中村きみえ議員の代表質疑



2016.3.1

写真 日本共産党千葉市議団の中村きみえです。会派を代表して質疑を行います。
 質問に入ります前に、ひとこと申し上げます。先に私どものあぐい武夫前市議会議員が亡くなりました。議員在職中に悪性腫瘍が見つかり、1期で退職せざるをえませんでしたが、彼の高い政策立案能力を考えれば、大きな損失でした。関係者の皆様には、お世話になりまして、ありがとうございました。

1.市長の基本姿勢
 まず、国政の問題について伺います。
(1)戦争法について
 昨年9月安保法制、いわゆる戦争法が強行され、日本の自衛隊が海外で加害者・犠牲者となる危険性が高まっています。政府の憲法解釈を180度転換し、憲法を遵守する政治を踏みつけにされ、数の力で独裁政治が押し進められています。私どもは、戦争法を廃止させ、集団的自衛権の行使容認の閣議決定を撤回し、立憲主義を取り戻し、個人の尊厳を守る政治の実現が必要だと考えます。先の12月議会で、わが党のもりた真弓市議の質問に市長は、「政府は、自衛隊の危険は高まらない」と言明しています。
 市長は、千葉市自衛隊協力会の会長を務め、自身のブログでも2013年6月2日付で、「会員500人達成に向けて積極的に、会員獲得に取り組むことなど確認しました。皆様でご関心ある方は是非。」などと述べています。
 1つに、自衛隊募集は、ブログで述べた認識と同じですか。お答えください。
 2つに、戦争法の強行で、自衛隊が南スーダンへの駆け付け警護など任務が拡大し、海外で加害者・犠牲者となる危険性が高まっています。市長は戦争法に憂慮しているのではないですか。
(2)緊急事態条項について
 安倍首相は、参議院選挙後に憲法改正も明言し、自然災害を口実に「緊急事態条項」をさだめ、内閣総理大臣が、国会の議決なしに内閣の判断で、法律と同様の効力を持つこと、地方自治体の長に必要な指示が可能と言われています。
 人権を抑制する緊急事態条項についての市長の見解を求めます。
(3)消費税について
 アベノミクスで、この3年間、大企業の経常利益は6割増え、内部留保は、300兆円を超える一方、労働者の所得は、3年間で実質賃金はマイナス5%、非正規雇用は労働者の4割を超え、ワーキングプアーと言われる方は1,100万人を超えました。大企業が儲ければ、いずれ国民も儲かるというトリクルダウンは、失敗しています。法人税の減税は2.37%、3兆5,000億円の一方、赤字で苦しむ中小企業には、外形標準課税を強化し、2017年4月から消費税の10%増税します。作家の室井佑月さんは、「食品の税率を8%に据え置いて、他は10%に上げるのは、全然軽減なんかじゃない。選挙目当てのパフォーマンスそのものだ」とズバリ批判しています。1人2万7,000円程度、1世帯では6万2,000円程度の大増税は、低所得者には重く逆進性のものであり、市民生活に重大な影響を及ぼしませんか。お答えください。
(4)沖縄での新基地建設について
 名護市辺野古の新基地建設を強行する安倍政権に翁長沖縄県知事は、辺野古埋立承認の取り消しを求め、約8割の県民が支持しています。ところが、安倍政権は、行政不服審査法を悪用し、埋立承認取り消しの効力停止の違法行為に加え、埋め立て承認取り消し処分撤回の代執行訴訟を起こしました。辺野古の新基地建設を巡り予定地の3地区に移転計画の賛同を要件に国から3,900万円の補助金を直接交付する振興策で取り込もうとしています。
 これは、憲法が保障する地方自治と民主主義を根底から覆すものであり、普天間基地の即時撤去と辺野古への新基地建設は、行うべきではありません。
 1つに、12月議会で、市長は「国は、住民への理解と協力が得られるよう努力を続けることが重要」との答弁です。これは、基地建設を認める立場なのですか。伺います。
 2つに、憲法で定める団体自治、住民自治の原則に反すると考えないのか伺います。
(5)マイナンバーについて
 1月から制度が運用開始されましたが、通知カードを届ける作業も滞り、完了の目途も立ちません。自分の番号すら知ることができない人もいます。児童手当申請や国民健康保険の加入手続きなど、個人番号の記入の周知で市民課は、窓口対応に追われ市民センターからの応援では追いつかない状況です。写真の本人確認の顔認証システム導入も、顔写真のデータを、他の目的流用の危険性やプライバシーの侵害も懸念されます。そもそも、マイナンバーは、徴税強化や社会保障費抑制を狙い、昨年度と今年度だけで、約14億円もの費用を要し、市民にはデメリットばかりです。制度を中止・凍結し、廃止の検討を国に求めるべきではないですか。
(6)地方創生について
 そもそも安倍政権が地方創生関連法にこだわった理由は、憲法9条の明文改憲と道州制の導入をすすめ、経団連の求めるグローバル国家の形を作るための長期戦略の一環として位置づけていることにあります。
