中村きみえ議員の代表質疑に対する答弁(要旨)



2016.3.1

【熊谷市長答弁】
1.市長の基本姿勢について
 自衛隊募集についてですが、自衛隊法第97条では、市町村長は自衛官及び自衛官候補生の募集に関する事務の一部を行うこととされており、同法施行令第119条では、自衛官又は自衛官候補生の募集に関する広報宣伝を行うとされていることから、これらに基づき適切な事務の執行に努めてまいります。
 先の国会で成立したことについては、残念に思っているところですが、政府は、自衛隊の危険は高まらないと答弁しており、政府においては、その言葉の実現に向け、しっかりと対応していただきたいと考えておりますし、私といたしましても、今後の政府の動きを注視して参ります。
 緊急事態条項についての私の見解についてですが、憲法改正に関わる重要な問題であることから、国会の場において慎重に議論されるべきものと認識しております。
消費税増税の影響について
 税率の10%への引き上げに伴い、市民の生活に影響があることは認識しており、福祉施設の充実や低所得者への支援施策などを通じてこうした影響を極力抑制するよう努めていく必要があるものと考えております。
 沖縄での新基地建設についての私の見解につきまして、平成27年第4回定例会で答弁したとおり、基地問題は、我が国における重大な安全保障問題である一方で、住民の生活に極めて大きな影響を及ぼす問題であることから、国においては、住民の理解と協力が得られるよう、今後も協議の努力を続けることが重要であると考えております。
 地方創生で子育て支援を充実することについてですが、人口減少時代にあたり、本市の持続可能な都市経営を進めていく必要性などを考慮し、厳しい財政状況ではありますが、平成26年8月受診分から、通院医療費の助成対象を中学校3年生まで拡大したものであります。さらなる対象拡大につきましては、子どもの健康保持の推進や子育て世帯の経済的負担の軽減、また、少子化が進行する中で、子育て世帯の本市への転入を促進する観点からも、有効な施策の一つと考えておりますが、多額の安定的財源の確保が必要であるため、今後は国の子ども医療制度の在り方の検討や県事業の動向を注視しつつ、本市の将来的な財政見通しや制度の安定的な運営を勘案し、慎重な検討が必要であると考えております。
 また、完全無料化につきましては、市民の負担の公平性の観点や受益者負担の原則を踏まえ、子育て世帯の生活に与える影響などを考慮しつつ、必要最小限のご負担をいただいているものです。保護者負担額を無料とした場合、さらなる財源確保を要することとなり、制度の安定的な運営を図る上からも、保護者負担は必要であると考えております。
 住宅リフォーム助成制度についてですが、本市では地震などの自然災害に対して、住まいの安全性を確保するための耐震改修や、高齢者・障害者へのバリアフリー対応のための住宅改修などの助成を行っておりますが、一般的な住宅リフォームは、本来、本市での住宅リフォーム助成制度の実施は考えておりません。
 交付金を活用し、千葉市らしい有効な施策を求めるとのことですが、現在、生活困窮者対策として、市内に2ヶ所の「千葉市生活自立・仕事相談センター」を運営し、「自立相談支援事業」や「就労支援」、さらには「学習支援」などを行っております。 また、新年度からは新たに、住居のない方に一時的な生活の場を提供する「一時生活支援事業」を実施するなど、制度の充実に努めているところです。
 これまで、国の「地方創生」に関わる交付金は、恒久的な財源とならないことから、新たな支援制度への活用には困難な面がありましたが、今後、先進都市の取り組み状況なども参考に研究して参ります。
 TPPからの撤退を主張すべきとのことですが、TPP対策として、平成27年11月に政府が決定した「総合的なTPP関連政策大綱」では、農業分野を含め国益にかなうよう、国内対策を講じることとしております。このうち、「食の安全・安心」については、輸入食品の増加が見込まれる中、「輸入食品の適切な監視指導の実施」「残留農薬・食品添加物等の規格基準の策定」など、わが国の食の安全を確保するために適切な措置が講じられるものと考えております。また、今年の秋には、農林水産業の成長産業化を一層進める具体的な政策が示されることから、本市では効果的な支援策の活用や、消費者との顔の見える関係構築を進め、新鮮で安全安心な農産物を供給できるよう、持続可能な都市農業の振興に努めて参ります。

2.新年度予算について
 市内の資産格差の状況については把握しておりませんが、所得や資産が少なく生活に困窮される方々へ支援を行っていくことは、重要であると考えております。
 こうしたことから、新年度予算におきましては、生活困窮者への、支援といたしましては生活自立・仕事相談センターの相談体制の充実を図るほか、新たに、住居を失った方に一時的な宿泊場所を提供し、自立促進を図ることとしております。
