日本共産党市議団の討論



2014.12.17

写真 日本共産党市議団を代表して討論をおこないます。

議案第153号 一般会計補正予算中、職員給与等の改定について
 これは、人事院勧告による職員給与の引き上げであり、日本共産党市議団は一般職員の給与引き上げには賛成です。しかし、特別職の期末手当引き上げの内、市長と議員に係わる引上げには反対です。

発議32号 千葉市議会議員の議員報酬・費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正について
 この条例には反対です。以下、その理由について申し上げます。
 職員給与の改定に至った人事院勧告は、7年ぶりの引き上げであり、職員からは歓迎されています。しかし、その引き上げ額は、市職員一人当たり年間84,000円。職種別では、係長級が約92,000円、課長級は約103,000円の引き上げです。
 この引き上げ額は、H22年から5年間にわたる、熊谷市長の独自カットによる給与引き下げ額の合計、職員一人当たり120万円、係長級140万円、課長級280万円から見れば、ごく僅かです。
 「脱財政危機」のためだと言って、減額されつづけてきた多額の給与や退職手当は、職員の生活設計を狂わせ、モチベーションを下げています。
 総務委員会で、市独自の減額措置の解消見通しを質したところ、「不明である」との答弁でしたが、計画期間終了予定であるH27年3月末をもって解消することを求めておきます。

 つづいて、特別職についてです。
 「人事院勧告に準じて、市長等の特別職の期末手当の措置と同様に、引き上げを行うのは適当と判断した」との理由は、市民の理解が得られません。
 反対する第1の理由は、市職員給与の独自カットは、「人勧」を無視して行いながら、特別職の手当引き上げは「人勧に準じて行う」ことは矛盾しています。
 「財政危機を脱するために」と5年間で合計72億円の職員給与を、人事院勧告がされていないもとで、市独自のカットをつづけてきました。これを市長が提案し、市議会では、今回発議32号を提案した議員が賛成してカットを続けてきたものです。
 一方、議員の期末手当引上げについて、総務委員会での議論で「特別職及び議員ともに、人事院勧告は尊重すべきで、一般職員の改正に準じて期末手当の引き上げは妥当である」との発言がありましたが、これは勝手な言い分です。
 反対の第2の理由は、「脱財政危機」のためと言って、市民と職員に犠牲を強いているのに、自らの期末手当の引き上げを行うことは、市民にも職員にも理解は得られないからです。
 千葉市財政は政令市ワースト1となり、熊谷市長が「脱財政危機宣言」を発信するほどの危機的状況だとの理由で、それを乗りきるためにと、職員給与のカットや市民サービスカットが強行されてきました。職員給与は5年間で72億円、市民サービスカットと公共料金引き上げなどの負担増による影響は約103億円に上ります。
 財政健全化の名のもとに、市民と職員に莫大な犠牲を押し付けているもとで、市長や議員が自らの手当の引き上げを行うことは、認められません。
 反対の第3の理由は、議員が自ら発議をしてまで、期末手当の引き上げを行うことです。
 条例により、人勧に伴う職員給与引き上げの条例と予算が可決されても、議員の期末手当は自動的には上がりません。そこで、発議32号が提案されたわけですが、私どもは、議員の期末手当引き上げについて、わざわざ発議することはないと批判してきました。期末手当の引き上げを自粛・中止するよう求めるものです。

議案第163号 千葉市立小学校設置条例の一部改正について
議案第164号 千葉市立中学校設置条例の一部改正について

 両議案については、賛成の立場ですが、地元関係者から意見が出されているので、以下改善を求めます。
 163号は、幸町第一小学校と第二小学校が統合し、第四小学校に移転するものです。施設改修時に、フェンスがつくまでの間の安全対策を強化すること、それぞれの学校で使っているリコーダー、算数セットなどの教材や運動着など父母負担の軽減が必要です。子どもルームは、統合後も第一、第二小にあるルームにそれぞれ通うこととなり、防犯上の問題も心配されています。第四小は、空き教室も少なく、校庭も狭いため、敷地内移転整備への懸念もあり、適切な対応が求められています。4つの体育館で地元のスポーツ団体が体育館を活用していましたが、統合後は1つの体育館で各団体が決めるとしても限界があり、希望者が利用できるように対応すべきです。統合後の活用は、子どもたちの教育環境整備、地元のスポーツ施設や子どもや高齢者の居場所を要望しているため、体育館などの活用が引き続き行えるよう求めます。
 164号は、花見川第一中と花見川第二中が、花見川中に統合するものです。適正配置地元協議会で、制服や部活動のユニフォームなど経済的負担とならないように対応を求めました。引き続き、統合後の施設の活用を地域住民の要望を反映すべきです。

