中村きみえ議員の議案質疑



2015.9.9

写真 日本共産党千葉市議団の中村きみえです。通告に入ります前に一言申し上げます。6日夜、中央区今井地域で発生した強風の被害を受けた住民の方々に、お見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を望むものです。私ども共産党千葉市議団は、国会議員、県会議員と共に現地を訪れ、被害住民の方々の実態と要望をうかがってきました。その上で、7日に市長に対して4点の緊急の申し入れを行いました。(1)激甚災害指定を行い、公的支援を速やかに行うこと。(2)インフラの整備復旧を直ちに行い、元の生活に戻れるよう支援をすること、(3)速やかに災害の応急手当てを公的支援で行うこと。(4)予測が難しいと言われていますが、竜巻情報を市民に速やかに情報提供し未然に防止に努めることの内容です。千葉市の速やかな対応を求めるものです。
 それでは通告に従い、議案質疑を行います。

1.議案第114号・平成27年度千葉市一般会計補正予算について

 東日本大震災により被災した世帯に支給している千葉市液状化等被害住宅再建支援金は、予算件数を大幅に上回り補正予算が1億1400万円生じるものです。
 今回の補正予算の114件の内、地盤復旧が110件とほとんどを占めています。
 1つに、被災した世帯は、何世帯あり、今回の追加をして、あとどのくらいの世帯が、残っているのですか。震災から4年半が経過し、早急に復旧していくことが必要ですが、課題は何か伺います。
 2つに、対象の地域に、業者がチラシを積極的にまいて、申請するよう促していたようです。千葉市ではどう認識していますか。
 3つに、今回補助された金額で、そうした事業が適正に行なえますか。

2.議案第116号・平成27年度千葉市介護保険事業特別会計補正予算について

 1つに、国・県・支払基金から支給された介護給付費負担金等の超過交付額を返還し、平成26年度決算で確定した剰余金の介護給付準備基金積立金、17億円余を繰越金として補正予算に計上するものですが、8億円積み立てて、25億円の剰余金が生じますが、保険料の軽減にはどの程度回るのかお示しください。
 2つに、今後こうした剰余金は発生する見通しはあるのか伺います。

3.議案第117号・千葉市行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用に関する条例の制定について

 税金、健康保険、介護、後期高齢者医療、生活保護、障害者、保育料、児童手当、予防接種、母子保健などなど、現時点で44の行政事務が一つの番号に集積されます。マイナンバー制度については、先の6月議会で、「国民の利便性向上」ではなく、国が「行政の効率化」を目的に、国民・市民の所得や資産状況を掌握して、徴税の強化や「社会保障給付」を削減し、個人番号管理のために多額の費用や労力をかける一方、個人情報の流出被害が大きいと指摘しています。
 1つに、マイナンバー制度について、6月議会で、「行政の効率化し、国民の利便性を高める」と答弁していますが、具体的には、何を指しますか。
 2つに、住基カードの利用は、市民の7.3%の利用でしたが、マイナンバーになって乳児も含めて市民が利用する場面はどれだけありますか。使わなくてもよい対応もあるのではないですか。
 3つに、制度のスタート前から、利用拡大について国会で提案されていますが、どんな内容が検討されていますか。
 4つに、住基ネットでも偽造や成りすまし事件が起こりましたが、どう認識していますか。
 5つに、年金機構の個人情報流出では、基幹ネットワークの個人情報をコピーして移動し、情報系ネットワークの端末で作業していたことが原因だとされていますが、千葉市の通信状況はどうなっていますか。情報漏えいの恐れが、大変懸念されますが、万全だと言えますか。
 6つに、海外での、個人番号を巡る状況についてどう認識しているのかお示しください。
 7つに、すでに警察や公安、自衛隊情報保全隊など公的機関による人権侵害の個人情報収集や国民監視が繰り返されているという指摘もありますが、さらにその危険性が増すのではないですか。
 8つに、制度導入に3千億円以上もの税金投入や維持管理がかかるようです。地方税システムは、補助率3分の2で、残りの3分の1は、普通交付税及び特別交付税措置とされています。またシステム整備に伴い生じるランニング経費は地方財政措置とされます。カード交付の一部を除いて、自治体の費用がかさむと思いますが、どう想定しているのですか。
 9つに、事業者は、税務署に提出する源泉徴収票などの法定調書に個人番号の記載が義務付けられ、そのためのコストがかかると言われています。中小企業の経営を圧迫するものであり、費用対効果もなく負担増になるだけではないですか。