 補正予算では、地方創生加速化交付金を活用して、4事業1億5,599万円が計上されました。その内訳は、東京オリンピックや海辺の魅力、地域産品拡大調査や東京湾ツーリズムと、オリンピックに向けての千葉市を売り込むものばかりです。
 子育て支援応援や、地域経済の活性化について、国の交付金の有効活用を提案します。H26年度地域住民生活等緊急支援のための地方創生先行型交付金を活用した全国の自治体では、子ども医療費無料化など子育て支援に活用した自治体数が、108自治体と多く千葉県香取市は、交付金3,400万円を活用し中学3年から高校卒業までに無料化を拡大しています。
 27年第3回定例会での決算分科会で、政令市中、子どもの医療費助成の自己負担額を比較すると、9市では、上限を設定し、度重なる受診への費用負担を軽減しています。市は「県の助成制度や国の経緯を見て検討する」と答弁しています。また、住宅リフォーム助成制度の活用は157自治体で低所得者支援への活用は67自治体で、以上の3事業へ活用が目立っています。千葉市も交付金を積極的に活用し、
 1つに、子ども医療費の助成対象を高校卒業までに拡大し、保護者負担額の完全無料化を図ることにより、子育て支援を充実すること。
 2つに、住宅リフォーム助成制度を実現し、市民の住宅を安全にし、町場の仕事確保、税の涵養と循環型経済へ進む事。
 3つに、低所得者支援は、市民税課税標準額100万円以下の145,506人に手を差し伸べ、千葉市らしい有効な施策を求めますがお答えください。
(7)TPPについて
 2015年10月にTPPの大筋合意、調印式は行われましたが、今後米国議会の承認や日本で法改正されなければ、具体化されません。
 政府は米、麦、牛肉、豚肉、乳製品、甘味資源作物など重要品目は除外する国会決議を反故にし、原則関税撤廃を明記しています。遺伝子組み換え食品の規制や、残留農薬、食品添加物の基準緩和が進み、国内到着後通常96時間を48時間以内に税関を通過させる通関制度にするのです。輸入食品の検疫、検査率もすでに8.8%に過ぎず、質、量も低下し、食の安全性が危ぶまれます。何より、農家の経営が壊滅的な打撃を受け今後の存続の危機に陥ります。12月議会でも、市長は、「少なからず影響が生じる」と答弁しながらも、「国民生活の質の向上を実現することを目的にする」と肯定しています。
農業の自立的発展と食の安全を講じていくためにTPPからの撤退を主張すべきですが、見解を求めます。
(8)新年度予算の特徴について
 財政規模は、一般会計4,004億円、初めて4千億円を突破し、前年度比102億円増を活用して、市民生活の実態に即した地方自治法の本旨「福祉の増進」に振り向ける予算であるかどうか検証したいと思います。予算の特徴を見ますと、ハードな事業が目立ちます。市政だより、名刺交換会で所信表明された内容が多くあります。
 東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた取組み推進8,000万円でロンドン視察400万円、千葉駅ビル開業に伴う千葉駅周辺の活性化、東口・西口再開発 2億3,500万円、海辺の活性化8,200万円、国家戦略特区指定に伴う取り組み推進でドローン世界大会開催に伴う観光PR、新庁舎整備基本設計 1億2,300万円、蘇我特定地区整備7億7,900万円ですが、福祉カットや負担増では、国民健康保険料値上げ4.5%、1人平均3,880円、敬老祝い金88才廃止2,822万円、白内障補助眼鏡等費用助成420万円、福祉タクシー・自動車燃料費助成所得制限検討、民間保育園への補助金見直し782万円です。
 1つに、格差社会が世界的規模で進行し、国際支援団体オックスファームは1月、世界のわずか62人の富豪の資産は、世界人口の貧しい方の半分36億人の資産と同じと発表しました。格差社会は日本も同様ですが、千葉市の実態把握と対策はどうか伺います。
 2つに、千葉市の市民税納税義務者のうち所得割非課税が17,298人、課税標準額100万円以下の納税義務者は145,506人、32.9%で、3人に1人です。わずかな年金額で苦労している国民年金受給者は、約22万人います。無年金者もいます。
 このように市民は厳しい所得の下で暮らしています。新年度予算ではどんな対策、予算措置を行いましたか。格差社会の下、厳しい生活を余儀なくされる市民への対策を早急に計画、事業化を求めますがどうですか。
 3つに、超高齢化社会の進行の下、高齢者への思いやりある市政が望まれています。熊谷市長で敬老祝い金は77歳廃止、88歳も全面廃止しました。市民からは「長い間、税金を払い頑張ってきた苦労に報いる制度をなぜ切り捨てるのか」「高齢者の気持ちが分っていない。」など厳しい批判が寄せられています。
 高齢者が楽しみにしている敬老祝い金の復活を求めますがお答えください。
 併せて、国民健康保険料値上げ、白内障補助眼鏡等費用助成見直し、福祉タクシー・自動車燃料費助成所得制限検討、民間保育園への補助金見直しなど中止を求めます。お答え下さい。