 また、子どもの貧困対策を総合的に推進するための計画を策定するとともに、ひとり親家庭の高卒資格取得に係る助成制度を創設するなど、支援の充実を図ることとしております。
 敬老祝金についてですが、今後、高齢化が更に進展し、医療・介護などの関連する施策への財政需要が大きく増加する中で、敬老祝金制度の見直しは、やむを得ないものと考えております。この見直しによる財源を活用し、新年度予算では、地域包括ケアシステムの構築に向け、在宅医療・介護連携を推進するため、薬剤師認定制度の創設や地域における在宅医療・介護資源の調査を行うとともに、認知症施策の推進として認知症初期集中チームを増設するほか、健康寿命の延伸にむけて、健康づくりの動機づけイベント開催の拡大や、専門的見地からの分析などを踏まえた健康づくり施策の方針を策定するなど、高齢者関連の事業の充実を図っております。
 不用・不急なハード事業を中止・先送りし、市民生活福祉の向上にとのことですが、公共事業の実施にあたりましては、本市活力の維持・向上の観点から、必要性や緊急性を勘案しつつ事業の推進を図っているところであります。
 また、新年度予算におきましては、地域包括ケアシステムの構築に向け介護人材の確保支援や認知症対策の拡充を図るほか、待機児童ゼロの継続に向けた取組みを推進するとともに、児童養護施設退所児童等のアフターケアの新規実施など要援護児童支援強化、いじめ・不登校児童への対応としてのスクールカウンセラーの相談体制の充実や適応指導教室の増設、特定不妊治療費助成の拡充など各種施策の充実を図り、市民福祉の向上のため最適な予算配分に努めたところです。
 市長のロンドン視察を中止すべきということですが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の会場都市として、市を挙げて、パラリンピックの開催機運を盛り上げ、選手・観客をはじめとする来訪者を歓迎することこそが、大会全体の成功、更には本市の国際的な評価につながるものと考えております。
 今後、市民の皆さんの障害者スポーツに対する認知度、関心を高めるためとともに、市内経済界が障害者スポーツチームやアスリートを支援するなど、障害の有無等にかかわらず誰もが積極的に社会参加、貢献できるよう共生社会の実現に向けて取り組んで参りますが、そのために取り組める期間は4年と非常に短いものであります。
 2012年のロンドン大会は、大会準備及び障害者スポーツを盛り上げる機運の醸成に成功し、大会史上、最高の観客を集め、国際的にも高い評価を得ており、更に、ロンドンでは、大会を契機として障害者スポーツへの理解や関心が飛躍的に高まり、ボランティア参加者増加や、経済の活性化など、大会を開催した効果が4年後の現在も根付いていておりますので、市内経済界の方とともに、その状況をつぶさに視察し、関係者と意見交換を行うことなどにより、大会成功や本市の発展と、2020年以降のレガシーにつなげるべく、官民挙げて取り組んでいくことは、大変重要であると考えており、しっかりと調査、検証を行って参ります。
 財政危機を一層深刻にする新庁舎整備を急ぐには止めるべきではないかについてですが、現在の本庁舎は、分散化・狭隘化・老朽化などの課題を抱えており、現状のままでは年間約6億円の賃貸料負担が継続するとともに、非常時はもちろん、通常時においても必要な機能が不足していることから、何らかの庁舎整備方策を実施する必要があります。市の財政が厳しい状況であっても、市民の暮らしを支えるため、市役所の機能が最も高められ、かつ長い目で見て最も費用負担が少なくなる方策として新庁舎整備を進めることとしたものであり、今後実施予定の基本設計等をもとに、事業費を精査するとともに、事業を進めるにあたっては、建設物価の動向など社会経済情勢の変化等に十分留意しながら、柔軟に対応して参ります。
 指定廃棄物の長期管理施設について、本市としては、指定廃棄物を排出し保管している自治体内で分散保管を行うことが適切であると判断しており、昨年12月14日、環境副大臣に対し、詳細調査の受け入れはできないと最終回答を出した所でありますので、今後も、国に対して、分散保管を求めて参ります。
 放射性物質汚染対処特措法において、国は放射性物質による環境汚染への対処に関し必要な措置を講ずるものとされ、関係原子力事業者は誠意を持って必要な措置を講じるとともに、国又は地方公共団体の施策に協力しなければならないと規定されております。東京電力福島第一原発事故から約5年が経過し、指定廃棄物の放射能濃度の減衰が進むなど状況が変化してきている中、最新の科学的知見の活用や国を挙げての誠意ある対応が求められていることから、関係省庁の連携はもとより原子力事業者等と協力し、分散保管の手法や指定解除後の廃棄物の処理方法などを具体的に提示していくことが必要であると考えております。