4.議案第118号・千葉市個人情報保護条例の一部改正について

 マイナンバー法の改正に伴って、開示・訂正・利用停止請求に係る代理人は、改正前は法定代理人でしたが、任意代理人も可能となりなりすましの被害が危惧されます。そこで、どうこれを防いでいくのか伺います。 

5.議案第120号・千葉市市税条例等の一部改正について

 第1は、軽自動車税のグリーン化特例の導入についてです。
 1つに、この税率が、軽減される期間と新車の購入時期はいつからいつまでなのか伺います。
 第2は、猶予制度の見直しについて
 今回の地方税法の改正によって納税者の申請に基づく換価の猶予制度を創設することを条例で定めるものとしています。そこで伺いますが、
 1つに、徴収猶予された方の人数と金額と、職権で、換価の猶予を行った方の人数と金額をお示しください。
 2つに、今回一時に納付することで、事業継続・生活維持困難となるおそれがあり、納税について申請をすることで、猶予制度を行えることが新設されますが、対象者には、どのように広報、周知しますか。税務職員の方の関わり方が重要ですが、どう対応していきますか。
 第3に、固定資産税等における「わがまち特例」の導入について
 1つに、「わがまち特例」については、都市再生特別措置法に基づき認定事業者が取得する公共施設等に係る課税標準の特例措置とありますが、千葉市内で具体的に対象となる施設名と特例率での減額はどのくらいかお示しください。
 2つに、新築のサービス付き高齢者向け賃貸住宅に係る税額の減額措置については、サービス付き高齢者住宅は市内何カ所あり、そのうち該当する箇所数をお答えください。
 第4は、税の申告書について
 マイナンバー法の施行に伴い平成28年1月1日から個人番号の記載が求められるように定めていますが、記載の義務があるのか伺います。

6.議案第128号・工事請負契約について(旧千葉市立高浜第二小学校跡施設校舎大規模改造工事)

 この議案は、学校統廃合で旧高浜第二小学校の跡施設を療育センターの一部、障害福祉サービス事業所、千葉大学サテライトキャンパスが入る複合施設とするための大規模改造工事を行うものです。
 1つに、今回の入札では、落札した業者以外に、2社が辞退、2社が無効、1社が予定価格超過で、事実上残ったほかの1社との競争のみにとどまっています。この入札の状況についてどう受け止めていますか
 2つに、落札者決定基準及び技術評価結果については、施工計画や災害ボランティア活動の実績などで合計10点もの開きがあります。業者側は、こうした評価項目と配点の状況については、あらかじめ把握をしているのですか。

7.議案第130号・工事請負契約(旧千葉市立磯辺第一小学校解体工事)、議案第131号・工事請負契約(旧千葉市立磯辺第二中学校解体工事)、議案第130号・旧磯辺第一小、旧磯辺第二小、旧磯辺第四小が、旧磯辺第四小を統合場所として、磯辺小学校に統合後、磯辺第一小学校を解体工事する契約について

