あぐい武夫議員の一般質問と答弁


2014.10.2

写真1、ひきこもりの支援について
【あぐい武夫議員】
 日本共産党千葉市議団の安喰武夫です。一般質問を行います。
 まず、ひきこもり対策について質問します。
 千葉市のひきこもり対策は、2012年8月に開設された「千葉市子ども・若者総合相談センター・愛称Link(リンク)」で扱われています。
 リンクは基本的に、39歳までの子どもと若者、その家族を対象にし、ひきこもりだけでなく、いじめや不登校、ニートなど多様な悩みについて、相談に応じる総合相談窓口です。解決に当たっては、教育委員会や保健福祉センター、青少年サポートセンターなどでつくる「千葉市子ども・若者支援協議会」と連携しながら取り組んでいます。相談員は正規職員が1人と非常勤職員2人で、非常勤職員は交代しながら勤務しています。通常は、基本的に2人体制です。ここに様々な内容の相談が寄せられています。ひきこもりは、内閣府の2010年2月の調査では、「ほとんど家からは出ない」などの「ひきこもり」が23万6千人、「自分の趣味の時だけ外出する」など、「準ひきこもり」が46万人。合わせると69万6千人と推計されています。
 すでに、ひきこもり問題は、社会問題となってきています。10年以上もひきこもり、40歳代になっている人もおり、解決がより困難になっています。
 ところが、千葉市には、40歳代以降も含め、ひきこもりを専門とする相談機関はありません。そこで質問します。
 千葉市では、ひきこもりの人たちは、何人いるのでしょうか。リンクへのひきこもり問題での相談件数はどのくらいあるのでしょうか。

【こども未来局長答弁】
 ひきこもりの状態にある方については、本人・家族とも公表を望まないことから、正確な状況は把握しておりませんが、H22年の内閣府の調査によると、自宅から出ない、または近所への買い物以外には外出しない「狭義のひきこもり」にある15歳から39歳までの者は、全国で23万6千人、0.61%であり、本市の人口に換算いたしますと約1,800人となります。また、昨年度、リンクで相談を受けた539人のうち、170人約32%がひきこもりに関する相談となっております。

【あぐい武夫議員】
 この数字は推計です。実際はもっといるかもしれません。
 このひきこもりの人たちを社会復帰させるためには、まず、家から一歩出てもらうことが必要です。そのためにも、訪問して粘り強く支援していく、いわゆるアウトリーチ型の支援が求められています。リンクでは、アウトリーチ型支援をしているのでしょうか。

【こども未来局長答弁】
 リンクは、関係機関の紹介や問題の解決に向けた助言等を行う拠点として設置しており、相談者の依頼により、リンクの担当者が相談者宅で相談に応じたり、つなぎ先の機関への同行支援を行うなど対応を図っております。

【あぐい武夫議員】
 訪問相談は当然ですが、さらに必要なのは、訪問して、粘り強く支援を続けるアウトリーチ型の支援です。専門的知識と経験、困難に立ち向かう精神がなければできません。とくに、長期にひきこもっている人たちにとっては、必要な支援です。
 結局、千葉市には、ひきこもり専門の機関もアウトリーチ型の支援もありません。 いま、長期のひきこもりで、40歳代の方も増え、解決がさらに困難になっています。
 こうした事態を踏まえ、厚生労働省は、「ひきこもり対策推進事業」を創設し、各都道府県・指定都市に、ひきこもりに特化した相談窓口である「ひきこもり地域支援センター」を整備することを呼びかけています。「ひきこもり地域支援センター」とは、どのような施設で、国からの補助はどのくらいあるのでしょうか。すでに、設置している政令市はどこでしょうか。

【保健福祉局長答弁】
 「ひきこもり地域支援センター」は、ひきこもり支援コーディネーターが、当事者や家族などからの電話相談に応じるとともに、自宅への訪問支援を行い、社会復帰を支援する専門機関です。このセンターを設置する自治体に対する国からの補助金は、児童を対象とする相談窓口と成人を対象とする相談窓口を併設する場合、コーディネーターを4人以上配置することで、2千万円を上限に設置運営事業費の2分の1が補助されることとなります。政令市の設置状況は、現在、本市と札幌、相模原、静岡市を除く16政令市が設置しております。

【あぐい武夫議員】
 スクリーンをご覧ください。今答弁にあったように政令市では、20市中16市で設置されています。千葉市は遅れている状況です。千葉市も、「ひきこもり地域支援センター」を設置し、アウトリーチ型の支援をすべきではないでしょうか。

