中村きみえ議員の一般質問への答弁(要旨)

2013.9.26

【教育次長答弁】

○ いじめ問題について

 本市では、「人間尊重の教育」を基調に、道徳教育や人権教育、心の教育、体験活動等すべての教育活動を通じて、いじめを許さない学校づくりに努めることが重要だと認識している。

 現在、国では「いじめ防止基本方針」策定が進められている。これに基づき各地方公共団体は「地方いじめ防止基本方針」等の対応をすることになっており、国・県の動向を注視したい。

 国の調査結果によると、「冷やかし」や「からかい」「仲間はずれ」などの心理的なものが半数以上を占め、「ぶつかられた」「叩かれた」と言った暴力を伴うものもある。また、スマートフォン等の普及で、今まで以上にいじめの実態が見えにくくなっていることが課題など、市でも全国と同様な傾向がある。

 学校は、子どもにとって最も安全・安心ない場所であるべきで、いじめ対策だけでなく学校生活全般で、子どもの命を守ることを最優先に取り組んでいる。いじめ解消に向け、日頃の観察やアンケート調査、教育相談等実施し、早期発見・早期対応に努め、全校組織で対応するとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、教育相談ダイヤル24など、相談体制の充実を図っている。

 本市では、いじめや不登校等の対応のため、本年度22校に加配教員を配置している。文科省では、来年度の概算要求で、いじめ問題への対応へ教職員配置を示しており、今後の国の動向を見て対応を検討する。

 いじめ問題等への対応では、心理の専門家のスクールカウンセラーの活用が不可欠だ。中学校に配置されたスクールカウンセラーが、学区小学校の相談にも応じている。問題行動等の低年齢化があり、本年度から新たに小学校の拠点校にスクールカウンセラーを配置している。複雑・困難な事例の増加で、過去5年間に5人の正規職員を増やし、警察官OBや相談・虐待対策担当課長を配置するなど、人員体制の拡充を継続している。より迅速・的確な対応へ引き続き体制強化を図っていく。

 現在、文科省の概算要求で、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の拡充が示されており、国の動向を見て対応を図りたい。

 教育委員会は、指導課はじめ教育センター、養護教育センター等で相談窓口を設けた他、いじめなど学校生活に関する悩みをいつでも相談できる「教育相談ダイヤル24」を開設。心理の専門家が相談に応じている。こども未来局でも児童相談所で、子どもに関するあらゆる相談に対応し、青少年サポートセンターでも学校や関係機関等と連携を図り、青少年の非行やいじめ等に関する相談を受けるなど、市の様々な機関で市民からの相談に対応している。

 現在、国の概算要求でいじめ対策等総合推進事業の中で、いじめ問題支援体制構築へ、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の配置拡充、外部専門家の活用なども示されており、市としても国の動向を見ながら、いじめ防止対策の充実に取り組みたい。

【保健福祉局長答弁】

○ 健診について

 「健やか未来都市ちばプラン案」では、がん検診と特定健康診査を生活習慣病の発症・重症化予防の取り組みの1つとして位置付けている。受診率目標は、国の「健康日本21」第2次計画や他政令市の実績を参考に、がん検診では50%、特定健康診査では45%に設定している。

 特定健康診査は、受診券を対象者全員に送付している。がん検診は、65歳以上の全員に、65歳未満で男性は35歳から、女性は20歳からの5歳ごとに、さらに過去、がん検診を受けた人にも受診券を送っている。両健診とも検診機関からの検診結果をデータ管理し、未受診者には受診勧奨を行っている。普及の取り組みは、市政だよりホームページ掲載、ポスター掲示、町内会の回覧等でも行っている。がん検診では、土曜検診の実施など受診環境の整備を図り、受診率向上に努めている。

 高齢者や障害者など施設に入所している人に検診を受けてもらうためには、施設管理者から働きかけてもらうことが重要だ。今年度から市内の養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、経費老人ホームに、検診に関する情報提供を行い、施設入所者へ受診勧奨のお願いを始めたところだ。さらに働きかけを行う施設を拡大するよう検討したい。

 H24年度の対象者数は1万2,841人、受診者数は623人、受診率は4.9%だ。受診の取り組みは、対象者に個別のお知らせを行い、ケースワーカーから受診の意思確認を行って、健診票を送付するようにしている。

