佐々木ゆうき議員の討論

2015.12.16

写真 議案第159号・平成27年度千葉市一般会計補正予算についてです。
 繰越明許費補正のうち、都市計画費の磯辺茂呂町線事業については、京葉道路に係る橋梁の設計をネクスコ東日本に委託するものです。平成21年から近隣住民への説明がされていなかった経過があり、この間2回の説明会でも住民の意向とのずれが生じており、合意に至っていないもとで進めるべきではありません。
 指定管理者の指定に係る施設の管理運営の債務負担行為補正についてです。今回の債務負担行為は消費税増税を見込んで算出されています。蘇我コミュニティセンターや真砂コミュニティセンターの管理運営に係る費用が増額になりましたが、他の施設については大きな変化はありません。限度額が変わらず、運営を任せ、指定管理者には、市民サービス向上とコスト縮減の両方を求められます。指定管理者の指定の議案の中には、指定管理者となる事業者から人件費の削減等も提案されています。本来は、正規雇用に置き換えなければならないのを、市が非正規雇用に置き換えを進めてしまうことは許されません。
 運営の努力をされても、コストを縮減するとなれば、人件費に手をつけざるをえなくなります。そうしたことを市が進めることは到底認めることはできません。

 議案第161号・平成27年度千葉市競輪事業特別会計補正予算についてです。
競輪事業の売り上げや入場客の減少など取り巻く環境は一層厳しいものになっていることから、千葉市において事業廃止を検討しています。
 民間包括委託後2年間の単年度収支・繰越金の増減は、2012年度2,805万円の赤字、民間包括委託を行なった2013年は2億7,258万円、2014年1億8,781万円の黒字にはなっています。競輪事業の単年度収支の黒字は、千葉市職員の転籍と従事員の定年退職による自然減、施設の整備や大規模修繕等の先送りなどによるものです。今後、売り上げが伸びず、施設改修等を行なうことになれば、収支はさらに悪化します。
 また、競輪事業の廃止となれば、国から借用している土地を今後どうするか、老朽化した千葉公園体育館の再整備をどうするのか、千葉公園、周辺を含めたまちづくりに影響してきます。
 競輪事業の廃止が決まったわけではありませんが、従事員の生活にかかわる重大問題となります。やはり、長年千葉市のために働いてきた従事員の生活を脅かすようなことはすべきではありません。従事員の生活を守る立場に立って誠実な対応をすることを重ねて求めておきます。

 議案第164号・千葉市消防団員等公務災害補償条例の一部改正、議案第165号・千葉市消防団員に係る退職報償金の支給に関する条例の一部改正についてです。
 両議案とも、消防団員等が速やかに新たな基準での補償と報償金を受けられる体制とするためのもので、支給を早くすることは必要です。議会には議案ではなく報告という形になり、チェックできなくなります。そうなれば市民に対しても議会の説明責任が果たせなくなるという理由から、条例の改正には反対です。 

 議案第166号・千葉市廃棄物の適正処理及び再利用等に関する条例の一部改正についてです。
 一般廃棄物処理手数料及び産業廃棄物処分費用は、平成19年度改正以来、据え置かれてきて、処理費用の負担割合が著しく低下していることから、費用負担の適正化を図るために手数料の額を改定するというものです。
 許可業者と契約している事業所19,309件のうち、全体の97.4%の18,823件が小規模事業所となります。「負担の公平性」などといって負担増を強いるやり方は許されるものではありません。小規模事業所の負担増を強いることで、さらに経営に影響してきます。実施まであまりにも周知するなどの期間がありません。
 事業系一般廃棄物の排出量は、平成25年度で、78,833トン、そのうち大規模事業所の排出量は26,246トンで、排出量全体に占める割合は約33%です。
 大規模事業所に排出量に応じた負担を求め、小規模事業所には3Rをさらに促進させる取り組みや負担軽減の配慮こそ必要です。