【保健福祉局長答弁】
 ひきこもりの支援では、当事者が相談窓口に出向くことが厳しい場合が多いことから、家庭訪問を中心とするアウトリーチ型の支援が有効とされております。本市においても、アウトリーチ型の支援を強化する必要性は認識しており、そのための方法の1つとして「ひきこもり地域支援センター」の設置について検討しているところです。

【あぐい武夫議員】
 「検討している」とのことですが、急ぐ必要があります。
 厚労省の「ひきこもり対策推進事業」の目的は、最初にどこに相談したらよいかを明確にし、より支援に結びつき易くすることです。だからセンターの名称も、「ひきこもり対策の実施機関であることがわかるものとする」としています。
 長年、息子さんのひきこもりで悩んだお母さんは、どこに相談していいかわからない状況が長年、続いたそうです。ひきこもり問題は、親しい人にも、なかなか言い出せず、家族だけで抱え込み、さらに悪化させる傾向があります。
 ひきもりの当事者や家族の苦しみを本当に受け止めるなら、開設する目標を決め、できるだけ早く「ひきこもり地域支援センター」を設置するべきです。お答えください。

【保健福祉局長答弁】
 本市においても、ひきこもりの方々に対する支援を強化することが必要であることは認識しております。この観点から「ひきこもり地域支援センター」の設置を含めて、支援策をどのように強化していくべきかについて検討して参ります。

【あぐい武夫議員】
 支援センターの設置が、さらに遅れることになれば、ひきこもり問題を抱える市民のみなさんの苦しみを増やすことになります。重ねて早く設置するよう強く求めておきます。
 次に居場所についてです。週1回でも家から出られるようになった、ひきこもりの方を社会復帰につなげていくためには、安心できる居心地のよい居場所が必要です。千葉市として、空き家の活用も含め、各区に設置することを提案します。お答え下さい。

【保健福祉局長答弁】
 ひきこもりの方が、身近な地域で気軽で安心して立ち寄れることができ、日頃の悩みを相談できるような居場所づくりは、社会復帰を促進する有効な手段であると認識しており、今後の課題であると考えております。

【あぐい武夫議員】
 「今後の課題」ということですが、社会復帰への一歩を踏み出すうえで、居場所が重要だということは、理解していただいていると思います。重ねて各区への設置を求めておきます。
 次に、ひきこもり対策に取り組んでいる市民のみなさんへの支援についてです。千葉市内でも、個人やNPO団体が居場所をつくり、ひきこもっていた人たちを親身になって援助しています。個人の努力によって運営されている稲毛区内の居場所では、一人一人に寄り添いながら、得意分野を見つけ出し、それを自信にし、社会復帰を援助しています。パソコンが得意だったAくんは、居場所で行われる行事のチラシなどをつくりながら、自信を勝ち取り、今では就職し、立派に働いているそうです。
 ところが、このような個人や団体に対して、千葉市としての援助はありません。ひきこもり対策に取り組む人たちの要望を聞きながら、具体的な支援を行うべきではないでしょうか。お答えください。

【こども未来局長答弁】
 ひきこもりの方々が抱える問題は、それぞれに複雑かつ多様であり、支援の実効性を上げるためには行政だけではなく、地域において支援活動に取り組む団体と共同して支援を行うことが不可欠であると考えております。また、来年度から開始される生活困窮者支援制度では、ひきこもりの方を含めた生活困窮者の社会復帰に向けた場として、社会福祉法人やNPO法人などが提供する「中間的就労」を拡大するために、事業者の認定など、その促進に取り組むこととなっています。このため、今後は「リンク」や生活困窮者支援など、ひきこもりの方に対応する事業の実施を通じて、社会復帰を支援している地域の団体から運営に関する意見を伺うなど、連携を深めるとともに、必要に応じて団体の育成に向けた支援の可能性を検討して参ります。

【あぐい武夫議員】
 「ひきこもり支援をしている人たちと共同していくことが不可欠」としながらも、結論としては、「支援の可能性を検討する」とのことでした。これでは、いつ支援されるのかわかりません。
 個人としてNPO団体として長年、ひきこもり問題に取り組んできた人たちは、豊かな経験と情熱を持ち、多くの実績をあげてきました。
 この人たちと共同して取り組むことは、千葉市のひきこもり対策をすすめるうえで、確かな力になります。そのことを踏まえれば、何らかの支援をするべきです。お答えください

