野本信正議員の一般質問(要旨)



2014.9.30

写真1 航空機騒音について
 国土交通省は8月26日、「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」を設置し、初会合を開き、羽田空港に発着できる飛行機の回数を大幅に増やすのが目的で、新ルート設定に伴う騒音予測図も示された。
 一時間当たりの発着回数が最大80回から90回に拡大、一日当たり約107回増やす、年間の発着回数は約44万7千回から最大約3万9千回増やせる計画と聞いている。
 1に、増加する発着便の15時から19時の時間帯は、首都ルートを使用すると言う案であり、この時間帯は千葉市上空への飛行は無い計画だが、それ以外の時間帯に現行の飛行ルートで想定される便数増加の、回数・時間帯、騒音などの影響はどうなるのか。
 2に、従来事故時のリスクの大きさを懸念して、都心部上空の飛行は回避されてきたが今回、東京と神奈川などの上空の飛行ルートが示され、スカイツリーより低く飛ぶことについて、(1)気象状況などや、予期せぬ事態によって都心部上空の飛行が困難になった時など急遽、千葉県、千葉市上空にルートが変更される事態の想定はあるのかないのか。(2)都心部上空の飛行計画は低空飛行のため、一部地域では、住宅防音工事が必要な騒音地域になることもいわれているため、今後東京や神奈川など住民の反対運動などで都心部上空の飛行が難しくなった場合も、千葉県、千葉市上空にルートが変更される心配はあるのか無いのか。
 3に、千葉市は「分散化が示された」と歓迎している向きもあるが、今指摘した問題も含めて、便数の削減、騒音軽減に向けて、慎重に対応することが必要と思うがどうか。
 4に、航空機の発着回数が今後増え続ける下で、騒音影響を抜本的に解消していくために、海上ルートへの変更を強く求めていくことを改めて提案するが。
 5に、千葉市における航空機騒音について、北側ルートの高度引上げに伴い、26年3月以後飛行ルートが東側に4〜5キロメートル移設されたことにより、それまでの騒音地域がどのように変化したのか。

 私どもに航空機ルート下の住民から苦情が寄せられている。紹介すると「最近は、低空飛行機の数が非常に多くなり様変わりした。毎日特に夕方時間には2分間隔で20時頃まで約100機の飛行機が交差して飛んでいる。時には夜11時に飛んでいることもある」「私が居住している所は、第一種住宅専用地域で、以前は静かな良い住宅地でしたが、しかし今では、爆音も著しく気になりノイローゼになっております。もう自分で限界です。助けてください」若葉区加曽利中学校近くの住民からだ。
 また、大宮台自治会会長からも「市に何回も要望書を出している。何とかしてほしい」と声をかけられている。
 6に、これらの訴えに対する見解と、対策について示されたい。
 7に、4〜5キロメートルの移設で新たに騒音影響の出ている地域名を示されたい。また、騒音影響の状況、苦情などについて明らかにされたい。
 8に、飛行ルートの下で、地点の騒音測定をきめ細かく行うことを求めるがどうか。私は、検定に合格した騒音計をお借りして、南風好天時に測定をし続けている。高根町で70デシベルを超えた結果が出たり、各地域で60〜67デシベルなどの測定値がでている。ルート下の地域をきめ細かく測定し、住民の声を把握することを求めるがどうか。

2 法務局跡地(若葉区桜木町)への特別養護老人ホーム建設について
 若葉区桜木5−16千葉地方法務局に、特別養護老人ホーム建設について、私はH24年12月議会で提案したところ、当時の総合政策局長は、「財務省より千葉市に公的利用の照会があった場合、その時検討することになる」と答弁している。
 その後、H26年5月19日、千葉地方法務局職員と法務省職員が現地に来て、「千葉東出張所跡地は現在千葉県内の登記申請書の集中書庫として使用していて、建物の敷地の一部は引き続き使用する。ただし、敷地の一部面積約1,000平方メートル以上は、用途を廃止して財務省に移す」と説明があった。
 1に、H27年度より第6期介護保険事業計画を現在策定中であるが、整備されるホームの種別と内訳を明らかにしてほしい。
 2に、特別養護老人ホームの中で、地域密着型特別養護老人人ホームは、約1,000平方メートルの敷地で可能と思うがどうか。
 3に、法務省が用途廃止した後、財務省から千葉市に利用の照会があった時応募して、前例に習い定期借地権で、社会福祉法人の利用を募ることを提案するがどうか。
 4に、立地条件が住宅地に近いことと、公共施設跡地で環境も整っている。若葉区は特別養護老人ホームの数は多いが郊外、農村が主であり都市部にも必要なため、実現に向けての努力を求めるがどうか。