 議案第169号・千葉市道路占用料条例の一部改正、議案第170号・千葉市都市公園条例の一部改正、議案第171号・千葉市法定外水路条例の一部改正、議案第172号・千葉市河川管理条例の一部改正についてです。
 道路占用料条例については、国の道路法施行令の改定による変更ですが、千葉市の固定資産税評価額にもとづき算定した占用料にするものです。国の占用料単価に合わせると土地価格を大きく下回るため、千葉市独自に改正をしたとのことです。今回の改定で千葉市への影響額は、道路・都市公園など合計1億5,720万円であり、収入減となるものです。厳しい財政状況のもとでも独自に確保できる財源です。
 日本共産党千葉市議団は、2005年第2回定例会で道路占用料条例改定の提案をしています。改定前の占用料を維持することは、地方自治権を確立し千葉市の財政健全化のため、NTTや東京電力など大手企業に応分の負担を求めることであり、自主財政の確保すべきであり、これらの議案には反対です。

 議案第177号・指定管理者の指定について、千葉市中央いきいきプラザほか14施設は、管理実績に対する市の評価が全く同じで変わっていないことは問題です。
 前回の指定管理者の指定についての市の評価について、「施設の評価の記載は、いずれも事業計画や管理実績の基準に基づいた指定管理業務を実施できる旨の評価結果を要約したものでありますが、詳細に記載すべきであったと考えております。今後は内容、表現等について精査をし、記載をしてまいります」と答えていましたが、今回の評価の際にも改善されませんでした。議案質疑の答弁で、「指定管理者に対して行うヒアリングを通じて確認した評価にすべき点改善すべき点などについて、管理実績報告書に詳細に反映するよう改善していく」としました。再度繰り返すことのないよう求めておきます。

 議案第181号から188号までの各コミュニティセンター指定管理者の指定について、191号・土気あすみが丘プラザ、192号・栄町立体駐車場、194号・若葉文化ホールほか2施設、199号・こてはし温水プール、200号・高洲市民プールほか34施設、201号・千葉ポートタワー、204号・亥鼻公園集会所の指定管理者の指定についてです。
 公の施設の指定管理者制度について、営利目的の民間企業にゆだねれば行政の責任があいまいになり、住民と議会によるチェックができにくくなるとともに、サービスの低下や、民間事業者のコスト縮減を名目にした職員の非正規雇用化、低賃金などにつながるなど繰り返し指摘をし、とりわけ市民生活に関わる公共施設の管理運営は直営、または外郭団体が担うことが基本であることを主張してきました。
 そのもとで、2010年12月28日に、総務省自治行政局長から「指定管理者制度の運用について」の通知が出され、「指定管理者制度については、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときに活用できる制度であり、個々の施設に対し、指定管理者制度を導入するかしないかを含め、幅広く地方公共団体の自主性に委ねる制度となっていること」。2つとして「指定管理者制度は、公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を、議会の議決を経て指定するものであり、単なる価格競争による入札とは異なるものであること」などが明らかにされ、この通知の内容を踏まえ、日本共産党千葉市議団は改善を求めてきました。
 指定管理者評価委員会における採点結果のうちの「指定管理料」の占める割合は、平成23年度に作成された全市的ひな形では、全体に占める割合を20%から30%の間で設定されていましたが、見直しが行なわれ、平成27年度以降については、5%以上20%以下の範囲内で定められました。
 しかし、今回の議案の中にも、「人件費の削減等」と提案されているものが見受けられます。指定管理者の正規職員と非正規職員の割合について、正規職員が約3割、非正規職員が約7割となっています。
 千葉市の公共施設において、ワーキングプアをひろげるのではなく、正規雇用をひろげていくことが必要です。
 指定管理者制度は、市民サービスの向上とコスト縮減が目的ですが、矛盾するものであります。市民局提案の指定管理者の指定の議案だけでも、現在7割もの非正規職員が存在します。コストの縮減というのは最終的には人件費の削減に手をつけざるをえなくなります。人件費の削減によって、指定管理者のもとで働く方が不当な扱いを受けることないように市が責任を持って公共施設を管理、運営すべきであることを求めておきます。

