佐々木ゆうき議員の代表質疑への答弁



2015.9.15

【熊谷市長答弁】
○ 安全保障関連法案について

 私は、これまでの国会審議を注視するとともに、世論や市民の意見などにも触れてきたところですが、未だ国民の理解は広がっていないものと認識しております。
 安全保障関連法案は、戦後の日本の歩みを大きく転換する可能性がある法案であることから、国会での拙速な採決には賛成しかねるというのが私の見解であります。
 先般のデモは、安全保障関連法案に対し、懸念の考えを持っている多くの方々の意思表示であったものと認識しております。
○ 平和宣言及び核兵器への取り組みについて
 広島市長及び長崎市長が今年8月に行った平和宣言についてですが、広島市長、長崎市長ともに、市民社会への核兵器廃絶の呼び掛け、核兵器禁止条約などの法的枠組みの議論開始に向け、日本政府や諸外国へ強く訴えるなど、戦争と核兵器のない世界を実現するための宣言であり、私もまったく同感であり、世界161か国、地域の6,820都市の願いの実現を望んでおります。
 2020年までに核兵器を廃絶するための取り組みについてですが、これまで千葉空襲パネル展の中での原爆写真パネルや関係資料の展示、平和啓発パンフレットの配布を通じて、市民への意識の喚起に努めて参りましたが、今後は、市民により深く考え、行動していただくよう、創意工夫を行うとともに、加盟都市の一員として平和首長会議の活動を通じ、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を目指して参ります。
 平和首長会議が開始した「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める署名についてですが、本市では、既に平和都市宣言により、「核兵器などによる戦争への脅威をなくし、世界の脅威をなくし、世界の恒久平和を求めている」ことから、今後の国や市民運動等の動向を見守りながら、判断をして参ります。
○ 指定廃棄物最終処分場の候補地選定について
 7月20日の市民説明会での市民の声を市としてどのように受止めるかについてですが、参加した市民から詳細候補地の選定経緯についての疑問や施設の安全性等を懸念する意見が多く出されており、市民の率直な意見であると受け止めております。 現在、国において、本市からの再協議の申し入れに対する検討が行なわれていると聞いておりますので、説明会における市民の意見等についても、しっかり受け止めていただくことを求めて参ります。
 市長として、候補地選定に反対の姿勢を示すべきではないかについてですが、国からの詳細調査候補地の選定経緯や施設の安全性に関する説明は不十分であり、納得できる状況になく、市民等からも懸念する意見が多数寄せられていることや、市議会の決議を尊重し、本年6月10日に国に対し、指定廃棄物排出自治体内で保管を行うための再協議の申し入れを行っております。
 また、7月20日の市民説明会において、詳細候補地の選定結果の受け入れについて、市民の理解を求める言葉が繰り返されるなど、市民に誤解を与えるような説明があったことは、大変遺憾であり、今後は環境省が主催する市民説明会の開催は難しいと、あわせて申し入れを行っております。
 国から再協議の申し入れに対する回答があった場合はその内容を踏まえ議会とも相談しながら、市民の安全性を第一に判断して参ります。
○ 決算について
 市民生活の実態をつかんでいるのか、とのことですが、
 消費税率の引き上げや円高を背景とした物価上昇に加え、年金支給額の引き下げなどにより、実質的な可処分所得が減少し、市民のご負担が増加していることは認識しております。このため、臨時福祉給付金の」支給や国民健康保険料における軽減制度の拡充など低所得者への支援をはじめとして、市民の負担増を極力抑制するよう努めたところであります。
 実質的要因が、市民生活や福祉を犠牲にしたことによるものではないか、とのことですが、平成26年度は、歳入において、株式等譲渡所得割交付金などが予算に比べ増収になったことや、歳出では、事務的経費の経費節減に努めたことなどから実質収支の黒字を確保したところであります。しかしながら、収支状況は依然として厳しいことから、今後も、予算の効率的な配分と執行を図り、市民福祉の向上に努めて参ります。
○ 住民福祉の増進について
 平成26年度は、新たに、認知症初期集中支援チームを設置し、認知症の方やその家族の方々の負担軽減に寄与したほか、保育所待機児童対策を推進した結果、2年連続で待機児童ゼロを達成したことに加え、子ども医療助成を政令市トップクラスとなる中学校3年生に拡大したことにより、子育て環境が一層向上したものと考えております。また、水痘予防接種の新規実施や成人用肺炎球菌の対策年齢拡大など予防接種の拡充により市民の健康増進に寄与したほか、小・中学校の耐震補強工事の実施により本年4月における耐震化率が99.9%となるなど、市民生活の安全確保を図ったところであり、必要な分野に予算を重点配分し、施策の充実を図ることにより、住民福祉の増進が図れたものと考えております。
 子ども医療費助成制度についてお答えします。まず、窓口負担500円を300円への引き下げと、完全無料化の実施についてですが、小学校4年生以上の通院医療費に係る保護者負担額につきましては、現状では、県事業の対象外になっている状況や本市の極めて厳しい財政状況、また、こどもの成長に伴う受診状況など考慮し、一定額を保護者にご負担いただくことにより、中学校3年生までの対象拡大を図ったものであります。現状では保護者負担額を300円とすることは難しいと考えておりますが、今後、県の補助事業の動向や本市の将来的な財政見通しなどを勘案し、保護者負担額の設定について検討して参ります。
