野本信正議員の討論

2013.12.16

写真 まず、議案第124号 一般会計補正予算についてです。
 債務負担行為中、蘇我スポーツ公園第1多目的グラウンド施設管理運営については、
 1つに市民福祉を削りながら急ぐ施設でないこと。
 2つに、議案第145号指定管理者の指定について問題があることから反対します。理由はのちほど明らかにします。
 次に補正予算中2件と議案1件については反対ではありませんが、意見を申し上げます。
 その1 地域課題解決ソリューションについてですが、ちばレポの実証実験を踏まえ、新しい形態の市民協同として地域課題を解決するための情報システムの構築・運用を図るとありますが、参加者数が1,156名であること、また有効レポート総数628件は様々な形でよせられている市民要求全体の1%未満であるのに、6,600万円の債務負担行為を設定して、関係職員の理解も十分でないまま、情報システムの構築をすることの妥当性が厳しく問われています。
 財政危機の下で福祉を削り市民に我慢を強いている時に、市民理解も得られません。
 公平な行政が行われるように求めておきます。
 続いて、教育施設整備については、
 国庫補助決定にともない、校舎および屋内運動場の耐震補強とエレベーター設置の予算であり、この結果校舎の耐震補強は99%、屋内運動場耐震化は98%に到達して、H27度までを目指していた整備計画達成の目処が付いたことは評価します。
 我が市議団は耐震化の早期実現を求めてきましたが、前倒し予算の条件を生かして、工事の発注を早め、契約不調のリスクの解消を求めておきます。

 次に、議案第126号千葉市避難行動要支援者名簿に関する条例の制定についてですが、これは、災害時の円滑かつ迅速な避難支援を実施するため、避難行動要支援者名簿の作成及び、避難支援者等関係者への提供に必要な事項を定めるものであります。
 本年度第一回定例会に条例を提案した会派として賛成です。運用に当たっては拒否をする市民の確認を慎重に行うこと、本来支援が必要なのに、人との対面が苦手で意思表示が困難な、障害者や鬱病等の市民及び外国人に対して、親切な対応を行うこと。避難行動要支援に協力される、自主防災組織・町内自治会などに丁寧なお願いすることと、大学、高校などに要請して、若者の協力を受けること。などを求めておきます。
 また、個人情報の漏洩を防ぐため万全を期するよう求めるものです。

 次に、議案第127号千葉市行政財産使用条例等の一部改正について及び、133号、135号、138号、139号、140号は、政府が来年4月に実施予定している消費税3%増税分を転嫁するもので、47件の条例改定に伴う影響額は、5億8,216万円にも上り、市民生活を圧迫するものであり反対です。このうち127号は、公共施設の利用料などに転嫁するため40件の条例を改定して、合計1億1,808万円を徴収するものです。
 しかし、一般会計40件の条例は、消費税の納税義務がありません。それなのに転嫁することは、消費税率引上げに便乗して市民から吸い上げるようなものであり、道理がないことを厳しく指摘するものです。
 3%から5%に引き上げた時全国政令市では、20市中15市が転嫁しませんでした。千葉市も転嫁を中止するよう求めます。
 この他、企業会計・特別会計の7条例の、墓地管理料、斎場の式場使用料改定、病院の診療に係る使用料、農業集落排水使用料、卸売市場使用料、下水道使用料、水道使用料、7条例に消費税を転嫁して、合計4億6,407万円の負担増であります。消費税転嫁分は、一つ一つは少なく見えても幾つか重なると相当額になり、またごみ有料化、国民健康保険料値上げなど、市長の市民いじめが重なって大きな負担増になります。
 また、消費税3%増税に伴う一人あたりの増税額は約6万2,600円になります。
 市民はそれだけ負担が増えて生活のやりくりが大変になる。また中小企業や商店経営者、自営業者などは、仕入れには8%の消費税が課せられるが、商品などに転嫁が困難なため、事業存続すら危うくなる。こんな時に千葉市が公共料金などに消費税を転嫁して、負担増を強いることは市民生活を一層苦しめることになりかねません。
 市長が消費税転嫁を提案した根拠は、10月8日付総務省通知によるものですが、その内容は、お願いであり、技術的な助言に基づくものであって、実施をしなくてもペナルティもありません。それなのに転嫁をして市民負担を増加することは認められません。
 消費税の転嫁を中止して、市民生活を守るように求めましたが、他の会派の賛成で可決されたとは、極めて遺憾であります。今世論は、消費税増税に反対の人も賛成の人も、「このデフレ不況の下で4月に8%引き上げは中止すべきだ」の声は、新聞調査で8割を越しています。
 市長は8割を越す千葉市民の声を代表して、国に対して4月からの増税中止を要求すべきであります。