【鈴木副市長答弁】
マイナンバー制度について
 マイナンバー制度は、社会保障、税、災害対策の分野において、横断的な共通の番号を導入することで個人の特定を確実かつ迅速に行うことを可能とし、国民の利便性の向上・公正な税・社会保障制度を実現するものであると理解しております。本市といたしましては、制度の運用に当たって市民が個人情報の漏えい等に不安を抱くことのないよう、特定個人情報の取扱いの適正を確保するために必要な措置を講じつつ、制度の積極的な活用を図って参ります。
自然災害対策について
 小規模自然災害における被災者支援制度の創設の検討についてですが、平成27年9月6日強風災害において支援金を支給したことを前例にするとともに、庁内関係課で財源をはじめ適用要件、対象世帯や支給金額等を検討した後、関連制度に詳しい有識者の意見も参考に検討して参ります。
 避難行動要支援者名簿の今後についてですが、避難行動要支援名簿の提供につきましては、未提供の町内自治会やマンション管理組合等に対して、文書による制度の周知を行うとともに、各地区町内自治会連絡協議会等においても説明を行うなど、名簿提供の促進を図り、支援体制の構築に努めてまいります。
 避難所運営委員会の設立につきましては、未設立の避難所に対して、実際に災害を経験した被災地での成功事例を紹介など、避難所運営委員会の必要性を説明しできるだけ早期に全ての避難所で設立できるよう積極的に支援して参ります。
 なお、いずれも地域住民による共助の取り組みになりますので、設立促進はもとより、研修会や訓練を実施し、地域防災力の向上を図って参ります。
官製談合について
 このたび、本市職員が引き起こした入札に関する不祥事につきましては、誠に遺憾であり、重ねてお詫び申し上げます。
 一般職員による収賄や官製談合の事件は過去20年間で申し上げますと、収賄事件は1件起きておりますが、いわゆる官製談合防止法に違反し、職員が逮捕・起訴されるという事件は、本市におきましては今回が初めてでございます。

 今回の事件での行政の責任についてですが、先般、関係者の厳正な処分を行ったところであり、今後は、二度とこのような事件が発生しないよう、再発防止に向けた取り組みをしっかり進めていくことが、今我々に問われている責任だと認識しております。また、損失についてですが、本市の入札・契約の透明性、公平性に関する市民の皆様との信頼関係を著しく損ねたことや、本市のイメージを大きく低下させたことなどと考えております。
 情報漏洩をもっと早く発見できなかったのかについてですが、これまで職員に対し「入札・契約におけるコンプライアンスの徹底について」注意喚起し、モラル向上に努めて参りましたが、日頃の職員の勤務態度からは、その様な事実を確認するには至りませんでした。
 再発防止策についてですが、今回の事件への対応として、副市長から依命通達により綱紀の保持について全職員に周知徹底を図るとともに、建設局では、局内幹部で構成する「建設局職員不祥事防止委員会」を設置し、原因究明と再発防止策について検討を開始しました。今後、「不祥事防止委員会」での検討結果を踏まえ、建設局だけでなく関係部局も含め、必要な対策を講じて参ります。
 なお、今回の事件は、入札・契約に関する公正さや透明性を確保するため、様々な取り組みを進めてきた中で起きたものですが、このような事件を根絶していくためには、制度の整備だけではなく、携わる職員個人の、職務に対する倫理感も必要不可欠であることから、今後、全職員に対し公務員倫理に関する研修を行うなど、あらゆる機会を通じて職員一人一人の倫理意識を高める取り組みを進めることにより、不正を起こさない、起こさせない環境づくりに努めて参ります。
 防災行政無線については、現行のアナログ無線設備が平成34年11月末に使用期限を迎えるため、デジタル無線設備に更新を行うものです。なお、デジタル化により混信や雑音が入ることなく放送を行えるようになります。また、家庭への屋内受信機の設置については、考えておりませんが、災害時の緊急情報は、ちばし安全安心メール、緊急速報メール、テレビ、ラジオなど、多様なメディアを最大限活用し、重層的に情報発信することとしており、市民の皆様には、いずれかの方法で受け取れるよう、引き続き周知を図って参ります。