 完全無料化につきましては、自己負担を無料とした場合、さらなる財源確保を要することとなり、制度の安定的な運営を図る上からも自己負担は必要であると考えております。
 対象年齢を高校3年生まで拡充すべきではないかとのことですが、近隣市や県内主要都市において、通院医療費の助成対象を中学校3年生までとするところが多いこと、また、人口減少時代にあたり、本市の持続可能な都市経営を進めていく必要性などを考慮し、極めて厳しい財政状況ではありますが、昨年8月診療分から、通院医療費助成対象を中学校3年生まで拡大したものであります。
 さらなる対象拡大につきましては、子どもの健康保持の推進や子育て世帯の経済的負担の軽減、また少子化が進行する中で、子育て世帯の本市への転入を促進する観点からも、有効な施策の一つであると考えておりますが、助成対象の拡大には多額の安定財源の確保が必要であり、現状では困難であると考えております。
○ 新庁舎整備について
 政令市ワーストの財政状況であり、財政危機のもとで市民福祉を削りながら、なぜ298億円の建設費を新庁舎整備に投入しようとするのかについてですが、現在の本庁舎は、分散化・狭隘化・老朽化などの課題を抱えており、現状のままでは非常時はもちろん、通常時においても必要な機能が不足していることから、何らかの庁舎整備方策を実施する必要があります。市の財政が厳しい状況であっても、市民の暮らしを支えるため、市役所の機能が最も高められ、かつ長い目で見て最も費用負担が少なくなる方策として新庁舎整備を進めることとしたものであり、基本計画で示した事業費については、今後、事業手法等検討調査等において精査して参ります。
 建設費の高騰で整備費は膨らむので、新庁舎整備は東京オリンピック以降に延期すべきではないかとのことですが、事業を進めるにあたっては、各事業段階において、事業費を精査するとともに、建設物価の動向など社会経済情勢の変化等に留意しながら対応して参ります。
 パブリックコメントなどで新庁舎整備に対する否定的な意見が出されており、新庁舎ありきで結論を押し付けるのではなく、広く市民の意見を聞くべきではないかとのことですが、これまで1万人市民アンケートや市立高校生へのアンケート、パブリックコメント手続き、シンポジュウム等を実施し、市民の皆様のご意見を伺い、反映すべきものについては基本構想や基本計画に反映して参りました。今後とも、市長対話会や出前講座など、様々な機会を通じて、市民の皆様のご意見を伺いながら検討を進めて参ります。
○ 地方創生について
 本市における地方創生の取り組みについては、取り組むべき課題を「人口減少・少子超高齢社会への対応」と「社会増・交流増への挑戦」として整理し、豊かな自然資源を持ち、商業・業務機能等、諸機能の集積が図られた政令市、県都として、本市以東以南を中心に県全体を支え、牽引し、さらなる発展・成熟を目指すべく、「人口ビジョン」及び「総合戦略」の策定を進めているところであります。本市、そして本市を構成する地域社会を、活力ある、持続可能なものとして、将来の世代へと引き継いでいくことが出来るよう、具体の検討を進めて参ります。
○ 教育委員会との総合教育会議について
 本市における総合教育会議の位置づけについてですが、「教育に関する予算の編成執行や条例提案など重要な権限を有している地方公共団体の長と教育委員会が十分な意思疎通を図り、地域の教育の課題やあるべき姿を共有して、より一層民意を反映した教育行政の推進を図る」との、会議設置の趣旨を踏まえ設置したものであります。なお、本市におきましては、会議の決定の協議課題である「大綱」策定に加え、「放課後の児童の居場所の充実」や「地域経済・地域産業を支える人材の育成・確保」「アイデンティティ醸成につながる郷土教育の推進」といった事項をテーマに掲げ、大きな「まちづくり」の方向性と教育行政を連動させていくべく、協議等を進めているところであります。
 教育委員会の自主性の尊重についてですが、教育委員会は教育の政治的中立性、継続性・安定性の確保、地域住民の意向の反映を目的に、住民による意思決定、所謂「レイマンコントロール」の仕組みの下に、首長権限から独立して設置された合議制の執行機関であり、その制度主旨を踏まえた、主体的な教育行政運営が求められると考えております。そうした中で、首長と教育委員会が相互の連携を図りつつ、より民意を反映した教育行政を推進していく必要があるものと考えております。
 教科書採択における首長の立場についてですが、総合教育会議においては、教育委員会制度が設けられている主旨に鑑み、教科書採択、個別の教職員人事等、特に政治的中立性の要請が高い事項については、協議題とするべきではないこと、また、その一方、教科書採択の方針、教職員の人事の基準については、予算等の地方公共団体の長の権限に関わらない事項であり、調整の対象にはならないものの、協議することは考えられるものであること、と通知されております。なお、国会においても、そうした通知の趣旨を踏まえた答弁がされていることは、承知しております。
○ IRについて
 カジノ誘致を断念すべきとのことですが、IRにつきましては、国内有数の国際コンベンション都市としての幕張新都心の魅力を高め、多様な楽しみを提供する一つの手法であり、昨年度、導入可能性調査を実施し、市民報告会を開催したところであります。市民の皆様からは賛否も含め、様々なご意見を頂いており、引き続き、地域住民の皆様などとの情報共有などに努めるとともに、まず、IR推進法案に係る国の動向を注視して参ります。

