佐々木ゆうき議員の一般質問への答弁(要旨)



2016.6.17

1、災害対策について
【総務局長答弁】
 避難所運営では、住民主体の体制づくり、感染症対策などの衛生面、福避難所の設置・運営、体制では、避難所への円滑な物資の供給や避難者のニーズに合った物資の調達、さらにリ災証明書の迅速な発行などが課題だと考えている。車中泊避難でも、学校などの指定避難所と異なり、エコノミークラス症候群の発症や避難者として把握できないことで、支援物資が行き届かないなどの課題があり、一定の対策が必要だと考えている。今後、熊本地震での検証や国・他都市の状況を調査・研究していく。
 「地域防災計画」の見直しでは、計画へ包括的に位置づけた高齢者や障害者等の災害時要配慮者対策をより具体化する計画として、H26年度に災害時要配慮者支援計画を策定している。当該計画では、自助・共助・公助の役割を分担し、連携・協力して支援体制の整備を進めることにしており、具体的な支援策として避難行動要支援者名簿の作成や自治会等への名簿情報の提供等を位置づけ、災害時の要配慮者への支援体制の整備進めている。今後は、引き続き災害時要配慮者支援対策の検討を進め、必要に応じて計画の見直しを行っていく。
 内閣府通知への対応では、避難所の設置期間の長期化が見込まれる場合、災害時応援協定締結企業等からの調達、他自治体からの支援物資の活用・リースの活用等で、必要に応じて避難生活の長期化に対応した設備・備品を整備し、可能な限り避難者のニーズに応じた食事のメニューの多様化や高齢者等に対する配慮など、被災者の生活環境改善に努めていく。また、避難所での女性や子育て世帯への配慮では、市の防災会議の「男女共同参画の視点を取り入れる部会」の意見を受け、女性や子どもの安全対策や女性への物資配給での配慮など、地域による避難所開設・運営の手引きに反映した。また、女性に配慮した備蓄品の増強を図っている。
 指定管理者制度による管理者と市が締結する基本協定で、指定管理者は管理施設が避難所に指定されることを認識し、平時は避難所運営委員会の会議や訓練に参加し、災害が発生した場合は、避難所の運営に協力する義務を負うことになっている。避難所開設時には、各避難所に指定された担当職員を派遣し、指定管理者と町内自治会とともに避難所の運営にあたることにしており、公共施設としての役割を果たせると認識している。
 拠点的福祉避難所の増設では、専門性の高いサービスが必要な方の避難可能な拠点福祉避難所は、ほとんどの特養ホーム、介護老健施設、障害者支援施設と協定を結んでおり、本年3月末時点で、高齢者施設97か所、障害者施設34か所ある。今後は、介護付き有料老人ホームなど市内で協定を結んでいない施設があり、対応可能な施設を見極めて新たに施設整備を行う法人に対しても拠点的福祉避難所としての協力を働きかけていく。
 美浜区幸町地区で、熊本地震の教訓から学校跡施設の利用方針の見直しでは、被害想定調査で、東京湾北部地震が発生した場合、幸1町目・2丁目で、合計5,399人の避難者が発生する想定だが、旧幸町第1、第2小学校が避難所として使えない場合でも、収容人数は確保できる状況がある。また、同地区で想定人数を超える避難者が発生した場合には、他の地区で受け入れ可能な避難所を活用する計画だ。
 「炊き出しは、市内小学校の各給食施設を利用し区本部対策第2班が行うが、必要に応じて日赤奉仕団、町内自治会、自主防災組織及び民間業者等に協力を依頼する」と定めており、委託業者と連携し、炊き出し実施時の協力体制を整えていく。
【保健福祉局長答弁】
 国の被災者生活再建支援制度の支援金上限引き上げ、支援法人への国庫補助割合の引き上げについては、大規模自然災害で、その生活基盤に著しい被害を受けた方は、早期の生活再建が望まれるが、本制度は国の支援で47都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用するものであり、市が国に求めることはしない。
【財政局長答弁】
 市庁舎の耐震補強については、現庁舎の耐震補強の場合には分散化・狭隘化・老朽化の課題は解決されず、年間約6億もの賃借料負担、築46年を経過したことで多額の維持管理費負担が見込まれるため、長い目で見て最も費用負担が少ない方策が新庁舎整備の推進である。
 現庁舎のIs値は05で耐震性能を満たしていない中、基礎調査や学識経験者による検証作業を踏まえ、防災面を含め市役所機能が高められ、長い目で見ても費用負担が少なくなる方策として、新庁舎整備を進めることとしたもので、あらためて耐震診断を実施することは考えていない。
【教育次長答弁】
 災害に対応できるよう給食調理業務を民間委託ではなく、市の責任で調理員の配置をとのことだが、小学校給食調理業務委託契約で、「受託者は大規模災害時に、当該校の給食施設が避難者への炊き出しに使用される場合は、可能な限り協力する」となっており、施設管理者の学校長や栄養教職員と連携し、災害に対応できると捉えている。

