吉田まさよし議員の一般質問



2015.12.10

写真1.ブラックバイト対策について
 先月、厚生労働省から2つの労働に関する調査の結果が公表されました。1つは、「2014年就業形態の多様化に関する総合調査」で労働者全体に占める非正規雇用が4割を超えたこと。様々な調査をしていますが、非正規雇用が4割を超えたのは初めてのこと。もう1つは、アルバイト経験のある学生を対象にアルバイトに関する初の意識調査を実施したところ、回答者の6割が、何らかの労働条件上のトラブルを経験したと答えたこと。2つの調査結果から労働環境の悪化の深刻さが明らかになっています。
 悪化している理由の1つは、頼れる人がいない、親にも頼れず、日々のアルバイトで生活している学生や若者が多くなっていることではないでしょうか。今では、高校生まで広っています。
 「試験や行事でも休ませてもらえない」「12時間以上働く日もある」「シフトの管理や調整をさせられている」こうした学生や若者の声に出会ってきました。一方で、「そういった職場で働くのが悪い。」という意見もあります。ですが、ルールを守らない職場から学生や若者を守るのはW政治と行政の責任Wではないでしょうか。今回はWブラックバイト対策Wについて以下質問します。
 1つ、千葉市は、ブラックバイトの問題を把握していますか。いまの学生や若者の多くは、働かなければ生活できない状況の中、バイト先や企業の都合で働かされています。やめたくてもやめることは出来ません。働き続けなければならない学生、若者の労働状況の悪化を市は深刻に捉えるべきではないのですか。
 2つ、千葉市として、ブラックバイトの実態を把握するため、市内の高校・大学と協力して調査を進めることを提案しますが、どうですか。
 3つ、厚生労働省が発行しているリーフレットW学生の皆さんへ アルバイトをする前に知っておきたい7つのポイントWの活用状況はどうなっていますか。また、厚生労働省が運営しているホームページW労働条件に関する総合サイトWの周知やサイトへのリンクの状況はどうなっていますか。
 4つ、川崎市では、市のホームページにW労働相談・雇用関係等行政機関の御案内Wというページを作って相談に対応出来るようにしていますが、千葉市でもホームページの見直しを含め、検討するべきではありませんか。
 5つ、労働の指導権限は千葉市にありませんが、県・国の対応や学生や若者からの連絡を待っているだけでは、千葉市に住む学生や若者を守ることはできません。学生や若者を守るため、早急に千葉市として対策するよう求めるがどうですか。

2.納骨堂建設について
 9月17日、稲毛東の地域に納骨堂建設計画が『看板設置』という形で知らされ、住民説明会が10月16日夕方、18日の午前・午後で計3回開かれました。
 説明会では、法人側から建設計画について話がされ、参加者から、檀家信徒の人数や収蔵数の必要性。土地の購入費用について。移転後の宗教活動の状況など、多くの質問が出されました。しかし、まともに答えられない、答えない。説明会というには、あまりにも不十分で、参加者から反対の声が示されました。現在、地域では、建設反対の運動が起こり、広がっています。
 建設予定地は、平成24年、地域の活性化の為、持ち主の方が住民の皆さんに呼びかけをしてWマンション建設誘致Wが進められていました。地域の皆さんは「マンションができれば、若い人も入って来て賑やかになり、地域も活性化するのではないか」と思い、マンション建設に願いを託しました。その後、計画が決まり、土地の売却まで話が進みました。しかし、マンション建設は中止になってしまい、その後、土地は転売され、以後、有料駐車場として使われてきました。
 稲毛東3丁目の地域は、通り沿い周辺には多くの店舗、戸建の住宅地があり、アパートやマンションも増えています。更に、稲毛駅から浅間通り商店街につながる地域でもあります。
 浅間通り商店街といえば、街の活性化のため様々な努力をされている商店街です。7月15日には、浅間神社のお祭りが毎年開催され、市内の方々が大勢訪れています。
 また、商店街の方々、地域の方々、千葉大の学生など有志のみなさんで、街を元気にするために様々なイベントが度々開かれています。先月21日、22日には、「夜灯」が開催されまた。さらに、地域の交流と発展の為にWあかりサロンWを建ち上げ、運営を継続しています。
 稲毛東には、現在、葬儀場が2件建っていますが、地域の方々からは「W葬儀場WとW納骨堂・墓地Wは全く別もの。地域への影響は予測できない。建設されては困る。」と反対の意見が寄せられています。
 東京など一部の地域では、駅近くや都心部に納骨堂がつくられるケースも多いようですが、建設を許す理由にはなりません。地域の住民のみなさんが「反対」と意思を示し、運動に立ち上がり、その運動が広がっていることにも表れています。地域住民の願いである「建設反対」の立場から質問をします。
 1に、地域住民の「反対」の意志表示をどう認識しているのか。
 2に、建設予定地の元の持ち主の方は、土地を売りに出してまで、地域の活性化の事を考えておられましたが、このことをどう捉えていますか。また、こうした経過をどう認識していますか。
 3に、せんげん通り商店街は催しなど、地域の活性化のために様々な努力されています。納骨堂が建設されることによる影響を千葉市はどう考えているのか。また、商店街の方々の声を聞いていますか。
 4に、厚生労働省のW墓地経営・管理の指針等Wでも、「特に宗教活動の墓地経営を許可する場合には、宗教法人の名を借りて実質的に経営の実権を営利企業が握るW名義貸しWの防止に留意することが必要である」と記されていますが、指針に抵触しないのか。
 5に、今回の納骨堂建設問題では、法人側の経営の安定性・永続性について、地域の住民から疑問が出されていますが、どう考えていますか。また、今後、どのように調査されるのか示してください。
 6に、駅から近い場所に納骨堂が建設されようとしていることについて、今後の千葉市のまちづくりに影響が出ると考えますがどう認識していますか。

