中村きみえ議員の一般質問および答弁(要旨)



2014.6.16
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【中村きみえ議員】
 今国会では、22日の会期末までに、安倍政権が集団的自衛権行使を可能にするための閣議決定を強行しようとしています。立憲主義を否定し、歴代政府の憲法解釈を捻じ曲げて時の政権の都合で、憲法を壊してはなりません。私どもは、集団的自衛権行使容認の閣議決定を中止することを強く求め、多くの皆さんとともに憲法破壊の暴挙を阻止していくために奮闘するものです。
 それでは、通告に従って、一般質問を行います。

1、保育問題について

 まず、財源についてです。2015年4月実施を前に、消費税10%増税が前提で、国の財源1兆1千億円のうち、4千億円不足し、職員の配置改善も3歳児までにとどめ給与アップも、5%増から3%にとどまり、質の改善の先送りは問題ではありませんか。
【こども未来局長】
 先月示された仮の公定価格には、研修代替職員の配置、非常勤保育士の加配、栄養士の配置、第三者評価等の受審費用など、質の改善に係る費用が計上されており、今後、更なる質の改善に期待している。

【中村きみえ議員】
 厚労省は、利用者負担額と事業者に支払われる公定価格を、子ども会議に示していますが、消費税8%増税の価格であり、公定価格も増えれば、利用者に負担増となりませんか。
【こども未来局長】
 利用者負担額は、公定価格に応じて変わるものではないため、消費税が10%になることなどにより、公定価格が上昇した場合でも変更はないと認識している。

【中村きみえ議員】
 新制度では、施設、事業者が保育料以外に質の向上を図るうえで特に必要であると認められるものは、実費上乗せ徴収ができるとされています。体育教室、英語教室などが予想され、保育料以外の負担範囲が広がれば、保護者の負担が重くなり、所得格差が保育格差につながりかねないのではないですか。
【こども未来局長】
 保育所での上乗せ徴収は、市の同意が必要とされており、原則として実費徴収以外の費用は上乗せを認める予定はない。

【中村きみえ議員】
施設と利用者の直接契約となる認定こども園や小規模保育では、直接契約のため市町村の同意なく上乗せされてしまいませんか。
【こども未来局長】
認定こども園や小規模保育事業は、規定上、市の関与なく上乗せ徴収は可能だが、特に保育所から移行する認定こども園や小規模保育事業は、可能な限り上乗せを行わないよう指導していく。

【中村きみえ議員】
 制度内容について、国は、株式会社の参入を進め、利益追求の対象になりかねません。保育所選定は保護者の自己責任となりかねず、障害児や所得の低い世帯の排除が懸念されますが、市の見解を求めます。
【こども未来局長】
 保育を必要とする児童は、これまでと同様に市が申込みの受理、利用調整、施設のあっせん等を行い、特に障害児や生活保護世帯については、優先利用の対象となることから、排除されることはないと考えている。

【中村きみえ議員】
 障害のあるお子さんで保護者が働いていなくても保育が必要であれば入所できるようにすることが必要だと思いますがどうですか。
【こども未来局長】
 新制度で、保育の必要性の認定にあたり、保護者の就労、親族の介護、求職活動等の事由が必要とされており、また、保育所入所希望者が多い現状では、障害があることのみを保育が必要とする理由として認定するのは困難だ。

【中村きみえ議員】
 9月議会で条例の制定にあたり、情報公開、説明責任、市民参加で行うことを求めますがどうですか。
【こども未来局長】
 幼保連携型認定こども園、小規模保育事業や家庭的保育事業の認可基準、新制度における給付対象施設の運営基準など、条例案の策定にあたっては、関係団体や公開で開催される社会福祉審議会児童福祉専門分科会における意見聴取の他、パブリックコメントを行うなど、広く意見を聴取していく。

【中村きみえ議員】
 計画策定にあたり、児童福祉法第24条1項の市町村の保育実施責任があることを踏まえて、対応を図るべきではありませんか。
【こども未来局長】
 本市の子ども・子育て支援事業計画は、昨年実施したニーズ調査に基づき、潜在的な需要を踏まえ策定していく。