【こども未来局長答弁】
 地域において、ひきこもりの方々に対する支援に取り組んでいる団体のご協力が不可欠であることは認識しておりますので、今後の事業の実施を通じて、それらの団体と情報交換を行うなど連携を深めながら、支援の可能性について検討して参ります。

【あぐい武夫議員】
 「具体的に検討する」との答弁がなかったのは残念です。しかし、ひきこもり支援に取り組む人たちとの協力が不可欠との認識を重ねて表明していただきました。そして、その人たちと連携を深め、支援の可能性を検討するとのことなので、具体的な検討を始めていただくことを強く要望しておきます。

2、空き家対策について
 次に、空き家対策について質問します。
 総務省は今年7月、2013年10月1日現在の「住宅・土地統計調査結果(速報)」を発表しました。それによると、全国の空き家は820万戸で、空き家率は13.5%、過去最高となりました。今後も増えていくことは確実です。管理不全の空き家がある地域からは、防災、防火、防犯、景観などの点から、「早く対応すべきだ」との声が上がっています。空き家対策については、これまでも多くのみなさんが繰り返し取り上げてきました。そうした流れの中で、千葉市では2013年4月、「千葉市空き家等の適正管理に関する条例」、いわゆる「空き家条例」が施行されました。今年3月には「千葉市住宅政策審議会」が「空き家(既存の住宅資源)を活用した、多世代共生型の地域社会構築に向けた取り組みの方向性について」との答申を発表しました。
 空き家が増えた背景には、人口減少と急速な高齢化があります。それによって地域が疲弊し、地域コミュニティが崩壊する危険があります。まさに、空き家対策は緊急の課題です。そこで伺います。
 千葉市の空き家戸数と空き家率について、お答えください。

【都市局次長答弁】
 総務省のH25年住宅・土地統計調査の速報集計の結果によりますと、市内の空き家は5万2,700戸で、空き家率は11.5%となっております。

【あぐい武夫議員】
 この空き家の中には、管理不全の空き家があり、近隣住民は不安を抱えています。
 「空き家条例」は、管理不全の空き家への改善を求めることが主な目的です。
 条例が施行されて1年半が経過しました。市民からの相談件数はどのくらいあり、それに対する指導、勧告、措置命令などは、どのくらい行われたのでしょうか。
 その結果、改善した戸数はどのくらいあり、管理不全のまま残されているのはどのくらいでしょうか。

【市民局長答弁】
 H25年4月の条例施行後、空き家に関する相談は、昨年度1年間で168件あり、そのうち、所有者が判明した90件に対し、延べ110回の指導、及び1件の勧告を実施した結果、51件が改善され、本年3月末時点で把握している管理不全な空き家は185件となっています。なお、措置命令を行った事例はありません。

【あぐい武夫議員】
 近隣住民のみなさんが、深刻な不安を訴えている中で、勧告が1件、措置命令はなし、という状況は、取り組みに不十分さがあるのではないでしょうか。もちろん、措置命令などは、安易に出してはならないことは理解しています。
 次にお聞きしますが、改善に至った事例の中で、説得に苦労したケースは、何件あったのでしょうか。また、改善に至っていな事例では、何が主な障害になっているのでしょうか。

【市民局長答弁】
 所有者等の説得にどの程度苦労したかという視点での集計は行っておりませんが、先ほどご答弁いたしました勧告を行った事案では、近隣住民の方から相談を受けてから、改善されたことを確認するまでに約4年半を要したところです。
 次に、改善に至っていない事例では、登記簿などから所有者等を特定できないこと、また、特定できても所有者が遠方に居住していることや経済的理由で、すぐには対応できないことなどが障害となっております。

【あぐい武夫議員】
 現場の職員の苦労については、状況をつかむ必要があると思います。また、「所有者がわからない」「経済的理由」などの障害は、条例制定前から予想されていたことです。
 こした障害を踏まえ、管理不全の空き家を改善するには、粘り強く所有者をさがし、粘り強く相談に乗りながら説得し、合意を得なければなりません。苦情を訴える近隣住民のみなさんの思いも、しっかりと受け止めなければなりません。まさに、粘り強い努力が必要です。千葉市が通知を出すだけでは、解決できません。今回の条例施行を踏まえ、この困難な仕事を推進できる体制をつくったのでしょうか。

【市民局長答弁】
 条例の施行に伴い、管理不全な空き家についての相談の受理、実態調査等を区役所地域振興課くらし安心室が担当することで、迅速な対応を可能とするとともに、庁内の関係各課を構成員とし、老朽化した建物の危険度等について協議する「空き家等対策連絡協議会」を設置するなど、体制を整備したところです。