 1つに、旧磯辺第二小については、今後どうしていくのかお示しください。
 2つに、今回の旧磯辺第一小については、平成25年12月の資産経営会議で千葉県企業庁に返還する方針が決定したとありますが、その内容についてお示しください。旧磯辺第一中、旧磯辺第二中学校は、旧磯辺第一中学校を統合場所とするために旧磯辺第二中の校舎、プール、体育倉庫を解体し、屋内運動場とグラウンドをスポーツ広場として活用し、敷地の一部を高齢者福祉施設用地として活用するようです。
 3つに、磯辺の地域で、旧磯辺第一小と旧磯辺第二中学校の解体工事を行うことで、中学校の敷地の一部を高齢者福祉施設用地として活用する程度で、今後の高齢化にも対応できると予測しているのかお示しください。
 4つに、この2件の請負者の企業の市原組、小梛組の技術職員数と資本金はいくらかお示しください。
 5つに、旧磯辺第一小学校と旧磯辺第二中学校との距離はどのくらいですか。
 6つに、2件の業者が同時期に解体工事を行うことで、請負業者が2校を工事車両が往来することはないのか、子どもたちの通学の安全は確保できるのか、対策についてお示しください。
 7つに、130号と131号の2件は、いずれも市原組、小梛組が落札しています。全く同じ時期に出資比率はそれぞれの業者ごとに入れ替わり、入札調書では、1件は入札参加資格がないため無効、1件は予定価格超過と事実上、無競争で落札したとも取れますが、きわめて不自然な入札だと思わないのか伺います。

<2問目>

114号
 1つに、液状化の対策では、地域ごとに地質が違い、資料のある方や地域の条件によって被災状況は様々です。市が、実態を把握せずに、申請主義で進めていこうとするのではなく、支援を必要とする世帯を把握したうえで、対策を講じていくべきではないですか。
 2つに、2社4種類のチラシが、配布され、県の補助金で本人の負担はかからないと言った内容で、対象地域に相当数、まかれたようです。
 果たして、100万円の補助金が、そうした企業が、適正に効果的に執行されているのか、検証していくことも必要だと思いますが、市の見解を求めます。

116号
 介護保険料の軽減に約17億円取り崩しても、保険料は基準額で月額5150円とスタート時点から。2千円以上も値上げとなっています。年金は下がる一方で、保険料は上がり、高齢化は進み、給付は伸びますが、そもそも国が2分の1の負担を4分の1まで減額してこの制度がスタートしたことが根本の問題です。
 国に対して、補助額の増額を求め、千葉市としても独自に保険料の軽減策などを行うことが求められているのではないですか。

117号
 1つに、拡大されようとしている内容について
 その他にも、高校授業料の補助なども示されています。財務省では、医療にかかわる情報共有を推進することで、医療機関を頻繁に受診する方や健診の受診率の低いものに負担を重くする、傾斜保険料を導入してペナルティをかけようと主張しています。
 預貯金口座の個人番号の付番を可能としていることも、2021年以降には義務化の動きもあります。
 さらに、健康医療分野における番号の活用を掲げ、それぞれの病歴や通院歴、介護サービスの利用状況などを共通番号でヒモづけし、保険者・医療機関・介護事業所などで情報共有するシステムを構築するといわれており、個人のプライバシーに関わるような情報を入れようとしていることは大問題ではないと思わないのか、見解を伺います。
 安倍政権は「骨太の方針2015」「経済財政運営と改革の基本方針2015」を閣議決定し、そこでマイナンバーの活用を以下のように強調しています。
 制度活用で税・社会保険料徴収の適正化を進める、個人の金融資産等の保有状況を把握し、それを考慮に入れた医療・介護の負担の仕組みを検討する、インフラ等を効率的に活用しつつ、医療保険のオンライン資格確認の導入、医療機関や介護事業者等の間の情報連携、医療分野における研究開発の促進に取り組む、制度導入を突破口に国・自治体の行財政改革を実行するとともに、企業等による新サービスの創出を促進するといわれています。

 2つに、マイナンバーの活用を広げることで、医療情報の共有と給付管理、公営サービスのコストカット、医療関連産業・IT業界の利権拡大を図ろうとしていることに他ならないと思いますがどうですか。

 3つに、住基カードでも、佐賀県鳥栖市で不正取得し、サラ金から借金する事件、本人確認をすり抜けたケースも福島県相馬市で発生しています。09年から12年までの4年間で、226件不正取得があり、103件のなりすましが起こっています。ICチップに記録されたものでもこうした事件が多数起こっているのですから、マイナンバーを使って偽造することは十分予想できますが、そう思わないのか伺います。

