日本共産党が提出した意見書

平成26年第1回定例会
No.1

(提出年月日)平成26年2月12日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

秘密保護法の撤廃を求める意見書(案)

 昨年末、国民の5割が反対し、8割が慎重審議を求めていた声を押し切り、成立させた秘密保護法に対し、反対・廃止を求める声は公布後も広がり続けている。

 秘密保護法は、外交、防衛、テロ活動の防止、スパイ行為の防止など広範な行政情報を、各行政機関の長の判断で特定秘密に指定し、情報を漏らした公務員も、情報を手に入れようとした国民も厳罰に処するものである。強行採決直前に、国民の批判をかわそうと、有識者による「情報保全諮問会議」や、官僚による「保全監視委員会」の設置を打ち出したが、何の歯どめにもならないことを、多くの識者が指摘しているところである。

 秘密保護法で特定秘密に指定されると、国民の目、耳、口が塞がれ、国民の知る権利が奪われるだけでなく、秘密を扱う公務員や民間の出入業者は適性評価で、飲酒癖から病歴、借入金、家族関係、友人など洗いざらい調査され、著しいプライバシー侵害が行われることになる。

 しかも安倍政権は、「国家安全保障会議」(日本版NSC)を設置し、首相官邸の国家安全保障局を立ち上げ、「戦争する国」への体制整備まで行っている。

 これは明らかに、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を保障した憲法の基本理念を根こそぎじゅうりんする希代の悪法であり、国民は決して受け入れるものではない。

 よって、本市議会は国に対し、国民を戦争に引き込む戦時立法である秘密保護法を撤廃するよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年  月  日

千 葉 市 議 会


平成26年第1回定例会
No.2

(提出年月日)平成26年2月12日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

4月からの消費税増税の中止を求める意見書(案)

 本年4月から消費税率を8%に引き上げることは、国民の暮らしと日本経済に深刻な事態をもたらすのは明らかである。政府は、「国民総生産(GDP)が4期連続でプラス成長」だと誇るが、円安と株高による効果は陰りを見せ、成長率は年率計算で、2013年1〜3月期で4.5%、4〜6月期は3.6%であったのに対し、7〜9月期では1.1%と大幅に低下し、減速傾向にあることは明らかである。しかも、その中身は、勤労者の収入が減り続けているもとで、GDPを辛うじて支えているのは、消費税増税前の駆け込み需要と国の補正予算での公共投資によるもので、「もう限界だ」と言われている。

 このような状況で、予定どおり消費税率を引き上げれば、国民は消費税増税で8兆円、社会保障費の負担増・給付減とあわせて10兆円の負担増となり、暮らしに重大な打撃を受けることになる。その一方で、大企業に対しては、復興特別法人税を前倒しして廃止するのを初め、法人税率引き下げ、「国土強靱化」名目での巨大公共事業ばらまき、今後5年間で約24兆6,700億円投入予定の軍事費など、これまで政府が、増税の理由としてきた「社会保障制度のため」、「財政再建のため」などの論拠を完全に投げ捨てるものであり、不当と言わざるを得ない。現在の経済・財政・社会保障制度の危機を打開するには、第一に逆進性が高い消費税に頼らず、税金の無駄・不要不急の歳出削減、応能負担を原則とする税制改革を実施すること、第二に大企業の270兆円もの内部留保を、雇用改善・賃金引き上げ・社会保障充実、下請け単価引き上げなどに活用し、国内の需要拡大と経済活性化を図ることが必要である。

 よって、本市議会は国に対し、4月からの消費税増税の中止を強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年  月  日

千 葉 市 議 会


平成26年第1回定例会
No.3

(提出年月日)平成26年2月12日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

名護市辺野古への米軍の新基地建設断念を求める意見書(案)

 1月19日に投開票された沖縄県名護市長選挙は、米軍の新基地建設をめぐり、「新たな基地はいらない」と拒否するのか、「基地を容認する」のかが問われる重要な選挙となった。

 安倍晋三政権は、沖縄県選出の自民党国会議員と同党県連に圧力をかけ、県民に対する県外移設の公約を投げ捨てさせたばかりか、普天間基地の県外・国外・無条件撤去を願うオール沖縄の声を踏みにじり、沖縄振興策などの札束の力で沖縄県知事をも屈服させ、新基地建設のための埋め立てを承認させるなど強引な手法で、有無を言わさず新基地建設を押しつけようとしたのである。

 しかし、沖縄県民と名護市民は、国の背信や欺瞞・強圧に屈することなく、「新たな基地はいらない」とする市長を当選させ、「沖縄は屈しない」、「辺野古の海にも陸にも基地はつくらせない」とする明確な審判を下したのである。

 よって、本市議会は国に対し、名護市辺野古への米軍の新基地建設断念を強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年  月  日

千 葉 市 議 会


平成26年第1回定例会
No.4

(提出年月日)平成26年2月12日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

労働法制の改悪をやめるよう求める意見書(案)

