発議第3号「千葉市福祉奨学基金条例」の
提案理由の説明



写真 発議第3号「千葉市福祉奨学基金条例」について提案理由の説明を行ないます。
 現在、生活保護世帯の子どもたちに対しての高校進学への学習支援事業は、国も含めて広く行われるようになりました。高校進学で将来への希望を持つことができるようになったことは、子どもの未来は平等の視点からも喜ばしいことです。
 しかし、生活保護世帯や児童養護施設の子どもたちは高校を卒業すると、いくら向学心があっても大学や専門学校への進学はあきらめざるを得ない厳しい現実があります。
 そこで千葉市において福祉奨学基金制度を設置して、大学・専門学校等への進学の希望を断念することなく、自立できる生活を保障するために費用の一部を給付しようとするものです。
 高校までで良いとする考えもあるでしょうが、子どもたちの夢と希望をかなえ、貧困の連鎖を生まないようにするためにも必要な基金条例です。
 子どもの貧困が深刻な状況にありますが、当面、生活保護世帯や児童養護施設の子どもを対象にすることでスタートすることとします。
 現在、貸与型の奨学金制度は無数にあります。生活に困窮する子どもに対して、将来の返済を求める制度は意味を持ちません。なぜなら返済義務のある日本の奨学金制度では、大学卒業後の返済できずに滞納するケースが増加するなど大きな社会問題となっているからです。それは国が関与する給付型の奨学金制度がないことが根本的な原因だからです。
 こうしたもとで、各大学などでは優秀な学生を集めるために、給付型の奨学金制度を設けるようになりました。しかし、その条件が学業・成績・人物が優秀との条件が必ず付いて、対象となるのは極めて高いハードルとなります。
 貧困から抜け出すために資格などを得てこそ、就業への道を大きく開くために、福祉奨学基金条例を制定することが求められます。
 問題は基金の確保になります。現在、基金はゼロです。条例が制定されたなら、ただちに市政だよりなど、あらゆる情報手段を通じて市民へ基金への協力を呼びかけるものとします。基金が一定額集まった段階で修学年限に合わせて、一定額を給付することになります。

 基金の額により奨学金の金額が変動しますが、市民からの寄付を活用するもので、制度上やむを得ません。本来は公的な資金で運用すべきと考えますが、厳しい千葉市財政の事情を考えても公的な資金の投入は難しいことと考えます。また公平性の観点からも基金条例の方法が望ましいと考えます。
 市民の理解と支援で運営する千葉市で初めての基金条例です。速やかに制定して、生活保護世帯や児童養護施設の子どもの願い、夢と希望に応えようではありませんか。
 同僚・先輩議員のご賛同をお願い致しまして、提案理由の説明を終わります。