【鈴木副市長答弁】
○ マイナンバー制度について

 避けられない4つのリスクについてですが、マイナンバー制度は、制度、システムの両面から様々な安全策を講じており、従来の個人情報保護に比べ、強固なセキュリティ対策が実施されております。
 制度面では法律による利用範囲の明確化や、厳格な本人確認、罰則の強化などの措置を講じているほか、システム面では適切なアクセス権限の管理、各行政機関における情報の分散管理などの措置を講じております。また、マイナンバーを取り扱う基幹系の情報システムは、インターネットから分離しているほか、人為的要因による個人情報の漏えいに関しては、研修の徹底や情報管理の厳格化を行う事により、可能な限りリスクを減らすこととしております。
 制度導入の狙いと市民へのメリットについてですが、制度導入に伴い、納税者のより正確な所得把握が可能となり、税制における公平性の確保が図られることにより、税制だけでなく社会保障においても不正を防ぎ、真に支援が必要な方への積極的な支援が可能になります。また、各種手続きにおける添付書類の省略やコンビニ交付サービスにより市民の利便性が向上するほか、行政機関の間での情報連携が可能になり行政事務の効率化が図られることから国民にとって有益な制度であると考えております。
 地方自治体がやるべきこと及びマイナンバーの実施を中止し、撤回を求めるべきについては、関連がありますので併せてお答えします。マイナンバー制度は、複数の機関に存在する個人の情報を同一人の情報であるという事を確認するための基盤として、行政手続きの簡素化などによる国民の利便性の向上が図られるようにするとともに、行政運営の効率化、社会保障及び税制度の公平な給付と負担を実現するために、国が制度設計を行い導入するものです。
 このため、本市としましては、制度の確実な施行に向けて、現在使用しているシステムの改修やセキュリティ対策の強化等を進め、制度の活用によって市民にとってのメリットを最大限活かせるよう、市民サービスの向上に努めて参ります。

