もりた真弓議員の一般質問と答弁

2013.12.10

写真【もりた真弓議員】
1、女性の社会参加について
 はじめに、消防についてです。
 市民が期待している消防の役割とは、緊急時・災害時に市民の救急救命のために、すぐに現場に駆けつけてもらえること、また、現場での的確な判断と素早い対応で住民の救助・搬送や避難などにおいて、すべてを任せることができる信頼のおける消防業務です。いつでもどんな状況でも最前線で住民の安全確保の判断を求められる消防隊員は、常に緊張と責任がついて回る本当に大変な仕事です。
 3.11の東日本大震災の後は、大地震や津波その他の災害時に備えて、果たすべき防災の役割も注目されています。そして、日常的な予防業務の中にも、多くの住民の安全確保と避難誘導などの視点が盛り込まれることになりました。地域では高齢化が進行し、消防業務にも高齢者や女性・小さなお子さんの対応にあたる場合のきめ細かな気配りも要求されています。
 そこで女性消防職員についてです。
 私は、2008年6月の一般質問で、女性消防職員の増員と職場環境の改善を求めました。今回はその後の経過と今後についてうかがいます。
 6年前、2007年4月の千葉市の女性消防職員は13名で、消防職員全体に占める女性の割合は1.39%でした。当時14市であった政令市の8番目でした。現在の千葉市の消防職員の配置状況ですが、今年度2013年4月時点の定員は946名で実数が939名であり、そのうち女性職員は29名で全体の割合からすると、3.09%まで増やされています。現在の20政令市で比べると7番目となりました。また、救急・消防業務など24時間の現場業務に配置される女性消防職員の人数も、千葉市では2名から15名へとかなり増やしています。
 質問を前に、以前視察で訪ねた東京消防庁でもお話を伺いました。前回729名だった女性消防職員は947名へと218名増員され、全体に占める割合も4.2%から5.3%へと増えていました。
 他政令市でも、前回調査時から新たに大阪で39名、川崎で30名、広島で19名の増員がされるなど、女性消防職員の登用が進んでいます。女性消防職員は全国的に人数も増え、活躍の場も広がっています。そこでうかがいます。
 1つに、男性中心の職場であった消防業務に、女性消防職員が増えてきた背景についておたずねします。
 2つに、女性の割合が増えたことによる、現場での対応に変化があるのかについてうかがいます。
 3つに、女性消防職員が現場業務として救急・消防業務にあたる場合の環境整備は進んできたのか。市内6か所の消防署の人的配置と施設改善についてうかがいます。
 女性の社会参加の第2は農業の分野についてです。
 農業を取り巻く課題はさらに大きくなっています。TPP交渉参加による国内農業への影響や、後継者不足など深刻の度合いを深めています。主たる従事者の高齢化などで、農業を続けられない農家の増加が後を絶ちません。また、農地を耕作することができず耕作放棄地となるケースや、用途変更で農地自体が減少していく現状が続いています。後継者不足は深刻で、今年8月31日からの2週間、認定農業者や農業組合長さんを対象に実施した農政センターの「千葉市とあなたの農業の将来に関するアンケート」項目の「千葉市の農業は10年後どのようになっていると思いますか?」という設問に「衰退している」と回答した人が64%に上るとの結果がでています。今後の農業に対する警鐘であり、農業に従事する方の不安が明確に表れているものです。
 千葉市の農業を維持・発展させるために、農業従事者と支援組織、消費者が一体となった取り組みが求められています。
 こうした状況の中、政府の「男女共同参画基本計画」においては、2020年までに、指導的地位にある女性の占める割合が少なくとも30%程度になるよう」示されています。また、「地域農業マスタープラン(人・農地プラン)」の策定においては、検討会メンバーに30%以上の女性の参加が要件化されています。
 この背景には、多様な意見を持ち行動力ある人材、新規就農者や女性農業者など登用したことで、地域農業の活性化が図られ、積極的な取り組みが進んでいることがあるのではないでしょうか。この方向に照らして、千葉市の現状についてうかがいます。
 1つに、農業従事者の男女の比率についてうかがいます。
 2つに、千葉市の農業委員について、選任委員と公選委員の過去5年分の女性の登用状況についてうかがいます。
 3つに、審議会などの政策決定過程への女性の参画や女性の意見の聴取などはどのようにおこなわれているのかうかがいます。

