日本共産党が提出した意見書

平成26年第2回定例会
No.1

(提出年月日)平成26年5月20日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

労働者派遣法の改悪はやめて、働く人を大切にする労働法制の実現を求める意見書(案)

 「世界で一番企業が活躍しやすい国」を掲げる安倍内閣のもと、政府の労働力調査によれば昨年1年間で、正規雇用者が前年比46万人減少し、非正規雇用者は93万人ふえたとされている。今や働く人の約37%が、不安定雇用、低賃金、労働条件悪化の中で働かざるを得なくなっているのである。
 このような働き方では、若者が将来に希望を持てないばかりか、家族を支える中高年層にも生活や健康上の不安を広げることになる。
 しかし、政府が推進しようとしている労働者派遣法改正案では、派遣は「常用雇用の代替にしてはならない」、「臨時的・一時的業務に限定する」とする大原則を取り払うものとなっている。
 また、際限のない長時間労働を解禁する制度「残業代ゼロ」の導入も再び検討されており、日本社会全体が、コストの安い非正規雇用に入れかわることになれば、我が国の重大問題である少子高齢化やデフレ社会は、解決どころか一層深刻さを増すことになる。
 これ以上、低賃金と不安定雇用・長時間労働を常態化させ、働く人々の暮らしや健康を脅かす働き方を広げることは、日本経済や日本社会の発展に逆行するものと言わざるを得ない。
 国際労働機関(ILO)が求める「ディーセントワーク」(人間らしい労働)やG20宣言にもある「質の高い雇用を通じた成長」こそ、日本政府と企業は追求すべきである。
 よって、本市議会は国に対し、労働者派遣法の改悪はやめて、働く人を大切にする労働法制の実現を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年  月  日

千 葉 市 議 会


平成26年第2回定例会
No.2

(提出年月日)平成26年5月20日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

教育委員会制度改革の中止を求める意見書(案)

 国会で審議中の教育委員会制度改革案(地方教育行政組織法改正案)は、これまでの教育委員会制度を、首長が教育行政の大綱的な方針を策定する仕組みに大きく変えるものである。
 現在の教育委員会制度は、戦前の政治的教育支配と軍国主義教育の痛恨の反省から、憲法の趣旨に基づき、首長から独立した行政組織としてつくられたものである。しかし、政府が提出した教育委員会制度の改革案では、これまで、教育委員会が決めていた教育の方向性を、総合教育会議の協議を踏まえて首長が策定することになっており、「政治的中立性の確保」どころか、国と首長の「政治的教育支配」が可能となる重大な内容になっている。
 また、教育委員長をなくし、首長が任免する教育長を教育委員会の代表とする仕組みも問題である。教育長は現在、教育委員会の指揮・監督のもとにあるが、改革案では立場が逆転し、首長に任命された地方自治体幹部である教育長に教育委員会は指揮・監督されることになる。これでは、憲法が保障している「教育の自由と自主性」が侵害されることになる。
 戦後の教育委員会制度確立の原点に立ち戻り、住民・保護者・教職員・各分野の専門家などが参加した、開かれた教育委員会として再生させることが必要である。
 よって、本市議会は国に対し、教育委員会制度改革の中止を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年  月  日

千 葉 市 議 会


平成26年第2回定例会
No.3

(提出年月日)平成26年5月20日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

医療・介護総合法案の撤回を求める意見書(案)

 「社会保障の充実」という理由で消費税を増税したばかりの国会で、「医療・介護総合法案」が審議されている。その内容は、「社会保障の充実」どころか「医療・介護の大改悪法案」となっている。
 安倍内閣の狙いは、社会保障への国の支出を削減・抑制するため、国民に負担増と給付減を求めるとともに、健康や老後の安心を保障する社会保障制度そのものを「自己責任」、「自助努力」を基本にした仕組みに変えるものと言わざるを得ない。
 医療分野では、外来患者の削減目標を立て患者の受診を抑制したり、高齢者人口が増大する2025年までに、入院ベッド数をふやすどころか大幅な削減計画を立てるなど、国民の健康を考えたものではない。このままでは、行き場を失う「医療難民」、「漂流患者」が激増することは明らかである。
 また、介護保険でも「先に国の支出削減ありき」で、要支援者の介護保険からの除外や特別養護老人ホーム入所対象から要介護1・2を外すなど、大幅なサービス縮減となっている。
 これらのことから医療・介護総合法案は、政府みずからが掲げている介護の「予防重視」の方針や「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」を否定する矛盾したものであり、認められるものではい。
 よって、本市議会は国に対し、国民の実態を無視した医療・介護総合法案の撤回を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年  月  日

千 葉 市 議 会


平成26年第2回定例会
No.4

(提出年月日)平成26年5月20日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

集団的自衛権行使容認をやめるよう求める意見書(案)