 発議第9号・千葉市被災者生活再建支援制度検討委員会設置条例の制定についてです。第3回定例会で被災者生活再建支援事業金が決まり、住民の皆さんも大変喜ばれています。
 しかし、全壊・半壊以外の多数の被災者への見舞金などの支援がないことについて、「住宅再建だけでなく幅広く支援を求めたい」「地域のコミュニティを維持するためにも被災者すべてに差別なく見舞金を支給してほしい」などの対応を求める切実な声が寄せられています。
 今回の発議は、市民からの寄付金も入れて、被災者生活再建支援制度について、どういった制度にしていくか検討する委員会の設置を提案しました。保健消防委員会では、「提案者の思いはわかるが、検討内容が不透明であり賛成出来ない」と意見が出され、賛成少数で否決されたことは、誠に残念です。

 発議第10号・千葉市精神保健福祉審議会設置条例の一部改正についてです。審議会に当事者を委員とするための条例改正を提案しました。審議の際、担当課より「次期は当事者に委員として入っていただく」との答弁がありました。この発議は否決されたものの改善されることは一歩前進です。

 請願第6号・千葉市墓地等の経営の許可等に関する条例の改正に関する請願は、他会派から「規制をすると宗教法人に対する過度な介入となる可能性がある」「建設に問題があれば、建設許可されない条例になっている」として、反対多数で否決されました。
条例改正をしても、制限を受けるのは、新規法人のみです。稲毛東の納骨堂建設問題のようなケースを今後防ぐためにも条例の改正が必要です。

 請願第7号・千葉県千葉市稲毛区稲毛東3丁目7番5号の(仮称)毘沙門堂稲毛霊廟の許可反対に関する請願は、建設許可をしないでほしいというものであります。他の会派は、「住民の気持ちは理解するが賛成しかねる」として、日本共産党と市民ネットワークのみの賛成で否決されたことは遺憾であり、議員は住民の願いに応えるべきです。

 請願第8号・(仮称)毘沙門堂稲毛霊廟建設に反対に関する請願は、条例に基づく厳正な審査を求めるというものであり、全会一致で採択されました。市として、建設反対の請願が採択されたことを重く認識して、厳正な審査を求めるものです。

 請願第9号・国民健康保険制度の充実を求める請願は、市民にこれ以上の保険料負担を求めるのではなく、国庫負担の増額要求を行なうとともに、一般会計からの繰り入れを増額し、保険料の引き下げを求める請願です。国民健康保険料が高すぎて払えない事態が起こっている中で、これ以上保険料が引き上げられてしまえば、支払い出来ない世帯が増えることは明らかです。今すべきことは、保険料を引き下げて、払える保険料にすることです。それにも関わらず、反対多数で否決されたことは、大変遺憾であります。

 請願第10号・高学年子どもルームについておやつの提供を求める請願についてです。
今年度になってから、学校の空き教室や特別教室を使ってルームの運営がされていますが、おやつの提供がされていません。子どもたちがお腹を空かせた状態で、成長期の児童にとって健全な環境ではありません。また小学3年生以下のマザールームの入所できずに、高学年ルームを利用せざるをえない小学3年生が107人もいます。
 この請願に対して、市から平成28年度からすべての高学年ルームでのおやつ提供をすると決定したと報告があり、実施されることは喜ばしいことです。しかし、10月末に意思決定したのであれば、高学年ルームを利用する子どもたちや保護者に、もっと早くに説明すべきでありました。
 請願に対し、無所属の議員は、「学校との連携を強調して、市は十分対応している」として反対。公明党は「願意を満たしている」として反対。自民党は、「おやつの提供が知らされていたら請願は出なかった。今後、こういうことがないようにしてほしい」として反対。未来民主ちばは、「社会福祉協議会との連携を求め、来年度行なわれる」ため反対としました。
 請願については、教育未来委員会では日本共産党の賛成のみで不採択となりましたが、保護者や子どもたちの願いを受け止めて、請願に賛成することが議員としての務めであります。

 以上で、討論を終わります。