 4つに、先に明らかにしたハードな事業、東京オリンピック・パラリンピックへの取り組み、千葉駅ビル開業に伴う千葉駅周辺の活性化、東口・西口再開発、海辺の活性化、国家戦略特区指定に伴う取り組みの推進、新庁舎整備、蘇我特定地区整備などのうち、不要な事業は中止し、急がなくて良い事業は後回しにし、市民生活福祉の向上に振り向けるよう求めますが、見解を伺います。
 そしてパラリンピック競技の千葉市開催を契機に、障害者との共生社会を求める事に異存はありませんが、市長がわざわざロンドンまで400万円の税金を使っての視察は「市民理解が得られない」ので中止すべきではないですか。
(9)新庁舎整備について
 基本設計を2か年事業で提案していますが、財政危機の今なぜ急ぐのですか。
 1つに政令市ワーストの財政危機は、財政健全化判断比率で、実質公債費比率18%以下に下げる事が目標で、ピークをH29年度18.5%としています。
 この目標値には新庁舎整備計画298億円にかかる市債発行で、実質公債費約0.7%は加算されていません。さらに新清掃工場整備に伴う実質公債費約0.2%を加えた0.9〜1.0%が増えると、実質公債費比率の悪化が懸念されます。
 財政健全化プランを後退させ、財政危機を一層深刻にする新庁舎整備は急ぐのをやめて、健全な財政運営となるよう求めますがどうですか。
 2つに、資材不足・人手不足による建設費高騰は必至であり、震災復興・東京オリンピックの後で、財政状況を見極めながら計画することを求めますがどうですか。
(10)小中学校へのエアコン設置について
 学校エアコン設置、老朽化対策、トイレ洋式化等の環境整備を求める声は市民から根強く寄せられています。他市から引っ越してきた生徒が「まだ千葉市はエアコンがないのか」と驚き落胆すると聞きます。老朽化対策を補正予算で計上し、危険性の高い学校の対策を進めるなか、子ども達の健康を守り学習権をしっかりと保障するためにもエアコン設置が欠かせません。平成26年度決算における、千葉市の普通会計に占める教育費の割合は20政令市の平均8.8%を下回る8.6%と政令市中12位と依然として教育費が少ない現状があります。さらに教育費に占める小中学校費は平成24年度53%だったものが、平成28年度には47%と削減されています。これでは、老朽化対策、トイレ洋式化、エアコン設置など遅れた整備の改善には不十分です。そこで伺います。
 1つに、本年度予算に普通教室のエアコン設置を進めるにあたり設計調査費を計上することを求めますがお答えください。
 2つに、本年度予算において、老朽化対策、トイレ洋式化、エアコン設置を早期に進めるために市財政全般を見直し、教育費、とりわけ小中学校費の増額を求めます。見解を伺います。
(11)指定廃棄物の長期管理施設について
 指定廃棄物の保管について茨城県では各自治体での保管が特例という形で認められましたが、千葉県の指定廃棄物は1箇所に集約し保管する方針を環境省は変えていません。
 1つに、県内1箇所集約を変えない環境省に対し、市長はどんな対応をするのですか。これまでも白紙撤回を求めてきた市民の声に応えるべきではありませんか。
 2つに、指定廃棄物の保管先を自治体に押し付けるべきではありません。国に廃棄物の担当の環境省の対応だけではなく、原発推進の国、東京電力、経産省、原発メーカーで処分・処理方法を具体的に示すべきではないですか。
(12)自然災害について
 東日本大震災から3月11日で丸5年が経過します。いまだに福島原発事故後の復興への道筋は遠く、避難者が通常のくらしと生業を営めるようにはなっていません。
 1つに、市は小規模自然災害における被災者支援について対象世帯や支援金額などを検討し早期に制度を創設するようですが、どう検討するのか伺います。
 2つに災害時に、地域で協力して最小限の被害に抑える取り組みも求められています。主に小中学生など子どもたちに防災教育を行い、地域と連携しながら、課題解決する取組みが求められていると思いますが、見解を求めます。
 3つに、災害時に要支援者名簿の提供は対象者の5分の1、避難所運営委員会設立状況は、76%となっています。今後、どう進めていくのか伺います。
(13)官製談合について
 下水道の工事で業者側に事前に情報漏えいしていた事件は市職員と業者が逮捕される不祥事となり、市政の信頼を大きく傷つけ、契約の公平性、透明性を揺るがすものでした。そこで伺いますが、
 1つに、これまでにも、一般の職員が収賄や官製談合の事件を起こしたことはありましたか。
 2つに、今回の事件で行政はどんな責任が問われ、市民にどんな損失をもたらしましたか。
 3つに、情報漏洩をなぜもっと早く発見できなかったのですか。
 4つに、このような事件が起きると市は「再発防止に、複数でチェックしていく」などいつも同じ釈明ですが、また事件が起こるのは、その時だけの釈明にすぎないからではありませんか。再発防止策について改めて伺います。

