野本信正議員の一般質問に対する答弁



2015.3.4

1.新庁舎建設について
【財政局長答弁】

 新庁舎整備についてのうち、所管についてお答えします。
 まず、市民・職員に我慢を押し付けている下で、新庁舎建て替えを急ぐ合理的理由はないとのことですが、現在の本庁舎は、防災面、分散化・狭隘化、老朽化などの課題を抱えており、現状のままでは非常時はもちろん、通常時においても必要な機能が不足していることから、何らかの庁舎整備方策を実施する必要があります。
 さらに、建て替えを先送りした場合には、本庁機能が3か所に分散したままとなるため、年間約6億円もの賃貸料負担や、多額の維持管理経費の負担が続くことになります。市の財政が厳しい状況であっても、本庁舎が市政運営の拠点として、また、総合防災拠点としての機能を果たし、市民の暮らしを支えるためには、市役所の機能が最も高められ、かつ長い目で見て最も費用負担が少なくなる方策を採る必要があるものと考えております。
 次に、「脱・財政危機宣言」の解除の時期についてですが、現段階で、具体的な時期について申し上げることは難しいですが、宣言の解除については、実質公債費比率が起債の許可を要しない18%を下回ることや、連結実質赤字比率の解消などを目安としつつ、毎年度の収支状況などを踏まえ、総合的に判断すべきものと考えております。
 次に、一般会計から市庁舎整備基金への返済についてですが、新庁舎整備における具体的な資金調達方法を検討していく中で、基金活用の要否等についても検討することとなりますので、その結果に基づき、返済も含め必要な対策を図ってまいります。
 次に、公営住宅法施行令に示されている、市営住宅の耐火構造住宅の耐用年限については、70年と規定されております。
 次に、学校施設のあり方に関する調査研究協力者会議が示している、学校施設の長寿命化によれば、小中学校は最長何年使うことになっているかについてですが、
 同会議の報告書によれば「法定耐用年数は、鉄筋コンクリート造りの学校施設の場合、47年となっているが、適切な維持管理がなされ、コンクリート及び鉄筋の強度が確保される場合には70年から80年程度、さらに技術的には100年以上持たせるような長寿命化もかのうである」とされております。
 次に、約64億円増加の原因について、消費税、建設費高騰など項目ごとの説明についてですが、平成24年度の基礎調査における新築した場合の事業費は、本庁舎の整備手法を比較・検討するため算定したものであり、一概に比較することは出来ませんが、建設物価の上昇で約44億円、消費税率の改定で約11億円、地盤改良工事の追加などで約9億円となっております。
 次に、建設の手法ごとに費用を想定して、概算費用を示すべきではないのか、また、概算費用の見通しを示すことが出来ないとすれば、建設費用高騰で見通しが不透明ということかについては、関連がありますので併せてお答えします。
 基本計画(案)の概算費用につきましては、最近の建設物価の状況や他市の事例等を参考に、建設事業費を試算したものであります。事業手法ごとの概算費用につきましは、平成27年度に予定する事業手法等検討調査を踏まえ、検討してまいります。
 次に、行政独自には維持管理経費を試算する技術力がないということか、またはその他の理由があるのかについて、関連がありますので併せてお答えします。
 基本計画(案)は、新庁舎に備えるべき機能や規模、3つのモデルプラン、現時点で想定される事業手法や事業費について整理したものであります。維持管理経費を含めたライフサイクルコストにつきましても、来年度に予定している事業手法等検討調査を踏まえ検討し、お示ししたいと考えております。
 次に、長期間とは何年くらい使える建物にするのか、についてですが、新庁舎の使用期間につきましては、建物の構造により異なりますが、設備機器等の更新や維持管理が容易な庁舎とするとともに、計画的保全を実施することにより、長期間にわたって使用できる施設となるよう、取り組んで参ります。
 次に、基本計画(案)で示した新庁舎の規模の算定の基となった人口、職員数についてですが、新庁舎の規模の算定にあたり、現庁舎、中央コミュニティセンター及びポートサイドタワーに分散化している組織を集約することとして、新庁舎で働く職員数を、平成26年4月時点の2,065人と設定いたしました。なお、26年4月の人口は963,750人ですが、新庁舎の規模の算定基礎とはしておりません。
 次に、本庁舎、区役所及び保健福祉センター、これら以外の市の施設を利用する市民は、それぞれ96万人中、何人何%なのかについてですが、市民利用者の実人数や人口に対する市民利用の占める割合については把握しておりませんが、今年度実施した「本庁舎整備に係る1万人市民アンケート」では、18才以上の市民のうち1年以内に本庁舎、中央コミュニティセンター及びポートサイドタワーを利用した方は全体の約3割となっております。
 次に、今まで多くの市民の声を聞く機会をなぜ設けなかったのか、また、アンケートやパブリックコメントで聞いた市民の声を、なぜ尊重しないのかについては、関連がありますので併せてお答えします。
 新庁舎整備を進めるにあたり、基本構想の策定過程において、1万人市民アンケートや市立高校生へのアンケート、構想(案)に対するパブリックコメント手続き、シンポジュウムなど、市民の皆様のご意見を伺い、反映すべきものにつきましては構想に反映して参りました。今後も、基本計画(案)に対するパブリックコメント手続きを実施するほか、市長対話会や出前講座、シンポジュウムなど、様々な機会を通じて市民の皆様のご意見を伺いながら検討を進めて参ります。
 次に、庁舎建設の契約に係る入札不調についてですが、秋田県秋田市、山形県酒田市、茨城県の日立市と坂東市、埼玉県秩父市、富山県射水市、和歌山県新宮市、広島県呉市などにおきまして、新庁舎の建設に係る入札が不調となったと聞いております。また、県内は、木更津市におきまして、入札参加辞退により、入札者がいなくなったため、入札を中止したと聞いております。
 次に、平成25年度と26年度の建設工事における入札件数についてですが、平成25年度は、入札件数649件に対し、不調件数が124件で不調割合が約19%となっており、平成26年度は12月末現在で入札件数624件に対し、不調件数が109件で不調割合が約17%となっております。入札不調の理由としましては「技術者や現場代理人等の人材確保が困難であること」「手持ち工事が多いこと」「採算が合わないこと」などであります。