 厚生労働省の労働政策審議会では、労働者派遣法と労働契約法の見直し議論が進められている。その内容は、「企業が世界で一番活躍しやすい国」を目指す安倍内閣の意向を具体化するために、派遣など非正規雇用を拡大し、正規雇用との入れかえを大規模に進め、非正規・不安定雇用が当たり前の社会に変えるものであり、認めることはできない。

 そもそも派遣業は、労働基準法と職業安定法で禁止している「人貸し業」を、「臨時的・一時的な働き方」に限定し、派遣先の正規雇用の代替にしないことを原則として、例外的に合法化したものである。派遣期限も「原則1年、最長3年」とし、期間を超える場合は、直接雇用の義務が生ずるなどの制約があり、企業は安易に正社員を減らし、派遣社員に置きかえてはならないのである。

 しかし、明らかにされている見直しの方向は、派遣業務の内容も派遣期間も事実上規制を取り除くものであり、「人貸し業」を公認しようとするものである。これは、企業が直接雇用の責任を果たさず、社会保障費の負担を免れ、景気動向で自由に雇い止めできるなど、企業の利益を優先した露骨な見直し案である。政府や経団連などは「企業収益の拡大を賃金上昇につなげる」などと言いながら、一方で正社員を低賃金の非正規・不安定雇用に落とし込もうとするのは、重大な問題である。

 「デフレ解消」、「景気回復」には、勤労者の所得を引き上げることが必要不可欠である。そのためには、日本を非正規・不安定雇用中心の社会にするのではなく、雇用は正社員が当たり前の社会を築くべきである。

 よって、本市議会は国に対し、労働法制の改悪をやめるよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年  月  日

千 葉 市 議 会


平成26年第1回定例会
No.5

(提出年月日)平成26年2月12日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

「即時原発ゼロ」の政治決断を求める意見書(案)

 政府は、原発を「重要なベース電源」と位置づけ、着実に再稼働を進め、将来にわたって維持・推進する「エネルギー基本計画案」を閣議決定しようとしている。

 民主党政権時代に策定した計画では、福島原発の事故から「原発は不要」との強い国民世論を受けて、再稼働や着工許可済み原発の設置容認などの問題を持ちながらも、「2030年代に原発ゼロ」を目標としていた。しかも、この計画策定には、市民参加型での討論型世論調査や意見聴取会、パブリックコメントを実施し、約9万人から意見を聞く努力がされていたのである。

 ところが、今回は討論型世論調査や意見聴取会などは行わず、基本計画作成について審議する政策分科会にも突然、経済産業省作成の原案を提出するなど、極めて強引な手法がとられている。

 その背景には、原発輸出に突き進む日米の原子力産業や銀行など利益共同体の圧力があると言われている。

 しかし、原発事故はいまだ原因究明もされず、事故収束の見通しも立っていないのが現実である。また、処理方法がない「核のごみ」は、これ以上ふやせない実態もある。何より、原発がなくても電力不足になることもなく、安価が売り物の原発こそ、事故処理に莫大な費用を必要とする高コストであることが証明されている。

 今こそ、思い切った再生可能エネルギーの普及と低エネルギー社会への転換が求められているのである。

 よって、元市議会は国に対し、「即時原発ゼロ」の政治決断をするよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年  月  日

千 葉 市 議 会


平成26年第1回定例会
No.6

(提出年月日)平成26年2月13日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

教育委員会制度の改悪をやめるよう求める意見書(案)

 安倍政権が狙う教育委員会制度の改悪に関して、中央教育審議会(中教審)は昨年の12月13日、委員からの相次ぐ反対論を押しのけ、政府の意向に沿った答申が提出された。答申の内容は、教育行政を首長が決定する方向を示したもので、首長が大綱的な方針を決定し、教育長は、首長が任命した部下となる。教育委員会は「首長の附属機関」となり、首長に対し意見は言えても決定権のない存在になるものであり、これでは戦前のような、権力による教育への介入が可能となる重大な危険性がある。日本の教育委員会制度は、戦前の政治的・官僚的な教育支配と軍国主義教育の反省から、教育委員会法で「教育が不当な支配に服することなく」、「公正な民意により、地方の実情に即した教育行政を行うため」、旧文部省や首長から独立した合議制執行機関として1948年に出発したものである。しかし、1956年に地方教育行政法に改編され、委員は任命制となり、独自の権限は大幅に縮小されたことから、民主性・自主性・公開性が弱体化・形骸化してきた経緯がある。

 中教審内部では、教育委員会を附属機関化する答申には反対意見が根強く、与党の中にも答申の方向性は認めがたいとの声がある。また、全国の教育委員会関係者の中でも反対が大勢を占めていることから、自民党は別案の検討を開始したとの報道もあり、矛盾と混迷は深まるばかりである。

 今こそ、教育委員会制度はその原点に立ち戻り、住民・保護者・教職員・各分野の専門家などが参加し、民主的・自主的かつ専門的な権限と機能を持ち、開かれた教育委員会として再生させることが必要である。

 よって、本市議会は国に対し、教育委員会制度の改悪をやめるよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年  月  日

千 葉 市 議 会