2.総務行政
防災・減災対策について
 1つに、市民から、「防災行政無線が聞こえない」「放送の内容がわからない」の苦情が多くあります。防災行政無線のデジタル化が予算化され、どんな効果があり、現状はどう改善されますか。家庭への受信機設置を求めますがどうですか。
 2つに、市民住宅の安全に「家具転倒防止金具」の取り付けが、安価で有効ですが利用がのびていません。市民へのPRを強め、現在高齢者対策として保健福祉局が担当ですが、防災・減災対策として、総務局も扱い市民への徹底を求めますがどうですか。

3.千葉市財政
(1)異常なマイナス金利について、議論されています。地方銀行では、経営が難しいと言われており、千葉市経済への影響はどうなりますか。
地方自治体にとっても影響があると思いますが、千葉市の財政運営についての影響を伺います。
(2)設計労務単価改善の影響と公契約条例制定の見通しについて
 1つに、設計労務単価が3度改善されましたが、市内の工事現場で働く労働者の賃金が改善されましたか。どんな調査と実態把握をしましたか。
 2つに、公契約条例制定を求め続けていますが見通しを伺います。公契約条例に設計労務単価の順守が義務付けられれば、履行しない業者は違反となり徹底が担保され、適性賃金の保障と、適正な仕事確保につながります。速やかに公契約条例制定を求めますがどうですか。

4.市民行政
夫婦別姓について
 昨年12月民法の夫婦同姓の強制を合憲とする判決は、極めて不当で残念なものです。例えば、私たち政治家も名前を覚えてもらうことは、大変重要ですが、結婚して姓が変われば、同じ人だと認識されないことで不利益を生じます。
 女性が働き続け、独身時代からの名前で、職業の地位を確立していくことが、欠かせないケースも多いと思われます。
 こうした市民が不利益を被るようなことについて、市はどう考えますか。お答えください。

