党市議団提案の意見書

平成28年第2回定例会
No.1

 (提出年月日)平成28年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

消費税増税を中止するよう求める意見書(案)

 日本の大企業が収益を上げても国民には還元されず、安倍政権が掲げる「富裕層や大企業を豊かにすると、富が国民に滴り落ち、経済が成長する」という経済政策は、誰の目にも破綻が明らかである。多くの国民は「給料は上がらず、負担だけふえる」というのが実感であり、安倍首相自身も消費税率を8%に引き上げたことで、「予想以上に消費が落ち込み、長引いている」と認めている。今後、10%に引き上げることになれば、国民がどのような暮らしを強いられるのかは容易に想像がつく。
 本年4月に民放が行った世論調査では、「引き上げに反対」が約4割、「延期すべき」が約3割、「予定どおり引き上げるべき」が約2割となっており、2017年4月からの「消費税増税は認められない」が圧倒的な世論になっている。
 さらに、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が公開したタックスヘイブン(租税回避地)に関する「パナマ文書」では、日本の個人・企業名の存在も報道されている。法人税減税等の恩恵を受け史上空前の利益を得た大企業など、日本の大富豪・大資産家が、「合法的」だとして日本での税逃れを図っているとすれば、税の民主主義的ルールに反する行為であり、国民の強い批判は免れない。
 本来、税は再配分を通じて格差を是正する役割を持っており、このような不公正・不平等は許されるものではない。所得を海外に移すことのできない国民は、毎日消費税などの重い税負担を強いられているのである。
 よって、本市議会は国に対し、消費税増税を中止するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会


平成28年第2回定例会
No.2

 (提出年月日)平成28年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

立憲主義・民主主義を基調とした政治を求める意見書(案)

 今年は、日本国憲法公布70周年、18歳選挙権実施など、憲法や政治参加について国民的な関心が高まる特別な年である。
 参議院選挙を前に、憲法を遵守すべき立場の安倍首相が「憲法改正」を掲げ、改憲勢力で「3分の2以上の議席確保を目指す」との発言に、国民の不安と批判の声が強まっている。
 一昨年7月、安倍内閣は、「集団的自衛権は行使できない」としてきた歴代内閣の憲法解釈を転換し、「集団的自衛権行使容認」を閣議決定した。昨年9月には、安全保障法制(いわゆる戦争法)について、「丁寧に説明する」と言いながら、法曹界・学者・文化人を初め、圧倒的な国民の「採決反対」の声にもかかわらず強行採決したのである。
 立憲主義とは、「政治権力の恣意的支配に対抗し、権力を制限しようとする原理をさす」(世界大百科事典)、「憲法に基づいて政治を行うという原理」(大辞林)であり、憲法は「国がやってはいけないこと(またはやるべきこと)について国民が定めた決まり(最高法規)」(日本弁護士連合会)とされている。
 しかし、野党が憲法に基づいて、臨時国会の開催を要求し「安保法制(戦争法)についての説明」を求めても、国会召集を拒否したばかりか、今国会に5野党(現4野党)が提出した「安保法制(戦争法)廃止法案」の審議にも応じようとしない姿勢は、国民の不安や批判の声に応えることなく無視するものであり、立憲主義・民主主義に反するものである。
 よって、本市議会は国に対し、立憲主義・民主主義を基調とした政治を行うよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会


平成28年第2回定例会
No.3

 (提出年月日)平成28年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

公立保育所の一般財源化を廃止し、直接補助制度に戻すことを求める意見書(案)