【あぐい武夫議員】
 庁内に「空き家等対策連絡協議会」を設置したことは理解します。しかし、「くらし安心室が対応することで迅速な対応を可能とした」といいますが、くらし安心室の職員は増えておらず、いろいろな相談を受けながら、困難な空き家対策をおこなっています。迅速な対応ができる状況とは思えません。
 スクリーンをご覧ください。稲毛区の事例ですが、これは2階の窓ガラスがなくなっている空き家です。この空き家から、隣の民家にガラスの破片が落ちていたそうです。もし人が居れば、大ケガをしたかもしれません。隣のお宅の方は、「シロアリも発生しているので、早く何とかしてほしい」と訴えていました。
 次の空き家は、平屋の屋根が一部落ち、桐の木らしき樹木が顔を出しています。ここでは、瓦が落ち隣の民家のフェンスにあたり、写真にあるように傷ができました。駐車場に車があれば、車にも被害が出ていた可能性があります。ここでも人にあたれば、大けがをしたかもしれません。このお宅では、子どもさんがおり、「いつ瓦が落ちて来るかと思うと、心配でたまりません」と訴えていました。
 空き家条例をつくったわけですから、こうした不安を募らせる住民の思いに応えなければなりません。そのためにも、体制を強化して取り組む必要があります。
 先月16日から「ちばレポ」が本格的運用となったこともあり、これから相談件数もさらに増え、管理不全の空き家の実態もより明らかになります。条例施行を踏まえ、新たに専門の相談員を配置するなど、現場である各区の体制を強化すべきです。お答え下さい。

【市民局長答弁】
 区役所の体制につきましては、今後の業務量の推進等を勘案し、検討して参ります。

【あぐい武夫議員】
 結局、当面、現場は現状のままでいくということです。しかし、先ほど述べたように、現在でも自宅の敷地に管理不全の空き家から、瓦や窓ガラスの破片が落下する被害が起きています。
 条例施行前から、地域で大問題になっていても、いまだに改善されない状況が続いています。体制も強化せず、現場まかせにしていたからではないでしょうか。
 庁内に「空き家等対策連絡協議会」を設置したと言うのであれば、この協議会で議論し、現場を支援して、勧告、措置命令なども出して、解決のために全力で取り組むべきではないのか。お答えください。

【都市局長答弁】
 先ほど、ご答弁いたしました通り、区役所では所有者が判明した90件に対して、延べ110回の指導を行うなど、管理不全な空き家の改善に粘り強く取り組むとともに、特に危険なケースにおいては、関係課と連携して応急的な措置を実施した例もあります。今後とも、条例の規定に従い、事案に応じた的確な対応を図って参ります。

【あぐい武夫議員】
 「今後も条例に従い、的確な対応を図る」といいますが、「そこが不十分ではなかったのか」と問題提起しているわけです。現場まかせにせず、現場を支援し、住民の声を聞き、解決のために全力で取り組むことを重ねて求めておきます。
 次ですが、空き家の改善にとって障害となる問題は、様々あります。大きな原因の一つに、経済的理由があります。空き家対策を確実にすすめるためには、補助制度が必要ではないでしょうか。国の法整備の中でも検討されているようです。市の見解について、お答えください。

【都市局長答弁】
 建物を適正に管理することは所有者の責任であり、管理不全な状態の改善に要した経費に対する補助を行うことは考えておりません。しかしながら、建物の保安上の危険、周辺の住環境への影響、所有者の資産その他の状況を勘案し、何らかの公的支援をすることが公共の利益に資するケースも想定できることから、今後とも空き家対策に関する国や他の地方自治体の動向を注視して参ります。

【あぐい武夫議員】
 「今は考えていないが、想定できるので、国などの動向を注視する」とのことですが、現時点でも、危険な空き家があるわけですから、先送りするのではなく、検討するよう求めておきます。
 次に、空き家の活用について、伺います。
 空き家対策は、管理不全の空き家への対応とともに、空き家の適正管理と活用するための対策が必要です。千葉市住宅政策審議会の答申でも、空き家を住宅資源と位置づけ、適正管理と活用を提案しています。
 わが党は、以前からまちづくりの視点から空き家対策を考え、地域の活性化のためにも、空き家を、住宅に困っている高齢者や障がい者、子育て世代などに、提供することを求めてきました。千葉市として、こうした施策に取り組むことを提案します。お答えください。