5.保健福祉行政
(1)国民健康保険について
 告示方式導入後、国保料は2014年度から3年連続値上げです。その合計は、2013年度と比べ、所得100万円2人世帯で医療・支援金分は15,270円増、所得200万円では25,670円も保険料が引き上がりました。低所得者が多く加入する保険制度であり、所得の1割を超える保険料負担が暮らしを脅かしています。
 1つに、保険料連続値上げで、市民生活が苦しい状況を把握していますか。
 2つに、「国保の広域化」では、各市町村への納付金100%納付義務付け、「標準保険料率」が示され、収納対策や繰入の解消が強化されかねません。国に「広域化」中止を求めるべきではないですか。
 3つに、「広域化」では国保制度の状況は変えられません。定率国庫負担の引き上げを国に迫るべきではないですか。
(2)介護保険について
 千葉市高齢者保健福祉推進計画では平成27年度から29年度までの高齢者施設の整備計画が示されていますが、今後高齢化が急速に進展することから介護基盤の整備は待ったなしの課題です。中でも特別養護老人ホームの待機者は、本年1月現在で1,777人おり、積極局的な整備が求められます。
 また、介護職員の確保も問題となっており、オープン時から半年かけて満床にする予定の施設もありますが3年前に開所しても、まだ職員が集まらず20名入所できない施設もあります。
 1つに、新年度2か所開の特養ホームですが、職員確保の見通しはあるのですか。
 2つに、介護人員不足解消のために国に介護報酬の抜本的な引き上げを求め、市独自でも職員の待遇改善を行なうよう求めます。お答えください。
 3つに、先の介護保険制度の改悪で、補足給付によって、世帯分離している配偶者が住民税課税であることで、対象外となった方や預貯金等の資産が一定額、単身1,000万円、夫婦2,000万円を超えていることで、対象外となった方などは、特養ホームの利用料が、増額し中には、年間47万円も増えたケースもあるようです。千葉市の実態をお示しください。
(3)障害者福祉について
 千葉市では第3次千葉市障害者計画及び第4期千葉市障害福祉計画が、平成27年3月に3か年計画で、策定されています。そこには、「すべての障害者が地域において自立した生活を営む主体であるとの認識に立ち、障害の有無にかかわらず、等しく、基本的人権を享有するかけがえのない個人として相互に個性を尊重し合い、人格を認め合い、そして支え合うことにより、差別や障壁のない安らぎのあるあたたかな共生社会をつくる」と基本理念に掲げられてあります。この理念通りに、実行されているでしょうか。
 先日も知的障害を抱える親御さんからお話を伺いました。強度行動障害のあるお子さんには、通所サービスなどを活用し、家族がつきっきりで在宅で過ごしています。また知的障害に身体障害を抱え夜中も頻繁におむつ交換するお子さんは、短期入所しても、週末は自宅に帰り利用する状況です。親はだんだん高齢化し、子どもの面倒を見ることが、困難になりますが、必要な施設は市内だけでは確保できず、市外の利用もたびたびあります。
 国は「施設から在宅へ」と言いながら、施設整備を減らそうとし、在宅支援の受け皿も不十分であり、家族にしわ寄せが来ています。地域で安心して過ごせるためにも在宅支援、施設整備を並行してニーズに合わせて、進め、相談される側の質の向上と連携を一層充実が求められているのではないですか。
(4)稲毛区毘沙門堂について
 地域の方々反対運動は現在も続けられています。1月末に毘沙門堂所有の2階建の建物が解体されましたが、その後、寺院の建設工事は中断されています。寺院の建設工事が中断した要因は、地域の方の反対運動や千葉市第19地区町内自治会連絡協議会の協力により実現した「市長への手紙」ではないでしょうか。
 地域の方々の反対運動から稲毛区民や区外の方々にも共感が広がっています。そこで伺います。 
 1つに、千葉市第19地区町内自治会連絡協議会の協力により実現した「市長への手紙」についてどう受け止めていますか。
 2つに、地域の住民の声にどう応えていきますか。

6.こども未来行政
(1)子どもの貧困対策について
 政府が、子どもの貧困対策会議で、2016年度から保育料を年収約360万円未満の世帯は年齢に関わらず、第2子は半額、第3子以降を無料、ひとり親家庭は第1子半額、第2子以降無料とし、幼稚園にも適用し、住民税所得割非課税のひとり親家庭は、保育料を第1子、第2子ともに無料で、児童扶養手当を2人目以降は増額するようです。千葉市独自に負担軽減策や加算額を上乗せすることを求めますがお答え下さい。
(2)保育所待機児解消について
 保育所整備と保育士確保についてです。
 保育所の待機児解消策として新規開設4か所を始め保育ルームの認可化、小規模保育所を増やすなど新年度は738人の定員増となりますが、2月1日現在約1,800人の入所待ち児童がいます。
 1つに、本来は希望する庭のある保育所に入所できるように施設整備を進めることを求めますがどうですか。
 2つに、施設を毎年整備しても、介護福祉士と同様、人材確保が困難になっています。千葉市の待遇が低いためより条件の良い地域に人材が流れる傾向も見受けられます。国に対して待遇改善を求めると同時に市独自でも職員の待遇改善を行うよう求めますが見解を伺います。
(3)子どもルームについて
 1つに、高学年ルームが、新年度からおやつの提供はされますが、学校の特別教室でのエアコン設置はされません。国の補助金の有効活用を図り環境整備をすべきではありませんか。
 2つに、新年度5年生まで受け入れますが、指導員が慢性的に不足し待遇改善を抜本的に行わなければ、職員確保はできません。市は対策を講じるべきではありませんか。
(4)DV防止と被害者支援基本計画について
 DV(配偶者からの暴力)防止法は、制定されていますが、千葉市でDV防止・被害者支援基本計画では、被害者の安全確保の徹底と、被害者の自立と生活再建の支援の施策を強化と、暴力を許さない地域づくり、デートDVの予防教育の推進、相談窓口の広報があげられています。
 ペースメーカーをつけている女性は夫に足で胸を踏みつけにされ殴られた、またある女性は、生活費を渡してもらえない、しかし、どこに相談窓口があるのか、何度か話すうちにやっと悩みを打ち明けてくれた方もいました。まだまだ、市の取組みの強化をすること、子どものうちからの教育がいかに大切か痛感します。
 市は、具体的に目標を掲げる取り組みを行えますか。現状と課題、対策についてお答えください。

