吉田まさよし議員の一般質問



2015.6.19

写真 日本共産党千葉市議団の吉田まさよしです。
 それでは、通告にしたがい、初めての一般質問をさせていただきます。

1.若者の支援
 1つめの質問は若者の支援についてです。
 若者は、次の世代を背負っていく、地域にとっての大切な宝です。
 その若者が、生き生きと学び、進みたい道を選べる社会にしていくためには、行政の支援が必要だと考えています。
 私自身、27才の若者です。多くの若者たちとふれあい、様々な意見や悩みを聞き、ともに考え、行動してきました。
 若者たちに対して、千葉市行政がどんな支援をすることができるのか、また、千葉市で、できないことを、県や国に働きかけ実現していくという視点から、今回は、若者の就労支援、家賃補助について質問します。
 まず、若者の実態について、私自身の体験も踏まえながら、明らかにしたいと思います。
 働く若者の3人に1人は非正規雇用となっています。非正規雇用の拡大により、ブラック企業・ブラックバイトが広まり、低賃金での長時間労働が横行し、就職、転職することが厳しい状況になっています。働く多くの若者が、生きていくためのお金を稼ぐため、必死に働いています。貯金などする余裕はありません。
 私自身も、コンビニの雇われ店長や警備会社の内勤など長時間の労働を体験してきました。勤務時間は、約12時間以上、長い時には、16時間以上や日勤、夜勤、残業で30時間以上職場に拘束されていた時もありました。
 勤務の時間が非常に長く、部屋に戻ったら寝る、起きたら食事と身支度をして仕事に行く。友人と遊んだり、買い物に行くためには、寝る時間を削らないといけないそんな状況でした。警備会社の仕事は休みがもらえず、体調を崩して、退職せざるを得ませんでした。その後、仕事を探しに行きましたが、「運転できる方」「大学、短大、専門卒業」という求人が大半で、仕方なくバイトを探して、やっと見つけた仕事、それがコンビニの仕事でした。
 免許も卒業資格も簡単に取れるものではありません。そのため、異常な長時間の仕事でも、日数の少ない短時間の仕事でも、働けるところで働く。こういう選択している若者が全国、千葉市内にも大勢いるのではないでしょうか。だからこそ、「ブラック企業」、「ブラックバイト」と呼ばれる職場が出てきて、今では、社会問題になっているのではないでしょうか。
 「高校生なのに夜も仕事をさせられた。」「収入が低いのに、奨学金と学生ローン合わせて月に4万も返済しないといけない。」「休みが取れないから、体調悪くても病院にもいけない。」など、こうした辛い実態が寄せられています。
 また、収入の低さから、親元で暮らしている若者が大勢います。自立したくても出来ない若者が、結婚や地域社会への貢献を考えることが出来るでしょうか。
 そんな中、市内の他の区に比べ、若者の人口減少が進んでいる若葉区では、地域の活力低下の防止と若者の定住を促進しようと、昨年3月に「若葉区若年世代定住化促進プラン」を策定しました。
 いま、「若者たち」からも「地域の住民のみなさん」からも若者への支援が求められているのではないでしょうか。だからこそ、私は、千葉市として若者への支援を進めていく必要があると考えます。以上、若者の現状をふまえて質問します。
 まず、就労支援についてです。
 ブラック企業、ブラックバイトが知られるようになったのは、若者たちからの告発とたたかいとともに、日本共産党のブラック企業規制法案の提出などを始めとした国会での追求だったと考えています。こうした国会内外の運動によって、国でもブラック企業の公表など規制を始めることになりました。ブラック企業規制への大きな1歩と考えています。
 また、雇用対策法では、 地方公共団体は、国の施策と相まって、当該地域の実情に応じ、雇用に関する必要な施策を講ずるように努めなければならない。とあります。
 地方自治体、この千葉市にも、努力義務が規定されています。そこで伺います。

