野本信正議員の一般質問(要旨)



2014.6.19

写真1 カジノについて
 千葉市はIRについて、500万円の調査費を予算化した。理由として第一回定例会の私の質問に、「幕張新都心の魅力を高める、多様な楽しみを提供する一つの手法として、IR導入の可能性について検討する。国会の法案審議など注視しながら調査を実施する。」と答えている。今回の質問は、千葉市が今後調査をするのでそれを待たないと答弁できないとの前提はやめて、現時点で明確になっている問題点を質すのでしっかりした答弁を求める。
 (1)カジノ合法化法案(特定複合観光施設区域の整備に関する法案)が衆議院に提出されているが推進派は、観光客が増え、経済が活性化し、税収も増えるなどバラ色の宣伝をばらまいているが、賭博での収益で観光客を増やしたり、経済を活性化するなどは、健全な観光や経済対策では無いと厳しい批判があるが、千葉市の見解はどうか。それでも尚IRについて、500万円の予算を組んでまで調査するのか。
 (2)日本弁護士連合会は5月14日、カジノ合法化法案に反対する意見書を発表し、「カジノ」悪影響の対策は今後のこととし『推進』だけを決める法案だ」として廃案を求めるとしている。
 悪影響の事例として、暴力団対策、マネーロンダリング対策、ギャンブル依存症の拡大、多重債務問題再燃の危険性、青少年健全育成への悪影響などカジノ解禁がもたらす問題点を列挙している。この悪影響の一つ一つについて千葉市の見解を。
 (3)次に、ギャンブル依存症を拡大についてであるが、ギャンブル依存症(病的賭博)という精神病患者と公認されているがその説明をされたい。
 (4)08年厚生労働省委託研究結果によると諸外国のギャンブル依存症有病率が発表されている。その概要と、日本の男・女の実態について明らかにされたい。
 (5)市が調査費を予算化した背景に、幕張新都心など地元も経済界からの働きかけがあったのか。市議会のIR議員連盟からの働きかけも原因なのか。

2 プレミアム商品券について
 買い物に10%のプレミアムがつく今回の事業は、市民からの関心も高く、消費税率引上げ後市民生活が悪化している時だけに、希望する市民に速やかに利用されることが望まれている。また地元商店街の活性化に役立てたい。
 (1)日本共産党市議団は、4月30日市長に対して、「プレミアム商品券事業を成功させることに関する申し入れ」を行った。
その内容は、4月28日現在、○「商品券販売店」35店舗、○「参加店舗」目標の3000店舗に対して、150店舗と極めて低調である。
① せっかくの事業を成功させるために、「商品券販売店」と「参加店舗」を大至急に増やすこと。
② そのために、手紙や電話で商店街などにお願いだけで無く、直接出かけてお願いすること。
③ 現在、産業支援課職員3名と、商工会議所職員4名では間に合わないので、臨時的に増やすこと。
④ 千葉市経済部職員70名と、産業振興財団職員34名が、3〜4日時間を取って、一斉に商店街やスーパーに働きかけることを提案した。
質問するが、
 1)提案についてどう具体化したのか。
 ①から④まで一つ一つについて説明を求める。
 2)4月30日以後、何名の職員が直接働きかけたのか。その延べ人数は何人か。
 (2)市民が商品券を購入する「取扱店」は、
 ① 当初計画が何店で、どこまで進んだのか。
 ② 6行政区の住民が利用しやすいところに「取扱店」が配置されたのか。
 (3)商品券を使って買い物ができる「参加店舗」について
 ① 当初計画が何店で、現在どこまで進んだのか。
 ② 地元商店街は、幾つあってそのうち商店街の何店舗かが「参加店舗」に承諾してくれた商店街の数は。
 ③ また地域住民の多くが買い物する主なスーパーは幾つあるのか。そのうち何店が参加してくれたのか。
 (4)市民が商品券を使って買い物できる商品について
 日常の生活用品が望まれるが、現在どのような業種・商品が参加しているのか。
 (5)5月30日よりの商品券売り出しは、短時間で完売した取扱店が相当数あったようだがどうか。その一方で低調のところもあるようだが実態について、及び何セット売れて残りは幾つか。
 (6)商品券を購入したい市民が、売り切れのため購入できなかったという「声」をかなり聞いているが、どんな状況であるか説明を。
 (7)商品券の購入を希望する市民にどのように応えていくのか。
 (8)一人で何セット買ったのか。規則は3セットまでだが、家族が3人だから9セット購入などされている。最高購入セット数から1セットまでの一人で購入したセット数の傾向について。及び販売したセット数に対して購入した人数は何人で、世帯数は何世帯になると思っているか。
 (9)少ない年金で必死に暮らしている人をはじめ、低所得者の活用ができているのか。