 安倍首相は、これまでの憲法解釈を変えて、「内閣が判断すれば集団的自衛権行使は可能」と主張し、首相の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)に、集団的自衛権の行使を憲法解釈を変更して容認するよう求める報告書を提出させた。これには、「憲法の主権在民、基本的人権、平和主義を根本から破壊する暴走だ」との強い批判の声が起こっている。
 これまで、歴代の自民党政権は「憲法第9条によって自衛隊は海外での武力行使はできない」としてきた。同党内でも「憲法を改正せず憲法解釈の変更だけで集団的自衛権の行使を認めるのは立憲主義の否定になる」、「自衛隊が地球の裏側まで行くような無限定な行使容認は認められない」など、慎重論が出ていると報道されている。
 憲法第99条により「憲法を尊重し擁護する義務」を負う首相が、憲法を軽んじ、勝手な判断で日本を「戦争する国」に変えてしまうことなど許されるものではない。
 安倍首相の強引な手法に、国民は強い危機感を募らせており、各種の世論調査でも「改憲に反対」、「憲法第9条を守れ」という声が確実に高まっている。
 「国際紛争を解決する手段として」、「武力による威嚇又は武力の行使は」しないと決めた「憲法第9条」こそ、平和を望む世界の流れに沿った誇るべき憲法なのである。
 よって、本市議会は国に対し、立憲主義を否定して国民を「戦争する国」へ導く集団的自衛権行使容認をやめるよう強く求めるものである。 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年  月  日

千 葉 市 議 会


平成26年第2回定例会
No.5

(提出年月日)平成26年5月20日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

国民不在の改憲手続法「国民投票法」改正案の廃止を求める意見書(案)

 自民・公明・民主など与野党7党が共同提案した、憲法改正手続のための「国民投票法」改正案が、衆議院での十分な審議抜きに強行採決に至ったことは極めて遺憾である。
 最近の世論調査の結果でも明らかなように、国民は「憲法改正」も「9条改正」も望んではいない。しかも、憲法に関する重要問題にもかかわらず、国民からの十分な意見集約を行わずに、18歳への選挙権年齢等の引き下げ問題、主権者である国民の自由な意見表明や国民投票運動の制約など、次第に明らかになる法案の矛盾や欠陥を解決することもなく、わずか4日間・17時間の質疑だけで採決に持ち込み、成立させることなど認めることはできない。
 参考人質疑では、日弁連副会長が最低投票率を定めていない問題点を指摘し、「十分な検討を」と求めている。また、手続法以外の年齢条項についての政府内の不一致を挙げて、元慶応大講師は法整備に向けた合意形成に対する不安を述べている。さらに、大震災被災地の地方自治体からは、「憲法の理念を被災地に貫けば、多くの課題は解決する」との声もあり、改憲ではなく現行の憲法に基づいた施策こそ必要だと訴えている。
 このように、重大な問題点が浮き彫りになっている法案には、「憲法改正の是非やその内容の議論を置き去りにして、手続法の整備だけをなぜ急ぐ」との指摘すら出されるほどである。
 よって、本市議会は国に対し、国民不在の改憲手続法「国民投票法」改正案は廃止するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年  月  日

千 葉 市 議 会


平成26年第2回定例会
No.6

(提出年月日)平成26年5月20日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

賭博場・カジノを合法化する「カジノ合法化法案」の廃案を求める意見書(案)

 衆議院に提出され、今国会での成立を狙う「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法案」は、刑法が禁じている「賭博場・カジノ」を合法化するものである。
 推進者は「国際観光、地域経済の振興、税収の増加でカジノ収益が社会に還元される」などと根拠のない主張をしているが、仮に「ギャンブルで負けた人の犠牲、不幸の上に成り立つ」収益を「還元」したとして、そのような社会がまともな社会とは、とても言えるものではない。
 「多くの人を食い物にする法案だ」、「人格を崩壊させる人がふえても経済さえ発展すればいいのか」、「経済の問題だけではなく、依存症で家庭が崩れたら子供の問題、教育問題にもなる」などの強い不安や疑問の声に何ら答えることなく、強引に押し通すことは絶対にあってはならない。
 日弁連は5月13日、暴力団対策、資金洗浄対策、依存症の拡大、多重債務の危険性、青少年健全育成への影響など、法案がもたらす悪影響・問題点を列挙しながら、廃案を求める意見書を提出した。また、「サラ金被害」救済に取り組む団体や貧困問題に取り組む団体なども「賭博場設置反対」への行動を強めている。
 周辺住民や青少年への影響ははかり知れず、千葉市民をギャンブルに巻き込むような法案は認めることができない。
 よって、本市議会は国に対し、刑法が禁じている賭博場・カジノを合法化する法案は廃案にするよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年  月  日

千 葉 市 議 会