7.環境行政
太陽光発電について
 太陽光発電については、再生可能エネルギーを推進していく上で重要なエネルギー源として、私どもも推進しているところです。
 この間、太陽光発電については、届出制や、都市景観への配慮、地域環境に配慮することが求められ、ルール化を図ることが必要だと思いますが、見解を伺います。

8.千葉市農政
 千葉市の農業従事者は66.9才が平均年齢です。60代以上が78%を占めており、県平均より高齢化が進んでいます。この5年間で千葉市の新規就農者数は法人を含めても49人にすぎません。荒廃農地は、5年間で339ha増え、解消したのは132haと約40%にとどまっています。農政センターで指導を行い、農家の方の実地研修を積んで新規就農をした方は貴重ですが、あまりにも今後の農業を考えるとテンポが間に合いません。
 農業に興味があると思った方が、いざ就農を希望しても45才以上では、国の制度は使えず、市の研修で月額5万円では、本気で農業を行う人は資金面でクリアーしなければ就農できません。
 千葉市は、今後の農業の後継者育成をこれで十分だと考えるのですか。対策を求めます。

9.都市行政
耐震改修について
 1つに、新年度から住宅耐震改修を一部拡充する助成で、昭和56年の改正建築基準法以前の対象住宅何戸中どの程度まで耐震化が進みますか。
 2つに、共産党市議団はH18年第3回定例会で、住宅の「居間から玄関までの簡易耐震工事で安全を確保する」墨田区の制度を紹介し実施を求めましたが、具体化すべきではありませんか。

10.建設行政
 昨年12月議会で、わが党の野本議員が、土木事務所の増額を求めて実態を示しました。新年度予算では3億3,000万円の増額とはなりましたが、道路の老朽化など維持管理や補修、交通安全対策など市民の安全、安心のための整備として欠かせません。身近な公共事業を実施することによって地元の企業に発注され、地域経済の活性化にもなります。さらなる増額を求めますが、見解を求めます。

11.水道行政
 千葉市水道局への一般会計からの繰入金中、1?あたり388円で買う給水原価と、1立法メートルあたり202円で市民に供給する原価の差額の赤字分は毎年約8億円になっています。千葉市水道局が発足し、S44年からH27年までの47年間で合計236億円の赤字を抱えています。
 1つに、H28年度からは赤字補填額が、毎年約8億円から平均14.9億円に増額されることになっていますが、その理由は何ですか。
 2つに、10年後には赤字総額が現在の236億円から385億円に膨れ上がり、水道事業のみならず千葉市財政全体の危機を一層厳しくする原因になると思いますが見解を伺います。
 3つに、解決していくためには、給水原価と供給単価の乖離を解消するため、千葉県への要請や内部努力を強めること。
 200億円もの大金を投じて確保した原水、年間1,230万トンが一滴も活用されていない無駄遣いを解消すること。
 以上について展望ある答弁を求めます。お答えください。

