あぐい武夫議員の条例提案理由の説明

2013.11.27

写真 発議第26号「千葉市営住宅条例の一部改正」について、提案理由の説明を行います。この条例改正は、市営住宅の入居者が婚姻によらないで父又は母となった場合、法の下の平等と子どもの貧困への対応という観点から、家賃の減免又は徴収猶予を行うものです。ひとり親家庭のうち、配偶者と死別・離婚した場合は、税制上の寡婦(寡夫)控除や非課税の措置が取られています。しかし、婚姻歴のない場合には、これらの措置が適用されていません。各分野の減免制度でも多くの場合、婚姻歴のないひとり親家庭は対象となっていません。

 千葉市は、こうした現状を打開する一歩として、婚姻によらないでひとり親家庭となった方も対象とし、保育料と子どもルームの利用料の負担軽減をおこないました。ところが、市営住宅の家賃については、残念ながら減免の対象とはなりませんでした。

 この状況を法の下の平等と貧困対策の立場から改善することが求められています。

 法の下の平等については今年9月、最高裁判所が婚外子の相続は婚内子の半分という規定に対し、個人の尊厳と法の下の平等を定めた憲法にてらして、選択する余地のない事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されない、子の個人の尊重と権利を保障するべきとして、違憲の判断をおこないました。これを受け政府は、この差別規定をただすため、民法改正法案を国会に提出、現在、参議院に送られています。

 子どもの貧困については、今年6月、「子どもの貧困対策法」が制定され、その目的に「子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図る」と掲げられました。

 日本の子どもの貧困率は、2006年が14.2%、2009年では15.7%に増加。ひとり親家庭の相対的貧困率は50.8%にもなっています。その中でも、婚姻歴のないひとり親家庭は、さらに厳しい状況にあります。

 新宿区では今年10月から、婚姻歴のないひとり親家庭の保育料や区立住宅使用料などについても、寡婦(寡夫)控除等をみなし適用することで、負担を軽減することを始めました。千葉市でも、婚姻歴のないひとり親家庭に対して、市営住宅の家賃の減免、又は徴収猶予をするべきです。

 市当局の速やかな対応を求め、条例改正の提案理由の説明と致します。ご賛同のほど、よろしくお願い致します。