 腹部エコー検査の有用性は認識しているが、がん検診の手法としては必ずしも有用性は検証されておらず、多額の費用が必要なことから、対象者全員が受診する健診に腹部エコー検査の導入は難しい。本市は、国民健康保険と後期高齢者医療の被保険者対象に、人間ドック費用補助を実施しており、ここで腹部エコー検査があるので、その受診を勧めている。

【こども未来局長答弁】

○ 保育について

 「子ども・子育て支援新制度」では、保護者が保育所入所を希望する場合、公立・民間ともに、申込の受理、利用調整、利用可能な施設のあっせん・調整などは市町村の義務とされている。保護者は市町村と契約することになる。

 給付額は、児童の年齢、保育の必要性、保育の必要量で決定される。支給認定区分、施設の規模等から保育の実施に必要な経費に応じて設定されることになる。株式会社の配当は、国で検討中であり、その動向を注視したい。

 新制度での利用者負担は、現行制度の利用者負担の水準、利用者負担能力を勘案することにしている。基本的に、現行制度の負担水準が維持されることになる。実費徴収や実費徴収以外の上乗せ徴収は、一定の要件が課されるが、その詳細は示されていない。

 新制度で、生活保護世帯や障害児など、特別な支援が必要な児童は、優先利用の対象となり、当該児童を市町村が利用調整して、利用可能な施設を斡旋する。施設には利用要請を行うことになる。

 本市では、国を上回る基準で認可保育所を整備しており、地域型保育給付も国から基準が示されるので、引き続き適切に対応していく。

 当該保育所は、保育と子育て支援事業を通じ、子ども・子育て支援に関し、中核的な役割を担う施設を市町村が運営に関与しつつ、民間法人に運営させるケースも想定して新制度に設けられるものだ。他市の状況も参考にし、事業の効果などを調査・研究していく。

 国の検討内容では、無資格者には一定の研修受講が義務付けられ、保育内容に関する支援等を行う保育所・幼稚園が連携施設になるなど、保育の質に配慮されている。国が定める事業者への助成金も保育士の配置比率で増額する検討がされ、保育士配置にインセンティブを与えるものだ。

 保育所入所申込をし、不承諾になっている入所待ち児童数は、9月1日で595人だ。本市では認可にあたり「屋外活動に関する計画書」作成を義務付け、その中で施設から公園までの移動の間や公園に危険場所がないか、その対処方法、職員の配置など明確化することになっている。その内容は、市社会福祉法人設立等審査委員会で審査し、保育士等の職員が確認・指導し、児童が安全に遊べる環境を整えている。

 昨年4月に開園した中央区の民間保育園は、9月1日時点で定員51人、入所児童数29人だ。今年4月開園した美浜区の民間保育園は、定員17人、入所児童数7人だ。

 静岡市では、待機児童数がH21年度まで20人程度で、新たに認可保育所を整備するほどではなく、緊急性の高い入所待ち児童を受け入れる認可外保育施設を限定的な措置として、H22年度に開設している。本市では、認可保育所の整備を積極的に進めており、待機児童園の整備は考えていない。

 H24年度決算ベースで、経常活動の支出に対する人件費の割合は、株式会社等が経営する9保育園の平均は65.2%、社会福祉法人経営の37保育園の平均は78.2%だ。人件費は、基本的には法人の内部管理の問題だが、当該保育園の人件費比率を精査した結果、調理業務などの委託のため、人件費比率が低く算出されている。調理業務委託なども人件費に含めて計算すると人件費比率は71.1%になる。

 本市では、保育施設の定期監査で、決算資料などにより民間保育園の経営状況を確認し、個々の職員に各法人の内部規定に基づき給与等が支給されているかなどを確認している。

 株式会社等の参入は、国の通知に基づきH12年から可能となり、本市でも「待機児童解消に向けた緊急3か年計画」で、H20年度整備から保育の質確保を最優先に、株式会社等の多様な運営主体の参入を認めている。H27年度からの新制度では、供給過剰による需要調整が必要な場合など例外を除き、申請内容が客観的な認可基準を満たせば、運営主体に関わらず認可することになる。

 本市の監査体制は、4人か5人の監査担当職員が、組織運営、人事管理、会計管理、施設等運営管理、入所者待遇等を監査する。開設初年度には保育士等の職員も同行し、保育内容等を指導している。H24年度の実績は、民間保育園35園を44回監査している。監査の頻度は、株式会社等の営利法人が年2回、それ以外の社会福祉法人等は2年に1回としている。

