佐々木ゆうき議員の一般質問と答弁

2013.9.30

【佐々木ゆうき議員】

1.幕張新都心について

 幕張新都心にイオンモールが「幕張新都心拡大地区」に建設中で、千葉市初の大型ショッピングモールの出店としています。イオン側からは、12月20日9時にグランドオープンという発表がありました。このことについての千葉市の関わりについて質問します。

 初めに、「千葉市とイオン株式会社との包括提携協定」では提携事項として、13項目ありますが、今回のイオンモールの出店に際して、包括連携協定の位置付けと反映にむけての協議が行なわれたのか伺います。

【経済農政局長答弁】

 出店に関しては、大型店舗立地法に基づき協議を行ったところであります。また、包括締結協定においては「幕張新都心及びその他地域の活性化」が連携事項となっておりますので、今後、双方の資源を有効に活用できる事業に取り組んでまいりたいと考えております。

【佐々木ゆうき議員】

 提携協定では「幕張新都心及びその他の地域の活性化」が連携事項としてあるということですが、幕張新都心における12月オープンのイオンモールは先日報道発表されていますが、地元産品の販売をするなど地域経済との関係ではどのように取り組むのか。イオン側から提示されているものについて明らかにして下さい。

【経済農政局長答弁】

 現時点で、具体的な提示はされておりませんが、地産地消の推進や市産品の販売促進などについては、包括提携協定の連携事項にもなっており、今後調整して参りたいと考えております。

【佐々木ゆうき議員】

 報道発表では、モール全体の概要が明らかにされてきています。「仮称:よしもと幕張新都心劇場」や「カンドゥーカフェ」、「東映ヒーローワールド」などの出店決定が目立っています。イオンモールの約350店舗には地元企業の出店は示されているのか、伺います。

【経済農政局長答弁】

 現在のところ、イオンモールより出店者の詳細については示されておりません。今後、大規模小売店舗立地法に基づく届け出等により、地元企業の出店状況を把握して参ります。

【佐々木ゆうき議員】

 大型店立地法に基づく届け出などで確認するということですが、専門店の概要を見ると「千葉初」という店舗が多いのがわかります。

 大型店の出店は、ただちに影響を与えることがなくても、地元の小売業者をじわじわと弱らせていきます。他店との競合、地域経済や地域の商店街への影響は計り知れません。地域の商店街が疲弊するなかでの新規の立地となります。地域経済への影響をどのように見ていますか。

【経済農政局長答弁】

 「イオンモール幕張新都心」は、商圏が広く、市外からも多くの来店者が見込まれるとともに、新たな雇用の創出をもたらすものと考えております。こうしたことから、周辺の商店街等におきましても、商圏の拡大や商品購買力の増大が見込まれるなど、一定の効果が期待できるものと考えております。

【佐々木ゆうき議員】

 一定の効果が期待できると言いますが、車を利用しないと買い物などが行なえないため高齢者や障がい者をはじめとする方々が、快適に買い物できる環境になるのか疑問です。若い世代はますます商店街から離れていく可能性もあります。

 内閣府の2005年に行なった「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果」では「日常の買い物に不便を感じる」が16.6%となっています。高齢者や障がい者など弱者が買い物弱者となり、「車がなければ買い物に行けない」「ちゃんと商品を見て買いたい」というニーズに応えるために、生活者の利益を全体として維持・増進させる視点について、イオン側にどのように求めていますか。

【経済農政局長答弁】

 イオンモール幕張新都心へのアクセスにつきましては、バス事業者との連携により、最寄駅である海浜幕張駅、新習志野駅及び幕張本郷駅とイオンモール幕張新都心を結ぶ新規路線バス4路線、新設バス停4か所の設置を計画しているとのことであります。また、施設面では、高齢者・障害のある方など、訪れる全ての人々が快適にショッピングを楽しむことができる「人と環境に配慮したショッピングモール」であることが重要であると考え、ユニバーサルデザインを導入するとのことでございます。さらに、消費者の観点から新規出店により周辺店舗のサービス向上や商品の選択肢の拡大などのメリットが見込まれます。これらのことから、多くの生活者にとって利益をもたらすものと期待しております。