 少子化対策が国の緊急課題となっているが、国は一向に本格的な対策を取っていない。「日本創成会議」によると、少子化の進行は人口の急激な減少を招き、このままで推移すれば2040年には500を超える地方自治体が消滅するという試算が出されている。
 少子化対策は、国の経済政策や労働環境の改善等、多くの分野にまたがるが、子育ての分野では直面する「待機児童の解消」が重要課題となっている。
 公立保育所の重要性はほとんどの市町村が認めているが、運営費等の一般財源化制度を国が導入しているため、公立保育所が老朽化等で次々と廃止に追い込まれ、待機児童解消に逆行する事態となり、さらに、規制緩和等で保育水準の低下も進んでいる。
 待機児童の解消を図るためには、地域の児童福祉施設としての公立保育所の存続が必要である。
 よって、本市議会は国に対し、公立保育所の一般財源化を廃止し、直接補助制度に戻すよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会


平成28年第2回定例会
No.4

 (提出年月日)平成28年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

保育士不足の解消へ向けて大幅な処遇改善を求める意見書(案)

 待機児童の解消は、保育施設の不足だけではなく、施設があいていても保育士が足りないため、子供を受け入れることができないという保育士不足も大きな原因になっている。
 この原因は、保育士の賃金の低さや労働条件の厳しさにある。賃金では、全産業に比べ月額で10万円程度低いことが国会でも明らかにされ、また、今の職員配置基準では保育士が十分な休暇や休憩を取れず、疲労が回復できない状況となっている。
 このような状況のため、働き続けることができず、多くの保育士がやめていく事態が進行している。資格を有する保育士は、現職の保育士の2倍程度存在するとされているが、賃金を全産業の平均にすることや実態に見合う職員配置基準を実現することなしには、保育士不足は解決しない。
 よって、本市議会は国に対し、保育士不足の解消へ向けて大幅な処遇改善を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会


平成28年第2回定例会
No.5

 (提出年月日)平成28年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

子育て費用の家計負担軽減のため保育料の低減化を求める意見書(案)

 少子化対策が国の緊急課題となっているが、国は一向に本格的な対策を取っていない。「日本創成会議」によると、少子化の進行は人口の急激な減少を招き、このままでは2040年に500を超える地方自治体が消滅するとの試算が出されている。地方自治体はその存亡をかけた対策が求められている。
 日本は教育や保育にかかる費用が高額であり、このことが希望する子供の数と実際との乖離を生んでいる原因の1つとも言われている。
 国が昨年4月に導入した、「子ども・子育て支援新制度」では、3人以上の多子世帯で以前より保育料が高額になる事態を招いた。これは、新制度が十分に検討されたものではないことの一端を示したものである。
 このように、3人以上の多子世帯ほど家計への負担が大きくなることから、速やかな家計負担軽減が少子化対策には必要である。
 よって、本市議会は国に対し、子育て費用の家計負担軽減のため保育料を低減化するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会


平成28年第2回定例会
No.6

 (提出年月日)平成28年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

九州電力川内原子力発電所の停止を求める意見書(案)

 国内でただ一つ稼働中である九州電力川内原子力発電所の1、2号機は直ちに停止すべきである。
 本年4月14日の夜、熊本地方を襲ったマグニチュード6.5、最大震度7の地震は、さらに16日未明にはマグニチュード7.3、最大震度7を記録し甚大な被害をもたらした。その後も、震源の北東側の阿蘇地方や大分県でも活発な地震活動が起きており、震度5や6クラスの強い地震が相次いで発生している。
 専門家の指摘では、川内原発のある南西方面での地震に警戒する必要があるとされ、「不測の事態に備え、地震が落ちつくまで川内原発をとめてほしい」との声が上がっている。
 東京電力福島第一原子力発電所事故は、「津波の危険」が指摘されていながら対応せず起きた重大事故であり、その結果は、5年経過した今も10万人近くが避難生活を送り、2015年度の国勢調査速報値では原発に近い浪江、富岡、大熊、双葉の4町で人口ゼロと記録されるなど、ほかの事故や自然災害とは「異質」の事態が起きているのである。
 熊本県益城町では1,580ガルの揺れを観測したとされているが、川内原発が想定している基準地震動は620ガルとされている。再稼動を認めた原子力規制委員会の根拠は、崩れていると言わざるを得ない。「不測の事態に備え、地震が落ちつくまで川内原発をとめてほしい」との声は当然の要望である。
 よって、本市議会は国に対し、九州電力川内原子力発電所の停止を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会