<2回目>

 まず、市役所だけは学校より安全で、機能的でなければならない理由があるのか、市役所も学校も市営住宅も可能な限り大事に長持ちさせる必要がある、については、関連がありますので併せてお答えします。
 各施設について、改修で対応すべきか新築とすべきかについては、それぞれの建物の構造や用途、使用状況等により判断すべきものと考えております。本庁舎につきましては、市政運営の拠点として、また、総合防災拠点として、必要となる機能を果たせるよう、新庁舎建設に向けた取り組みを進めることとしたものです。なお、建設にあたっては、長期間にわたり使用できる施設となるよう検討して参ります。
 次に、賃借料6億円の節約について検証が不充分であるとのことですが、
 現在、本庁機能が3か所に分散していることから、中央コミュニティセンター及びポートサイドタワーの借り上げに約6億円の賃借料を要しておりますが、新庁舎の維持管理費につきましては、来年度に予定している事業手法等検討調査を踏まえ、検討市、お示ししたいと考えております。
 次に、脱財政危機宣言を解除して、市庁舎整備基金を全額返してからとすべきである、とのことですが、市の財政が厳しい状況であっても、市民の暮らしを支えるため、市役所の機能がたかめられ、かつ、長い目で見て、最も費用負担が少なくなる方策である新庁舎整備を進めることとしたものです。
 次に、市民福祉の大幅カット、職員給与の大幅カットをしたままで、新庁舎を建設するのか、また、これらの大幅カットを回復する目途が見えてから、新庁舎建設を進めるべきである、については、関連がありますので併せてお答えします。
 全ての市民サービスをこれまでと同様に行うことは、中長期的に困難であることから、事業効果が薄れた事業などについて見直しを行うとともに、職員の理解と協力により給与カットを行ってきたところです。一方、現在の本庁舎は、防災面、分散化・狭隘化、老朽化などの課題を抱えており、現状のままでは非常時はもちろん、通常時においても必要な機能が不足していることから、何らかの庁舎整備方策を実施する必要があります。このため、市の財政が厳しい状況であっても、市役所の機能が最も高められ、かつ長い目で見て最も費用負担が少なくなる方策を採る必要があるものと考えております。
 次に、市民に身近な区役所機能などを強化して、政令市の本庁舎はもっと簡素に、とのことですが、新庁舎整備を進めるにあたっては、今後、区役所のあり方を検討していく中で、本庁で行っている事務のうち、区役所で行うことが相応しいものについて、事務分担の見直しを行って参ります。
 次に、本庁舎や区役所を利用する市民の人数、仕事量を示すことを重ねて求める、とのことですが、本庁舎や区役所を利用する市民の人数については把握しておりませんが、今年度実施したアンケートでは、18歳以上の市民のうち1年以内に本庁舎、中央コミュニティセンター及びポートサイドタワーを利用した方は全体の約3割となっております。また、本庁舎や区役所における仕事量を数値化することは困難ですが、新庁舎の規模の算定にあたり、新庁舎で働く職員数を、平成26年4月時点の2,065人と設定しております。
 次に、アンケート、パブリックコメントを参考にしていない、についてですが、新庁舎整備を進めるにあたり、基本構想の策定経過において、1万人市民アンケート、や市立高校生へのアンケート、構想(案)に対するパブリックコメント手続き、シンポジュウムを実施し、市民の皆様のご意見を伺い、反映すべきものについては構想に反映してきたところであり、今後も、様々な機会を通じて、市民の皆様のご意見を伺いながら検討を進めて参ります。
 次に、一番時期が悪い時になぜ計画を進めるのか、東京オリンピック、パラリンピックが終わる5年後までなぜ待てないのか、また、先送りを重ねて求める、については関連がありますので併せてお答えします。基本計画(案)では、現時点で想定される事業費を算定しておりますが、来年度に実施する事業手法等検討調査や、その後の設計段階において、建設物価の動向など社会経済情勢の変化等に留意しながら、その都度、事業費を精査し、明らかにしてまいります。今後とも、各段階において、市民の皆様、市議会にご説明し、ご理解を得ながら、検討を進めて参ります。