【中村きみえ議員】
 子ども子育て支援新制度は、すべての子どもの権利を保障するために十分な議論と準備を行うことが必要で、認定こども園への移行も誘導することも慎重にすべきだと指摘しておきます。
 次に、待機児解消対策についてです。
 千葉市は4月に保育所の待機児ゼロと大々的に宣伝しました。しかし、希望した保育所に入れない人は、5月1日現在353人にのぼります。
 この間、千葉市は、待機児解消しようとするあまり、線路の高架下や庭のないビルで株式会社が運営する保育園を増やし続け、公立保育所にも子どもたちを押しこめている状況が明らかになりました。
 緑区の誉田保育所は、定員150名のところ、210名も入所しています。午前中訪問したところ、庭と保育室に子どもたちが所狭しとあふれていました。2階の多目的室は保育室になっていました。また中央区の白旗保育所も160名のところ192名が入っており、遊戯室をつぶして急きょ保育室に変えていたのです。
 これは、白幡保育所の遊戯室を保育室にしたものです。保育室とした場所は、カーテンと段ボールで壁を作りロッカーで仕切ったお粗末なものでした。後から子どもたちの水飲み場を設置するなど、急場しのぎで実施した様子がうかがえます。(写真2)裏側が遊戯室側から見ているものです。私は、唖然としました。他にも新宿保育所も移動式のロッカーで仕切っています。神明保育所は、既に遊戯室が存在しません。
 遊戯室は、どんな目的でどう利用されているのですか。
【こども未来局長】
 遊戯室は、絵本の読み聞かせやピアノを使った合唱など、複数のクラスが合同で保育を行う場として使用するほか、雨天時の遊び、季節の行事、児童の午睡のスペースとしても使用している。

【中村きみえ議員】
 遊戯室というのは、子どもたちがピアノの伴奏に合わせて歌ったり、雨の日は、駆けずりまわってエネルギーを発散させるなど日常的に欠かせない大切な空間です。千葉市は、建設当初一人当たり5平米とゆったりした基準でしたが、今2歳未満児は一人3.3平方メートル、2歳以上児は、1.98平方メートルの計算で、子どもたちを詰め込んでいます。これで待機児解消だと胸を張って言えるでしょうか。市長はこの実態を知っていますか。
【こども未来局長】
 本市の保育所の面積基準は、国が乳児1人当たりの必要面積を1.65平方メートル以上としているのに対し、0、1歳児1人当たり一律3.3平方メートル以上と規定しているなど、国基準に上回る内容となっており、今後もこれを維持していきたいと考えている。

【中村きみえ議員】
 保育室は、ロッカーや押し入れ、食事をするための机やいす、おもちゃや絵本などもあります。その他に保育士が配置されていることを考えれば、子どもの面積は、もっと狭くなります。布団も寝返りなどできないほど敷き詰めて対応しているではありませんか。移動式のロッカーも低いとはいえすぐ脇で子どもたちが寝ています。地震が起きたら、ロックしてあったとしても、倒れてこないか、心配です。国基準がそもそも1.65平方メートルというのが、低すぎるのに、2歳以上が、1.98平方メートルという小さい面積で子どもをおしこめていること自体が、基準をクリアしているから問題ないとの主張は、安全確保も含めた認識が欠如しているのではありませんか。
【こども未来局長】
 保育室の面積は、単に基準をクリアしているだけでなく、遊戯室の活用により、更に余裕がある面積を確保するとともに、安全面でも転倒等の危険性がない腰高で奥行きがあるストッパー付きのロッカーを設置するなど十分に配慮している。

【中村きみえ議員】
 市長は、5月30日の日経DUALのインタビューの中で、子育て支援について答えています。その中で、「保育所の中にちゃんと遊戯室を必ず作らなきゃいけないだとか、質にもこだわりを持ってやっていますから。同じ「待機児ゼロ」でも保育の質には自信があります」と発言されています。しかし、この実態は、質の面で自信があると言える状況でしょうか。
【こども未来局長】
 保育所の面積、保育士の配置基準等、本市の保育所の設備・運営基準は、国基準を上回っており、公立保育所では、国で設置が義務づけられていない遊戯室も1園を除き、ご指摘の白旗保育所も含めた全園で設置しているなど、待機児童解消とともに保育の質を最優先に取り組んでいる。

【中村きみえ議員】
 今ある木造の保育所をリース方式も含めて早めに建て替えを行い、子どもたちを詰め込むような保育は改めることを求めます。お答え下さい。
【こども未来局長】
 本市では、保育を必要とするお子さんを1人でも多く受け入れ、待機児童を解消する必要があると強く認識しており、多くの公立・民間保育園で基準の範囲内で定員を超える受け入れを行い一方、定員超過の状況も踏まえ、積極的に保育所の整備を推進している。