【佐々木ゆうき議員】

 雇用の確保についても市民の雇用を優先にしなければなりません。従業員の募集が始まり、今月22日に合同面接会が開催されました。イオンモールにおける正規・非正規雇用、障害者雇用の募集状況について、概要を明らかにして下さい。また、市民の雇用の位置づけを協議されたのか、伺います。

【経済農政局長答弁】

 モールに出店する各企業が個別に採用を行うことから、正規・非正規雇用数や障害者雇用の募集状況は把握しておりませんが、全体の従業員数は約6,000人以上で、通勤可能圏内から採用していく方針と伺っております。また、先日も地元ホテルで合同面接会が行われるなど、市民雇用にも配慮を頂いていると考えております。

【佐々木ゆうき議員】

 モール内に入る店舗が撤退した場合には、そこで働く正社員や非正規雇用の、雇用の安定は守られるのでしょうか。県と市への説明はあるのか、伺います。

【経済農政局長答弁】

 仮に、店舗が撤退する場合は、店舗を経営する企業のそれぞれの状況により対応することになると考えております。また、その際に千葉市に対する個別の説明を求めることは考えておりません。

【佐々木ゆうき議員】

 店舗や企業の判断によるのではなく、撤退した場合の雇用の確保・維持を自治体として対応できるようにしなければならないと考えます。

 郊外に出店した大型店が撤退し、地元商店街も疲弊してしまったケースがあります。イオンモールの土地については分譲と定期借地にした部分があるとのことですが、定期借地の年数と、撤退した場合のペナルティについて、伺います。

【総合政策局長答弁】

 イオンモールの土地について、定期借地の年数と撤退した場合のペナルティについてですが、企業庁からは、事業用的借地契約の年数は20年と聞いております。また、撤退した場合のペナルティについてですが、仮に借地権の譲渡あるいは転貸もなく撤退した場合は、契約の規定に反する行為となることから、違約金を徴し、損害が生じた場合は損害賠償の請求を行うことになると聞いております。

【佐々木ゆうき議員】

 大型店の出店に際しては、まちづくりの観点、生活者の利益の観点などで立地調整を行なうことが必要です。イオンモールについてはすでに建設していることからも、イオンモールが地域にどれだけの貢献をするのかが問われていると考えます。

 熊本県では「大型店の立地に関するガイドライン〜大型店による主体的な地域貢献の促進」として、一定規模以上の大型店について、広範囲にわたり生活環境やまちづくりなどの面で地域社会に大きな影響を与えるため、その規模にふさわしい地域貢献が求められるとして、ガイドラインの主旨に沿って地域づくりの取り組みへの協力・地域経済活性化の推進その他の地域貢献活動を行なうよう地域貢献計画書の提出を求めています。また、福島県では「福島県商業まちづくりの推進に関する条例」で、地域貢献活動計画等の報告を求め、既存店を含む特定小売商業施設設置者は、計画と実施状況の内容を報告、公表をしています。

 この熊本県や福島県の施策の特徴と、市の見解を伺います。

【経済農政局長答弁】

 熊本県の「大型店の立地に関するガイドライン」は、豊かな地域コミュニティを構築していくために、大型店に対し、企業の社会的責任としての主体的な地域貢献を求めるとともに、地域住民等との十分なコミュニケーションと連携のもと、地域の実情に即した形で地域貢献を進める上で必要となる取り組みを定めるものとなっております。また、福島県の「商業まちづくり推進条例」は、将来に向かって、環境への負荷の少ない持続可能なまちづくりや歩いて暮らせるコンパクトなまちづくりを推進するため、「小売商業施設の立地ビジョンの策定」「特定小売商業施設の立地の広域の見地からの調整」及び「特定小売商業施設の地域貢献活動の促進」の3本の柱から構成されております。店舗面積1万平方メートル超の特定大型店は、その充実した組織体制等を背景に、既に多方面で地域貢献に取り組んでいるところですが、企業の社会的責任として、さらに積極的な貢献が期待されているところであり、本市も千葉県の「商業者の地域貢献に関するガイドライン」に基づき、大型店の地域貢献を支援して参ります。