議案第166号 指定管理者の指定について
 これまでの「富士建設工業」から「ちば斎苑管理グループ」に指定が変わりました。
 ちば斎苑管理グループが選定された大きな理由は、大幅な経費削減で現在の富士建設工業の提案額を下回ったことが理由であることがはっきりしました。
 これまでの富士建設工業はすべて正規職員27名で運営してきました。ところが、ちば斎苑管理グループは、21名の職員で、そのうち8名が非正規雇用となっています。単純に正規職員数で比較すると約半数の人員で運営することになります。
 関係者からは、この人員ではとても斎場の運営はできないとの声が出ています。千葉市が運営に責任を持つ斎場で、正規職員を大幅に減らし、非正規雇用化を進めることは許されません。地域雇用の不安定化を招き、地域経済活性化に水をさすことにもなります。
 大幅に職員を減らすことは、斎場管理の不安定化を招き、サービス低下の懸念があります。よって、不安定雇用を進める指定管理の選定は認めることはできません。

議案第171号 蘇我スポーツ公園施設管理について
 これまで、千葉市はシミズオクトと東洋メンテナンスを最適な組み合わせだと、説明していました。
 これが今回は、蘇我球技場のほか4施設を、限度額7億5,000万円で、MMK共同事業体に指定をすることになりました。今回、シミズオクトと東洋メンテナンスの共同事業体が、なぜ手を挙げなかったのかについて、千葉市は「民間企業の経営判断であり把握をしていない」との答弁でした。しかし、民間企業の経営判断としても、蘇我スポーツ公園は千葉市の施設です。これまでの事業体が事業を継続しないのなら、それなりの説明責任があって当然ではないでしょうか。このことは、民間企業の経営判断ではなく、企業の説明責任が問われる事柄です。
 公募に参加して受注できないのなら理解はできますが、何の説明もなく撤退するのは、指定管理制度に市民が大きな不信を持つのは当然です。
 今回の指定管理者の選定は極めて不自然で不可解であり、賛成をするわけにはいきません。

発議第31号 千葉市家庭的保育事業との設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について
 党議員団が保育士を小規模保育においても配置の比重を高めるよう提案しました。
 自民は、第3回定例会で審議しており来年4月から、保育士の募集に影響を懸念し、現在の基準で十分、採択されても間に合わないと理解したといい反対。公明は、今から保育士確保が間に合うのか、資格のない人は働けなくなり、発議の影響もぬぐえないとして反対。民主は、保育士を増やす方向性を否定するものではないというものの、保護者への影響もあるので反対。未来は、量の拡大、質の確保、意図することは賛成できるが、保育士確保は難しいのではないかこのタイミングでは現場が混乱するのでしばらく様子見ることで反対しました。共産党以外はすべて反対しています。
  政令市で5市が小規模C型を全員保育士で対応しており、今回の発議は、保育の質を高めていくための提案です。5年の猶予期間があり、すぐに解雇という訳ではないことも条例で明記しています。保育の質を向上するために提案しているのに、当局から、保育士の採用の見通しを質問し、「事業者募集が減るかもしれない」と答弁したことも問題です。それを、了解して、保育士確保ができないと反対するのは極めて遺憾です。親の願いに応えた保育の質が提供できるように努力すべきです。

請願第12号 国民健康保険制度の充実を求める請願について
 千葉市の国民健康保険料は所得の一割を超え、「払いたくても払いきれない」世帯が増えています。その実態は、全滞納世帯数34,932世帯のうち、所得200万円未満の世帯が76.1%を占めるなど、所得の低い世帯ほど厳しいものです。加えて、今年度の保険料の引き上げは、滞納世帯への差し押さえの強化と消費税増税、年金引き下げなどで重い負担となり、「払える保険料に」の願いは切実です。ところが、請願は共産党以外の会派の反対により不採択となりました。
 他会派は、他市の保険料との比較や低所得者への軽減策を例に挙げ、請願の趣旨は理解するが、千葉市の厳しい財政状況では一般会計からの繰り入れは困難、受益者負担はやむを得ないなどの理由で反対し、保険料を払えない市民の大変さを理解しないものです。

 国保財政の収支改善は全国的な問題で、国費の投入が当然求められるべきですが、国が応分の負担を行わない以上、市民の深刻な実態に即して、自治体が一般会計からの繰り入れを行い対応すべきです。