2、花見川区の諸問題について
 浸水被害についてうかがいます。
 はじめに三角町・千種町の浸水対策についてです。
 千葉工業大学のグランドの北西に位置する三角町・千種町の住宅地は、以前から大雨のたびごとに浸水被害が発生していました。繰り返し起こる水害の防止のため、千葉市は平成22年には最大貯水量8,500?の雨水貯留管の敷設工事を完了させました。これまで貯留管の整備後にも、大量の雨が降った時には少なからず浸水をしていたとのことでしたが、今回の台風26号で三角町・千種町の地区では、床上浸水9件、床下浸水3件、車の浸水被害は29台と大きな被害が発生してしまいました。
 地域の方からは、「大丈夫と言われたので、今年の4月に家の建て替えをした。なくに泣けない。」「事務所や倉庫が浸水し、機械や資材、書類が水浸した。」「莫大な税金を使って、長期間の工事もした。洪水対策をしたのに何でまたこうなるのか。」「新車に替えて、たったの1週間だった。」との、声が寄せられています。
 そこで、今回の災害の原因と今後の対策についてうかがいます。
 雨水貯留管の仕組みや、万が一の災害時における避難方法など、完成時に住民にどのような説明が行われていたのか、お答えください。

 つぎに、犢橋町の浸水対策についてうかがいます。
 さつきが丘の京成バス終点、車両の待機所から花見川団地方面へと向かう軽便道路下の犢橋地域についてです。いきいきプラザ・温水プールの南西側の子和清水調整池の下流には水田や畑があり、花見川まで流れる農業用水路が続いています。今回の台風26号では大量の雨水が一気に流れ込んで、湖のようになり犢橋町の低地にある住宅や車が浸水被害を受けました。
 浸水した際、住宅地を囲む道路も冠水し、水が引くまで通行できない状況になりました。そこで、うかがいます。
 避難路を確保するため道路のかさ上げなどの必要があると思いますがどうですか。
 以上で一回目の質問を終わります。

【消防局長答弁】
1、女性の社会参加について
 まず、男性中心の職場であった消防業務に、女性消防職員が増えてきた背景についてですが、平成6年の「女性労働基準の一部改正」により「女性が深夜業へ就業可能」となり、女性の社会参加が進むこととなりました。
 消防につきましては、平成6年消防庁の「女性消防職員の採用、職場拡大等に係る留意事項について」等の通知によりまして、女性消防職員の活用を進めて参りました。
 次に、女性の割合が増えたことによる、現場での対応に変化があるのかについてですが、女性消防職員の現場業務において、女性の持つ優れた特性が発揮されたことにより、ソフトできめ細やかな対応となっております。
 特に、救急業務では傷病対応、予防業務では検査・受付対応について、その効果が生かされております。
 最後に、女性消防職員が現場業務として救急・消防業務にあたる場合の環境整備として、市内6か所の消防署の人的配置と施設改善についてですが、
 市内6か所の消防署のうち、3消防署は女性専用仮眠室等の整備が完了し、12名の女性消防職員が現場業務についております。残りの3消防署については、第一次実施計画によりまして、平成26年度末を目標に整備を進めて参ります。