【鈴木副市長答弁】
○ 職員について

 本市における職員の人件費と、パートタイマー、アルバイト等の賃金の増減についてですが、平成26年度における一般職員の給与費の決定額は、全会計で661億9,100万円であり、臨時の特別措置として実施した給与の減額措置の強化が終了したことなどから、前年度に比べ約16億7,900万円の増となっております。一方、アルバイトなど非常勤職員等に対する賃金の決算額は36億7,000万円であり、前年度からほぼ横ばいの状況です。なお、社会保険の加入状況について、具体的な加入者数は把握しておりませんが、職員が育児休業等を取得する場合の代替職員等、雇用時間数の多いものについては、社会保険の加入対象者となっております。
 非常勤職員がいないと業務に支障をきたすことにならないかについてですが、職員の体制につきましては、市民サービスを低下させずに効率的な行政運営を行うという観点から、業務量や内容に応じて、常勤職員だけではなく、非常勤職員も含め、全体として適切な職員配置となるよう努めているところです。
 非常勤職員の賃金の引き上げについてですが、非常勤職員等の賃金単価は、正規職員の給与改定率、他都市の状況及び民間の状況等を踏まえて決定することとしており、本年4月に時給20円増額の見直しを行ったところです。今後、これらの動向を注視し、適切な対応に努めて参ります。
 生活保護ケースワーカーや児童福祉司の増員が必要ではないかについてですが、生活保護ケースワーカーにつきましては、必要数を把握した上で、毎年増員しているところであり、今後も体制強化に努めて参ります。また、本市では現在児童福祉司1人当たりの担当区域の人口は約4万4千人で、4万人から7万人に一人という国が示している標準を満たしており、引き続き適正な配置に努めて参ります。
○ 性的マイノリティについて
 これまで職員研修をどのように行ってきたのかについてですが、毎年新規採用職員研修において、人権に関する問題の一つとして講義を行っております。
 また、平成25年からは、性的マイノリティを支援している方を講師として研修会を実施しており、昨年度は区役所、保健福祉センターなど、窓口で市民と接する機会の多い職員を中心に107人の職員が研修に参加しております。
 LGBT法連合会が提出した法案、渋谷区で制定された同性パートナーシップ条例についての見解をとのことですが、法案については性的マイノリティの方を支援している団体の考えを色濃く反映した内容のものであると考えております。また、渋谷区の条例については、相互に相手方を任意後見受任者とする公正証書の作成を条件とするパートナーシップ証明など、性的マイノリティの問題解決に向けた様々な検討や工夫が行なわれたものと理解しております。
 条例の制定により、市民、職員の理解が深まるのではないか、とのことですが、性的マイノリティの問題を一人ひとりが理解を深め、偏見や差別をなくしていくためには、今後も、市民、職員に対する啓発、研修が重要と考えております。
 性的マイノリティの問題は差別に基づく社会的な障壁の解消に向けて、全ての人に関わる問題でありますので、国において十分な議論が行なわれるべきものと考えており、条例の制定については、国の動向や課題整理等を踏まえ、方向性を見極めていく必要があると考えております。