12.教育行政
(1)給付型奨学金制度について
 世界一高い学費に、国として給付型奨学金がないのはOECD経済協力開発機構34カ国の中で、日本だけです。国の制度化を求めるとともに、市独自でも制度を導入することが求められています。大学への進学は、全体の世帯の73%が、進学するのに対して、生活保護世帯では31.7%と、児童養護施設卒業後の進学は2割にまで落ち込んでいます。経済格差が学力格差につながるのは、周知の事実です。お金の心配をせずに、進学できる道を開くために、給付型奨学金制度を実施すべきですが、お答えください。
(2)就学援助について
 千葉市の就学援助の認定率は、この5年間でほぼ8.37%と横ばいのままです。子どもの貧困が深刻化し、ひとり親家庭の子どもの貧困率は54.6%とOECD加盟国で、最悪の事態となっています。収入の目安の表示がされたとはいえ、自分が該当するのか聞き申請しなければ、制度を受けられません。とくに、所得と照らし合わせて、申請できるような取り組みは広島市を始め、行われています。先進市に学び対応するよう強く求めますが、見解を伺います。
(3)公民館について
 戦後70年経過していますが、戦前の教育勅語を軸にした教育のあり方を深く反省し、憲法が制定され26条には、国民の教育を受ける権利がうたわれ、1947年に教育基本法が制定され、公民館設置が奨励され、民主主義と教育の場として大事な役割を担ってきました。
 千葉市では、地域の生活文化の向上をめざし、市民一人一人が豊かな人間性を培い、心豊かなまちづくりを進めるための教育機関として、47館設置され、各区に1か所中核公民館が設置されています。
 1つに、市は公民館に指定管理者制度を導入し公募によらず教育振興財団を指定管理予定者に選定方針が示され、有料化も狙っています。この中止を求めます。お答えください。
 2つに、公民館は、地域を中心とした学びの場であり、対等に配置され等しく尊重され、住民の自発的な意思に基づいて事業の企画運営を行う事が重要です。12月議会でも1公民館に1人の社会教育主事の配置を求めました。社会教育主事を増員して、専門性を高めるべきですがお答えください。

(2回目)

1.市長の基本姿勢について
自衛隊募集について
 「適切な事務の執行に努める」との答弁ですが、私は自衛隊法の見解を質問していません。戦争法(安保法制)が施行される3月末以降も自衛隊は南スーダンに派兵が継続されます。
 2013年12月以来、南スーダンでは、大統領派と副大統領派が武力衝突し、住民を巻き込み激しい内戦状態に陥り、政府軍と反政府軍双方で数千人が殺害され、240万人が家を追われ、虐殺、レイプ、拷問などの残虐行為が行われ、11歳から17歳の多数の子どもが少年兵としてたたかうよう強制されています。日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャンさんのレポートでは、わずか6歳の子どもにまで銃を持たせているというのです。約18万人を超える民間人が南スーダン各地の国連施設に逃げ込みましたが、その安全な場所も、今、襲撃され奪われています。
 内戦で混乱した中、11歳から17歳の子どもたちに、自衛隊員が駆けつけ警護などの任務遂行で、武器使用が可能になります。そうなれば、自衛隊員が、子どもたちに銃を向けることになります。市長は、自衛隊員が子どもへの戦争行為をしていいと思いますか。
 「だれの子どももころさせない」と安保法制に反対するママの会が、危惧する現実が迫っています。こんな危険な場所に、駆けつける自衛隊を市長は、粛々と募集を進めるのですか。お答え下さい。

戦争法について
 「今後の政府の動きを注視していく」との答弁ですが、注視だけで済む問題でしょうか。2月19日、民主、維新、社民、生活の党、共産党の5野党党首が会談し、戦争法廃止、立憲主義の回復について合意し選挙協力することが明らかになりました。その中身は、(1)安保法制の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を共通の目標とする。(2)安倍政権の打倒を目指す。(3)国政選挙で現与党及びその補完勢力を少数に追い込む。(4)国会における対応や国政選挙などあらゆる場面でできる限りの協力を行うことを合意し、具体化を図っています。戦争法廃止、立憲主義を取りもどす広範な市民の運動に押され、ついに野党共闘が実現する政治的局面まで到達しました。
 1つに、戦争法廃止、立憲主義を守るために野党が共闘したことについて、市長の見解を伺います。
 2つに、こうした世論と運動で情勢が大きく変化している中、平和を思う市長ならば、今こそ、戦争法廃止を主張すべきではありませんか。