3 葬儀場の建設について
 若葉区小倉台モノレール駅前の、住宅と住宅に挟まれた455.17平方メートルの土地に葬儀場建設が進行していることについて、地元住民から反対の声が高まり、第一回定例会葬儀場建設反対の請願が提出され、全会一致で採択送付された。
 (1)地元住民がどんな理由で反対しているのか説明を求めたい。
 その1、都市・建設委員会での請願審査にあたり行われた「意見陳述」において、陳述人は度のようなことをのべたのか。
 その2、5月9日及び5月26日に、建築指導課の立ち会いで行われた小倉台4丁目住民と、サンセレモとの話し合いについて、住民側の発言とそれ対する事業者側の回答について、3〜4例を会議録に基づいて説明をされたい。
 (2)閑静な住宅地にふさわしくない、住民の反対理由を市は理解できないか。
 (3)都市計画法の理念と、住宅地の葬儀場建設について
 その1 都市計画法第一条と、第二条に掲げる理念はなにか。
 その2 都市計画法の理念と、小倉台での住宅地の葬儀場建設は整合性が取れないと思うがどうか。
 (4)反対の請願が議会において、全会一致で裁決されたことをどのように受け止め対処しているのか。
 (5)法律、条例上合法であっても、住環境に著しい悪影響を及ぼす時は、市が事業者に対して強力な行政指導、要請を行って断念を求めるべきだが。
 (6)千葉市は過去に、法律、条例に基づき提出のあった墓地の建設計画に対して、住環境を守るための住民の熱心な反対運動と、住民から提出された反対の陳情を市議会が全会一致で採択して、市当局の事業者に対する熱心な説得がありその結果、事業者が計画を断念した事例があるがその内容について説明をされたい。

<2回目>

1 カジノについて
 (1)日本弁護士連合会の意見書の内容は十分承知しているので、先進事例を調査していくとの答弁だが、
 1)日弁連が指摘する、カジノがもたらす悪影響を十分承知しているのなら、調査するまでもなく千葉市への導入は止めることを求めるが。
 2)次に日本弁護士連合会の意見書は、日本で初めて完全な民間賭博を認めることになれば「刑事罰をもって禁止してき立法趣旨が損なわれる」との指摘を、当局はどう認識しているか問いたい。
 すなわち、刑法の賭博禁止の規定について確定した最高裁判決は「勤労など正当な原因によらず、単なる偶然の事情によって財物を手にする思いがけない幸運を得ようと相争うことは国民を怠け者の浪費家にし、健康で文化的な社会の基礎となる『勤労の美風』を害するばかりか、副次的な犯罪を誘発し、国民経済の機能に重大な傷害を与える恐れがある」としている。
①この判例をどう認識しているのか。
②この判例を素直に受け止めIRの導入の検討・調査を中止すべきではないのか。
 (2)ギャンブル依存症(病的賭博)という精神疾患患者と公認されている。
 08年厚生労働省委託研究結果によると諸外国のギャンブル依存症有病率が発表されている。その概要と日本の男・女の実態は、イギリス0.8%。アリカ1.4%。スペイン1.7%。オーストラリア2.1%。 日本は、女性1.6%。男性9.6%。日本は主にパチンコだが、ずば抜けている。
 千葉市に単純に置き換えると、男性46,100人。女性7,800人。
 1)日本は世界でも最悪のギャンブル依存症大国。千葉市も例外ではない。この実態を把握しているのか。
 2)この厳しい実態の元でカジノが持ち込まれると、ギャンブル依存症がさらに増えて深刻な事態となることを分かっているのか。それでもカジノ誘致が必要なのか。
 (3)調査費を予算化した背景に「地元経済界からの要望があった」との答弁だが、現在国会で審議している法案で検討中のカジノは、民設・民営・私益で運営されるものである。
 ①民設・民営・私益のカジノには公益性が全くないと思うがどうか。
 ②公益性が全くないカジノの調査をなぜ千葉市が税金で行うのか。中止を求めるが。