 家具転倒防止金具の取り付けについてですが、家具等の転倒・落下防止対策は、死者数だけではなく重傷者数低減により、緊急医療の需要の軽減につながり、重篤患者に救命にも資するものであり、災害時に被害を最小限にとどめるために大変重要な事と認識しております。総務局におきましては、防災・減災対策として家具等の転倒・落下防止対策の重要性について市防災関係ホームページ、市政だより、防災マップや市政出前講座などで周知を行っております。今後も、引き続き市民の皆様へ普及啓発を働きかけるとともに、来年度、作成予定の地震ハザードマップにおいても、助成制度なども含め周知することにより、さらなる普及啓発に努めて参ります。
財政について
 今回のマイナス金利導入についてですが、日銀によりますと、マイナス金利の導入は金融機関の収益に悪影響を及ぼす側面があるとし、収益を過度に圧迫して金融機能が低下することがないよう、各金融機関の日銀への残高に応じ、3段階の「階層構造」を採用し、ある残高まではプラス金利ないしはゼロ金利とすることとしているとのことであります。そのため、各銀行の日銀に対する預金残高の全てにマイナス金利が適用されることはなく、預金金利の収支がマイナスになることは稀であると言われております。また、日銀のマイナス金利導入目的は、円安・株高の流れを後押しし、デフレ経済から脱却することや企業が融資を受けやすくなることであり、その効果が早期に現れた場合には、市内経済に対しても好影響があるものと考えられますが、現時点では、各銀行の市内中小企業・小規模事業者に対する今後の融資姿勢が変化し、軟化していくのかということも含め、市内経済への影響を明確にお示しすることは難しいと考えております。
 マイナス金利が本市の財政運営へ与える影響についてですが、本市は毎年度の市債等の借入額が多いことから、低金利な状況におきましては、本市の借入金利も低下するため、利払い負担は軽減となります。なお、本市における資金の運用については、借入額と比較すると少額ではありますが、利回りの低下は運用益の減となりますので、安全性を最優先に効率的な運用に努めて参ります。
 市内の工事現場で働く労働者の賃金についてですが、最近の3年間における設計労務単価の改定は平成25年4月、平成26年2月、平成27年2月に行っております。
 それぞれの改定に伴い労働者への賃金の引き上げについて、市の工事を受注した業者に対し、アンケートを実施したところ、平成25年4月は約6.0%、平成26年2月は約7.3%、平成27年2月は約4.9%の引き上げとなっております。
 公契約条例の制定についてですが、その効果が限定的であること、同一労働、同一賃金の原則に反することなど、様々な課題があることから、制定については現在のところ考えてはおりませんが、設計労働単価の改定により変更契約を締結する事業者に対しては、技能労働者及び技術者の賃金水準の引き上げ等について適切に対応するよう誓約書の提出を求めており、改定後の設計労働単価が順守されるよう努めております。
夫婦別姓について
 昨年12月の夫婦別姓訴訟における最高裁判決では、夫婦別姓の制度は我が国の社会に定着してきたもので、家族の呼称として意義があり、その呼称を一つに定めることには合理性があるとされました。しかし、夫婦同姓の採用は、婚姻制度や姓の在り方に対する社会の受け止め方に依拠するところが少なくなく、この種の制度の在り方は国会で論ぜられ、判断されるべきともされています。
 今日、多くの企業等において通称の使用が認められるようになりましたが、婚姻による姓の変更に伴う、社会生活上の不都合が生じる場合もあります。ライフスタイルや価値観がますます多様化する中にあって、夫婦別姓については、国民の理解の下、国会において十分に論議されるべき問題であると考えております。

太陽光発電のルール化について
 政府は、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るため、「電気事業者による再生可能エネルギー電気調達に関する特別措置法の一部を改正する法律案」を、現在、開会中の第190回通常国会に提出したところです。
 本法律案には、太陽光発電設備の設置にあたり、景観や安全上のトラブルが発生している状況に鑑み、事業者の認定情報を公表する仕組みが導入されており、公表する事項は、省令で規定されることとなっていることから、今後の動向を注視して参ります。また、本法律案の対象外と想定される10kw未満のいわゆる家庭用の太陽光発電設備については、トラブルの事例等について情報を収集し、その対応については、調査・研究を行って参ります。

【神谷副市長答弁】
保健福祉行政について
 国民健康保険料の改定についてですが、被保険者の負担が増加していることは認識しておりますが、医療費が増加する中で歳出に見合った財源を確保しなければならず、改定はやむを得ないものと考えております。
 国民保険料には、低所得者を対象とした法定軽減があるほか、本市独自に、応益割保険料の1割減免も実施しているところです。こうした軽減等の適用には所得申告をしていただくことが必要であり、申告がないために、軽減等の対象であるにもかかわらず、適用されていない低所得者世帯が多く存在するものと考えられます。