【総合政策局長答弁】
 本市の人口について、50年後、70年後の人口見通しはどうかについてですが、本市では、第2次実施計画の策定に際し、国立社会保障、人口問題研究所で行われている「地域別将来推計人口」に合わせ、平成22年の国勢調査をもとに、平成52年までの人口を推計しておりますが、50年後、70年後の人口推計は行っておりません。

2.JR鎌取駅、誉田駅の利便向上について
【都市局次長答弁】

 JR鎌取駅、誉田駅などを利用する乗客の利便向上についてお答えします。
 はじめに、JR外房線の混雑解消に伴うJRの改善計画についてですが、JRからは、千葉支社管内における各路線の鉄道設備の現状、利用状況、混雑度及び各自治体からの要望事項を総合的に検討し、改善可能なものについては、毎年3月のダイヤ改正時に反映していると聞いております。また、本市では、利用者の利便性向上を図るため、通勤・通学時における普通列車の増発・増結、並びに、快速列車の増発について、千葉県で組織する「千葉県JR線複線化等期成同盟」の活動の中で、JR東日本旅客鉄道株式会社に継続して要望を行っております。
 次に、乗車人員と京葉線の他の駅との比較についてですが、平成25年度の鎌取駅における1日あたりの乗車人数は、19,841人であります。また、京葉線の各駅の乗車人員は、海浜幕張駅で59,515人、検見川浜駅で15,365人、稲毛海岸駅で21,771人、千葉みなと駅で15,561人、です。なお、鎌取駅を京葉線の各駅と比較すると3番目となります。
 次に、外房線のダイヤの増強についてですが、緑区町内自治会連絡協議会などから増発、増強の要望を受けており、朝の通勤・通学時間帯での快速列車の増発や京葉線直通列車の増発について、引き続きJRへ要望活動を実施して参ります。
 次に、京葉線蘇我駅止まりの列車を誉田駅まで延伸することによる利便性の向上についてですが、現在、JR外房線で誉田駅止まりとなっている列車は、京葉線から乗り入れている1本を含め、朝、夕で3本運行されております。また、誉田駅より先へ運行している京葉線の列車は、1日に11本あります。今後は、更なる利便性を求め、鉄道事業者と協議して参ります。
 次に、延伸により、蘇我駅での乗り換えがなくなることについてですが、京葉線が外房線に乗り入れることで、ホーム間での乗り換え移動がなくなり、利便性は向上すると考えております。
 次に、蘇我駅京葉線ホームの混雑緩和についてですが、延伸により、京葉線ホームにおける運行本数の減少に伴い、ホーム利用者も減少するものと考えられます。しかしながら、一方で、外房線、内房線ホームに京葉線からの列車が多く乗り入れ、利用客も増えることが予想されるため、安全性の検証が必要になると考えております。
 次に、延伸により、所要時間を短縮し、乗り換えが改善でき、誉田駅始発の増便が図れることについてですが、いずれも、鉄道事業者による全体的な運行計画及び管理において検討されるものと考えております。
 次に、終電車の時間延長のため、誉田駅までの延伸をJRに要望することについてですが、千葉県で組織する「千葉県JR線複線化等期成同盟」を通じ、下り終電時刻の繰り下げなど、ダイヤ改正に対する取り組みについて、現在、要望しております。
 最後に、誉田駅2番線は、列車運行を増やす余裕があると思う、とのことですが、現在、誉田駅2番線は、上り、下り特急列車の通過待ち合わせや普通列車の折り返し、並びに、通勤時における車両の増結、切り離しなど様々な用途に利用されているところであります。今後、2番線の活用については、鉄道事業者が他の列車に影響しないよう運行計画を検討し、判断するものと考えております。

<2回目>

 JR鎌取駅、誉田駅などを利用する乗客の利便向上についてお答えします。
 まず、外房線の輸送力増強並びに、JR利用者の増加と利便向上については関連がありますので、併せてお答えします。本市は、緑区町内自治会連絡協議会や地域住民からの要望を受け、緑区の人口増加やJR利用者の推移を考慮した上で、市民の鉄道利用における利便性を向上させるため、JRに協議並びに要望活動を実施しているところであります。JRも輸送力に対する課題を認識していることから、今後も引き続き千葉県及び沿線自治体と協力の上、外房線全体の利便性向上を図るべく対応して参ります。

 次に、誉田駅2番線ホームを活用し、京葉線の乗り入れを増やすことについてですが、誉田駅2番線の活用については、鉄道事業者が運行計画を検討し、判断するものと考えておりますが、本市としても引き続き、これらの計画に外房線の混雑緩和と利便性向上が反映されるようJRに働きかけて参ります。