2 プレミアム商品券について
 (1)日本共産党市議団が、4月30日市長に「プレミアム商品券事業を成功させることに関する申し入れ」を行った以後、市職員3名を21名に増やし、商工会議所職員4名を34名に増やすなど72名を動員して直接働きかけを行った。
 その結果、「参加店舗」150店舗から2,791店舗に増えた。
 これだけの事業を成功させるために、職員を多数動員して直接働きかけることによって商店や団体に、市や会議所のやる気を伝えることができたと思うが。
 (2)一人で何セット購入したかの傾向は、一人3セットが多く、1家族で3人分9セットとか、12セット、15セットもあったと聞いている。
 合計7万セットの商品券を何人が購入できるのか。平均3セットで約2万3千人。また何家族が購入できるのか。平均5セットで1万6千人。
 いずれにしても購入できたのは96万市民、42万世帯のごくわずかである。
 ①このように、ごく一部の市民にだけの利益になっていることは、プレミアム商品券事業実施の目的に合致していないがどうか。
 ②希望するもっと多くの市民が購入できるように改善を求めるがどうか。
 (3)「所得の低い方の購入機会も十分保障されている」の答弁は根拠がない。
12セット、15セット購入者は12万円、15万円払っている。購入限度である3セットでも3万円で、少ない年金で毎日やっと頑張っている人には手が出ない。
 ①消費税増税の影響を最も大きく受けている低所得者も利用できるのが、商品券事業の使命ではないのか。
 ②そのため1セット5千円なども作成すべきではないのか。
 (4)プレミアム商品券の売れ行きは、初日から完売の「取扱店」があった一方残券の多い「取扱店」など「バラツキ」があったと聞いている。
 「購入を希望したのにできなかった」という市民もいるし、プレミアム商品券その物を知らない市民はたくさんいる。
 消費で10%の得をする商品券が購入したいのに買えない人や、商品券を知らないままの市民がいることは至急改善する必要があると思うがどうか。
 (5)今後のPRをホームページだけでなく、もう一度市政だよりに掲載する。
町内自治会の回覧板で周知してもらう。など行うべきではないのか。
 (6)可能な限りのPRを行った結果、希望者数が7万セットを上回った時には、追加発行を行って市民の期待に応えるべきではないのか。

3 葬儀場の建設について
 (1)ただ今の答弁で紹介された、請願審査に当たる陳述や、2回行われた話し合いでの住民の発言は、当たり前の住環境を維持していきたいという気持ちそのものである。小倉台はS39年造成以来50年になるがこの間、住民と、自治会、商店会はじめ多くの団体・個人が協力して住みよい街づくりを進めてきた。
 50年間住民が作り上げてきた住環境を、ある日突然一葬祭事業者の利益のために壊されることは容認できない。市はこの住民の気持ちを本当に理解すべきであるがどうか。
 (2)「葬儀場建設は都市計画法の理念と合致している」との答弁であるが、私は違うと思う。
 ①閑静な住宅地に計画されている葬儀場建設が、「都市の健全な発展、公共福祉の増進を目的とする、健康で文化的な都市生活確保」を明記した、都市計画法の理念と整合性がとれないことを認めるべきだが。
 ②用途地域への適合や建平率の確保などだけでなく、地域での「健全な発展、公共福祉の増進、健康で文化的な都市生活確保」を最大限尊重して、葬祭場建設事業者に指導、説得することを求めるがどうか。 
 (3)千葉市は過去に、法律、条例に基づき届け出があった民間業者による墓地建設に対して事業者を説得して、計画を断念させた事例について答弁があった。
 H19年9月14日、宗教法人阿弥陀寺から若葉区加曽利町に民間墓地の建設が提出され、住民から粘り強い反対運動と、議会への陳情が全会一致で採択送付されて、度重なる議会質問が行われるなかで、市側は藤代副市長を先頭に対策にあたり、阿弥陀寺を説得して、墓地建設を断念させた経緯がある。
 当時の新聞記事と情報誌の記事中、市の代表として「藤代副市長」が阿弥陀寺住職と粘り強く話し合い、計画断念に大変な努力をしたと書いてある。
 藤代副市長に質問するが
 1)千葉市として何を目的として事業者に説得をしたのか。すなわち墓地計画が周辺環境に及ぼす悪影響を取り除くとか、千葉市全体の街づくりから見て閑静な住宅地域に墓地はふさわしくないとか、住民の熱心な運動や議会での全会一致の陳情採択等、いろいろあったと思うが伺いたい。
 2)法律、条例上合法な申請について断念させることは、相手側が裁判に持ち込めば市にとって不利になるし、行政にとって前例、実例となることであって、重大な決断であったと思うが、決断して説得にあたった経緯や、理由について説明されたい。
 3)小倉台の葬儀場建設に対して、加曽利町に民間墓地の建設を断念させた時と同じく対応し、事業者を説得することについて
 ①藤代副市長が対応することを求めるが。
 ②現地の調査と直接住民声の声を聞く機会を設けること。
 以上について答弁を。