 そのため、所得申告の奨励をさらに強化し、対象となる低所得世帯に軽減等が着実に適用できるよう努めて参ります。
 国保の広域化についてですが、広域化は、小規模で運営が不安定となっている保険者が多い現状を踏まえ、都道府県と市町村の共同事業とすることで、国保事業の運営安定化を図り、持続可能な制度とすることを目的としています。
 都道府県が財政運営の責任主体となり、国保運営において中心的な役割を担うことで、安定的な財政運営や事業の効率化を進めることが期待されており、国民皆保険を堅持していくために必要なものと考えております。そのため、広域化の中止を国に求めることは考えておりません。
 定率国庫負担の引き上げについてですが、定率国庫負担も含めた国費の充実について、指定都市市長会を通じて、また、本市独自でも要望しているところであり、今後も要望して参ります。
 介護保険について、新年度に2ヶ所開所する特別養護老人ホームの職員確保の見通しについてですが、本年4月に稲毛区稲毛町5丁目、6月に美浜区真砂2丁目にそれぞれ定員80人の施設が開所する予定になっており、法人に確認したところ、定員に見合った必要な職員確保の目途は付いているとのことです。
 介護人員不足解消のため、大都市民生主管局長会議において、「将来にわたって質の高い介護人材を安定的に確保し、継続した介護サービスが提供されるよう適切な報酬単価を設定すること」について国に要望しております。また、昨年4月の介護報酬改定で、介護職員処遇改善加算が拡充され、従業員1人当たり月額平均12,000円相当の加算が行なわれたことから、市独自の補助を行うことは考えておりません。
 介護保険制度の改正で、補足給付を申請したものの対象外となり、特別養護老人ホームの利用料が増額している方々の実態についてですが、制度改正の結果、補足給付を申請したものの対象外となった方は、昨年12月末時点で200人であります。
 市民の方々からは、「預貯金で判断するのはおかしい」「預金通帳を見せるのには抵抗がある」と言った声もありました。このたびの制度改正は、在宅で暮らす方との公平性を図るため、市町村民税課税世帯、あるいは、一定額を超える預貯金等を有する方について、施設を利用する際にかかる食費や部屋代の負担軽減を行わないこととしたものであり、介護保険制度の持続可能性を高めることを目的に実施されたものと認識しております。
 障害者福祉についてですが、国は、市町村が定める障害福祉計画において、「入所施設の定員削減の数値目標」を設定することとしておりますが、本市では平成26年度に策定した第4期障害福祉計画の中で「障害者や介助者の高齢化などを踏まえ、一定の入所施設が必要である」との認識から、削減目標を定めておりません。
 一方、在宅の障害者に対しては、本人の意向や介助者のニーズ等を踏まえ、障害の程度や特性に応じた支援を行えるよう、引き続き、サービス提供体制の整備を進めて参ります。さらに、相談支援機関の職員に対する研修の実施などにより、資質の向上を図るほか、障害者自立支援協議会の開催等を通して支援機関同士の連携の強化にも取り組んで参ります。
 稲毛区毘沙門堂についてですが、稲毛中学校区に所属する22町内自治会のうち12団体と商店街等の代表者連名によるによる「市長への手紙」が提出されたことは、地元住民の反対の声として重く受け止めております。
 地域住民の声にどう答えていくかについてですが、こうした住民の声を引き続き事業者に伝えていくとともに、地元住民との協議にあたっては、特に誠意を持って対応するよう指導して参ります。また、事前協議書が提出された際には、「千葉市墓地等の経営許可等に関する条例」等に基づき、厳正かつ厳格に計画内容について審査して参ります。
 子どもの貧困対策についてですが、現状では、児童扶養手当に本市独自の上乗せは行っておりませんが、保育料につきましては、国基準に対し、概ね3割程度の軽減を行うとともに、幼稚園就園奨励費補助につきましても、国基準に1万5千円から2万8千円の市単独での上乗せを行っております。なお、さらなる本市独自の上乗せにつきましては、多大な財政負担が生じることから、直ちに実施することは困難であると考えますが、子どもの貧困対策につきまして、今後、必要な施策を総合的に取り組むための計画を策定する中で、本市の実情にあった施策を検討して参ります。
 保育所待機児童についてですが、本市では、保育需要やそうげいの、利便性などを考慮して駅周辺を整備地域とし、整備・運営事業者の募集をしております。
