野本信正議員の予算組み替え動議の提案理由説明



2016.3.17

写真  日本共産党千葉市議会議員団を代表して、「議案第8号平成28年度一般会計予算」の組み替えを求める動議について、提案理由の説明を行います。

1 提案の主旨
 安倍内閣によるアベノミクス、消費税増税などにより、日本経済はマイナス成長、物価の上昇、国民生活は実質賃金4年連続引き下げ、年金の引き下げ、社会保障の連続改悪による医療・介護・子育てなど福祉の後退で疲弊しています。
 このような時こそ千葉市は地方自治の本旨に乗っ取り、「福祉の増進」を目指し、緊急性・必要性に乏しい事業を見直し、循環型事業で歳入を増やし、市民生活向上と、安心して暮らすことのできる、元気な千葉市にするための、予算に組み替えることであります。

2 組み替えを求める理由
 市民生活優先の予算にすることであります。
 新年度予算一般会計は初めて4,000億円を越える過去最大4,004億円の大型予算で、前年度比102億円増の予算を市民生活福祉に配分することであります。
 新年度予算の特徴は、市民の暮らしを直撃する負担増では、国民健康保険料が新年度6億57万円の増5年連続の値上げです。
 福祉の切り下げは、敬老祝祝い金(長寿祝い金)が3万円から1万円に切り下げた88歳の祝い金を廃止、99歳だけにすることであり、敬老の心と福祉を切り捨てる削減額は2千822万円であります。
 この他、ふれあい給食サービス配食の廃止332万円、民間保育園への補助金見直し1,010万円など、合計6億4,739万円の負担増と福祉切り下げは中止すべきです。
 緊急性・必要性の観点からの事業は、入所待ち児童が874人の保育所整備は緊急の課題です。また待機者1,777人を越す特別養護老人ホームの増設や、介護職員の確保、小中学校普通教室のエアコン設置などに予算を振り向けることであります。

3 組み替えの財源について
 1つは、新年度予算は都心開発などハードな事業が目立ち、千葉駅周辺の活性化、JR千葉駅東口・西口再開発など2億4,000万円、旅客船桟橋など海辺の活性化8,310万円、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた取り組推進うちロンドン視察400万円。建設費298億円の新庁舎整備基本設計1億2,300万円。蘇我特定地区・スポーツ公園整備7億7,500万円等、必要性に乏しい事業や急がなくて良い事業を見直すことであります。
 2つは、多額の予算で優先している市長マニフェストに関する取り組み、22億円を80%に縮小することであります。
 3つは、市の負担義務の無い、国直割事業負担金3億5,000万円、幕張メッセ負担金1億8,672万円、千葉港湾事業負担金1億7,182万円の予算を見直すことです。また不公平な扱いを受けている、千葉県単独事業補助金16億5,766万円を是正することです。
 その他、問題ある事業も含めて、急がなくて良い事業や、予算計上事態が問われる事業の予算を見直して、市民生活で緊急に必要な事業などに振り向けることです。
 4つに、資本金10億円以上法人の、法人市民税均等割りを制限税率いっぱいに課税し、2億8,800万円の自主財源を確保することです。
 以上の総額と借入金の合計44億円から、補助金などを差し引いた金額を、組み替えの財源と致します。

4 組み替える事業について
(1)公共料金改定、国民健康保険料6億570万円を中止する。
(2)敬老祝い金をH46年度水準で継続する。1億4,413万円。ふれあい給食サービス配食332万円。民間保育園への補助金1,010万円は、継続する。
(3)H22年度・26年度見直した事業中復活させる事業。難病見舞い金支給事業、国民健康保険を明示方式に戻し支払い可能な保険料に引き下げる。などであります。
(4)循環型事業で仕事、雇用、税収を増やす。生活道路整備、特養ホーム増設、住宅リフォーム助成制度創設。 などであります。
(5)緊急性・必要性の観点からの事業についてであります。保育所の入所待ち児童、874人の解消に全力をあげる事であります。
 国会で、「保育園落ちた」という匿名のブログ問題の質問に安倍総理が「実際に起こっているかの確認ができない。議論のしようがない」の答弁に、待機児童問題に悩む母親らが猛反発して、「保育園落ちたの私だ」との声と、「保育制度の充実必要」の署名2万7千人以上が厚労大臣に提出され、一躍最大の社会問題になりました。安倍政権の「待機児童ゼロ」「一億総活躍」は全くの看板倒れです。
 熊谷市長は、「2年連続続待機児童ゼロ」と述べていますが実態は、希望する保育所に入所できずに、待っている児童はカウントされないため、千葉市の入所待ち児童は、874人いるわけで、保育所確保は「非常事態という認識で緊急対策」を実施すべきであります。そのためには、○国に対して地方への緊急支援を求める。○千葉市は緊急に保育所を整備、確保する事であります。
 保育所確保を急ぐためには、(1)保育所への転換が可能な公共施設を活用するなど知恵を絞って、緊急の保育所を増やすことであります。東京杉並区や世田谷区では、公的施設を活用した保育室や、架設園舎などで、受け入れを増やしています。
(2)木造保育所5か所の建て替えを急ぐことです。木造保育所の建て替えは幕張   保育所の例にあるように、初期用がゼロ円、その後10年間の月賦返済で建設できます。「リース方式」で実施すれば建設費は一度に必要ありません。建て替えの際に定数を増やせば入所待ち児童の受け入れが進みます。併せて保育士の処遇を改善して確保する。
 以上の緊急対策実施を強く求めます。

5 予算組み替えで市民生活・福祉の充実を
 最後に、市民生活・福祉の充実する安全・安心の予算に組み替えを行って、市民が元気になる予算にすることです。
 安倍政権の暴走で疲弊している市民は千葉市政に対して、市民生活・福祉の充実する予算を強く望んでいます。
 今提案した事業を実施するため、予算の組み替えを行い、市民の期待に応える予算にすることを求めて、提案理由の説明を終わります。