【神谷副市長答弁】
○ 国民健康保険制度について

 高齢化などにより医療費が増加する中で、国民皆保険の基礎となる国保制度を堅持していくためには、歳出に見合った財源を確保しなければならず、保険料の改定はやむを得ないものと考えております。また、一般会計からの繰入については、現在も収支不足を補うため、法定繰入とは別に繰入を行っている状況であり、一般会計の収支状況を見極めながら対応して参ります。今後も、歳出に見合った財源を確保するため、条例の規定に基づいて保険料の改定を行って参ります。
○ 幕張メッセの改修について
 幕張メッセの改修に係る県との協議についてですが、幕張メッセは営業施設であることから、今まで、その都度必要な改修等は行って参りましたが、開業から25年を経過し、これまでの改修等では対応しきれなかった施設の老朽化等について、大規模な改修が必要となっております。このことから、千葉県が施設・設備の耐用年数や劣化状況など必要な調査を昨年度に実施し、今度の大規模改修に係る概算事業費を、15年間で150億円と試算していることについて、本市との意見交換の場において説明を受けております。また、この調査は、東京オリンピック・パラリンピックの幕張メッセでの開催が決定する前の試算であることから、今後、改修内容や工程について、引き続き意見交換を行って参ります。
 新たな負担についてお答えします。幕張メッセの大規模改修にあたっては、老朽化した設備の更新のほか、来場者の利便性向上に向けた機能強化や、オリンピック・パラリンピック後も見据えた競争力の強化を検討することが極めて重要であります。
 そのためには、現在、実施されている催事の継続誘致だけでなく、オリンピック・パラリンピック開催による知名度も活用することで、経済効果の高い新規の展示会やイベントなどの誘致にも取り組んでいく必要があると考えております。よって、大規模改修に係る本市の負担の考え方については、今後、幕張メッセの方向性について、千葉県、株式会社幕張メッセと共に、広く情報を共有し、意見交換を行った上で、地元市としての適正な負担のあり方を検討して参ります。
○ 強風による被害状況について
 9月8日、10時現在、把握している状況としまして、人的被害については、軽症が3人で、お一人の方が転倒して後頭部を打撲したほか、お二人の方が、割れた窓ガラスの破片により、負傷されております。建物被害としましては、住家52棟、非住家13棟に、屋根や、屋根瓦、外壁、窓ガラスの破損などが生じております。また、このほか、車・門扉・フェンスの破損、電線の切断、倒木などの被害が確認されております。
 強風に伴う被害対策の申し入れに対する市の対応についてですが、被災者への支援については、現在、中央区役所において、被災された方からのご相談を受け付けるとともに、各戸を訪問し、被害状況の調査を進めているところであり、各種支援制度や保険金などの申請手続きに必要となる「罹災証明書」を速やかに発行して参ります。また、強風により発生した災害ごみについても、中央区今井に臨時のごみ収集場所を2ヶ所設置し、1日2回、収集を実施しております。さらに、千葉市社会福祉協議会のボランティアセンターでは、被災された方々に対して、ボランティア派遣のニーズ調査を行い、その求めに応じて、職員及びボランティアが瓦礫撤去などの支援にあたったところです。なお、竜巻情報の速やかな情報提供につきましては、気象庁から竜巻注意情報が発表された場合には、頑丈な建物に避難するなど身の安全を確保する行動が取れるよう、市ホームページや安全・安心メール等により、迅速な情報提供に努めているとともに、さらに、竜巻の目撃情報が発表された場合には、防災行政無線も活用して広く周知することとしております。
○ 沿岸の護岸対策について
 千葉県では、東京湾沿岸海岸保全基本計画に基づき、海岸保全施設の整備を行っており、沿岸のコンクリート護岸施設については、波浪等の海岸災害から背後の人命や財産を守る重要な役割を担っているため、適切な維持管理や施設整備が図られるよう、千葉県に対し、必要に応じて要望して参ります。
○ ごみ屋敷条例について
 本市では、ごみ屋敷とならないよう、情報収集や現地調査により早期発見に努め、居住者に対し、ごみ排出指導を行っており、深刻化している場合は、居住者にごみの持ち込み禁止や適正なごみ出しについて継続的に説得するとともに、関係機関や町内自治会などと連携を図りながら、対応できる部分については廃棄物を撤去しており、一定の成果が得られております。また、社会的孤立のため、認知症や障害があっても福祉サービスの利用につながっていないといった課題を抱えている方については、民生委員や社会福祉協議会などと連携して、必要なサービスの利用を促すなどの対応を図っているところであり、今後も、保健福祉センターを中心に関係機関などと連携して、孤立化対策の充実を図って参ります。
○ 保育について
