ふくなが洋議員の一般質問および答弁(要旨)



2015.6.16

写真指定廃棄物最終処分場について

【ふくなが洋議員】
 指定廃棄物最終処分場問題でお尋ねします。最初にプロジェクタ―をご覧ください。最初は福島県の帰還困難地域における、フレコンバッグが山積みされている状況です。続いて福島第一原発に近い放射線量です。5.6マイクロシーベルト/時間を表示しています。常盤自動車道の双葉町・大熊町付近だと思いますが極めて高い数字です。次に、千葉市と同様に指定廃棄物の最終処分場の候補地である、栃木県塩谷町の「白紙撤回」を求める看板です。最後に、東京電力千葉火力発電所の最終処分場の予定地です。こうした説明に基づき、最初に市長に伺います。
 お隣の市原市長は、すでに指定廃棄物の最終処分について反対の声明を出し、国や県に対して市民の立場から積極的に活動しています。しかし、直接かかわる千葉市の市長の姿勢が「全く不明」との市民の声が聞こえています。なぜ市長は、態度を明らかにしないのか。

【市長答弁】
 市民の皆様のご不安な気持ちについて察しつつ、本市では、これまで指定廃棄物処理促進市町村会議において議論してきた経緯を踏まえ、現在、大量に指定廃棄物を保管し、早期解決を望む地域の皆様の考え、まず、国からの説明を受けてきました。
 しかしながら、これまでの国の詳細調査候補地の選定経緯や施設の安全性等に関する説明は不十分で納得できるものではありません。
 市民等からの懸念を考慮するとともに、市議会の議決を尊重し、指定廃棄物排出自治体内で保管を行うための再協議を求めることを市長として判断し、6月10日に小里環境副大臣に申し入れしたところであります。

【ふくなが洋議員】
 再度お尋ねしますが、市長は環境省から、正式・非公式に指定廃棄物の最終処分場の説明を受けたのか、時系列的に説明をいただきたい。

【市長答弁】
 指定廃棄物詳細調査候補地について、最初の報道があった4月17日に、所管から国へ確認しましたが、詳細調査候補地選定作業中であるとの説明がありました。また、4月21日に国から環境副大臣の本市への訪問依頼があり、4月24日、小里環境副大臣の訪問時に詳細調査を行う候補地として、千葉市中央区の東京電力火力発電所敷地内を選定したとの報告を受けました。なお、その後、環境省による市事務方への説明が3回あり、随時、その報告を受けており、現在、本市のホームページでも掲載しているところです。

【ふくなが洋議員】
 この最終処分場の決定権者は誰が持っているのか伺います。

【市長答弁】
 指定廃棄物は、放射性物質汚染対処特措法に基づき、国が責任を持って処理することとなっておりますので、長期管理施設に係る決定権者は国となります。

【ふくなが洋議員】
 環境省(大臣)とのことですが、市長は環境省の言い分について納得しているのか。 また、問題点は何だと考えているのか。

【市長答弁】
 これまでの環境省からの説明については、本市から求めている資料等で提示されていないものもある等説明が不十分であり、詳細調査候補地選定についても納得できる状況にはありません。問題点として、詳細調査候補地の選定経緯やそれぞれの候補地の情報を明らかにすることに加え、施設の安全性に関する疑問点等に対して、より明確な説明がなされるべきものと考えています。

【ふくなが洋議員】
 もともと環境省の指定廃棄物の指定の市民無視のやり方に怒りを感じないのか。

【市長答弁】
 指定廃棄物長期管理施設の詳細調査候補地の選定にあたっては、選定手法の合理性のみならず、住民感情への配慮を含めて理解が十分に得られることが肝要であります。国においては、再協議の申し入れを重く受け止めていただきたいと考えております。

【ふくなが洋議員】
 市長は、指定廃棄物の責任はどこにあると考えているのか。

【市長答弁】
 国は、これまで原子力政策を推進したことに伴う社会的責任を負っていることから、指定廃棄物の処理については国に責任があると考えております。

【ふくなが洋議員】
 今回の指定廃棄物処分場は、宮城・茨城・群馬・栃木と千葉県の5県で、それぞれ一か所において処分をするとの国の決定に対して了承しているのか。その中で、千葉市は1回も発言がなかったとされているがなぜか。

【市長答弁】
 これまで4回の市町村長会議で、国からの1か所との方針の説明を聞き、議論を経て国が決めたことです。

【ふくなが洋議員】
 千葉市は、千葉県内の自治体への説明会が4回開かれていますが、1回も参加しなかったのか。

【環境局長答弁】
 市町村長会議は4回開かれ、副市長が1回、環境局長が2回、資源循環部長が1回出席しています。

【ふくなが洋議員】
 副市長が参加していながら、発言しなかったのはなぜか。

【市長答弁】
 市町村長会議は、時間的制限もあり、発言者が限られていた。しかし、会議の間にも意見を言えたので、市としての指定廃棄物処分場選定に関する懸念を国に対して要望や提言・質問をしてきている。