【中村きみえ議員】
 次に、民間保育園の保育士確保についてです。
 子ども子育て支援新制度で、保育士の待遇改善が、予算化されないことが明らかになりました。千葉市では、保育士確保のために、研修等を行って資格者の復帰支援をしていますが、何名研修を受け、何名復帰されたのでしょうか。
【こども未来局長】
 昨年12月に実施した、潜在保育士の再就職支援研修には、定員50人に対し44人の参加があり、そのうち7人の方の就職が内定している。

【中村きみえ議員】
 44名中7名と、研修を受けた方が即就職とはならないようです。保育士不足のもと、民間保育園も入所できる施設の定員にゆとりがあっても職員確保が困難で、受け入れられない保育園も一部見受けられます。職場の労働条件を整えていくことが必要ではないですか。
【こども未来局長】
 保育士の給与水準が他の職種と比較して低いことが、保育士不足の要因の一つであると認識しており、新制度でも保育士の給与改善が確実になされるよう、必要な財源の確保について、9都県市首脳会議を通じて国に対し、積極的に要望していく。

【中村きみえ議員】
 保育士の平均賃金も全職種の平均と比べて月9万円以上低くなっています。保育士の待遇改善は急務です。せめて4・5万円の給与アップで、再就職できる可能性があると関係者から指摘されています。市独自でも支援すべきではないですか。
【こども未来局長】
 保育士の処遇改善については、新制度でも「質の改善」項目の一つとして位置づけており、今後、国の予算編成過程において、具体的な改善率等が示されることから、その動向を注視していく。

【中村きみえ議員】
 政府の産業競争力会議で保育士不足を理由に、育児経験がある女性を3か月研修すれば「准保育士」の資格を作ろうとしていますが、保育の質が後退しかねないもので、子どもの命を最優先し、正規の保育士配置をすべきではありませんか。
【こども未来局長】
 国は、H27年度から育児経験がある主婦などを対象に、一定の研修の受講により「子育て支援員」として認定する制度の創設を検討しておりますが、この「子育て支援員」は、新制度の小規模保育事業や家庭的保育等の資格を必要としない保育補助者として配置することを想定したものであり、正規の保育士に代わるものではないと認識している。

【中村きみえ議員】
 子どもたちが、すくすくと育つ環境を保障し、待機児解消ありきではなく、そこで働く保育士さんの待遇も改善し、安心して子育てできる千葉市として取り組んでいくよう強く求めておきます。

2、不公平な敬老会補助金について

 昨年実施された敬老会の補助金が不公平との指摘があるにもかかわらず、今年度も同様の制度を活用していくことが示されました。
 そこで伺いますが、昨年度75歳以上一人あたりの補助額の最下位は244円、最上位は44,333円で、差は約182倍にまで及びます。市は、今年度も同じ補助制度では、前回44,333円の最高額の補助を更新し、青天井で補助ができることになりませんか。
【保健福祉局長】
 補助金額は、催し内容などにより開催経費が異なることから、1人当たりで見た場合、差が生じるが、無制限に拡大することがないよう参加人数規模に応じて、補助対象経費に上限額を設定している。

【中村きみえ議員】
 3月議会で野本議員の代表質疑に、補助金の見直しも視野にあり方を検討すると答弁しています。どう検討しているのですか。
【保健福祉局長】
 敬老会の開催を通じて、世代間交流や地域コミュニティの活性化、高齢者の外出促進など、基本的な考え方は維持しつつ、より多くの地域で敬老会が開催されるよう、多くの関係者のご意見を伺いながら、現在、補助基準の見直しを検討している。

【中村きみえ議員】
 高齢者の長寿を祝う敬老会が、参加した人だけ祝う在り方は、参加しない人を祝う気持ちがないということですか。
【保健福祉局長】
 この補助金は、高齢の方が地域の交流を図ることを目的に開催される敬老会のその一部を補助する制度だ。