【佐々木ゆうき議員】

 では、イオンモールにおける地域貢献への計画と報告を求めること、その内容についての市ホームページ等での公表について、市の見解を伺います。

【経済農政局長答弁】

 千葉県の「商業者の地域貢献に関するガイドライン」に基づき、市として適切に対応して参ります。

【佐々木ゆうき議員】

 防災の取り組みも地域貢献の面から重要です。東日本大震災の時に福島県では、「略奪が起きる危険性がある」との理由で、東京に本社を置く大型店の1階のシャッターを閉めたことが問題となりました。このようなことがあってはなりません。イオンモールにおける地域住民への食料や水などの供給体制は協議しているのか、伺います。

【総務局長答弁】

 これまでも、流通事業者等と食料や生活必需品の供給などの災害協定を締結しており、今後、イオンモールとも協定締結に向け協議をして参りたいと考えております。

【佐々木ゆうき議員】

 千葉市に本社を置く大企業である「イオン」には、その持っている資金力、販売力、情報力などを、とりわけ市民の利益に沿う報告にその力を発揮すべきであると考えます。市として、その社会的影響力や経済力に応じた社会的貢献を求めることが必要です。雇用や原材料・サービス調達、環境保全などのあらゆる分野で、地域に貢献する企業としての役割が求められます。市は、各地域の商店街や卸小売業が壊滅的打撃を受けることのないよう、イオン任せにしないことを求めておきます。

2.千葉市空襲犠牲者について

 市は1945年6月10日と7月7日、B29による空襲を受けました。千葉市史によれば、この空襲で死傷者は1,595人、被災戸数は8,904戸、被災者は4万1,212人となっています。また一説には死傷者約890人という数字もあります。第2回定例会で、市の答弁で公式の名簿ではない「戦災死没者名簿」があり、作成時期・目的・経緯が不明、資料としては不確かなものがあるとされています。空襲犠牲者の数や氏名の正確な把握について、再度質問を行ないます。

 現在、公表されている空襲犠牲者の数について、800人台から1,595人と諸説ありますが、なぜ犠牲者数が正確ではないのか、お答え下さい。

【保健福祉局長答弁】

 当時の犠牲者の氏名・住所等を記録した公式の名簿等が存在していないため、犠牲者の正確な人数を把握できない状況にあります。

【佐々木ゆうき議員】

 犠牲者数がバラバラであり、市として正確な犠牲者数の把握をする考えはあるのでしょうか。本来であれば責任を持って把握すべきものではなかったのか、伺います。

【保健福祉局長答弁】

 天災をはじめとする様々な災害による犠牲者を把握することは、行政に求められる役割の一つであると認識しておりますが、本市が受けた大規模な空襲は、その被害の大きさや、当時は行政機能がほぼ停止していたと考えられることなどから、東京などの他都市と同様、犠牲者の正確な把握は極めて困難であったものと考えております。なお、平和行政の重要性については十分認識しており、千葉空襲のあった7月7日には、毎年、歴代市長が桜木霊園内にある「戦没者戦災死没者慰霊碑」に拝礼しているほか、10月には「戦没者追悼式」を挙行し、先の大戦で尊い命を失った全ての方々のご冥福と平和を祈念しております。

【佐々木ゆうき議員】

 その戦没者・戦災死没者の碑がありますが、戦災の経緯も犠牲者数も記されていません。この碑は、どのような建立の経緯があったのか示していただきたい。

【保健福祉局長答弁】

 桜木霊園内にある「戦没者戦災死没者之慰霊碑」は、先の大戦において死没された本市民の御霊を慰めるため、昭和48年に本市が建立したものです。

【佐々木ゆうき議員】

 その当時の建立についての公式文書が残されておらず、空襲犠牲者の数や氏名の把握は曖昧になっています。先の議会で、空襲犠牲者の正確な人数が定まっていないために、空襲犠牲者の情報を市民団体が集めていることを紹介しました。

 市民団体が「犠牲者の氏名を市に紹介しても、協働して調査しようと提案しても、個人情報保護法あるいは個人情報保護条例に該当するとして、前に進まない」との意見をいただきました。この間、「個人情報として不開示情報に該当する可能性もあり、市民団体が収集した情報との照合は困難」とする答弁でしたが、その根拠となる条項はあるのか、伺います。

【保健福祉局長答弁】

 千葉市情報公開条例では、第7条第2号で不開示情報として「個人に関する情報で特定の個人を識別することができるもの」を定めており、地域福祉課で保管する「戦災死没者名簿」に記載されている約400人の氏名等は、この事項に該当する可能性があります。