【経済農政局長答弁】
1、女性の社会参加について

 まず、農業従事者の男女の比率についてですが、平成22年の「農林業センサス」の結果では、本市の販売農家の農業従事者は3,959人で、このうち男性が占める割合は54.0%(2,136人)に対して、女性は46.0%(1,823人)であります。
 次に、審議会などの政策決定過程への女性の参画や女性から意見聴取についてですが、農業分野では、農政に関する基本計画の策定などの案件を調査審議する「農政審議会」と農業振興地域整備計画の変更、農業経営改善計画の認定や農業後継者対策など、農地や農業経営等に関わる事項を調査審議する「農政推進協議会」の2つの附属機関がございます。委員の選任にあたっては、「ちば男女共同参画基本計画」に基づき、各団体等に対して、積極的に女性委員を推薦されるようお願いしており、現在、両附属機関には、それぞれ3人の女性委員がおります。各会議では、毎回、専門的見地や女性の立場から貴重なご意見・ご提案を頂いております。

【農業委員会事務局長答弁】
1、女性の社会参加について

 過去5か年の女性農業委員の登用状況についてですが、選任による農業委員では、平成21年度1人、23年度3人、25年度1人で、いずれも議会推薦の農業委員です。
 選挙による農業委員では、これまで該当はありません。

【建設局次長答弁】
2、花見川区の諸問題について

 雨水貯留管の仕組みや、万が一の災害時における避難方法など、完成時に住民にどのように説明が行われたのかについてですが、こてはし台雨水貯留管の地元への説明は、工事施行中に、地元見学会を6回開催し、完成時には、自治会を通じ、地元の皆様に貯留管の事業概要と供用会時期について、文章でお知らせいたしました。
 また、平成22年7月18日には、貯留管への雨水の取り込みや排水方法などの仕組みについて説明し、取水施設などを見学していただきました。なお、万が一の災害時における避難方法の説明はしておりません。
 次に、避難路を確保するため、道路のかさ上げなどの必要があるのではないかについてですが、避難路を確保するうえでは、道路のかさ上げは有効な手段と思われますが、当該道路に関して、道路冠水を防ぐ高さにするには、住宅地などの出入りの支障となることから、困難と考えております。

【もりた真弓議員】
1、女性の社会参加について
 女性の社会参加の2回目の質問を行います。
 1970年に消防の職場に初めて女性の採用がされ、1998年には深夜業務の規制が解除されました。今後さらに女性の登用は進むと思われます。
 千葉市では、2005年に「女性の職域拡大のアンケート」を行いましたが、その後は女性消防職員との定期的な面接で適正配置を図っているとのことです。そこで、うかがいます。8年前になりますが「女性の職域拡大のアンケート」で寄せられた意見にはどのような内容があったのか、お示しください。

【消防局長】
 アンケート内容といたしましては、産休、子育てが一段落した時点で、現場業務も可能との回答が主なものでした。

【もりた真弓議員】
 アンケートによると、消火活動や災害時の人命救助など、女性消防職員も24時間の現場業務に取り組めるとのことです。それでは、本人の希望や専門性を活かした救急救命の現場での対応や、日常の予防業務などの人的配置がされているかうかがいます。

【消防局長】
 自己申告制度、人事考課制度により、意見を抽出し、人事異動時に適正な配置をしております。

【もりた真弓議員】
 適正な配置を図るためには、職員の意見や状況を十分把握することが必要です。消防職員への「定期的な面接」については、回数や頻度などどのように行われているのでしょうか。また、特に女性消防職員の場合ですが、仕事以外の悩みや困ったことなど相談できる場や打ち明けられる場があるのか、うかがいます。

【消防局長】
 年度内に、3回以上実施しており、女性消防職員に対しても、制度により上司にあたる係長職以上が担当しております。
 消防職員相談制度により、職務外においてなど個人的な事柄も相談できる対策をとっております。

【もりた真弓議員】
 女性の割合が増えたといっても、まだまだ圧倒的に男性職員が多い職場です。相談時の配慮は必要です。また、火災や救急の現場などでは、当然、危険で凄惨な場面に遭遇することもあると思います。様々な仕事の中から、強い意志と覚悟をもって消防の仕事を選び任務に就いていることは、同じ女性としても励まされるものです。女性消防職員が、市民のいのちと安全と財産を守る誇りの持てる仕事が続けられるように、環境整備にも取り組むことが必要です。
 そこで、女性消防職員の構成についてうかがいます。29名の年齢別構成人数は、どうなっていますか。また、交代制勤務についている女性消防職員の平均年齢は何歳かうかがいます。

