もりた真弓議員の条例提案趣旨説明



2016.2.22

写真 発議第1号、千葉市墓地行政検討委員会設置条例の設置についての提案理由の説明を行います。
 この条例の目的は、墓地行政の透明・公正化を確保するために、検討委員会を設置して適正な墓地行政を図るものです。
 現在、全国で宗教法人に対する税の優遇について、国税庁の追徴問題が起きています。「宗教活動に伴う収入はすべて宗教法人に」との見解が崩れて、個人の収入とみなされることや、納骨堂で宗派を問わず遺骨を受け入れた宗教法人に対して、東京都は固定資産税の課税を行ない、現在裁判になっています。これは、納骨堂が宗教なのかビジネスなのかが問われる問題です。
 これらは税に関する事柄であり、難しい問題があります。地方自治体が関与するにはハードルが高いものです。しかし、宗教法人の運営、納骨堂の建設は、地方自治体にとっても見過ごせない問題が起きていることも事実です。
 宗教法人は、信ずる教義を広め、信者を教宣・育成することを主な目的としています。そして教義や儀式を通じて社会貢献を行っています。そのため「公益性」があるとされて税が優遇されています。最近はインターネットで僧侶を派遣するなど、宗教行為のビジネス化が進んでおり、こうした宗教のビジネス化も時代の流れかもしれませんが、納骨堂・墓地建設などで地域住民との間で、紛争になっている事例も出てきました。
 千葉市では、「千葉市墓地等の経営の許可等に関する条例」の一部改正を保健消防委員会発議として全会一致で可決し、平成25年4月1日より施行しました。当時は、画期的な条例と評価されました。背景には、異常ともいえる墓地建設が市内で進み、落下傘業者などを規制するため、市内に事務所を登記してから5年以上の経過を必要とし、周辺住民等への説明及び協議の義務化など、独自の規制を設けたものです。
 しかし、この条例の趣旨や思いをすり抜けて、納骨堂などの建設が進められようとしています。地域の人たちと真摯に向き合わず、きちんとした人間関係を形成することなく、「収益事業としか思えない行為は、いかがなものか」との声が寄せられています。
 宗教法人は、本来の仏教の教えを広める原点に帰るべきであり、地域の人々が進める「まちづくり」に反したり、住環境を壊すようなことは認められません。また、コミュニティーを分断するようなことは慎むべきことではないでしょうか。
 そうした状況を踏まえて、透明・公正性を確保するために、千葉市の墓地行政の検討を行い、適正な墓地行政を推進しようとする発議です。これまでの保健消防委員会で条例化したものは効果が薄れている現状があり、学識経験者・関係団体・市民の参加などで委員会を設置して、広い立場から検討を行い、望ましい墓地行政にすることが求められています。
 議場の皆さんのご賛同をお願いいたしまして、提案理由の説明を終わります。