【佐々木ゆうき議員】

 情報公開条例の第7条2項に該当する可能性があるとのことですが、いま市内で市民団体が取り組んでいる情報収集の先には、空襲で亡くなった犠牲者氏名を把握、記録し、市民全体の空襲記念碑を建立したいという具体的な活動を行なうとのことで、この活動には公益性があると考えますが、見解を伺います。

【保健福祉局長答弁】

 本市では、市内の戦災死没者の遺族で構成し供養等を行うほか、千葉市戦没者追悼式の開催に協力している、「千葉市戦災死没者の会」に対し、その活動に一定の公益性を認め補助を行っております。これと同様に、ご指摘の市民団体の行う活動についても、団体の設立目的、活動内容や効果等により公益性の有無を判断すべきものと考えております。

【佐々木ゆうき議員】

 市民団体のみなさんと市で十分協議することが必要だと考えます。空襲犠牲者の氏名を把握してこなかった市にも責任があります。

 遺族に照会して、空襲犠牲者の氏名や住所を市民団体へ提供することが可能か確認することはできないのか、伺います。

【保健福祉局長答弁】

 千葉市個人情報保護条例第8条第1項では、実施機関が収集した個人情報を、当該実施機関以外のものに提供することを禁止している一方で、同条同項第1号で、「本人の同意があるときはこの限りでない」としております。また、その情報が死者に関する情報である場合は、遺族などの血縁者の個人情報として扱われることもあるため、市が保管している「戦災死没者名簿」に記載されている戦没者氏名などを市民団体に提供する場合は、名簿に記載されている全ての遺族の同意を得る必要があります。しかしながら、名簿自体が資料として不確かなものであることに加え、作成から相当年数が経過しており、遺族の方の状況が大きく変わっているものと思われることなどから、実際に遺族の同意を得ることは極めて困難であると考えております。

【佐々木ゆうき議員】

 2年後には千葉市空襲から70年を迎えます。千葉市の歴史上で多くの犠牲者を出した空襲、または戦争を繰り返してはならないというのが犠牲者や体験者の願いです。空襲で亡くなった市民や市外に籍のある方の名前を掌握して、戦争への反省をすることで、本当の慰霊となります。

 いま空襲被害者への補償等援護法の制定を求める全国空襲被害者連絡協議会が、人間回復ための「差別なき戦後補償」を求めて、立法化運動を進めています。戦時中、戦争に協力していた市が空襲の犠牲者の氏名の調査をすることは自治体の責務であることを強く求めて、次の災害対策に移ります。

3.災害対策について

 初めに、地域防災計画についてです。

 防災計画は、災害対策基本法の規定に基づいて、市民の生命・財産を災害から守るための対策を実施することを目的に、災害に関わる事務や業務に関して関係機関などの協力を得て、総合的かつ計画的な対策を定めた計画です。

 民間事業所や地域コミュニティの防災との融合を図り、協働の防災計画とするために、災害対策基本法改正で、自主防災組織の代表者の防災会議への参加が認められており、市の防災会議に自主防災組織の代表者や各専門の研究者など、その具体化を市としても進めています。こうした方々の視点を取り入れるための具体策について伺います。

【総務局長答弁】

 防災会議の委員及び専門委員として、自主防災組織の代表者や大学教授等の学識経験者のある方など、幅広い分野から新たに8名の方々に加わっていただき、地域防災計画及びそれに基づく各種防災対策について、地域における生活者の視点や専門的見地などから様々なご意見をいただくことにより、さらなる充実・強化を図ることとしております。

【佐々木ゆうき議員】

 様々な視点を取り入れることは重要で、特に防災計画では予防対策と復興対策の充実を図って、これまでの応急対策からの脱却をすることが求められています。

 耐震補強や家具転倒防止金具取り付けをどのように進めるかなど、具体的な目標の設定など実効性ある計画の策定をいつまでに行なうのか、伺います。

【総務局長答弁】

 耐震化については、「千葉市耐震改修促進計画」の中で、市内の建築物の耐震化の目標を定めており、家具転倒防止金具については、取り付けが困難な高齢者や障害者世帯に、その取り付け費用を助成するほか、各家庭においては、家具や大型家電製品等の転倒対策を行うよう、重点項目として啓発を行っていくこととしております。今後も、耐震化や家具の転倒防止対策などを推進するとともに、具体的な目標の設定など実効性ある計画の策定に努めて参ります。