【消防局長】
 20代、14人。30代、4人。40代、6人。50代、5人となっています。
 平均年齢は、35.2歳です。

【もりた真弓議員】
 女性職員29人の構成員のうち半数が20歳代で、24時間の現場業務に就いている職員の平均年齢は26.3歳とのことです。これから結婚し、出産・育児に関わる年代です。そこで、出産や育児についての支援制度の活用についてうかがいます。
 また、体調不良時の休暇の申し出や育児休暇の取得状況はどうか、おたずねします。

【消防局長】
 女性消防職員だけでなく、男性職員でも取得できるよう、制度を周知しております。
 勤務時間が長時間にわたることから、女性、男性にかかわらず、体調不良の申し出があった場合に勤務させることはありません。

【もりた真弓議員】
 「出産や育児に関する休暇」を取得することは、女性消防職員の母性を守り、その後の業務に復帰するためになくてはならない制度です。希望する期間、きちんと保障されることが大事です。女性消防職員の育児休暇等の取得状況を伺います。

【消防局長】
 今年度においては、育児休業制度を利用している職員が1人、産前産後休暇を利用している職員が1人おります。

【もりた真弓議員】
 それに関連して、女性消防職員が育児休暇などを取得する際、職員の補充についてはどのように対応しているのか、うかがいます。

【消防局長】
 女性消防職員が産休、育休を取得する場合は、申し出により事務的部門への配置換えや、非常勤職員にて補充することにより、欠員をなくしております。

【もりた真弓議員】
 配置換えや非常勤職員で補充しているとのことですが、特別な訓練を受け技術や資格を持った消防職員の代わりを、一般職員や非常勤職員などの配置で対応することはできるのでしょうか。育休取得者が複数いても消防業務に支障が出ないように、対策をとる必要があると思いますが、どうですか。

【消防局長】
 特段の対策は、しておりません。現状の対応で可能と考えております。

【もりた真弓議員】
 今のところ特段の対策はしていないとのことでした。今後、女性消防職員の割合が増えてくれば、必要になってくる課題と言えます。また、十分な育児休暇を保障するためにも検討をしていただきたいと思います。
 消防の質問の最後に、女性消防職員の働く環境整備と施設改善についてうかがいます。女性消防職員の24時間勤務に対応するための施設改善は、稲毛消防署、緑消防署、美浜消防署で、2014年度末には整備するとのことです。3か所とも同じ時期の計画ですが、予定どおり完了するのかうかがいます。

【消防局長】
 女性消防職員の専用スペースのみ改修整備となりますので、可能と考えております。

【もりた真弓議員】
 消防の仕事に就いて「守られる側から、市民を守れる側」となり、市民の命や財残を守ることが出来た時に、「消防の仕事を選んで良かった」と思えるそうです。
 他にも「現場で不安そうな小さな女の子が、自分を見てほっとしてくれた」「救急で着衣のない女性に手際よく毛布をかける」「予防業務でも女性客が多いネイルサロンなどの店舗や、女性更衣室・洗面所などの施設の点検」なども「女性消防職員だからこそ」という場面がいくつもあります。2015年4月には消防署の改修により、全行政区で女性消防職員の現場業務が始められる予定とのことです。消防士の募集案内に女性消防職員の活躍の場面や呼びかけも積極的に載せていただくことを要望して、つぎの質問に移ります。

2、農業について
 この間、関東ブロックの女性農業委員の研修会に参加して、すべての農業委員会に女性委員がいる栃木県でのとりくみや、女性農業委員が牽引者となって、地域農業の活性化に積極的な働きかけがされている例など学ぶ場がありました。
 研修会で講演をした福島の女性起業家の方のお話は、驚きと感激の連続でした。食の安全や体験の受入れはもちろん、地域農家と「くだものの木オーナー制度」・感謝祭の開催、観光協会と連携して遊休農地を整備し「世界の花桃公園づくり」や福島大学の地域ブランド戦略研究所との連携、「ふくしま女性起業研究会の設立」など多彩で広範な活動に取り組んでいるとのことでした。そこで、うかがいます。
 活力ある農業経営のために、女性の目線・意見を反映させる千葉市での取り組みについて、いくつか事例をお示しください。

