定管理者と運営改善や利用者増加策に取り組んでいるが、利用者数は抜本的な回復に至らず、宿泊者同士の交流を図る取り組みも利用者意識の変化から困難だ。当初の設置目的が薄れ、大規模改修も必要なことから、本市が多額の費用負担を継続しながらユース・ホステルを運営する必要性は低く、H25年度末で廃止することにした。

 議案第95号 千葉市保育所設置管理条例の一部改正について

【ふくなが洋議員】

 これは寒川保育所の位置を変更し、その後に廃止をするというものです。そこで伺います。老朽化をしていますが、今何故廃止をするのか。

【こども未来局長答弁】

 老朽化した園舎は、民設民営の整備・運営手法で建替え、H27年4月から保育所の運営を民間事業者に移管するため、H27年3月で公立保育所の寒川保育所を廃止するものだ。

【ふくなが洋議員】

 今後、民設民営で運営を行うとのことですが、なぜこれまでのように公設公営で運営を行わないのか。

【こども未来局長答弁】

 寒川保育所の建替えは、H24年度策定の「公立保育所の施設改善に関する基本方針」に基づき、リース方式での公設公営と民設民営手法を検討したが、新たに0・1歳児の受入れ、定員の拡充、一時預かりなど多様な保育サービスへの対応が必要で、周辺の就学前児童数、保育需要、立地条件など総合的に勘案し、民設民営での整備・運営手法を決定した。

【ふくなが洋議員】

 この保育所は、地元との交流がある素晴らしい保育所です。この地域との関係はどのようになるのか。

【こども未来局長答弁】

 地域とのかかわりは、民間移管の1年前から新しい施設長と主任保育士が引き継ぎを行い、移管前後6か月間で新旧保育士共同で保育を行い、寒川保育所が行っている育児相談や世代間交流、園庭開放、育児サークルやボランティアとの連携、地域行事への参加、寒川小学校との交流など、地域活動が民間事業者に確実に引き継がれるようにする。

 議案第97号・工事請負契約、千葉市立磯辺中学校大規模改造工事について

【ふくなが洋議員】

 これは、平成25年4月に総合校として開校した、磯辺中学校の本校舎となる旧磯辺第一中学校の校舎等を機能的に新設校と同等となるように校舎整備をするための大規模事業とのことです。そこで伺います。

 機能的に新設校と同等とのことですが、具体的にどのような整備になるのか。

【教育次長答弁】

 「市学校適正配置実施方針」に基づき、具体的には老朽部分の更新として建物の内外装、建築設備等の老朽部分の全面的更新を行い、機能性の向上としてトイレのドライ化で衛生環境の向上や普通教室等への換気扇設置を行う。また、現行法令への適合改修で、消火設備や防火戸等の改修、耐震安全性確保として耐震改修、強化ガラス交換など防災機能強化を図る。磯辺中学校は、統合校として開校しており、メモリアルホールを整備する。

【ふくなが洋議員】

 太陽光発電・中水利用・エコ対策・バリアフリーなどはどこまで進むのか。

【教育次長答弁】

 太陽光発電設備は、本校が津波避難ビルに指定され、校舎屋上を避難用スペースとするため発電設備の設置は困難だ。エコ対策としては、普通教室等の照明器具をHf蛍光灯に更新し、屋内運動場の照明器具をLEDに更新し省エネ化を図る。バリアフリー化では、エレベーターの設置、通路部分のスロープ設置やトイレの段差解消を行う。中水利用は、大幅なコスト増になるので設置は考えていない。

【ふくなが洋議員】

 入札にかかわり伺います。この入札で、松栄・常盤建設共同企業体が3億2,300万円、落札率97.33%で落札をしていますが、この落札率は高くはないのか。

【財政局長答弁】

 今年度の6月末までに執行した建築工事の平均落札率は、98.25%なので同程度だ。

【ふくなが洋議員】

 旭・式田建設事業体は3億4,500万円で入札して、予定価格超過となっていますが、この時期に予定価格を超えることは不自然だとの指摘もありますが、この点について。

【財政局長答弁】

 入札価格は、入札者が設計図、仕様書等に基づき積算し、入札した結果だ。

【ふくなが洋議員】

 総合評価落札方式について伺います。この入札でどのような効果があったのか。

【財政局長答弁】

 総合評価落札方式は、工事品質の向上や技術開発の促進、入札談合の抑制等の効果があると期待されている。落札者の決定は、価格と価格以外の要素を総合的に評価することで、市にとって有利な業者を落札者にすることができた。

 議案第98号・工事請負契約、千葉市営住宅宮野木第1団地第二期建替事業建築主体工事について

【ふくなが洋議員】

 この案件も入札について伺います。

 この契約も松栄・常盤建設共同企業体が9億9,000万円、落札率91.20で落札をしています。この入札の一番札は、9億8,000万円で旭・式田建設共同企業体が入札したにも関わらず、総合評価落札方式で評価値が低く落札できませんでした。この経過は分かりにくいので説明を。

【財政局長答弁】

 本工事では、施工計画、企業の施工能力、企業の社会性・信頼性を技術評価項目にしている。旭・式田建設共同企業体と松栄・常盤建設共同企業体について比較すると、施工計画は、旭・式田が6ポイント低く、施工能力も4.8ポイント低い。社会性・信頼性は同ポイントだった。このため評定点の合計は、旭・式田の34ポイントに対し、松栄・常盤が44.8ポイントとなったものだ。この得点から技術評価点を算定し、各々の入札価格で除して評価点を求めた。その結果、松栄・常盤が評価点が最も高くなったので落札者に決定した。

【ふくなが洋議員】

 同じ時期の工事の千葉市立磯辺中学校大規模工事でも松栄・常磐建設企業体が落札をしていますが、これは不自然ではないのか。入札に問題はなかったのか。

【財政局長答弁】

 入札にあたり、あらかじめ入札者から独占禁止法に違反していない旨の誓約書を提出させており、同一の共同企業体が落札したのは、あくまで入札の結果だった。

【ふくなが洋議員】

 入札にかかわり再度お尋ねします。松栄・常盤建設共同企業体と旭・式田建設共同企業体との差は、わずか1,000万円です。さらに鵜沢・山田建設共同企業体は9億9,000万円と同額の入札です。これらの入札全体が不自然ではないのか。

【財政局長答弁】

 入札価格は、入札者が設計図、仕様書等に基づき積算し入札した結果だ。入札価格は、積算内訳書を工事担当課で調査し、適正だったと確認している。