 第1に、ブラック企業の実態の把握と対策について伺います。
 1つ、千葉市はブラック企業、ブラックバイトによる実態をつかんでいますか。また、その対策を千葉市として、どのように取り組んでいますか。
 2つ、千葉市として、ブラック企業・ブラックバイトの取り締まりの強化を、県や国に求める必要があると考えますが、どうですか。
 第2に、転職や再就職の厳しさから、職場の環境が悪くてもそのまま働き続けてしまう若者が大勢います。このことがブラック企業、ブラックバイトを拡大させている要因だと考えています。
 千葉市では、就労相談や学生対象に企業合同説明会など取り組んでいます。こうした取り組みをさらに、発展させることが求められています。
 そこで伺います。
 1つ、企業合同説明会の対象を、学生以外にも広げるべきではないのでしょうか。
 2つ、既存の就労相談についてのお知らせや周知のより一層の強化。また、併せて体制の強化が必要と考えます。どうですか。
 3つ、千葉市として、若者の実態をつかみ、県や国に対して、若者の実態の改善に向けた取り組みを求める必要があると考えます。どうですか。
 4つ、過去にわが党のあぐい前議員が質問していますが、ジョブカフェのような相談所が必要だと考えます。設置を提案しますが、どうですか。

 次に、家賃補助についてです。
 新宿区では、家賃助成についての要綱を定め、実施しています。
 要綱では、「区内の民間賃貸住宅に居住している学生及び勤労単身者の家賃負担を軽減することにより、減少が著しい若年単身者層の定住化の促進並びに健全なコミュニティの形成を図ることを目的とする。」となっており、家賃補助の内容は、月額1万円。家賃額を上限とする定額の補助を行い、最高3年間継続できる制度になっています。千葉市でもこうした家賃補助を進める必要があると考えます。
 また、ホームレス支援を行うNPO法人「ビッグイシュー基金」住宅政策提案・検討委員会が昨年12月に「若者の住宅問題」調査結果を発表しました。この調査から、年収200万円未満の低所得者が若者の中でも多くなっていること。低所得の若者の4人に3人が親と同居し、親もとを離れた若者も重い住居費負担で苦しんでいること。3人に1人が結婚したいと思っていないことや2人に1人が結婚できるかわからないと思っていることが明らかになりました。その他にも、こうした調査が行なわれており、「住居あっての労働や福祉である」このことが示されています。
 こうした中、先進自治体では、家賃補助などの支援制度が実施・検討されています。過去に、我が党の佐々木議員が新宿区で実施している家賃補助について質問をしましたが「補助制度の導入については考えておりません」との答弁でありました。
 そこで、新宿区役所に行き、取り組みについて伺ってきました。制度ができてから20年以上続いていること。現在でも募集数に対して応募が多い状況であること。取り組みに対する期待の大きさを知ることができました。そこで伺います。
 1つ、千葉市の少子化の実態について。
 子どもの人数。及び、合計特殊出生率の近年の実態をお示しください。
 2つ、少子化になっている要因について。
 若者が結婚したくてもできない状況や結婚しても子どもを産み育てる経済的環境が乏しいことについてどのように把握していますか。
 3つ、新宿区始め、先進自治体での家賃補助制度は、少子化対策、定住化促進、地域の活性化など様々な観点から取り組まれていると考えます。どう評価していますか。
 4つ、先進自治体に学び、千葉市にも家賃補助をつくることを提案しますが、どうですか。

2.特別養護老人ホームの整備
 2つ目の質問は、特別養護老人ホームの整備についてです。
 この間、わが党のあぐい前議員が質問をしてきたことを踏まえて、質問をします。
 4月、国会で「15年度予算」が賛成多数で決まり、介護報酬の大幅な引き下げが実施されることになりました。他市では、特養などの介護施設を閉鎖しなければならない事態も起こっています。稲毛区の地域では、依然として特養ホームに入りたくても入れない状況が広がっています。「老々介護は限界、年金も下げられているから特養ホームに入りたい。」「交通の便がいいところだと頻繁に会いに行ける」など轟町5丁目の機動隊跡地への特養ホーム整備に期待が寄せられています。そこで伺います。
 1つ、介護報酬の大幅な引き下げにより、市内の特養ホームの経営に影響は出ていますか。撤退や縮小を考えている特養ホームはありますか。
 2つ、経営が厳しくなっている施設に対して千葉市は支援していく考えがありますか。
 3つ、職員の方の給料が低く、待遇が悪いため人手が不足していると聞いています。市は実態を把握していますか。待遇改善を求めます。どうですか。
 4つ、千葉市の今年度から3カ年の「介護保険事業計画」での特養ホームの整備の方針はどうなっていますか。お答えください。
 5つ、各区の待機者数と特養の数はどうなっていますか。お示しください。
 6つ、稲毛区は、特養ホームが少なく、増やしていくことが必要であると認識しています。その中でも、轟町機動隊跡地は有力な候補地であると考えます。轟町機動隊跡地について、国から照会が来た場合、「特養をつくるため活用したい」と返答すべきと考えますが、どうですか。