【経済農政局長】
 富田都市農業交流センターでは、地元女性で構成されたグループによって、6次産業化に向け、地域色にあふれた加工品の開発や販売が行われております。
 また、下田都市農業交流センターでは、地元で生産された農産物を食材にした伝統料理を提供するなど、女性ならではの目線と思いを反映した農家レストランが運営されております。今後、これらの取り組みが、さらに活性化するよう支援して参りたいと考えております。

【もりた真弓議員】
 地域色にあふれた加工品の開発や伝統料理の提供など、消費者にとっても魅力ある取り組みは、今後の農業と食生活をさらに発展させるものと期待されます。
 「女性が地域を元気にする」という観点もあって、今年5月には全国農業会議所が「第22回農業委員統一選挙対策推進要綱」で、「女性・青年農業者、認定農業者等の多様な人材の農業委員への登用に向けて」を発表しています。
 千葉市にはこの10月に「農業委員の改選にあたってのお願い」の文書が届いていると聞いていますが、対応についてはどうかうかがいます。

【農業委員会事務局長】
 全国農業会議所系統組織では、平成26年7月に実施される農業委員統一選挙に向け、「女性や青年農業者等多様で行動力のある人材の登用」を活動目標に位置づけ、全国の農業委員会など関係機関あて要請文を発し、周知したところであります。
 これを踏まえ、本市農業委員会では、平成26年1月の農業委員会総会において全農業委員に周知を図るとともに、市長並びに市議会議長あて要請を行うこととしております。

【もりた真弓議員】
 千葉市の女性農業委員選出状況ですが、選任委員はこの5年間で一番多いときには3名という年もありました。例年は一人ないし二人で一人もいない年もあります。また、公選委員はこれまで一人もいないとのことでした。
 宇都宮市では農業委員47名中、公選40名、選任7名のうち、女性は公選で2名、選任で4名のあわせて6名の委員がいるそうです。
 来年7月には農業委員選挙が行われます。地域の代表として、公選委員に女性農業委員の登用が広がることで様々な取り組みも期待できると思いますがどうですか。

【農業委員会事務局長】
 農業委員会では、各地区の農業委員を通じ、選挙委員の選出に向けて地域の話し合いが行われる場合には、女性農業者が積極的に立候補できる環境づくりに取り組まれるよう、周知啓発に努めております。

【もりた真弓議員】
 議会推薦で選任委員として4名が農業委員の構成に加わっていますが、議会推薦の農業委員の任期は1年限りであり、次々と委員が交代する体制です。1年間の流れがようやくつかめたところで人が入れ替わるため、継続性という点で十分とは言えないと感じています。女性が農業委員を務めるのは大変なご苦労があるかと思います。全国で女性農業委員として活躍しているお話をうかがって、千葉市でも女性の活躍の場が広がることを期待してつぎの質問に移ります。

3、花見川区の諸問題について
 台風による浸水被害については、順番を変えて質問します。
 犢橋町の場合、道路などのインフラ整備には困難があって対策は難しいとのことでした。冠水して道路が閉ざされる前に避難を呼びかけるなど、ソフト面での啓発や危機回避の何らかの対策をするよう求めておきます。
 次に、三角町と千種町の浸水についてです。
 地元住民向けの説明会に同席させていただき、地元のみなさんの意見も聞かせていただいてきました。雨水貯留管の仕組みや役割の周知が不十分であることと、災害当時のいくつかの現象に納得のいく説明ができていないことが、住民の誤解と不信を大きくしていると思います。水害についての住民の窓口も、今現在は区役所の地域振興課になっていますが、当時はあいまいでかなり混乱していました。
 今回の水害の様な時に、住民からの緊急連絡を受ける先はどこなのか。また、最終的に被害状況をまとめる部署はどこか。緊急時に第一報を入れる先を明確にしておく必要があるのではないのか、うかがいます。