【市民局長答弁】
 答申では、空き家を住宅確保要配慮者への対応として活用することや、子育て世代等に低廉な家賃で現状のまま貸し出し、居住者が自らリフォームする場合などに支援していくことが提言されていることから、このような取り組みを検討して参ります。

【あぐい武夫議員】
 「答申で、住宅確保要配慮者への対応や、リフォームへの支援が提言されていることから、検討したい」とのことですので、ぜひ、リフォームへの支援も含め、具体化していただきたいと思います。
 先ほど、「住宅確保要配慮者」との用語がありました。「住宅確保要配慮者」とは、「住宅セーフティネット法」で、「低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子どもを育成する家庭、その他住宅の確保に特に配慮を要する者」と定義されています。そして、この法律の目的は、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進を図ることです。まさに空き家の活用は、この法律に基づく取り組みとも言えます。重ねて、具体化を求めておきます。
 空き家は個人の活用だけでなく、地域の住宅資源として、地域コミュニティーにとっても重要な役割を果たすことができます。高齢者や障がい者、ひきこもりの人たちなどの居場所として、活用してはどうでしょうか。お答えください。

【市民局長答弁】
 答申では、地域の中で空き家を居住支援施設等として活用することも提言されていることから、今後、このような地域での自主的な取り組みへの支援も検討して参ります。

【あぐい武夫議員】
 ぜひ、答申の具体化として、実施していただきたいと思います。具体化にあたっては、住民の声をよく聞くことを求めておきます。
 次に、空き家対策の取り組みの体制について、伺います。
 千葉市では、管理不全の空き家対策は市民局で、空き家の活用は都市局で行っています。市民にとっては、わかりづらい体制です。空き家の管理も活用も統一した体制で取り組むことが合理的ではないでしょうか。

【市民局長答弁】
 管理不全な空き家の改善に関しては、関係各課が連携、協力して的確な処理に努めているところですが、実施体制については他都市の状況などを研究して参ります。

【あぐい武夫議員】
 京都市では、都市計画局が、空き家の管理も活用も位置づけ、総合的にすすめています。千葉市も、空き家対策を総合的にすすめるために、市民にもわかりやすい体制を確立していただくことを求めておきます。
 空き家対策は、国政上の問題にもなっています。この間、国会に、「空き家対策特別措置法案が提出されるのではないか」との報道がありました。空き家の所有者を調査する手立てや、更地にすると固定資産税が跳ね上がる問題など含め、法整備は必要です。現在の法整備の議論の内容を踏まえると、今後、千葉市でも対応しなければならない事態が予想されると思います。市の見解について、お答えください。

【市民局長答弁】
 現時点では、法案の詳細が明らかになっておりませんが、引き続き法整備に関する情報の収集に努め、法律が制定された場合には的確に対応して参ります。

【あぐい武夫議員】
 千葉市としても法制化がすすむよう国に求めるとともに、法律ができた場合、ただちに対応できるように、情報収集と研究をすすめていただきたいと思います。
 国の法整備では、いろいろな課題が論議されていますが、その基本に管理と活用を合わせて取り組むことが議論されています。空き家条例でも、京都市などは、管理と活用を条例に位置づけています。今後、千葉市の空き家条例も、管理と活用を位置付けたものに改正することが必要ではないでしょうか。お答え下さい。

【市民局長答弁】
 空き家の活用につきましては、「貸したい人」と「借りたい人」を適切にマッチングする登録制度や、今年度「協働事業提案制度」で募集した「地域コミュニティ形成のための空き家有効活用に関する支援」など、様々な取り組みを検討している段階ですので、今後、法整備に向けた国の動向も踏まえ、研究して参ります。

【あぐい武夫議員】
 「研究する」とのことですが、空き家対策は、管理と活用が統一して取り組まれてこそ、本格的な解決に向かうことができると思います。
 千葉市でも、活用を位置付けた取り組みをはじめているわけですから、今後、空き家条例も管理と活用を位置付けたものに改正することを重ねて求めておきます。
 空き家対策は、活用を含めれば、まだ始まったばかりです。しかし、管理不全の空き家の周辺の住民のみなさんは日々、不安を抱えたまま生活しています。「もし瓦が落ちたら」「ガラスが落ちたら」との危険に毎日、毎日おびえながら生活しているわけです。こうした住民の不安は、空き家の所有者には伝わっていないわけです。この近隣住民の不安を所有者に伝え、対処するのも千葉市の仕事です。
 このような住民のみなさんの思いに応えることが、現時点の千葉市の責務だと思います。
 この千葉市の責務を果たすよう、最後に重ねて強調して、一般質問を終わります。