3.磯辺茂呂町線について
 市は、過去の自治会や住民への説明で、磯辺茂呂町線が国道16号と357号が結ばれることによって、臨海部と内陸部の連絡が強化され、大型車の移動時間が短縮し、物流機能が向上による経済効果や渋滞緩和が図れるなどの効果があると述べています。しかし、磯辺茂呂町線がファミールハイツ前を通ることになれば、ファミールハイツの地域は分断されることになってしまいます。自治会、住民からは「道路を通すことには反対しないが、ファミールハイツの環境を壊さないでほしい。道路は4車線とも地下にしてほしい。」と要望が出されています。
 こうした中、千葉市とファミールハイツ自治会で平成2年9月から話し合いが始められ、住民との合意や理解が得られない状況が続き、また、建設予定地の買収など事業の長期化に伴い、平成21年9月より話し合いが中断されていました。
 本年10月17日、住民説明会が開催されることになりました。しかし、千葉市から説明されたものは「京葉道路橋梁架設について」と一方的なもので、参加者から困惑、一部の方からは苦情が出される事態になっています。「住宅のすぐ近くを車が走るようになるのはおかしい。」「いまさら工事しますと言われても困る。」など「環境を壊さないでほしい」こうした意見が多く寄せられています。
 そもそも、話し合い中断以前からも「課題」としてあげられていた「住環境」「騒音」への調査や対応などについて、住民に全く報告されていない状況で、住民に対して「橋梁架設について」と一方的な説明会を開催したことについて、市に問題があると言わなければなりません。
 今、市としてすべきことは、住民のみなさんとしっかり話し合いをすること。住民合意の上で進める、合意できなければ進めない。住民合意の原則に立った対応ではないでしょうか。そこで伺います。
 1つ、先ほども取り上げましたが、住民の方々から「道路を通すことには反対しないが、ファミールハイツの環境を壊さないでほしい。4車線とも地下にしてほしい。」「今でも狭い歩道が狭くなるのは困る。」「住宅のすぐ近くを車が走るようになる。こんなのおかしい。」などW環境を壊さないでほしいWこうした要望をどう認識しているのか。
 2つ、市は、事業計画について、1工区を園生町交差点から京葉道路までとして、橋梁部の橋梁開始目途を、平成31年度と発表している。2工区の京葉道路から国道16号線までは供用時期は未定になっている。今回の京葉道路橋梁架設は、ファミールハイツ前を半地下方式にすることを前提にした計画であることを確認したいが、答弁を求めます。
 3つ、ファミールハイツ自治会はファミールハイツ前の道路を全面地下方式にすることを求めている。京葉道路橋梁架設を平成31年完成の計画通り実施することは、自治会の要望を拒否して、市が説明している半地下方式を強行することになるのではないか。
 4つ、この計画通り実施することは、今まで長期にわたり自治会と市が協議してきた信頼関係を市が一方的に壊してしまう乱暴なやり方ではないのか。
 5つ、環境問題でも自治会の理解が得られない計画となっている。自治会が求めてきた環境アセスメントについて10月17日の説明会で市は、「過去2回ほど調査した経緯があるがご理解いただけない状況であり、今後時期を見定めてより新しいデータを提供しないと皆様に理解いただけないと考えている」と答えている。新しいデータはいつ提供できるのか。
 6つ、京葉道路橋梁架設の場合、現在設置されている防音壁の一部が取り壊されることになるのか確認したい。その場合、住宅地まで広がる騒音はどの程度のものなのか。環境基準を守れるのか。
 7つ、先ほども取り上げましたが、市は、自治会・住民への説明で、磯辺茂呂町線が国道16号線、357号線が結ばれることによる経済効果や物流機能が向上や渋滞緩和が図れるなど効果があると述べている。
 そこで、国道16号線、357号線が結ばれることによる経済効果とは何か。時間短縮の効果とは16号線から357号線及び357号線から16号線を何分間短縮できるのかお答えください。また、国道16号線と357号が結ばれれば、多くの車両が流れてくることが考えられます。流れてくる車両総数は予測にされていますか。
 8つ、市は、渋滞緩和に効果があると説明しているが、新港横戸町線のような慢性的な渋滞の懸念について、どう説明するのか。また、新港横戸町線の渋滞する時間帯と通過にかかる時間、車両数をお答え下さい。
 9つ、この間、話し合いの中で合意を得られていない以上、自治会・住民の合意を前提にした計画にすべきであり、ネクスコに依頼している橋梁の設計はW取り下げWかW凍結Wして、自治会と協議することを求めるが、どうか。