3 超高齢社会への対策、医療機関への交通対策について
 医療機関への交通網未整備のため治療を受けることが困難な地域の市民高齢者に、バス路線の整備や、デマンドタクシーの整備が急がれている。
 若葉区大宮台から市立青葉病院・大学病院行きバスが、H24年より運行されたことは高く評価する。だが、バスの採算に見合う利用客がなかったためH26年8月一杯で廃止になったことは残念だ。利用者は今後困ってしまう。市内には同様の困っている地域・高齢者は多い。
 1に、千葉市は路線バスが廃止された時には、コミュニティバスを運行してきた前例があるが、大宮台から市立青葉病院・大学病院行きバス廃止は前例が適用されて、千葉市から新しい交通対策が示されるべきではないのか。
 2に、千葉県内のデマンドタクシーを取り入れている自治体名と、利用方法、利用料金、委託の有無、行政からの負担方法などについて示されたい。
 3に、バス路線の整備では、採算が取れない地域の交通手段として、一定の利用者がいる地域では相乗りが可能で、2人3人ぐらいで利用できて、タクシー料金が割安になるデマンドタクシーが適当と思うがどうか。
 4に、千葉市でもタクシー会社に委託し、デマンドタクシーを取り入れて、高齢者の要望に応えていくことを求め、その最初に高齢化率の最も高く、青葉病院・大学病院行きバス廃止されて困っている、大宮台を地域で実施することを提案するが。

<2回目>

1 航空機騒音問題
 いま重大な答弁があった。15時から19時までの4時間を除く時間帯において、現行の飛行ルートで想定される便数増加の、回数・時間帯、騒音などの影響について、「1時間当たりの到着回数が現在の40回から41回に、さらに到着機のピーク時間帯には44回への増便が示されていて、騒音の影響が増大することが想定される」ということは、(1)仮に一日当たり10回増えれば1月に300回、一日当たり20回増えれば1月に600回に増えることになることが想定されるがどうか。(2)そして、過密な時は、今でも1分30秒に1回ぐらい飛んで来るのが、1分に1回とかになるかもしれないと思うがどうか。
(3)熊谷市長は「1時間当たり40回を越えることは認められない」と言ってきたが、今回の計画は到底認められないと思うがどうか。

 東京と神奈川などの上空の飛行ルートが、スカイツリーより低く飛ぶことについて、気象状況などや予期せぬ事態のとき、また住民の反対運動などで都心部上空の飛行が難しくなった場合について、千葉市上空に変更されるかもしれない懸念についての2点の質問をしたが、「国との協議の中で確認していく」「その後の動向を注視していく」との答弁であった。
 しかし、千葉市としての基本的立場は確立しておくべきだと思う。それは、特別な事情が発生したとしても、15時から19時まで4時間の都心上空コースでの最大173回を千葉市上空に振り向けることは絶対認められないと主張すべきではないのか。

 騒音影響の抜本的に解消に、海上ルートへの変更を引き続き求めていくことをもっと具体的に進めることを求めておく。併せて騒音の軽減と羽田への安全な離着陸を阻害している「アメリカ軍の管理下にある横田基地空域」の問題がある。H24年6月議会の私の質問に熊谷市長は「改善に努力する」と答えているが、「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」において千葉市が提案をして、「協議会」全体で対応するようにリードすべきと提案するがどうか。

 飛行ルートが移設は新たな騒音地域を広げている。先に紹介した、若葉区加曽利中学校近くのAさん宅の前で、検定に合格した騒音計による測定をしたところ、35分間に16回の飛行があり、最大騒音は55デシベルから62デシベルを記録している。「もう自分は限界です。助けてください」という訴えに、市はAさんにお会いして市の対策を直接伝えることを提案するがどうか。
 また、若葉区佐和町のBさんは、「北ルートの飛行機が上空にくると会話が妨げられ窓を開けておくとテレビが聞こえなくなる」と証言している。
 ここでの測定は、最大69デシベルを記録している。市もルート下の住民の声を聞き、測定をすることを求めるがどうか。

2 法務局跡地(若葉区桜木町)への特別養護老人ホーム建設について
 国有地を有効に活用するものだ。畑・通勤寮跡地では住民運動をバックに、30年間の定期借地を実現し、前例を作った。今後も市内の国有地については、「定期借地」として活用できるように取り組むことを求めておきたい。
 そして、今市民から要望の出ている稲毛区機動隊跡地及び、私が提案した若葉区桜木町の法務局跡地への特別養護老人ホーム建設が実現できるように、最善を尽くすことを求めておきたい。

3 超高齢社会への対策、医療機関への交通対策について
 超高齢社会で、住民が安心して暮らせる交通手段として、デマンドタクシーの必要性を認めた答弁は評価する。
 運営方法も県内14自治体中13自治体が、行政からの委託料で運営していることを参考にして、大学病院行きバス路線が廃止されてしまった大宮台で、デマンドタクシーの実証実験運行を行うように求めるものである。