 このため、園庭を含んだ保育所用地の確保が困難である場合が多く、定員60人未満の保育所につきましては、園庭を必置とはしておりませんが、土地の確保などの条件が整った場合には、園庭を整備している事業者も多くあり、平成28年4月に開所する4ヶ所の新設保育所のうち、3ヶ所については、基準を満たす園庭を有しております。なお、ビルの一室を保育所として活用する場合など、園庭を整備できない場合であっても、近隣の自然豊かな公園を活用し、児童の戸外活動に支障が生じないよう、各園が工夫し保育を行っております。
 国に対して待遇改善を求め、市独自でも保育士の待遇改善をとのことですが、処遇改善の拡大などに必要な財源の確保がなされるよう、国に対し、指定都市市長会議等を通じて積極的に要望して参ります。また、市独自の処遇改善につきましては、多大な財政負担が生じることから直ちに行うことは困難ですが、他都市の状況を注視し、今後の課題として参ります。
 子どもルームについてですが、高学年ルームは、学校の特別教室等を活用しており、専用施設ではないことから、エアコンの設置につきましては、国庫補助金の対象とはなっておりません。なお、高学年ルームにつきましては、可能な限り、エアコンが設置されている図書室を使用することを考えており、エアコンが設置されていない教室を使用する場合は、児童の健康に配慮し、夏季休業中は、エアコンのある図書室で過ごすこととしております。
 指導員確保のために、待遇改善をとのことですが、子どもルームの指導員の給与等は、他の政令市や近隣自治体での同種事業との比較においては、一定の水準にあることから、今後も雇用環境や賃金水準等を注視していきたいと考えております。
 DV防止・被害者支援基本計画についてですが、平成26年度に、市民3千人を対象に実施した実態調査では、女性の約3人に1人が暴力被害を受け、約18人に1人が生命の危険を感じていると回答しております。また、平成25年10月に、配偶者暴力相談支援センターで相談の受付を開始して以来、相談件数は増加しており、平成26年度は2,902件と、平成24年度の約2倍の相談件数となっております。
 課題としては、依然として、暴力を容認する意識が根強く残っており、若者を中心とした交際相手からの暴力についても十分に認知されておらず、DV根絶に向けての理解が浸透していないことや、相談専用電話を設け、相談体制の充実に取り組んでいるものの、未だ潜在的な被害者が多く想定されることから、さらなる広報啓発や相談窓口の周知が必要であると認識しております。
 対策としては、来年度から始まる次期計画において、DV防止や相談窓口の認知度を示す数値目標を設定するとともに、若年層に対する暴力防止教育の推進や、被害者を早期に適切な支援に結び付けられるよう、相談窓口の周知強化を図って参ります。また、配偶者暴力相談支援センターの専門相談員の増員等を図り、被害者の自立と生活再建の支援の充実に取り組むなど、DVの根絶を目指して、施策を総合的かつ計画的に推進して参ります。
経済農政について
 農業の後継者育成についてですが、本市では、農業の担い手を確保・育成するため、「新規就農希望者研修」や「定年帰農者等研修」などを実施しており、平成18年度から開始した「新規就農希望者研修」を通じて、19人が就農しており、なた、「定年帰農者等研修」では、平成22年度から26年度までの追跡調査の結果、31人の農業後継者が就農していることから、一定の成果を挙げているものと考えておりますが、新規就農者数が担い手の減少数に追いついていないのも事実であります。そこで、これまで主に希望の多かった他産業従事経験のある中高年齢者など、離職や非農家から新規就農を志す者のほか、市外・県外の農業系大学などの新卒の学生に対し、就農地の確保、地域と交流の場の提供、融資に対する利子補給などの支援制度を積極的に周知し、本市への就農の促進を図って参ります。また、就農後、3年から5年目が経営安定化の分岐点となることから、本市の研修奨励金や国の青年就農給付金を活用しながら、希望する就農形態に応じて必要な技術や経営方法などの実践的な指導を継承し、円滑に営農できるよう支援の充実を図りながら、本市農業の持続的発展に努めて参ります。
都市行政について
 住宅の耐震化の進捗についてですが、昭和56年以前の旧耐震基準で建設され、耐震性がないと見込まれる住宅約5万6,000戸のうち、新年度予算では、木造住宅の耐震診断助成20戸、耐震改修助成21戸、分譲マンションの耐震診断助成1管理組合、耐震改修設計助成1管理組合などを計上しており、これらの住宅の耐震化が進むものと考えております。
 簡易な耐震改修工事への助成についてですが、耐震改修工事を行わない理由として、工事費用が高額であることを挙げる市民が多いことから、新年度に新たに2回に分けて段階的に改修を行い、2回目の工事で全体を一応倒壊しないと判定される上部構造評点1.0を確保する助成制度を設けることとしております。