<2回目>

 まず、ブラックバイトの対策についてです。
 ホームページの改善や厚労省のリーフの活用などについて、検討・対応をするとの答弁でありました。実現に向けて取り組まれるよう求めておきます。
 しかし、労働相談数の把握などは取り組まれているようですが、ブラックバイトの実態は把握については、答弁がありませんでした。実態を把握していく必要があると思います。
 スクリーンを御覧ください。これは、1回目に紹介しました厚労省の調査のグラフです。非正規雇用が4割に達したと発表されましたが、調査開始の1987年は16%であったものが、2.5倍に増えていることがわかります。
 現在、学費や生活費など自分自身で稼ぐしかないという学生・若者が多く。中には、家族の生活を支えているケースまであります。非正規雇用の拡大により両親の収入だけでは生活出来ない世帯が増えています。非正規雇用の拡大も問題です。働き続けなければならない学生・若者を取り巻く環境・労働状況を深刻に受けとめる必要があると思いませんか。私は、早急に対策を講じる必要があると考えます。そこで伺います。
 1つ、高校生、大学生も利用するコミニティーセンターや公民館、図書館などでも、厚労省のリーフの配布や相談窓口の周知に取り組むことを提案しますが、どうですか。また、千葉市で行なう学生向けのイベントなどでも、配布や周知に取り組むことも必要だと考えますが、どうですか。
 2つ、京都市で、ブラック企業・ブラックバイトについての質問対して、本年9月議会で、副市長が「ブラック企業・バイトは、若者の未来を奪う許されないもの」と答弁しています。千葉市もブラック企業・ブラックバイトから学生・若者を守るため、実態を把握し、対応できるよう職員を確保すること。また、川崎市や横浜市のように体制を強化することを求めますが、どう考えますか。

 次に、稲毛東の納骨堂建設問題についてです。
 今議会に請願書が3件出され、反対署名も出されているように、地域の方々は納骨堂建設に「断固反対」で運動に取り組まれています。このことについて、市が手続き上の話しのみで何もしていないことについて問題があると考えます。そこで伺います。
 1つ、先ほど答弁で「協議が円滑に進んでいない状況であると認識しております」と答えています。住民は、助けを求めて請願を出されたのではないでしょうか。法人側に住民に対し真摯に対応するよう、指導すべきではないのか。
 2つ、請願でも私の1回目の質問でも取り上げましたが、厚労省のW墓地経営・管理の指針Wでは、名義貸しの他にも、「墓地の設置場所について、周辺の生活環境との調和に配慮されていること」や「当初から過度な負債を抱えていないこと」など注意すべき指摘されています。今後、千葉市が調査される際、指針の内容、請願や署名が出されていることを踏まえた上で厳正に調査されるのか。お答え下さい。

 最後に、磯辺茂呂町線ついてです。
 ファミールハイツの住民、自治会の合意や理解が得られてないにも関わらず、計画を進めている状況で、「説明する」といって、地元の自治会、住民は納得してもらえるでしょうか。  
 また、経済効果、時間短縮も答弁でありましたが、住民の意見を無視して急いで進める必要があるのでしょうか。私には必要は全く感じられません。そこで伺います。
 1つ、防音壁についてですが、答弁で「防音壁の一部を取り壊すことになります」とお答えになりました。現在の京葉道路からの騒音は、防音壁があって防がれている状況であり、1ヶ所でも防音壁が取り壊されれば、そこに音が集中して環境基準を守れなくなるのではありませんか。「対策を講じていきます。」では、住民は納得できません。具体的にお答えください。
 2つ、新港横戸町線は開通後から渋滞など問題が起きていましたが、信号機の調整や右折レーンの延長など3年半かかり、改善に至っています。渋滞に限らず、問題が起こる可能性についてどう考えているのか。
 3つ、磯辺茂呂町線が通ることになれば、ファミールハイツの住民は街を分断され、住環境は壊され、騒音や排気ガスなどにずっと悩まされることになります。住民の気持ちを理解すべきではありませんか。その上で協議を進めるべきだと考えますが、どう考えますか。
 4つ、住民の意見を無視して計画を進めることは、市の方針の押しつけでありませんか。地元の合意なしに計画を進めることは止めるべきではありませんか。