ふくなが洋議員の条例提案説明



2014.9.8

写真発議第22号
 千葉市葬祭場等の設置の調整に関する条例について提案理由の説明を行います。

 この条例の目的は現在、葬儀場・遺体保管所・エンバーミング施設については何らの法的しばりがなく自由に設置することができます。そのために条例を制定して紛争を未然に防止をして良好な市街地の環境保全を行おうとするものです。

 現在、東京都の大田区そして川崎市において遺体保管所の設置で大きな紛争が起きていますが法的な規制がないために関係する住民の生活が脅かされています。
 平成23年12月に大田区議会が―「遺体保管所」を業として行うものに関する法的整備を求める意見書−を全会一致で可決し国の適切な法整備を早急に求めています。その意見書でも葬儀に関する行為については「墓地・埋葬等関する法律」で規制されるものとしています。
 しかし現状は「墓地・埋葬等に関する法律」では遺体から火葬までの間の保管方法等については何らの規定がないのです。
 自由に営業できることにより、事業主が地域住民に対する説明の必要や、市との協議も標識の設置も必要がないのです。このことが重大な問題です。

 その後、大田区では遺体保管所の設置反対運動が大きな力を発揮して「地域力をいかした大田区まちづくり条例」に平成24年3月に「葬祭場等に係る調整」の項目を追加して新たな遺体保管所の規制を定めています。しかし先に設置された遺体保管所には効力は及びません。
 また川崎市では、そもそも遺体保管所に関する条例がないために住民の大きな反対運動があるにも関わらず現在遺体保管所の設置が進んでいます。
 これら葬祭場等が条例制定の前に設置されれば規制が及ばないのが現実です。

 そこで地方自治体が緊急に条例を制定して未然に紛争を防止しなければなりません。
 千葉市内の商店街の空き家や住宅地の空き地などに遺体保管所を設置されることについての規制は全くなく、現状では手をこまねくしかないのです。こうしたことを議会としてはとても許すことができないと考えます。
 千葉市議会はこれまで「千葉市墓地等の経営の許可等に関する条例」を担当の常任委員会で協議をして条例改正をおこない規制を前進させた経験があります。
 こうしたことにも踏まえて、早急に法規制の隙間になっている葬祭場等へ一定の規制を住民の立場で求めるのは当然のことと思います。
 そのために速やかに条例を制定するべきです。施工日は本来ならば半年あるいは1年置くべきですが、深刻な先進事例に学ぶとどうしても9月議会終了後の11月1日施工することが望ましいと考えるものです。
 時代の変化で葬儀のあり方が大きく変容しています。遺体保管にはニーズがあるとされながら、ある日突然住居の寝室の隣に遺体保管所が自由に建設できることは絶対に避けなければなりません。生活環境との調整を行う条例は絶対に必要なものです。

 さらに葬儀場建設問題では今年の2月議会に「小倉台駅前葬儀場建設反対に関する請願」が地元から出されました。その請願の趣旨は狭い専用住宅地に葬儀場の建設の中止を求めるものでした。議会では全会一致で請願が可決されましたが現在葬儀場の建設は着々と進んでいます。
 こうした事態を招いた背景には住民の生活環境へ悪影響を及ぼす葬儀所建設に何らの規制がないことが考えられます。そのためにも条例の制定で抑止力が働き地域の環境を保全することができると考えています。
 そのためにも速やかに葬祭場等の設置条例を制定して住民の生活環境をまもることです。

 地域の良好な環境を守る思いを込めて緊急に条例を全国で初めての形で提案させていただきました。同僚議員のご賛同をよろしくお願いいたします。

 以上で提案理由の説明を終わります。