 4つに、海外での状況について、具体的な例が示されませんでした。アメリカは、多民族国家のために社会保障番号制度が導入され、韓国では、スパイ対策として住民登録番号が導入され普及しているものの、個人情報の流出、犯罪被害、なりすまし被害が横行し、社会問題になっています。
 ドイツでは一つの番号で、個人の情報を集約・管理してはいけないという見解が示され、統合されずに、情報連携が行われています。フランスでも、国民登録番号を分野をまたいで利用すると国民情報が全てみられるリスクがあるとして行われていません。イギリスでも、犯罪レベルの減少を示す根拠がないなど市民的自由やプライバシーが尊重され、制度は導入されましたが反対の世論で廃止となりました。このように、使われている国では犯罪が多く、様々なリスクがあり、番号を統一していなくても十分に業務を遂行できる状況はあると思いますがどうですか。

 5つに、警察公安などへの情報提供についてです。
 26条で少年法、破防法、国際捜査共助法、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律など警察・公安機関を含む26項目についてマイナンバーを含む個人情報の提供に道が開かれたわけです。
 警察や公安への情報提供は、マイナンバーのネットワークを介さずにおこなわれるためにマイナポータルを使っても自分の情報が提供閲覧されたこともわかりません。警察や自衛隊情報保全隊などは個人情報の収集、国民監視の事件が相次ぎ実際には権力の濫用が行われ、国民のプライバシー権が侵害される事態となっています。行政的続き以外で公益上の必要があるときを除き、利用が禁止されているから危険ではないという認識では、被害を受けては取り返しがつかないのではないですか。

  6つに、中小企業がマイナンバーを導入された場合、負担ばかり多くメリットがないと指摘されています。マイナンバーの管理が重い負担となっています。
 事業主が従業員やその扶養家族のナンバーを管理するためパソコンやサーバーへのウィールス感染対策やマイナンバーに対応したソフトへの切り替えが必要です。パソコンソフトの導入で、20人以下は40万円台、50人までは66万、100人まででは99万円と推計されており、実務も経費も増大し大変な負担となるのではないですか。

 7つに、中小企業にとっては、重い負担となることが指摘され延期、廃止が求められています。
 何のメリットにもつながらないこの制度は廃止をすべきではないですか。

120号
 1つに、4月1日から新規に取得すれば、軽減されますが、それ以前では約2.5倍の10,800円となってしまいます。消費税の増税によって需要の高い軽自動車の販売への軽減策として思えますが、単年度限りでは、どの程度の効果が期待できるのですか。税額は、どの程度影響があるのか伺います。
 2つに、2016年4月以降に13年経過すると、税額が1万2,900円まで増額されようですが、長く使った人への増税は問題ではないですか。

130号
 今回、学校の統廃合に伴って、旧磯辺第二小学校は、校舎を解体後跡地は、千葉県企業庁に返還予定といいます。学校跡施設の利用方針に対して、跡地の活用について様々な意見が出されています。
 1つに、旧磯辺第二中では、認知症グループホームや小規模多機能型居宅介護事業所整備は行われますが、美浜区には、企業庁に土地を返還してしまうと、公的な土地がそもそも少ないのです。旧磯辺第二小は、高齢者施設など整備していくために土地活用については、公共性の高いものとして活用していくことを、きちんと県に求めていくべきではないですか。
 2つに、この間、美浜区の打瀬の地域をはじめ、企業庁から道路や橋など千葉市に財産を移管してきました。幕張メッセ負担金や県から不当な扱いを受けている補助金の問題など千葉市はもっと県に対して、市民の意向を届けて、公共用地を市民のために有効活用できるよう求めていくことが必要かと思いますが、見解を求めます。
 3つに、入札についてですが、今回の130号と131号は、いずれも同じ市原組と小梛組が落札し、1社は入札参加資格がなく、1件は、どちらも予定価格を上回っています。
 2件とも同じ業者3件が入札に参加し落札し、同じ会社が落札、無効、予定価格超過となっており、市民からも疑義の声が多く寄せられています。今までにこうした事例はあるのか伺います。
 4つに、2件の落札している市原組と小梛組のJVの組み合わせが逆転していますが、そうした例はほかにあるのか伺います。