 「認定こども園になることで、本来の保育を必要とする子どもが排除されないように保障すべき」とのことですが、保育所から移行した認定こども園のうち、2ヶ所の公立の認定こども園につきましては、保育を必要とする子どもが、入所できない状況にならないよう、比較的入所待ち児童が少ない保育所を選定しております。また、3か所の民間の認定こども園につきましては、個々の実情に応じ、1号児童の定員を極力少なくするよう指導しております。なお、幼稚園と保育所を合わせる形で移行した民間の認定こども園につきましては、幼稚園の空いたスペースを利用して、保育を必要する子どもの定員を大幅に増やしております。
 「どの子も等しく保育を受けられるよう、施設の面積や職員配置を同様の水準にすべき」とのことですが、施設の面積や職員配置の基準が形態により異なる地域型保育事業は、認可外保育施設やグループ型小規模保育など、多様な実施形態からの移行に対応したものであることから、その実態に応じた認可基準となっております。
 また、事業者の収入となる公定価格には、職員の配置状況によるインセンティブが設けられるとともに、無資格者に対する資格取得支援制度もあることから、有資格者の配備が期待できる制度となっております。なお、小規模保育事業及び事業所内保育事業B型の保育士資格者の割合は、現行の認可外保育施設の基準である1/3から1/2に引き上げるとともに、小規模保育事業C型につきましては、市独自の上乗せにより、保育士1名以上の配置を必須とするなど、質の向上を図っております。
 今後も引き続き、市による巡回指導を徹底することにより、実施形態に関わらず、同一の保育の質を確保して参ります。
○ 子どもルームについて
 高学年ルームのエアコン設置についてですが、高学年ルームは、学校の授業で使用している教室を、放課後に使用しているものであることから、エアコンの設置は困難であると考えており、また、子どもルームの専用施設ではないため、国庫補助金の対象とはなっておりません。なお、エアコンが設置されていない教室を高学年ルームとして使用する場合、児童の健康に配慮し、夏季休業中はエアコンが配置されている図書室で過ごすこととしております。
 質の向上のための指導員の処遇改善についてですが、子どもルームの指導員の給与につきましては、他の政令市や近隣自治体での同種事業との比較において、一定の水準にあることから、今後の雇用環境や賃金水準等を注視して参ります。
○ 太陽光発電パネル設置の届出制について
 これまで太陽光発電設備の設置にあたり、近隣住民とのトラブル、苦情についてですが、平成24年以降、市民からは、土地の造成工事に伴う振動の苦情が1件寄せられています。
 周辺を含む良好な景観、地域にしていくため、条例制定や景観条例の一部改正を進めるべきとのことですが、全国的には、太陽光発電施設の設置に際し、歴史遺産や観光資源となる自然環境との調和などの観点から、届出などにより誘導を行っている自治体もあります。本市においては、これらの観点を踏まえ、必要性も含めて調査・研究して参ります。
○ 中小企業零細企業への支援と地域経済の活性化について
 市が、市内事業者の悉皆調査を行い、施策に反映すべきではないかとのことですが、平成24年2月の経済センサス活動調査の結果、市内には、9,491件の企業が存在し、うち、99.7%程度が中小企業・小規模事業者であり、調査対象もほぼ同数と推計されます。調査対象数が膨大であることから、職員による悉皆調査は人的コストや他の業務とのバランスを考慮すると、実施は困難であると考えており、引き続き、中小企業団体との意見交換や産業振興財団のコーディネーターが行なう企業訪問等により、中小企業・小規模事業者の実態やニーズの把握に努めて参ります。
 プレミアム付き商品券の千葉市での経済効果と地域の商店等での活用状況についてですが、昨年度のプレミアム付き商品券の経済効果の推計額は「日常消費額」6億4,533万円、「市外への流出抑制額」4,130万円、「直接的消費喚起額」8,337万円に、ついで買い等による「追加的な消費額」の1億4,798万円を加え、最終消費額は9億1,798万円となっております。また、今年度の商品券については、42億円程度の最終消費額を見込んでおります。
 地域商店等での活用状況ですが、昨年度の営業規模別の利用金額の割合は、中小店が63.1%、大規模店が36.9%となっております。今年度につきましては、中小・小規模店での使いやすさに配慮し、500円券を導入したところでありますが、現在も商品券の取扱期間中であり、営業規模別の利用状況は換金終了後に調査・集計することにしております。
 プレミアム付き商品券について、生活保護世帯や低所得者への対策をすすめることが必要と考えないか、とのことですが、希望購入セット数を任意で選択できるようにするなど、生活保護世帯や所得の低い方に対しても、購入申し込み機会を確保したところです。なお、今回のプレミアム付き商品券事業は、国が設けた地方創生のための交付金を財源とし、地方における消費喚起を目的として実施しておりますが、生活保護世帯や所得の低い方に対しては、昨年4月の消費税率の引き上げに伴う負担軽減のため、生活保護基準の改定や臨時福祉給付金の支給金の支給を実施しております。