 墨田区と本市の助成制度の違いですが、墨田区の制度では、上部構造評点が向上する工事が全て対象になりますが、本市では、市民の命や財産を守るためには、最終的に上部構造評点1.0を確保することが必要と考えており、このことを要件とした助成制度としております。
 土木事務所予算についてですが、土木事務所では、道路を良好な状態に保ち、誰もが安全・安心に通行できるよう、道路の維持管理や整備、交通安全対策及び災害対応などの重要な業務を行っております。新年度予算(案)では、市民要望の多い「道路維持費」や「舗装・側溝新設改良費」をはじめ、交通事故を防止し、安全性を向上させるための「交通安全施設等整備費」、並びに、橋梁の耐震強化のため「橋梁維持費」を増額しております。今後も、市民の安全・安心のため、必要な予算を確保し、適切な、維持管理に努めて参ります。
水道行政について
 水道事業へ一般会計からの繰入金を増額することになった理由についてですが、現在、整備を進めている第3次拡張事業において必要になる水利権等を、平成17・18年に取得しましたが、これまでの間、活用できておりません。そのため、これらの水利権等に係る減価償却を行うことができず、内部留保資金を確保することができない状況であり、平成28年度から資金収支上の不足を補うため、一般会計からの繰入金を増額するものです。
 市財政全体を厳しくする原因への見解及び解決策についてですが、水道事業への一般会計からの繰入金が市財政へ影響を与えていることは認識しております。一方で、水道は市民生活や経済活動に欠くことのできない重要なライフラインであり、「合理的な対価による安全で安心な水の安定的供給」が求められております。
 このため、課題となっている千葉県水道局からの分水料金につきましては、県水の料金改定時に低減に向けた協議を行って参ります。また、未活用となっている水利権等につきましては、本市と県水政策課、県水道局の三者による協議の場を設け、活用方策等について具体的な検討を進めることを求めて参ります。今後も、水道事業の経営を安定させるための改善に向け、様々な検討と努力を重ねて参ります。

【教育長答弁】
小中学校へのエアコン設置について
 本市の教育環境を整備するにあたっては、様々な課題がある中、現在は先送りとなっている外壁改修などの老朽化対策や、トイレ便器の洋式化などを最優先に実施して参ります。エアコンについては、先ずは、近隣への配慮から窓を締め切りにして授業や部活動を行わなければならない音楽室のほか、特別支援学級や特別支援学校に5〜6年をかけて設置することとしており、普通教室への設置については、今後、市民や有識者の意見を十分に聴取し、他の教育施設との比較・検討を行ったうえで、その必要性等を見極め、適切な判断をしたいと考えていることから、平成28年度予算に設計調査費を計上する考えはございません。
 市財政全般を見直し、全市的な観点から、優先順位や緊急性を十分に勘案し、事業費の精査を行った上で、必要な分野に重点的に予算が配分されており、教育予算についても、児童生徒の健全育成や学力向上、安全安心な学校生活が送れるよう、適切な予算が設置されていると考えております。
自然災害について
 小中学校における地域と連携した防災教育についてですが、小中学校では、自他の安全を守ることや地域の防災活動に貢献することなど、防災意識の高揚に向け、発達段階に応じた指導を行っております。今後は、避難所運営委員会等、地域住民と連携し、安否確認や通学路の安全確保など、学年に応じた参加方法等の検討をして参ります。
給付型奨学金制度について
 文部科学省において、大学授業料減免を促すための取り組みや、無利子の奨学金事業の拡充、「所得運動返還型奨学金制度」を平成29年度進学者から適応するための制度設計及びシステム開発が行われていることから、本市としてもその動向を注視して参ります。
就学援助について
 先進市に学ぶべきとのことですが、本市におきましても、広島市と同様に、全児童生徒に配布している「就学援助制度のお知らせ」に所得の目安額等を表示しております。なお、制度の周知徹底に向けては、これまでも「市政だより」や「教育だよりちば」、市ホームページでの広報を行っておりますが、平成26年度からは「入学通知書」にも制度についての記載を行うなど改善をしたほか、各学校に対しても「学校だより」へ掲載するよう依頼しております。今後も、他市の取り組み状況等参考にし、経済的に困窮している家庭に対して就学援助制度を利用しやすくできるよう努めて参ります。
公民館について
 公民館には、学びを通した地域づくりや多世代の交流の拠点施設としての機能に加え、地域人材のコーディネートや防災拠点としての機能など、地域の総合交流点としての役割が求められております。そのため、市民サービスの向上や事業の継続性等に資する観点から、教育に関する専門性を有する千葉市教育振興財団が指定管理者として管理運営を担うことについて、総合的に検討を進めております。なお、有料化については、公平性の観点や他都市の状況など様々な視点から、慎重に判断すべきものと考えております。