【佐々木ゆうき議員】

 地域防災計画でできないことを建前として羅列するのではなく、できることを確実に達成していくことも必要との専門家からの指摘もあります。その検証を市はどのように行なうのか伺います。

【総務局長答弁】

 地域防災計画を評価し、検証することは重要なことと認識しており、評価・検証するための基準やその手法について、検討を進めるとともに、今後、防災会議に地域防災計画を評価・検証するための部会を設置することを検討して参りたいと考えております。

 計画そのものについては、職員自ら使えるものにすること、職員の防災計画についての研修について、伺います。

【総務局長答弁】

 平成24年度から、新規採用職員研修に新たに加えた「消防学校研修」の中で、消火活動訓練、救出・救護訓練などの実技講習と千葉市地域防災計画についての講義を行うとともに、課長研修においても、新設科目の「防災・危機管理」の中で、防災知識や防災計画について研修を実施しております。さらに、今年度、新規採用職員研修に「避難所運営訓練」を加えたほか、夜間講座で避難所運営に関する講座を実施しました。今後も、防災に関する啓発、災害時行動マニュアルや担当業務の確認など、各所属における職場研修と合わせ、職員の防災計画についての研修の充実に努めて参ります。

【佐々木ゆうき議員】

 実際の災害時における職員体制と対応についてです。阪神淡路大震災と東日本大震災では、自治体職員の「初動態勢」が問われました。職員自ら使える計画と表裏一体ですが、職員も一人の人間としての人権もあり、それへの対応も必要です。

 職員自身の生命を守ることが、住民サービスにも影響してくるため、職員の安全対策の位置付けも必要ではないですか。

【総務局長答弁】

 災害時における初動態勢の確立においては、職員自らはもとより、家族の身の安全の確保が図られること、職員の災害応急対策活動への従事にあたっては、二次災害を防止するための安全確保対策を徹底させることを大前提としております。また、地域防災計画においては、こころのケアを含めた職員の健康管理を十分に行い、適宜、休息時間を設けるなど従事職員の適切な交替に配慮するものとし、特に全員配備の場合は、長期の対応に備え、早期にローテーション計画を作成し、計画的な配備体制に努めるものとしております。

【佐々木ゆうき議員】

 次に、災害後、避難所での長期避難の際に、食糧支給について、災害救助法では国から1人1日1,010円の補助がありますが、健康や体調管理の上では、被災者一人ひとりの体調に合わせたものを作れるようにしなければなりません。

 実態に合わせた制度の向上を国に求めてはどうですか。また地域経済の復興に取り組む視点も必要であり、包丁やコンロなどの購入、地元商店で生鮮品の購入ができるようにするための市の見解について、伺います。

【総務局長答弁】

 被災者の避難所での生活について、災害の規模や態様等に応じ、適切に対応できるよう、基準額の引き上げ等について、必要に応じて県や国と協議して参ります。また、災害時の食料や生活必需品の調達については、災害の発生状況に応じ、災害協定を締結している流通事業者等からの調達や自治体間の相互応援協定の活用などにより対応するとともに、局所的な災害など地元商店が活用できる状況においては、その活用について十分に配慮して参ります。

【佐々木ゆうき議員】

 電気・水道・ガスなどのライフラインについても、平時から市としても関連会社の供給体制を把握しなければならないと考えますが、見解を伺います。

【総務局長答弁】

 電気・水道・ガスなどのライフラインについて、災害時に備え、平時から各事業者と連携を図り、供給エリア、供給状況等の把握に努めて参ります。なお、地域防災計画では、ライフライン事業者の災害時の活動体制、応急措置、応急復旧対策等について定め、早期の復旧が図られる体制の整備に努めております。

【佐々木ゆうき議員】

 企業との関係で美浜区では、幕張新都心の企業の地下などには深井戸を利用した専用水道と貯水槽が設けられています。水の確保は被災者や避難者の命にもつながります。防災協定を結んで、災害時に地域住民に周知して活用できるようにするよう提案します。