 プレミアム付き商品券の今後の実施にあたっては、3千円や5千円で低所得者世帯が購入できるように再検討すべきではないか、とのことですが、現時点において、今後のプレミアム付き商品券事業の実施予定はございませんが、実施にあたっては限られた事業費の中で、その目的に応じた販売額の設定を行って参ります。
○ 異常気象における農業対策について
 異常気象による農業被害の実態は、どうなっているのか。具体的にどんな農産物が被害を受けていて、また、不足する事態とならないのかについてですが、8月中旬までの猛暑や、下旬からの日照不足により、本市の主要作物であるニンジン、ネギ、ホウレンソウなどの葉物野菜の育成に少なからずえいきょうがみとめられます。
 特に、ニンジンは、高温・少雨による発芽不良が見受けられましたが、生育の遅れを最小限に抑えるため、かん水の励行や種のまき直しを行い、深刻な被害には至っておりません。しかしながら、今後も日照不足が長引いた場合、これから収穫を迎える秋冬野菜にとっては、収穫量の減少や、品質の低下に影響するものと考えられます。
 異常気象による農業被害に対し、どんな支援を考えているのか。また、今後の対策についてですが、異常気象による農作物被害を少しでも軽減するため、堆肥を基本とした土作りをはじめ、病害に対する農薬の予防散布や追肥、土寄せのほか、施設野菜では換気による空気循環など、個々の作物に合わせた技術対策を講じる必要があります。そこで、巡回指導や土壌診断などを通じて、作物ごとの適正な対処方法を指導するとともに、文書による周知や市HPでの情報提供を行っております。
 既に、緑区のキャベツやワケネギ産地では、生産性の向上や異常気象対策に効果的な土壌の保水性・透水性の改善を図るための土壌改良を実施しており、引き続き計画的な指導を行って参ります。今後とも、異常気象による農業被害を最小限に留めるため、農業者への技術支援を的確に行い、市内農産物の安定生産を図ることで、消費者への安定供給に繋げて参ります。
○ 若者の定住促進策について
 現在、千葉市住宅政策審議会において、「人口の流出と定住の促進に向けたこれからの住宅政策のあり方について」をテーマとしてこれまで3回にわたりご審議を頂きました。この中で、若者も含め様々な年代が住みたい・住み続けたい魅力ある住居環境についても審議が進められており、来年3月に頂く予定の答申内容を踏まえ、家賃補助の是非や、空き家の活用についても活用してまいります。
○ 木事務所について
 土木事務所における「ちばレポ」実施後の業務量の増減についてですが、市民要望処理件数で比較しますと、実施前の平成21年度から25年度までの5年間の平均、約13,000件に対し、実施後の26年度は「ちばレポ」投稿の716件を含め12,936件となっており、例年と比べ横ばいとなっております。
 土木事務所予算の増額についてですが、土木事務所は、道路の維持管理や整備及び災害対応など、市民生活に欠かせない重要な業務を行っております。また、年間13,000件にも及ぶ要望に対応するためにも、できる限り必要な予算を確保し、効率的かつ適切な維持管理を行い、市民生活に支障をきたさないよう、しっかりと取り組んで参ります。
○ 農業委員会について
 建議機能が廃止されていることについて、どう考えるのかとのことですが、今回の改正では、建議機能が廃止される一方で、新たに、農業委員会は、農地等の利用の最適化の推進に関する事務をより効率的かつ効果的に実施するため必要があると認めるときは、関係行政機関に対し、改善についての具体的な意見を提出しなければならないものと規定されております。また、関係行政機関は農地等の利用の最適化の推進に関する施策の実施等に当たっては、提出された意見を考慮しなければならないこととされております。改正法では、農業者等の声を、農業委員を通じて、これまで以上に農政に反映していくことが想定されていると考えております。
 農業委員の定数を増やし、女性、若者を登用し、機能を強化することが必要ではないかについてですが、農業委員の定数については、今後、政令で、農業委員会の区域内の農業者の数、農地面積その他の事情を考慮した基準が示され、これを基に条例で定めることとされております。また、女性、若者の登用については、改正法の中で、農業委員の年齢、性別等に著しい偏りが生じないように配慮しなければならないことが、新たに法の中に位置づけられております。今後は、まもなく公布される政省令や国・県・他市の動向など注視しながら、農業者の意見を的確に把握し、農業委員会が地域に根ざして、その役割・機能を遺憾なく果たしていくことができるよう、来年4月の改正法施行に向け、円滑な移行の準備に努めて参ります。