【中村きみえ議員】
 一昨年度の補助は88,721人利用で、5,766万9千円に対して、昨年度は、21,864人利用で6,040万4千円と、利用者は、6万7千人も減り、財政的にも273万5千円も負担が増えています。
 昨年度の実施は、外出の促進といっていましたが、寝たきりの方や、外出したくてもできない高齢者の方もたくさんいます。参加した方にだけ補助するというのは老人福祉法に違反しているのではありませんか。
【保健福祉局長】
 昨年度の実績を見直し前のH24年度と比較すると、実施団体数、参加者数とも増加しており、一定の効果はあったと考えている。なお、補助金のあり方については、現在見直しを検討している。

【中村きみえ議員】
 一人当たり、定額制にして、参加できない方にも配布を求めます。お答え下さい。
【保健福祉局長】
この補助金の趣旨を踏まえると、参加できない方への記念品などの配布は適切ではないと考えている。

【中村きみえ議員】
 老人福祉法の基本理念では、「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする。」と掲げられており、外出促進できた人だけ補助をするという在り方は抜本的に見直すべきです。すべての高齢者の長寿を祝えるよう直ちに制度の改善をするよう強く求めておきます。

3、在宅医療について

 医療・介護制度を根本から改悪する医療・介護総合法案が、衆議院で全野党が反対する中、自民・公明与党が、強行採決をはかりました。審議は参議院に移りましたが、210もの地方議会が反対の意見書を決議し、参考人質疑でも批判が相次いでおり、法案の趣旨説明も間違った文書配布など大失態をおこしていながら、採決させようとしています。法案では、(1)要支援者は、訪問、通所介護を受けられず、(2)特別養護老人ホームは、原則介護度3以上でないと入所できない。(3)介護保険2割負担の導入、(4)入院ベッドの削減で患者を締め出す。大改悪です。
 そこで、千葉市は、この法案については、どういう認識で、どう対策を講じようとしていますか。
【保健福祉局長】
 今回の法案の基本的な考え方は、高度急性期から在宅医療・介護まで一連のサービスを地域で総合的に確保することで、地域での適切な医療・介護サービスの提供体制を実現し、患者の早期の社会復帰を進め、住み慣れた地域での継続的な生活を可能にすることだと認識している。今後、国から示される予定のガイドライン等に基づき、法案の趣旨に沿った対策を図っていく。

【中村きみえ議員】
 千葉市では2014年2月現在、介護認定者33,138人、で要支援者は8,877人、訪問介護利用者は、2,657人、通所介護を受けている人は2,201人います。介護保険の要支援の目的は何ですか。
【保健福祉局長】
 要支援者とは、入浴・排せつ・食事等の日常生活での基本的な動作で、常時介護を要する状態の軽減や、さらに悪化の防止を目的とする支援が必要と見込まれる状態、または継続して日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態にある方とされている。要支援者に対して行う予防給付は、要介護状態にならないよう予防効果を期待するものだ。

【中村きみえ議員】
 要支援は、要介護を予防するために必要な給付として創設されました。要支援者が、訪問介護や通所介護を使うことで、どんな役割を果たしていますか。
【保健福祉局長】
 日常生活での基本的な動作の悪化の防止を図ることで、要支援者が要介護状態にならずに、引き続き自立して生活できるような効果を期待するものだ。

【中村きみえ議員】
 要支援者で今回の法案で、このままサービスを受けられなくなるのか伺います。
【保健福祉局長】
 制度改正後は、予防給付のうち訪問介護と通所介護は、市町村が実施する地域支援事業に段階的に移行することになる。移行後は、市町村が事業の具体的な内容を決定することになるが、地域の実情に応じ、多様なサービスが実施できるとされている。

【中村きみえ議員】
 事例を紹介します。要支援2の女性は、一人暮らしで、目が見えません。デイサービスに週2回、訪問介護週2回活用していますが、調理、入浴など手さぐりで行い、見守りが必要ですが、介護保険内では限界です。夕方の戸締りや火の元の確認も自費で支払えません。こうした人たちが、サービスを利用できなくなったら、どうなりますか。
【保健福祉局長】
 国が示した事業例では、地域支援事業が既存の介護サービス事業所での既存の訪問介護・通所介護に加え、NPO・民間事業者・住民ボランティア等による掃除・洗たく等の生活支援サービス等の実施が示されている。今後、国から示されるガイドライン等に基づき、事業内容を検討していく。