【ふくなが洋議員】
 千葉県知事が、千葉市への設置を推奨するような発言があるが、どうするか決めるのは知事ではなく、国ではないのか。

【市長答弁】
 その通りだ、国に責任がある。知事の見解はあるだろうが、決めるのは国だ。

【ふくなが洋議員】
 森田知事に真意を聞くとか、知事とスクラムを組んで共同して反対の立場に立つとかしないのか。

【市長答弁】
県と連携すべき事項があれば、知事に対して、これからも要望していく。

【ふくなが洋議員】
 今回の東電千葉火力発電所周辺の市民は、1970年代当時の川鉄の公害で大変な苦しみを味わいました。そして、少し前には千葉市の生ごみが焼却できずに、隣のリサイクルセンターの所に山積されました。そして数年前には、市内から出た毒ガス弾の処理が、JFEの用地内で行われました。現在では上空の飛行機騒音が、この地域で大問題となっています。なぜここまで、この地域住民を苦しめるのか伺います。

【市長答弁】
 公害問題等を含めた蘇我地域の歴史や経過、住民感情を理解しており、国に十分な配慮を求めていく。

【ふくなが洋議員】
 千葉市の都市計画・まちづくりの視点から、指定廃棄物の処分場は認められないのではないか。

【鈴木副市長答弁】
 千葉市の今後のまちづくりにどんな影響がでるのか、環境省の説明を求めていきたい。

【ふくなが洋議員】
 なぜ、白紙撤回ではなく再協議なのか。再協議とはどうゆうことなのか。再協議して認めることもあるのか。などの意見が出ている。どう考えているのか。

【市長答弁】
 国の説明の不十分な状況、市民の懸念、市議会の決議などを尊重して、再協議の申し入れを行った。国の対応を見極めて市民の安全を第一に、今後の判断をしていく。

【ふくなが洋議員】
 市長が、市民に対して白紙撤回の先頭に立って、行動をするべきではないのか。環境省は、市長と議会が反対すれば建設はできないのではないのか。要するに、市長は放射性廃棄物処分場に賛成なのか、反対なのか明らかにすべきです。

【市長答弁】
 説明の状況やその不十分さを国に指摘している。とても納得できる状況ではないことを国には伝えている。また、市議会の決議を受けて国に申入れを行っているところだ。

【ふくなが洋議員】
 納得できる状況にないというのなら、反対、白紙撤回を求めるべきではないのか。そこが市民には理解できないところだ。明確に反対できない理由があるのか。

【市長答弁】
 4回にわたる市町村長会議で、さまざまな議論をしてきている。それを受けて、このような方針が出てきたが、これは受け入れられるものではないことを申し入れしてきた。それを受けて国にはしっかりと検討をしてほしい。これが、市としての立場だ。

【ふくなが洋議員】
 福島原発事故は「最大最悪の公害だ」と、2012年に環境省との交渉で、細野環境大臣が言っていた。東電の責任は汚染者負担の原則で重いものがある。国の責任と同時に東電の責任についてはどうか。

【市長答弁】
 今回の事故は、東電の責任があることから保障問題が発生している。市としても同じ考えだ。

【ふくなが洋議員】
 福島県では、放射性廃棄物を現在、仮置き662か所、現場保管83,800か所置かれている。福島第一原発が立地する双葉町と大熊町に集約して、30年間保管する「中間貯蔵施設構想」を打ち出した。法律で30年後には福島県外に運び出すとしているが、多くの県民は信じていない。この貯蔵施設は、建設費用1兆1千億円、地権者2,300人以上の巨大な廃棄物集積所である。
 多くの福島県民は電気を消費している関東地域で引き受けてほしいと思っている。でも、受け入れてくれる県はないだろうと思っている。したがって、他県に受け入れを要求するべきではない。だから、この問題は国と東電がどうするのか、はじめから解決策を考える必要があると思うがどうか。

【市長答弁】
 国への申入れを国がどう受け止めて、今後どんな解決策を示すのか、その動向を見極めながら、市民の安全を第一に対応していく。

【ふくなが洋議員】
 具体的に場所を指定されたのは、千葉市だけだ。そこで、受け入れるようなことになったら、他県の反対している首長に申し訳が立たないことになる。東電は、一方で原発再稼動しようとしているが、市長はどう受け止めているのか。

【市長答弁】
 エネルギー政策は国の政策全体を議論して決めるべきことだ。ただ福島の事故の現状等を考えると、これまでのような原子力政策の推進はできないだろうと考える。

【ふくなが洋議員】
 市長は、市民の声を背景に白紙撤回の先頭に立つべきではないのか。国に向き合うのではなく、市民に向き合って市長の仕事をする時ではないのか。
 他県の首長とも共同して反対する必要があると思うがどうか。また、いま市民は、千葉市議会と市長が一緒に、指定廃棄物最終処分場の白紙撤回表明を心から望んでいると思うが、市長の見解はどうか。

【市長答弁】
 私も市議会も市民の要望に基づいて行動している。これからも国に対して、市と議会とが共同して向き合っていくことになる。

【ふくなが洋議員】
 再協議の内容は、排出自治体での保管のための協議だ。これでいいのか。他県の首長や市原市長のように明確な反対を表明しないのか。

【市長答弁】
 他県がどうのという話ではない。千葉県と千葉市の問題だ。これまでの県内の議論の状況や市議会の議論の中で私は行動していく。

【ふくなが洋議員】
 なぜ、今回だけは議会の決議を盾に自らの考えを表明しないの。再度、市長としての見解を聞きたい。

【市長答弁】
 市長自身の決断・見解が問題ではない。市民に重大な影響を与える可能性がある問題は、すべての意思決定にかかわる人たちが議論した上で、決定すべきものだ。