【教育長答弁】
○ 小中学校の教室へのエアコン設置について

 本市の教育環境については、様々な課題があり、校舎等の耐震化完了後は、緊急性や費用対効果等を踏まえ、先送りとなっております老朽化対策やトイレ便器の洋式化などを、優先的に実施して参ります。特に、外壁は、地震等により落下した場合危険であるため、その改修に最優先で取り組んで参ります。また、エアコンについても、近隣への配慮から窓を閉め切りにして授業や部活動を行わなければならない音楽室のほか、特別支援学級や特別支援学校に優先的に設置し、子どもたちの教育環境の向上に努めて参ります。
○ 教科書採択について
 教科書採択を公正・公平な立場で臨むことについてですが、本市の教科用図書のさいたくにあたっては、従前より文部科学省及び千葉県教育委員会の通知に則り、教育基本法の趣旨や学習指導要領の内容に適合したものの中から、本市の生徒の実態に最もふさわしい教科用図書を教育委員会の静謐な環境のもと、適切かつ公正な立場で採択しており、平成27年度も同様に実施しました。

 市民への説明責任についてですが、教科用図書の採択に係る教育委員会会議の開催については、事前に開催日時をホームページで市民に知らせるとともに、会議は公開で行っております。また、採択の過程である選定委員会の会議録、及び専門調査員の報告書、教育委員会会議の会議録についても公開することとしており、市民への説明責任を十分に果たしているものとかんがえます。

<2回目>

【熊谷市長答弁】
○ 安全保障関連法案について

 私の見解は、1回目の答弁のとおり、示させて頂きました。
○ 指定廃棄物処分場問題について
 「白紙撤回」を迫る先頭に立つべきではないかとのことですが、指定廃棄物排出自治体内で保管を行うための再協議を求めることを市長として判断し、本年6月10日に国に対し、申し入れを行ったところであります。これまでの市及び市民への説明内容や市民意見を鑑みると、指定廃棄物排出自治体内で保管していくことが適切との認識がより広がってきていると感じております。国から再協議の申し入れに対する回答があった場合は、その内容を踏まえ議会と相談しながら、市民の安全性を第一に判断して参ります。
○ 決算について
 市民負担が増となる中、公共料金の値上げなどを行うべきではない、とのことですが、公共料金については、市民負担の公平性や、受益者負担の原則に基づき必要最小限の見直しを行ったものであり、市民生活への影響を考慮しつつ、引き続き適正化に努めてまいります。また、全ての市民サービスをこれまで同様に行うことは困難であることから、事業効果の薄れた事業などにつきましても、市民サービスの低下を極力抑えながら、見直しを行ってまいります。

【神谷副市長】
○ 自然災害への対応について

 県制度の適用を求めることについてですが、国の被災者生活再建支援制度は、一つの市町村の区域内で10世帯以上の住宅が全壊した場合などの自然災害を対象としているため、市町村をまたぐ災害については制度が適用される市町村と適用されない市町村が発生することもあり、被災者の支援に不均衡が生じていました。
 このため、千葉県では、この不均衡を是正するため、本年4月に国の制度を補完する県の制度を創設し、対象を「被害が発生した、連たんする複数の市町村において、全壊した世帯数の合計10以上」などとし、事業を実施する市町村に対し全額補助を行うことといたしました。今回の強風被害は、現在のところ、県内のほかの被災市と合わせても全壊世帯はない見込みであるため、県制度の適用を求めることは困難な状況にあります。
○ 市独自の支援制度の創設について
 自然災害により、生活基盤に著しい被害を受けた方への支援については、国の被災者生活再建支援制度に加え、今般、それを補完する県制度が創設されたことにより、一定規模以上の大規模災害における支援体制が構築されたことから、現在のところ、市独自の支援制度を創設する考えはありません。しかしながら、近年、竜巻やゲリラ豪雨といった局地的・突発的な自然災害が多く発生していることから、国の支援制度などの動向を注視してまいります。