【中村きみえ議員】
 ヘルパーさんは、一人暮らしの方が、食事は取れているか、痩せていないか、着替えは、入浴はできているか、薬はきちんと飲めているのか、生活実態を注意深く観察する目と見極める力で、早期発見、対応できることがあります。要支援者は決して軽度者ではなく、専門職による介護保険サービスを利用し今の生活を維持しており、介護保険サービスが利用できなくなれば重度化・重症化を招き、要支援者の介護保険外しは人の命に係わる大問題ではありませんか。
【保健福祉局長】
 サービスを必要とする方に、多様な担い手による多様なサービスを提供できるよう、事業内容を検討していく。

【中村きみえ議員】
 国は、既存の介護事業所だけでなく、NPОやボランティアの活用も指摘しています。ヘルパーの利用で、細かなサインに気づき、継続して関わることで信頼関係を持ち、本人の状況把握も的確に行えます。
 世田谷区では、要支援者の訪問介護の受け皿として、無資格のボランティアなどの家事援助サービスを今年の秋から計画していますが、全区域で実施のめどが立たっていません。ヘルパーより賃金水準が低くさらに報酬の安い有償ボランティアに人が集まるでしょうか。
【保健福祉局長】
 生活支援サービスの担い手となるボランティアは、今後、市内での活動内容やエリアを把握し、サービス提供の可能性を確認し、千葉市社会福祉協議会等の協力を得ながら、ボランティアの育成に努めていく。

【中村きみえ議員】
 ボランティア、NPО任せではなく、プロが実施し、すべての要支援者が、引き続きサービスを受けられる対応を強く求めておきます。
 次に、患者追い出しについてです。
 国は、患者7対看護師1、いわゆる7:1看護の病床を2014〜2015年度の2か年で、9万床も削減しようとしています。法案では、県が各病院の「病床再編計画」を作らせ県主導でベッド削減を勧告する権限まで与え、ペナルティを科そうというものです。千葉市では、7:1の看護の病院は、いくつ、何床ありますか。
【保健福祉局長】
 本市では、本年5月現在、15病院で3,749床だ。

【中村きみえ議員】
 手厚い体制の病院を削減すべきではないと、国に主張すべきではありませんか。
【保健福祉局長】
 国では、医療資源の効率的かつ効果的な活用を図る観点から、一般病床の機能分化を推進するものだと認識している。

【中村きみえ議員】
 7:1の看護をしている病院でさえ、認知症の患者さんや注意深く経過をみなければならない重症患者さんなどの対応で現場は疲弊しています。こうした病院の削減で、患者さんは入院することもできなくなるではありませんか。
【保健福祉局長】
 国では、急性期医療を中心に、人的・物的資源を集中投入し、入院期間を減らして早期の家庭復帰・社会復帰を実現するとともに、受け皿となる地域病院の病床や在宅医療・在宅介護の充実を図るとしている。

【中村きみえ議員】
 政府は、病院や施設への入所を限定する代わりに地域包括ケアの構築を宣伝しています。しかし、在宅で安心して過ごせるでしょうか。
 4月の診療報酬の改定で、月に2回以上定期的に訪問診療する場合、「在宅時医学総合管理料」が、高齢者の集合住宅など同じ建物の居住者を同じ日に複数人診ると、約4分の1まで減額され、一人一日だけ訪問すれば、減額しない緩和策が出されましたが、受診する機会を奪いかねない事態が懸念されます。千葉市は、在宅で必要な人が診療できるようにすべきですが見解を求めます。
【保健福祉局長】
 国では、高齢者住宅の事業者が入居者を医療機関に紹介し、紹介料を徴収する不適切な事例が生じたことを受け、在宅医療の適正化を図るため、在宅時医学総合管理料の見直しを図ったものと理解している。なお、在宅医療の推進は、本市の医療施策の重要課題として、関係機関と連携を図り取り組んでいく。

【中村きみえ議員】
 医療機関大幅な減収を強いられ、すでに往診を自粛するような状況が、あるように聞いていますが、往診を継続的に保障するためにも、国の制度の見直しを強く求めるべきです。見解を求めます。
【保健福祉局長】
 国では、在宅医療は医療施策の大きな柱の一つであり、今後も充実させる方針に変わりはないとしており、今後も国の動向を注視していく。