平成28年第2回定例会
No.7

 (提出年月日)平成28年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

所得税法第56条の早期廃止を求める意見書(案)

 地域経済の担い手である中小業者の営業は、家族全体の労働により支えられている。しかし、日本の税制は、家族従業者の働き分(自家労賃)を、所得税法第56条「事業主の配偶者とその親族が事業に従事したとき、対価の支払いは必要経費に算入しない」(条文趣旨)により、必要経費として認めていない。
 家族従業者の働き分は事業主の所得となり、配偶者86万円、配偶者以外の家族50万円が控除されるのみで、最低賃金にも達していないことから、社会保障や行政手続などの面で弊害が生じている。
 青色申告であれば、所得税法第57条で給与を経費にできるが、税務署長への届出と記帳義務などの条件があり、申告の方法で納税者を差別するものとなっている。2014年1月に、全ての事業者に記帳が義務化されており、所得税法第57条による差別は不条理であり認められない。
 全国の400を超える地方自治体では、「家族の人権を認めない所得税法第56条は廃止すべきである」との意見書が採択されている。また、国連女性差別撤廃委員会第63会期が、日本政府に対し「家族経営における女性の経済的エンパワーメントを促進するために、家族経営における女性の労働を認めるよう所得税法の見直しを検討することを求める」との勧告を行なっている。
 日本の家族経営における配偶者の多くは女性であり、世界の主要国では家族従業者の人格、人権、労働を正当に評価し、その働き分を必要経費として認めているのである。
 2015年12月に閣議決定された、第4次男女共同参画基本計画には、個人所得課税の諸控除のあり方についての見直しが盛り込まれている。そして国は、「所得税法第56条の撤廃に関して、研究を始めている」とも答弁しているが、いまだ実現されていない。
 よって、本市議会は国に対し、家族従業者の人権を保障する基礎をつくるために、所得税法第56条を早期に廃止するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会


平成28年第2回定例会
No.8

 (提出年月日)平成28年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

沖縄の米軍属による許しがたい重大犯罪に抗議する決議(案)

 米空軍嘉手納基地の軍属(元米海兵隊員)が、沖縄県うるま市の20歳の女性の死体を遺棄した容疑で逮捕された。起きてはならない悲劇が、また繰り返されたことに、沖縄はもとより日本全国に怒りと悲しみが広がっている。夢と希望に満ちた20歳の女性の人生を突然奪い去り、無事を願っていた家族等の心情を考えれば、断じて許すことのできない凶悪犯罪である。
 さらに、沖縄県の調査では、1972年の日本復帰から2015年末までの米軍関係者(軍人・軍属・家族)による犯罪の検挙数が5,896件に上っており、そのうち殺人・性的暴行・強盗・放火といった凶悪犯罪は574件と1割近くを占めている。このような背景には、国土面積のわずか0.6%の沖縄県に、在日米軍専用基地面積の約75%が集中する異常な事態があることは明らかである。
 日本政府は、これまでも重大事件のたびに、米側に対し「再発防止」を申し入れ、沖縄の米軍関係者も「綱紀粛正」は約束するものの、事件は繰り返されてきた。沖縄では「米軍基地がある限り、今後も犠牲者が出る恐れは避けられない」とする声が沸き起こっている。沖縄の地元紙には、米軍が「約束」を守れないなら、「選択肢は一つしかない。沖縄から去ることだ。」との主張も見られるが、これは全ての沖縄県民を代弁する切実な声であり、多くの国民の思いでもある。
 よって、本市議会は国に対し、沖縄の米軍属による許しがたい重大犯罪に強く抗議するものである。
 以上、決議する。

平成28年  月  日

千 葉 市 議 会