党市議団提案の意見書

平成28年第1回定例会
No.1

 (提出年月日)平成28年1月28日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を撤回し、協定への調印・批准を行わないよう求める意見書(案)

 昨年10月5日、環太平洋経済連携協定(TPP)が参加国により「大筋合意」され、同年11月5日に政府は「暫定的な協定文書」を発表した。
 「大筋合意」では、米国・豪州産の米に対する最大計7.8万トンの「特別輸入枠」の設定を初め、牛肉の関税を38.5%から9%への引き下げ、豚肉の関税も1キログラム当たり最大482円から50円までの引き下げ、バター・脱脂粉乳の輸入枠設定、甘味資源作物の特別輸入枠の新設など、農産品重要5項目の全てで譲歩するとともに、重要5項目586品目のうち3割に当たる174品目で関税を撤廃するとしている。
 国会決議(第183回国会衆議院、参議院農林水産委員会の決議)では、重要5項目については関税の撤廃だけでなく削減も行わない「除外又は再協議の対象」とし、「それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さない」と明記している。
 さらに、重要5項目以外の野菜、果物、水産物などの98%で関税を撤廃するとしていることは看過できるものではない。日本の農林水産業に甚大な影響を与え、食料自給率のさらなる低下は避けられず、日本の主権にもかかわる重大問題である。
 また、医療分野への営利企業の参入、食の安全に対する侵害、ISDS条項(投資家対国家の紛争解決)など、地域経済や国民生活全般にわたる深刻な影響が懸念され、大きな不安が広がっているもとで、国民不在のまま協定への調印・批准は許されない。
 政府は、国会決議を遵守するとともに、環太平洋経済連携協定(TPP)の「大筋合意」の詳細と協定本文を、国会と国民に速やかに明示すべきである。
 よって、本市議会は国に対し、国会決議に違反する環太平洋経済連携協定(TPP)の「大筋合意」を撤回し、協定への調印・批准を行わないよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会


平成28年第1回定例会
No.2

 (提出年月日)平成28年1月28日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

消費税率10%への増税中止を求める意見書(案)

 2017年4月からの消費税率10%への引き上げをめぐり、自民・公明与党は、食料品などの一部品目を8%に据え置くことを決め、これを「軽減税率」と称しているが、「選挙目当て」、「増税の目くらまし」などの批判が出ている。
 一部の品目を据え置いたとしても、10%に引き上げることで「1世帯当たり約6.2万円、1人当たり約2.7万円の負担増になる」(本年1月19日、第190回国会参議院予算委員会での麻生太郎財務大臣の答弁)のであり、軽減どころか、今でさえ苦しい家計に消費税増税がさらに重くのしかかることになるのである。消費税増税に対し、昨年末のマスコミでの世論調査では、NHKは「反対」43%、「賛成」28%、朝日新聞は「反対」56%、「賛成」35%と報道されている。国民の増税に対する批判は根強いものがあり、一部品目を「据え置き」としても、増税を受け入れられるものではない。
 さらに、今国会での衆議院予算委員会では、安倍首相は「軽減税率」についての与党合意の中の「財政健全化目標との関係で、消費税制度を含む税制の構造改革について検討を加え、必要な措置を講ずる」との文書の意味を問われ、「2018年度以降のさらなる増税が選択肢として含まれる」と答弁しており、自民・公明与党が「軽減税率」なるものとあわせて、「さらなる増税」の検討をしていたことは国民への侮辱である。
  「消費税は福祉と財政再建のため」と国民に説明しながら、新年度予算案では、財界の要望に応えて、史上空前の300兆円もの内部留保を持つ大企業などの法人実効税率を20%台に引き下げ、軍事費では過去最大の5兆円を突破するなど、財政面でも憲法を無視し、民主主義を踏みにじるものとなっている。
  自公連立政権が、低所得者ほど負担が重い消費税の「逆進性」を認めて一部品目の「据え置き」を検討するくらいなら、大企業・大資産家にこそ応分の負担を求めるべきである。
 よって、本市議会は国に対し、消費税率10%への増税を中止するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会


平成28年第1回定例会
No.3

 (提出年月日)平成28年1月28日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

地方自治否定の沖縄県米軍新基地建設に反対する意見書(案)

 安倍内閣は、沖縄の歴史・県民の思いを顧みることなく、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設工事を暴力的な手法で強行している。
 沖縄県の全41市町村の首長、議長、県議会各会派代表、主要な経済団体代表の連名で安倍晋三首相に提出した「建白書」(オスプレイ配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念)は、文字どおり「オール沖縄」としての強い要求なのである。キャンプ・シュワブのゲート前で「私たちは絶対に負けない。なぜなら、勝つまでたたかい続けるから」と、連日座り込みを行っている沖縄県の人々は、新基地を受け入れることは絶対にないのである。
 辺野古「代執行」訴訟で、政府の「国の専権事項」だから沖縄県に「適否を判断する権利はない」とする立場は、「国と地方は対等な関係」とする地方自治の本旨に反するもので、翁長沖縄県知事が、「地方自治の否定は国民の基本的人権の否定でもある」と批判するのは当然である。
 沖縄県の米軍基地は、収容所に入れられていた県民の土地を強制接収し、その後も、人々が住んでいる土地を「銃剣とブルドーザー」で強制接収して建設されたものである。「沖縄が米軍にみずから土地を提供したことは一度もない」のに、「普天間基地が危険だから、かわりの基地を差し出せと言うのは道理が通らない」との県知事の主張は、多くの国民が共感するものである。
 万が一、「代執行」の事態になるならば、今度は日本の自公連立政権が「銃剣とブルドーザー」で辺野古の海を埋め立て、耐用年数200年とも言われる最新鋭の米軍基地を建設することになるのであり、その責任の重さを受けとめるべきである。
 よって、本市議会は国に対し、地方自治を否定する沖縄県米軍新基地建設に強く反対するものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会