【中村きみえ議員】
 政府が、病院から患者の追い出しをはかることは問題ですが、がんの終末医療を行う場合、患者さんが最後は、自宅で過ごしたいとの願いをかなえるための環境整備は、重要です。千葉市で、往診、訪問介護、訪問看護の受け入れは、どうなっていますか。
【保健福祉局長】
 往診については、その多くがかかりつけ医と、かかりつけ患者の関係で行われている。訪問診療を専門に取り組む医療機関もあるが、需要に対応できない状況にある。要介護者は、ケアマネージャーが、主治医、訪問介護事業者、訪問看護事業者などの関係者が参加するサービス担当者会議を開催し、在宅での医療に必要な介護サービスを組み合わせたケアプランを作成することで、終末期を含めた在宅生活を支援している。

【中村きみえ議員】
 終末期の医療と向き合うには、緩和ケアにも熟達した上でさまざまな社会資源を活用していくことが必要です。地域包括ケアで医療や介護が受けられると言っても、訪問看護師は、全体の2%にすぎず、介護職員は全国で100万人不足していると言われている中で、体制が十分とは言えません。市は、どう対策を講じるのですか。
【保健福祉局長】
 訪問看護師を含めた看護師の養成は、医療・介護・福祉の充実に不可欠と考えており、市内医療機関等に看護師を育成しているところです。また、高齢化の進行に伴い、介護サービスを担う人材の確保・定着を図ることが重要課題と認識しており、市としても介護職員初任者研修を修了して、市内の介護施設等で就労した方に対し、研修費用の一部を助成する事業を実施している。

【中村きみえ議員】
 終末期のケアをする関係者は「たくさんのケースを抱えていてはわずかなサインを見逃してしまう。経営的な面でなく、丁寧な仕事をしたいから」と、ゆとりを持って対策を講じているようです。また勤務医時代の3分の1の報酬で取り組むなど、実態は、医療関係者の良心、熱意に支えられて行なわれているようです。しかし、それに甘えていいのでしょうか、在宅療養できるような対策を講じるには、診療報酬の引き上げを国に求め、介護従事者は全産業平均の10万円近く低い水準を改善し、市独自で支援が必要ではないですか。
【保健福祉局長】
 在宅療養を担う医療従事者に対する診療報酬の改善については、全国衛生部長会を通じて国に要望している。また、介護従事者の処遇改善は、大都市民生主管局長会議を通じて、国に対して引き続き要望するとともに、介護人材の確保策について検討していく。

【中村きみえ議員】
 老後、安心して過ごしていくためには、要支援者を介護保険の枠外に追い出し、要介護1・2を特養入所の対象から追い出し、入院患者を病院から追い出す医療・介護総合法案は、介護の社会化という当初の目的を投げ捨て、憲法25条を否定するもので、廃案にすべきだと強く指摘しておきます。

4、東幕張土地区画整理事業について

 東幕張土地区画整理事業は、JR幕張駅北口の整備を中心に、今移転などが急ピッチで進められています。この間、高齢化が進み、移転の要望は切実です。そのための対策を講じることも重要です。総面積は26.05haで、街区公園も3つ整備予定です。現在、この地域には、小さな街区公園が1つくらいで、子どもたちは放課後、路地裏などで自転車を乗り回したり、ボール遊びをするなど身近に公園がないため、安全な遊び場を求めています。
 そこで伺います。3つある街区公園の整備予定はいつごろになるのですか
【都市局次長】
 現在は、建物移転や道路の整備を進めており、公園は施行区域内の建物移転などが概ね完了する時期に整備を予定している。

【中村きみえ議員】
 公園の整備までに、子どもたちはどこで遊べるのでしょうか。
【都市局次長】
 施行区域内には、地元の子どもたちが遊べる「ちびっこ広場」がすでに整備されている。今後は、事業の進捗状況を踏まえて、本市が管理する他の土地で利用が可能か検討していく。

【中村きみえ議員】
 市の土地を当面利用して遊ぶとしても、移転先では先々は、遊べません。その際は、どこを利用できますか。
【都市局次長】
 今年度末には、2号公園予定地内の一部の建物移転が完了し、子どもたちの遊び場となる用地が概ね確保できる予定なので、H27年度に暫定的な整備を検討していく。

【中村きみえ議員】
 将来、理想的なまちづくりをすると言っても今の住民の方が、快適に過ごせるよう対策を講じることが必要です。ぜひ今後も、住民の皆さんの要望に応える対応をしていただくよう求めて、質問を終わります。