 運営費は、人件費、事業費、事務費に充てることになっており、それ以外は、一定の要件を満たしている場合は、賃借料や借入金の償還等に充当も認められている。労働基準法に違反しない限り、保育士の給与額決定は、法人の内部管理の問題だ。

 保育園で、運営事業者の本部会計と施設会社に経理を区分することになっており、運営費を法人本部の運営に要する経費に充てる際は、事前に本市に対し協議が必要であり、その内容を精査している。

【市民局長答弁】

○ 検見川無線送信所跡地について

 文化行政施策に関する事項などを審議する「市文化芸術振興会」で、文化施設は市が所有する施設を有効活用すべきだとの意見が出されており、当面は、既存の市有施設や民間施設の活用を基本に、市の文化振興に取り組んでいく。

【総合政策局長答弁】

○ 検見川無線送信所跡地について

 跡地の活用は、庁内の利活用要望調査を行ってきたが、今年度の文化財調査での送信所活用の可能性や活用する場合の用途・機能も考慮が必要だ。その上で、地元要望も勘案し、市全体の公共施設整備の在り方、施設の複合化や民間活力の活用や財源などを検討、更に防災の観点での検討を進め、次期実施計画策定の中で位置付けを目指したい。

【都市局長答弁】

○ マンション建設に伴う風害対策について

 建築物での風害の影響は、一般的にはシュミレーションなどで確認し、高層で大規模な建築物は、必要に応じて現地観測を行うこと。現地観測は、建築物の建設前と建設後にそれぞれ、1以上の期間、風の測定を行い、結果に基づき建築物の風の影響評価を行うものだが、現地観測を求めることは、業者には過大な負担になるので、指導は難しい。

 マンション建設事業者は、植栽を検討しており、市としても現状で可能な範囲での対応を指導していく。

 花見川区のマンション建設は民間事業者であり、事業者はすでに植栽の検討を既に進めている。行政として風量測定等の実施は、法的な指導基準がなく今後の検討課題だ。市としては住民と事業者双方の意見を聞き、指導していく。

<2回目>

【保健福祉局長答弁】

○ 健診について

 特定健康診査の未受診者に対し、生活習慣病は自覚がなく進行すること、健診の必要性を説明した受診勧奨の通知を、5歳刻みで抽出し送付していたが、本年度からは65歳までの全員に対象を拡大し、未受診対策強化を図っている。この通知の中で、がん検診も受診勧奨を行うことにしている。市政だより、ホームページへの掲載、ポスター・リーフレットの作成・掲示など、健診の重要性の啓発に努めていく。

【教育次長答弁】

○ いじめ問題について

 本市は、県の学級編成基準で、小学校1・2学年と中学校1学年で35人学級編成を推進し、全学年の実現に向けて、県教育委員会に要望していく。市費での少人数学習指導教員は、効果的な配置で、いじめなど生徒指導上の問題解決を図っていく。

【総合政策局長答弁】

○ 検見川無線送信所跡地について

 跡地活用は、次期実施計画に位置づけ、着手する必要があるため、引き続き地元意見も踏まえ具体案を検討していく。

【都市局長答弁】

○ マンション建設に伴う風害対策について

 風の影響が懸念される一定規模以上の建築物に対する指導基準は、今後の課題と考えており、関係部局と調査・研究していく。

【こども未来局長答弁】

○ 保育について

 保育所では、園庭の有無に関わらず、保育所保育指針等で、それぞれの状況に応じた創意工夫により、保育の質を確保し、日々保育を実施している。園庭のない保育所は、自然環境豊かな近隣の公園を利用することで、季節の変化や命への豊かな感性を育んでいる。

 今後も、比較的少人数で点在化している待機児童対策として、駅近くなど便利な場所に、保育の質確保を十分に留意し、小規模保育所整備を継続していく。

 運営費の配分は、法人の内部管理の問題だが、当期末の支払い残高が当該年度の運営費収入の30%を超える場合など、国基準に適合しない場合は、適切に執行するよう指導している。

 保育士の平均給与が、全職種の平均と比較し低い状況にあるのは、厚労省の全国統計調査などから十分認識している。本市はこれまでも9都県市首脳会議を通じて国への要望など、保育士の処遇改善に向け取り組んでいる。今回の「保育士等処遇改善臨時特例事業」は、使途が職員の給与改善に限定され、事業者には賃金改善計画の提出や事業実施後の実績報告を義務付けるなど、確実に職員給与改善が図られる内容になっている。