3.草野水路の水害対策
 3つ目の質問は、草野水路の水害対策についてです。
 地球温暖化は北極と南極でも起きており、日本にも異常気象など影響を及ぼしています。千葉市では、4月に雪が降り、5月に25℃以上の夏日が20日以上、30℃を真夏日もありました。また、5月には、短時間でありましたが強い雨が降り、例年同様、今年も大雨が予想されます。
 現在、草野水路では、工事が進められていますが、水路周辺の住民からは、「現在の工事のかさ上げでは不十分。もっと対策をしてほしい」「水害時、警報が全く聞こえなかった。改善してほしい。」「雨が降るたび不安。少しでも強い雨が降ると眠れません。」など不安の声が寄せられています。わが党のあぐい前議員が更なる対策を提案していることも踏まえて質問します。
 1つ、現在行われている改修工事の内容と工事完了の時期はいつになるのか。お示しください。
 2つ、現在行われている工事の完了により、どの程度の雨に対応できるのか。お答えください。
 3つ、現地での水路の改修も必要でありますが、水害をなくすためには更なる対策として、集中豪雨などで、増加する雨の水量を上流部で減少させることを、あぐい前議員が提案してきました。
 そこで、東関道、JRからの雨が草野水路に流れ込んでいる現状を踏まえ、管理会社であるネクスコ東日本やJR東日本に対して、その対策を求めていますか。また、水路の上流部に、貯水施設などの整備が必要と考えますが、見通しはどうなっていますか。
 4つ、満潮時に大雨が重なり、水路が氾濫したことから、沿線住民の避難の目安となる、警報装置が設置されましたが、「警報が全く聞こえなかった」ことに対する警報機の改善について。お答えください。
 以上で1回目の質問を終わります。

【2回目】

 2回目は、当局の解答を踏まえて、質問をさせてもらいます。

1、若者の支援
 まず、若者の支援についてです。1回目、若者の支援として就労支援、家賃補助について質問をしました。
 いずれも市内の若者にとって切実な問題であり、取り組みが前進すれば、千葉市に住む若者に大きな希望と活力が生まれるものと思います。そこで伺います。
 第1に、ブラック企業の実態の把握と対策、就労支援についてです。
 過去の議事録を私なりにふまえて質問しましたが、先ほどの答弁をお聞きしますと、今まで市議会で答弁してきた内容とほぼ同じで、変化、前進が見られないのではないでしょうか。そこでお尋ねしますが、
 1つ、今までの答弁より変化・前進した内容が乏しいのはなぜですか。
 2つ、若者の就労支援に取り組むことによって、ブラック企業、ブラックバイトの実態や若者の状況を把握することは、千葉市にとっても、県や国にとってもプラスになるのではないでしょうか。また、若者にとっても大きな支援になると思いますが、どう考えますか。
 3つ、この取り組みを通じて、千葉市内の若者が「千葉市はブラック企業・ブラックバイトを是正するために動いてくれる街」と評判されれば、ブラック企業、ブラックバイトの減少や、若者の就職につながると考えます。どうですか。
 次に、家賃補助についてです。
 家賃補助に取り組めば、低賃金で苦しむ若者に希望を与え「千葉市に住もう」という若者の増加につながるのではないでしょうか。どう考えますか。
 以上、若者の支援についてお答えください。
 若者が希望を持って生きることができる千葉市にしていくためにも、前向きな答弁をお願いします。

2.特別養護老人ホームの整備
 次に特別養護老人ホームの整備についてです。
 先ほど答弁より、「介護保険事業計画」における特養ホームの整備は「施設が少ない区において公有地などを活用した施設整備を図ります。」とのこと。また、平成27年〜29年までの第6期計画期間中には、649人分整備をしていくと答弁がありました。そこで伺います。
 1つ、稲毛区では、現在、待機者数が317人、特養ホームが5ヶ所ですから、3ヶ年で2ヶ所程度は、整備する計画になると考えますが、見通しについてお答えください。
 2つ、介護保険事業計画から考えて、轟町5丁目の機動隊跡地への特養ホームの建設は、立地条件などからも最適だと考えますが、どう考えますか。また、ここまで条件がそろっている土地が、現時点で、轟町の機動隊跡地の他に何ヶ所ありますか。お答えください。