【建設局次長】
 人命に係るものについては消防局、道路冠水等の浸水については各土木事務所及び各区役所が情報を受ける部署と明確化しておりますが、どの部署が情報を受け付けても対応できるよう体制を整えております。
 なお、被害状況については、各区役所が調査し、取りまとめをいたします。

【もりた真弓議員】
 どの部署が情報を受けても対応できるとの答弁ですが、当時、急激に増してくる水位にどう対応していいものか、明確な対応が図られたとは言えない状況でした。住民の通報でいち早く駆けつけた消防も「排水のため、花見川区三角町463地先路上に設置された、マンホールの蓋を開けたが雨水の流れ込みは確認できず、マンホールの蓋を閉じた。」と報告しています。庁内でも雨水貯留管の仕組みが周知されていないということではないでしょうか。
 雨水貯留管自体は、当時機能を果たしていた、問題なく作動したとのことならば、想定を上回る雨量の場合、千葉市はどのような対応をすることになっていたのか、うかがいます。

【建設局次長】
 気象情報の入手や貯留管の水位データの監視によりパトロールを行うとともに、必要に応じて、被害を軽減するための、土のうの配布を実施して参ります。

【もりた真弓議員】
 パトロールや土のうの配布など今回の水害には間に合っていません。
 雨水貯留管の水位データの監視は、中央浄化センターで行われ、満水になった時のデータも記録されています。しかし、「いつの時点で住民に対する行動をとるのか、『想定を上回る降雨時』の明確な対策はなかった。だから、動けなかった」ということではないでしょうか。
 三角町・千種町の雨水貯留管にためた水が、既設の雨水管を通って排水される先にあるのがこてはし台の調整池です。
 水が溜まる前から4つある赤色回転灯がまわる仕組みで、台風の当日もほぼ満水まで水位は上がり、周囲の道路から水があふれて土手を押し流す状況だったとのことでした。本来、こうした貯水機能を有する施設には、危険回避のための設備がつけられるべきではないのか。
 雨水貯留管の完成と同時に、警報機を外したことが結果として被害を拡大したことは明らかです。この事実をどう受け止めているのか、お答えください。

【建設局次長】
 警報装置は、こてはし台雨水貯留管が完成するまでの間、暫定的に設置したものであり、貯留管の完成に合わせ、撤去しております。しかしながら、被害が生じたことを重く受け止め、住民の皆様が速やかに避難するための目安となる警報装置を設置して参りたいと考えております。

【もりた真弓議員】
 今回の三角町・千種町の災害において、危機管理の立場から見た対応としてふさわしかったのか。今後の対応はどうするのか。満水時の対応や住民に水害の恐れがある事を知らせて、避難を促すなど、市としてやるべきことがあったのではないのか、うかがいます。

【建設局次長】
 千葉測候所の観測では、史上最高を記録する大雨となり、排水施設の能力を超えたため、被害が生じたものであります。台風に備えパトロールや点検などを行っておりましたが、今後は、関係部署との連携を強化するとともに、住民の皆様のご意見を伺いながら、警報装置などを利用した周知方法やそのほかの対応策を検討して参ります。

【もりた真弓議員】
 住民のいのちや財産を守るために雨水貯留管が敷設され、ある程度の大雨の冠水による危険は緩和したと思います。ただし住民の受け止めは違います。市長も市の担当課からも「今後は水害に対して大丈夫だ。」と言われたので安心しきっていた。警報器さえいらないなら、心配することはないんだと思うのも当然です。
 関係部局や第3者をいれた水害被害調査委員会などを立ち上げて被害の実態を調査解明し、住民に納得のいく報告を行うよう求めて質問を終わります。