 次に、議案135号農業集落排水処理施設条例の一部改正及び、139号下水道条例の一部改正については、併せて3億3,450万円の料金値上げであり、消費税転嫁とダブルでの負担増になります。
 下水道と農業集落排水の利用世帯は併せて、千葉市全世帯の96.9%に影響をあたえるものです。また、定期的な改正という説明でありますが、先に述べた厳しい市民生活を考慮するならば値上げは見送ることもできたはずです。
 料金値上げ3億3,450万円は、消費税転化分5億8,216万円と合計すると、9億1,666万円の負担増になり、市民生活に重くのしかかります。市政の主人公である市民の生活実態を把握していない料金値上げに反対します。

 次に議案第145号指定管理者の指定(千葉市蘇我スポーツ公園第1多目的グラウンド)については、指定管理者を、シミズオクト・東洋メンテナンス共同企業体に非公募で指定するものです。
 問題点の一つは、非公募は指定管理者指定に求められている、競争性・透明性が薄められてしまうことであります。
 二つは、選定理由が、「先に開設している蘇我球技場、蘇我スポーツ公園多目的広場及び蘇我スポーツ公園庭球場の4施設を一体管理することによりサービス向上などか期待できるので非公募にした」とあることです。
 これは、はじめからシミズオクト・東洋メンテナンス共同企業体への指定が約束されているような違和感があります。
 さらに、蘇我球技場等4施設全部の指定管理者を、H27年度に指定する時に、シミズオクト・東洋メンテナンス共同企業体が本命になることが想定されます。まさに、「出来レース」的であることです。
 以上の理由で議案第145号は反対です。

 次に発議第26号「千葉市市営住宅条例の一部改正」が、反対多数で否決されたことは遺憾であります。
 この条例改正は、市営住宅の入居者が婚姻によらないで父または母となった場合、法の下の平等と子どもの貧困への対応という観点から、家賃の減免または徴収猶予を行うものです。
 法の下の平等については最高裁判所の判決を受けて、政府は民法改正を国会に提出し、全会一致で可決成立しました。
 わが会派が、条例提案したことを受けて市当局は、条例によらず規則で実施することを決めたことは評価します。
 共産党市議団は、議会の権能である議案提案権を生かし、毎議会条例提案を行っています。このたびの条例提案の趣旨が、規則と言う形で実現し市民の利益を前進させた事を確認しておきます。

 請願第10号高州第二小学校跡地に特別養護老人ホームや福祉施設の建設を求める請願が、総務委員会で共産党以外の全会派の反対で不採択になったことは残念です。高州第二小学校は学校適正配置の協議により高州小学校に統合されて、現在不要となっています。
 千葉市財政局資産経営部が、高州第二小学校跡地を売却処分にすることを決めてしまったため、委員会審議では願意採択は無理だとの判断に至ったと思われます。しかし問題は、学校適正配置の協議で示された跡地の活用計画に沿えば請願の願意は極めて妥当なものであることです。
 H19年に示された学校適正配置の方針では、「学校が地域の中核的な役割を担っていることから、跡地利用についても、地元の様々な活用の場や、地域の活性化発展のために有効な活用方法を検討する」 「市は跡地の活用にあたって、地元の要望に配慮しながら、様々な視点から総合的な検討を進める」と、記述されています。
 ところがその後学校跡地の利用が資産経営部に移されたため、売却することを決めてしまったのであります。
 このことは、学校適正配置の協議で示された跡地の活用計画を市の都合で反古にするもので、市民との約束を一方的に変えてしまう背信行為であります。
 埋め立て地の美浜区の公共用地は貴重な財産であり、これからの街づくりにとってかけがえのないものです。
 この貴重な財産を財源のためと称して、市が勝手に売却することは住民不在でありませんか。中止を求めます。
 千葉市所有の土地を売却して財源にするのならば、過去に土地開発公社が買収して未利用になっている土地を、なぜ売却しないのですか。
 土地開発公社解散に102億円もの債権放棄を行い、市民に大損害を与え、今、千葉市が抱え込んでいる、4万6,260平方メートルの土地の売却は皆無の下で、学校跡地を率先して売却するなどは、論外であることを指摘しておきます。

 請願11号 国民健康保険制度の充実を求める請願についてです。
 現在国民健康保険料は所得の1割を越えていて、「払いたくても払いきれない保険料」になっていています。
 請願の趣旨は、一般会計からの繰入を行い、高すぎる保険料の引き下げを求めるものです。この間滞納世帯への資格証明書や短期保健所の運用、収納率アップのための差押えなどの滞納処分が強化されています。
 滞納世帯の生活実態と切り離された徴収業務が先行し、保険料の引き上げや所得減少が続くなど大変重い負担となっています。
 市民の切実な要望に対して、低所得者1割の減額があることや、告示方式も低所得者向けの措置であると言う理由で不採択にされたことは遺憾であります。
 国民健康保険制度は社会保障の中心で、国民皆保健制度の土台をなすものであり、市民の暮らしの実態を把握し、命と健康を最優先に、払える保険料に引き下げることを強く求め、討論を終わります。