【総務局長答弁】

 災害時の飲料水・生活用水の確保対策として、避難所となる小学校等に非常用井戸や蛇口付き受水槽を、区役所、消防署所等に井戸付き耐震性貯水槽を整備しているほか、井戸を所有している市民や事業者等の皆様にご協力いただき、災害時に提供していただけるよう協定を結んでいるところです。企業の専用水道や貯水槽の活用については、今後、所有する企業と災害協定の締結について協議をして参りたいと考えております。

【佐々木ゆうき議員】

 いつまでに協定を結ぶのか示すべきです。お答えください。

【総務局長答弁】

 災害時に市民の方へ給水を行う方法、利用時間及び費用負担などについて、専用水道や貯水槽を所有する企業と協議を行い、整い次第、災害協定を締結して参ります。

【佐々木ゆうき議員】

 災害の発生を最小限に抑え、被害の拡大を防止するため、防災を無視した開発をやめ、必要な防災施設の整備と安全点検を徹底するなど防災のまちづくりをすすめることが求められています。災害はどこで起きてもおかしくありません。特に地震による被害を最小限にくい止めるうえで、住宅の耐震診断と耐震補強を計画的にすすめることが不可欠です。「予防原則」に基づき、一つひとつの災害のリスクを取り除くためにも、災害対策を質量ともに充実させていくことや、応急対策においても企業等との協定を結ぶよう求めておきます。

 次に、液状化対策についてです。

 現状は、昨年12月に「地下水位低下」と「格子状地中壁」の工法の検討が示され、今年4月に「格子状」については市の財政的支援を公表されています。モデル地区である磯辺4丁目63自治会内での「地下水位低下」の実証実験が10月中旬より行なわれることとなっています。

 モデル地区の実証実験のスケジュールと、モデル検討地区の現状など、2015年度までに実施計画を復興庁へ提出するスケジュールについて。

【都市局次長答弁】

 まず、モデル地区の実証実験のスケジュールですが、現在、敷地内に模擬家屋の設置を行っており、10月中旬から地盤沈下量を確認するための観測を開始し、年内には、液状化対策推進委員会に実験の中間報告を行い、委員会からの意見を踏まえ、住民の方々に説明する予定であります。なお、実証実験は、平成25年度末まで継続する予定であります。

 次に、検討地区の現状ですが、既に、磯辺8丁目と真砂5丁目において2地区を選定し、詳細な地質調査などを実施しております。今年度、新たに幕張西地区において1地区を追加する方向で、現在、地元と候補地などについて調整をしております。今後は、個人負担を軽減するための国の補助が示され次第、説明会を開催し、住民合意が得られた地区から実施に向けた詳細な検討を行い、実施計画を作成した上で、復興庁へ提出したいと考えております。

【佐々木ゆうき議員】

 対策における住民合意が課題であることはこれまでも触れてきましたが、計画策定に向け、合意できない住民が出た場合の千葉市の考えについて、伺います。

【都市局次長答弁】

 現在、進めている液状化対策推進事業は、国の選択準では地権者の3分の2以上の合意が必要となっておりますが、本市としては100%の合意を目指しております。既に、個人的に対策を講じていることや負担額などに対して合意を頂けない地権者が出た場合には、道路と宅地との一体的な再液状化対策の趣旨を十分説明し、事業の必要性を認識していただけるよう努めて参ります。

【佐々木ゆうき議員】

 やはり、費用負担が明確にならない限り、合意も進まないのだと感じます。美浜区の液状化被害地域は、高齢化が進んでおり、対策の費用負担も厳しいです。

 浦安市の資料によれば、宅地の部分についても公と民の負担が1対1という負担割合が示されています。千葉市においても負担割合を明確にし、国に強く働きかけるべきと考えますが、お答え下さい。

【都市局次長答弁】

 道路と宅地の一体的な再液状化対策を行うためには、官民の負担割合を明確に示すことが合意形成に大きくかかわることから、本市としても国に対して、早急に負担割合を明確に示してもらえるよう要望しており、現在、所管省庁である復興庁と協議を行っております。

【佐々木ゆうき議員】

 そもそも「個人の資産形成になる」などといって個人住宅の復旧を国が支援しないことが復興の最大の障害になっていると考えます。宅地への液状化対策を怠った国の責任として、さらなる被災者の金銭的負担軽減のために、私自身も国に求めていく決意をこめて、一般質問を終わります。