沖縄での新基地建設について
 市長は、沖縄の現状をどう思っているのでしょうか。私は2月8日から11日まで沖縄へ行ってきました。そこで私は、銃剣とブルドーザーで強制的に立ち退きをさせられた基地、沖縄戦の壮絶な戦い、本土復帰の道のり、米軍の度重なる凶悪な犯罪、危険な基地と隣り合わせで生活する沖縄の苦しみを改めて感じてきました。貴重な辺野古の海を埋め立てて基地建設させてはなりません。政府のアメリカいいなりをこれ以上続けてはならないと実感してきました。基地なくせと訴え体を張って、闘い続ける県民に寄り添う知事の姿勢とそれを顧みない政府の自治体を無視した在り方に、首長として問題だと思わないのですか。

TPPについて
 すでに、千葉市の農業は、10年後には、従事者がいるのかと心配されるくらい後継者不足は、深刻です。TPPが導入され、関税撤廃されたら、農業や関係する事業者などへの影響も計り知れません。その上、食の安全性についてもアメリカの求めに応じて、規制緩和され、市民が安心して食生活を営むことができなくなる危険性も指摘されています。
 千葉市農業と、市民の食の安全を守るためにも、TPPからの撤退を求めるべきではありませんか。お答えください。

2.千葉市政について
 千葉市では、新年度予算では、千葉駅周辺の活性化、海辺の活性化、オリンピック・パラリンピック推進、幕張新都心、蘇我地区等へのハード面での予算が目立ちます。そして、その予算を進める上での組織体制づくりで、幕張新都心課、観光プロモーション課、都心整備課などが提案されています。
 千葉市が行なっている地方創生の補正予算では、東京オリンピック・パラリンピックに向けた対応や海辺の活用、千葉地域産品調査、東京湾ツーリズムなど千葉市を売り込む立場に終始しています。
 今、千葉市でも格差と貧困が拡大し、わずかな年金、賃金で暮らしている方は、厳しい生活を余儀なくされています。
 障害者福祉の答弁では、「入所施設が必要であるから削減目標を定めていない」ということですが、親亡き後、子どもだけ残され、それを地域で支える条件は整っていません。障害のある方が自宅で一人暮らしをするには、見守りも含めあらゆるケアが必要です。現在ある施設の職員や相談員の方々の熱意に支えられ、どうにか現状を乗り越えているようですが、障害を抱えるお子さんたちの寿命も延び、またそうしたお子さんが増えており、施設整備は急務です。子どもたちだけ取り残されて、親御さんは死にきれないと、涙ながらに訴えられました。現状に合わせて施設整備が求められているのではないですか。そこで伺います。
 1つに、障害者の入所施設は、希望する方が待機することなく整備を進め、地域での支援体制を構築し、従事する職員の待遇改善をすること。
 2つに、庁舎建設や都心開発を見直し、学校への普通教室へのエアコン設置をトイレ改修、老朽化対策と同時並行で実施すること。
 3つに、庭のある保育所で、希望する子どもたちが入所できるようにし、そこで働く保育士の処遇改善を抜本的に図ること。
 4つに、介護職員については、国待ちでなく、市独自でも賃金引き上げのために対策を講じること。
 5つに、経済的な格差で進学を断念しています。子どもたちの学ぶ環境を整えるため、小中学生には就学援助を充実し、給付型奨学金制度を大学など進学について市が実施すること。
 6つに、慢性的に不足している子どもルームの指導員の賃金を引き上げること。
 以上、それぞれ、市民の切実な願いを受け止め、実現していくために、必要な対策です。ぜひ、実施するよう強く求めますが、お答え下さい。

(3回目)

 安倍政権の下で、格差と貧困は、ますます深刻化しています。地方自治体が、防波堤としての役割を果たして、暮らし、福祉を守る立場を取らなければなりません。しかし、千葉市では、国の一億総活躍社会の実現する対策に追随し、ばかりに熱心で、市民の暮らし、福祉優先の市政になっていません。施設を待っている待機児、待機者、施設で働く職員の待遇改善、農業を目指す方や進学したい人への経済的な支援など、人を大切にする政治にしていかなければなりません。新年度予算は、市民生活・福祉を重点に組み替えることを重ねて求めます。お答え下さい。
 戦争法が施行されたら、自衛隊が海外で加害者、犠牲者を生み出す危険性は確実に高まってきています。世論と運動で、これを廃止しようと野党共闘も進んできました。
平和首長会議に参加している市長ならば、きっぱりと戦争法の廃止を明言すべきです。
私どもは、戦争法安保法制を廃止、立憲主義を取り戻し、野党共闘をすすめ、参議院選挙でも頑張る決意を述べ、詳細は予算分科会で精査することを申し上げ、代表質疑を終わります。