3.草野水路の水害対策
 次に草野水路についてです。
 現在行われている改修工事は、1時間50ミリメートルから、10年に1回程度の大雨である1時間に53.4ミリメートルの降雨に対応するものとことでした。しかし、過去に草野水路が氾濫したときの雨量は、2009年8月9日が58ミリ、2010年9月8日が70ミリ、2013年10月16日58ミリでありました。今回の改修工事を終えても、大雨が降ってしまったら、更に満潮が重なれば、大きな氾濫が起こるのではないでしょうか。
 更なる対策について、当局より見解が示されました。住民のみなさんにも納得していただけるよう、検討と対策を進めていくよう要望します。
 一方で、水害の被害を受けている地域は、水路よりも地盤が低くなっています。そのため、水路に一定の量の雨水が溜まってしまうと、側溝から溢れる事態が起こっています。そこで伺います。
 1つ、こうした、低地部の対策についてお答えください。
 2つ、現在、国道14号、357号の重複区間に貯水池が造られています。水害を防いでいくためには、東関道でも可能だと考えます。
 地域住民のみなさんのためにも、しっかりと雨水処理の要請をするべきではないでしょうか。
 以上で2回目の質問を終わります。

【3回目】

 3回目は、順番を替えて、当局から答弁をふまえ意見を述べさせてもらいます。

1.特別養護老人ホームの整備
 まずは、特別養護老人ホームの整備についてです。
 2回目の質問に対し、「当該国有地以外で適当な候補地は把握していないこと。」「候補地の一つとして検討して参ります。」と前向きな答弁があったことは、1歩前進だと思います。引き続き、地域の皆さんの願いを真摯に受け止め、特別養護老人ホームの整備に向けて必要な対応をしていくよう強く求めるものです。

2.草野水路の水害対策
 次に、草野水路の水害対策についてです。
 低地部についての対策は、現在の工事の効果を確認した上で、検討すること。引き続き、パトロールの実施や側溝の清掃などを行う旨の答弁でありました。
 対策の検討は、ことの重大性を認識した上で、効果的な対策を進めていくよう求めるものです。パトロールの実施などは引き続き続けることも重ねて求めておきます。ネクスコ東日本への要請は引き続き、粘り強く要請していくとのことでした。答弁された以上は、責任をもって取り組んでいただけるものと認識しています。
 また、2回目の質問の前にも、更なる対策について、地域の住民の皆さんにも納得していただけるよう、検討と対策を進めていくように強く求めるものです。と言いましたが、そのことを重ねて、進めていくよう求めるものです。

3.若者への支援
 最後に、若者への支援についてですが、市の現在の取り組みについて、認識の低さもさることながら、到底納得できるものではありません。早急に改善することを、まず、強く求めるものです。
 現在、千葉市には、「若者」について対応する課や部署がないこともそもそも問題だと考えます。担当する課や部署の整備はもちろんのこと、まずは、現在、相談や就労支援についてなど対応している相談所などをはじめ、担当課や部署の人員体制の強化を提案しますがどうでしょうか。検討して頂くように強く求めるものです。併せて、県や国に対しても、千葉市として、人員、連携の強化など要請することも提案させて頂きます。
 市長は、初当選時のマニフェストで「若い人もいつかは老いる。安心して老後を迎えられる街に」と「未来への投資」を掲げられていました。また、再選時のマニフェストでは「助けを必要とする方々に適切な支援の手を」、「誰もが自分らしく活躍できる千葉市へ」と掲げられていました。
 掲げていた分野とは違うと思いますが、若者にも当てはまるのではないでしょうか。今、若者への支援がこれほど必要な時代ないのではないでしょうか。
 現在の社会では、就職できなかった方や様々な理由で仕事を辞めた方への支援が無さすぎると私は考えます。
 千葉市として、若い世代の方々に「千葉市に生まれて、住んでよかった」と心から思ってもらえる政策、制度が必要だと考えます。
 また、今、国会では、18歳選挙権が可決されました。高校生にも有権者がいることになります。今後も若者が政治に関心を持ってもらえる、政治を身近に感じてもらえるように「若者への支援」について取り上げ、取り組んでいきたいと思っています。
 以上で私の初めての一般質問を終わらせて頂きます。