 社会教育主事を増員し、専門性を高めることについてですが、地域住民の自発的な活動、学習を通じた地域活動を支援する役割を担う社会教育主事を増員することは、公民館における社会教育活動等を、より一層充実していく上で、必要であると考えております。そのため、引き続き職員研修等を積極的に実施していくとともに、公民館の事業運営に求められている資質を備えた人材の確保等が図れるよう、管理運営方法を含めた公民館のあり方において、検討を進めて参ります。

第2回目

【熊谷市長答弁】
自衛隊募集について
 粛々と募集を進めるのかとのことですが、これまでどおり、自衛隊法第97条に基づき、自衛官及び自衛官候補生の募集に関する広報など行って参ります。
 平和安全法制廃止についての私の見解についてですが、野党各党が、それぞれのお考えのもとに合意し、衆議院に廃止法案を提出されたと認識しており、今後の国会での議論を注視してまいりたいと考えております。
 沖縄での新基地建設についてですが、基地問題は、我が国における重大な安全保障問題である一方で、住民の生活に極めて大きな影響を及ぼす問題であることから、国においては、住民の理解と協力が得られるよう、今後も協議の努力を続けることが重要であると考えております。
TPPについて
 TPPからの撤退を求めるべきとのことですが、本市では消費者と生産者の顔の見える関係を構築し、新鮮で安全・安心な農産物を供給する「地産地消」を推進することで、持続可能な都市農業の振興を図るとともに、市民の食と安全の確保に努めて参ります。なお、TPP関連政策大綱では、「食の安全・安心」について、国際基準や科学的な根拠を踏まえ、必要な措置を講じるとしていることから、引き続き、国の動向を注視しながら情報収集に努めて参ります。

【鈴木副市長答弁】
障害者支援について
 入所施設の整備、地域の支援体制、職員の待遇改善をとのことですが、入所施設の整備については、定員の削減を求める国に対し、他の政令指定都市とともに、「真に入所施設を必要とする方のニーズを十分に調査した上で、施設入所支援についての方針を決定する」ようもとめているところです。あわせて、地域で暮らす障害者に必要なサービスが適切に提供されるようにするため、サービス事業者の経営基盤の安定を図るとともに、良質な人材が確保でき、サービスの質が向上するよう、報酬体系の見直しについても要望しているところです。
介護保険について
 介護職員の賃金引上げを市独自にとのことですが、昨年4月の介護報酬改定で、介護職員処遇改善加算が拡充されたことから、市独自の補助を行うことは考えておりません。なお、超高齢社会に向けて、本市が推進すべき対策の指針を定める「千葉市中長期的な高齢者施策の指針」において、介護人材の確保・定着の促進に取り組むこととしております。
保育所整備について
 庭のある保育所に希望する子どもたちが入所できるように、また保育士の処遇改善をとのことですが、保育需要や送迎の利便性などを考慮し、条件に合う未利用地等があった場合には、保育所用地として活用するよう努めるほか、園庭のある幼稚園の認定子ども園への移行を積極的に進めて参ります。また、保育士の確保・定着につきましては、重要な課題であると認識しており、国に対し、その処遇改善に必要な財源の確保がなされるよう、引き続き要望して参ります。
 子どもルームの指導員の賃金引き上げについてですが、子どもルームの指導員の給与等は、他の政令市や近隣の自治体での同業種事業との比較においては、一定の水準にあることから、今後も雇用環境や賃金水準等を注視していきたいと考えております。

【教育長答弁】
 庁舎建設や都心開発を見直し、普通教室へのエアコン設置を実現すべきとのことですが、予算編成にあたっては、必要性や緊急性を勘案し、事業の推進が図られているところであり、学校施設についても、外壁改修などの老朽化対策や、トイレ便器の洋式化などを最優先に実施し、エアコン設置については、音楽室や特別支援学級、特別支援学校に設置して参ります。
 子どもたちの学ぶ環境を整えることについてですが、小中学校の就学援助制度については、経済的に困窮している家庭が、今後も制度を利用しやすいよう努めて参ります。また、高校において、国の「奨学のための給付金」や、市立高校における「千葉市育英資金」があり、引き続き、周知に努めてまいります。
 さらに、大学における奨学金制度については、今後も国の動きを注視するとともに、引き続き高校生に、適切に情報提供を行い、進路選択に生かされるよう努めて参ります。