平成28年第1回定例会
No.4

 (提出年月日)平成28年1月28日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

社会保障費削減の撤回を求める意見書(案)

 厚生労働省が発表した国民生活基礎調査では、生活意識について「苦しい」、「やや苦しい」が全世帯の62.4%を占め、年々、上昇傾向にあるとしている。また、平均所得金額以下の世帯は全世帯の61.2%となっている。
 こうした中で、政府も以前の年次経済財政報告において「社会保障制度や税制を通じた所得再配分機能がどう発揮されるかが重要」と指摘しながら、実行していることは低所得世帯に負担が重いとされる消費税を増税しつつ、社会保障費の自然増分とされる1兆円のうち、毎年約5,000億円削減し、半分に抑制しようとするのは、貧困と格差を一層拡大することにほかならない。2016年度予算案を見ても、社会保障費の抑制はさらに強まり、物価が上昇しているにもかかわらず年金額の据え置き、入院時の食事療養費自己負担の値上げ、後期高齢者医療制度の保険料値上げなど国民の負担増が相次いでおり、医療・介護・福祉が必要な人々の暮らしを一層追い込むものとなっている。
 一方で、史上空前の利益を上げながら国民に還元することなく、300兆円を超える内部留保を抱えている大企業には、さらに減税で負担を軽減しようとしている。また、平和憲法を持つ日本で、軍事費に5兆円を超える予算を計上し、軍拡の道に突き進もうとするのは、「社会保障制度や税制を通じた所得再配分機能」に逆行するものである。
 よって、本市議会は国に対し、社会保障費削減を撤回するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会


平成28年第1回定例会
No.5

 (提出年月日)平成28年1月28日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

首相の「改憲発言」に抗議し憲法遵守を求める意見書(案)

 安倍晋三首相は年初のNHK番組「日曜討論」で、「今度の参議院選挙は自民・公明以外にも、おおさか維新など改憲に前向きな党で、改憲発議ができる3分の2以上の議席確保を目指す」と明言した。さらに、本年1月21日の参議院決算委員会での答弁でも「いよいよどの条項を改正するべきかという現実的な段階に移ってきた」とも述べ、憲法第99条に規定されている「憲法を尊重し擁護する義務」を負う安倍首相が、あからさまな憲法破壊の言動を繰り返しているのは重大である。
 2012年に発表された自由民主党の日本国憲法改正草案では、自衛隊を「国防軍」にするとともに、外部からの武力攻撃、内乱など社会秩序の混乱、地震など大規模災害等の際に、内閣総理大臣が「緊急事態」を宣言するとしている。「緊急事態」を宣言すれば、内閣が「法律と同一の効力を有する政令を制定」し、内閣総理大臣が「地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる」と規定している。
 また、国民には「何人も」、「国その他公の機関の指示に従わなければならない」として、国民の自由と権利を奪ういわゆる「戒厳令」の復活まで提案されている。
 自民党の改憲派は、優先して実施すべきは「緊急事態条項」の創設だと主張しているが、「緊急事態」を口実に国民の権利を制限した上で、改憲をなし遂げようとするものである。
 安倍首相と自公連立政権は、国民の抗議の中でも、「集団的自衛権行使容認」を一内閣の判断で決定し、安全保障法制いわゆる「戦争法」を強行採決した実績がある。憲法への「緊急事態条項」新設を許せば、憲法第9条を改定し、改憲へと突き進むことになるのは明白である。
 憲法で政府の行動を縛る立憲主義、憲法の国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の三大原則の破壊を国民は断じて許すものではない。
 よって、本市議会は国に対し、首相の「改憲発言」に抗議し、憲法遵守を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会


平成28年第1回定例会
No.6

 (提出年月日)平成28年1月28日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

関西電力高浜発電所の再稼動中止を求める意見書(案)

 関西電力は、高浜発電所3号機に続き4号機も再稼動しようとしている。昨年8月、10月の九州電力川内原子力発電所1号機・2号機の再稼動に追随するものである。
 5年前、東京電力福島第一原子力発電所は重大事故を引き起こし、今も汚染水を防止できず、海への漏出が懸念されている。約10万人の人たちが、いまだ避難生活を余儀なくされ、祖先から受け継ぎ育んできた土地に帰る見通しが立たず、帰還を断念し、やむなく土地を手放さざるを得ない状況である。国と原発関連企業による「安全神話」がもたらした結果である。
 福島第一原子力発電所の事故原因の究明も収束もさせられない中、「安全基準に合格したなどとなぜ言えるのか」、「新たな安全神話だ」との指摘や疑問に、国と原発関連企業は真剣に答えるべきである。
 高浜発電所がある福井県若狭湾周辺には、大飯発電所や美浜発電所など合計15基の原子炉が集中している。大地震や大津波で、同時多発的な原発事故が発生しない保証はない。そうした場合に起きる事態は想像を絶するものがある。ところが、高浜発電所から30キロメートル圏内にある京都府舞鶴市や綾部市、滋賀県高島市などを含めた避難計画はなく、住民や地方自治体の安全を確保できないまま、原子力発電所が立地する福井県と高浜町のみの同意で再稼動することは、断じて許されるものではない。
 全ての原子力発電所が停止していた間でも電力不足による混乱はなく、原子力発電に依存する必要性はない。「原発ゼロ」を決断し、危険な原子力発電所の再稼働は断念して、再生可能エネルギーへの転換を目指すべきである。
 よって、本市議会は国に対し、関西電力高浜発電所の再稼動を中止するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会