中村きみえ議員の附帯決議案への反対討論



2016.3.17

写真  党市議団を代表して、発議第6号「議案第8号に対する附帯決議案」についての反対討論を行います。
 今回、附帯決議を提出することは、議会での権利を行使することであり、異議はありません。また、北朝鮮による核実験や弾道ミサイルの発射に対し、厳重抗議をすることについても異論はありません。
 しかし、今回の議案第8号に対する附帯決議は、朝鮮学校への補助金の支出を制裁的な措置として関連させて停止しようとするものになっています。日本で生活し、学んでいる子どもたちに責任はありません。
 東京都での調査結果を例にして調査を求めていますが、千葉市では、近隣の小中学校や全国各地の学校と公開授業を行ない、地元の地区の敬老会では学生が、民族舞踊を披露するなど文化的な交流も活発に行われています。
 また、地元浪花町をはじめ、地域での文化祭や、バザー、区民まつりなど周辺住民の方々との交流も年々、広がっており地域に浸透しています。
 附帯決議で核・ミサイル・拉致問題の解決に向けて一定の進展がみられるまでは、支出を行わないことや、都と、同様に朝鮮学校に対して調査を実施し、朝鮮総連との関係など調査費、補助金の支出に関する基準を条例化し明確にすること、国により、朝鮮学校補助金の支出を中止する方針が示された際は、支出を行わないことが示されました。
 平成27年10月に補助金の支出について支払いを返還するよう求める監査請求がありました。その請求に対して監査結果は、千葉朝鮮学園に対する補助金の支出については、違法又は不当な公金の支出とは言えず、請求人の主張には理由がないものと判断され、監査委員は、全員一致で棄却しています。
 補助金交付要綱の公益性、補助金支出における公益性や必要性についてですが、監査委員の判断は、最高裁判所判例解説によれば、地方公共団体が寄附又は補助をするための「公益上必要がある場合」という地方自治法232条の2の要件に関しては、各地方公共団体の判断によらざるを得ず、その判断は、特に社会通念上不合理な点がある場合、又は特に不公正な点がある場合でない限りはこれを尊重することが必要であると述べられています。これに照らして検討すると、要綱第1条の趣旨及び第3条の補助対象事業から、児童及び生徒の健やかな成長と自立の促進のみならず、児童及び生徒と地域住民との交流による異文化との理解・友好の促進の効果が期待できるものであるので、この要綱には公益性が認められると述べられています。そして、千葉朝鮮学校の設置者である千葉朝鮮学園の法人設立認可に当たっては、日本国憲法、教育基本法等国内法を遵守することなどの条件が付されており、日本の義務教育に当たる教育が行われていることが認められ、補助金支出に公益性がないとする請求人の主張は認められないとされています。この時の議会からの監査委員は、自民党、公明党の方が同意していることを申し添えます。
 子どもの権利条約には、条件整備として、衣食住、学校、医療、文化や休息など子どもが能力をのびのびと開花させられる環境を整えることを保障することが求められています。学校に通う子どもたちにはなんら非難されることはありません。制裁のような形で、支出を中止することは認められません。国によって朝鮮学校の補助金の支出を中止するよう方針を求めることについては、地方自治が独自に判断して決めることだと思われます。
 よって、この附帯決議には、反対することを申し上げ討論とします。