2、就学援助について
【教育次長答弁】
 H27年度の就学援助受給者の中での生活保護受給者は3.9%、児童扶養手当受給者は58.3%、経済的に困難な特別な事情での受給者は22.8%だ。学校給食費未払いの児童生徒数は、理由は様々だが小学校278人、中学校218人、合計496人だ。
 国に単価表改善を求め、市独自の上乗せで負担軽減を図ることでは、国の単価表に基づき市独自に決定しており、国への改善要望はできない。中学校入学時には、市独自に「制服調整費」を支給しており、保護者負担の軽減に努めている。
 目安額基準を生活保護基準の1.5倍にとのことだが、国の基準の1.0倍を用いている千葉市同様の市が最も多く、県内近隣市を見ても遜色ない状況があり、見直しは考えていない。H25年8月には、国の生活保護基準が見直されたが、市は以前のままの基準で対応しており、就学援助が受けられなくなる児童生徒を出さないよう配慮している。
 新入学児童性学用品等への就学金を入学前に支給するには、遅くても1月までに申請受付が必要となる。市は、源泉徴収票か確定申告の写し等で総所得額を把握し審査しており、各書類の発行時期が異なるため、支給の不公平が生じる可能性がある。
 申請受付から支給までの事務処理では、通常3か月を要するが、就学援助システム改修、支給後の転出者への対応などの課題があり、早急な導入が難しいが、一時的に保護者には負担をかけることになるので、早期の支給に努めていく。
 川崎市と比較して低いのはなぜかとのことだが、千葉市の認定率8.45%は、川崎市より下回ってはいるが、県内近隣10市の平均8.33%と比べれば同水準だ。認定率は就学援助制度の違いや地域性、保護者の生活水準の相違などから、一概に比較・評価するのは難しい。
 申請書の配布については、新入学児童生徒の保護者に、1月末から2月中旬に実施する入学説明会で、「就学援助制度のお知らせ」と「申請書」を配布している。さらに、在校生の保護者にも年度末に、「お知らせ」を配布し周知に努め、申請書はいつでも配布できるよう学校に準備している。市のホームページからもダウンロードできるが、「お知らせ」も記載するよう改善し、申請しやすい環境を整え、他市の状況も研究していく。
 国会等での議論は承知しており、今後の国の動向を注視していく。指定都市教育委員・教育長協議会を通じて、引き続き実態に見合った財政措置を要望していく。
 経済的に困難な特別な事情の受給者の割合が22.8%であり、支援が行きとどかないとは一概に言えず、現時点では、生活保護基準の1.0倍を見直す考えはない。「市政だより」「教育だよりちば」「ホームページ」等で、保護者・市民への周知に努めていく。
 認定は、支給年の前年の総所得額が基準となるので、所得を正確に把握し、適正な審査を行うには、前年度に仮認定するのは難しい。
 本市では現在、こども未来局でひとり親家庭を対象に就学仕度資金の貸付制度があるが、新たな貸付制度の導入は返済能力の適正な審査や債権管理の煩雑さなど課題があり、考えていない。今後、先進的取り組みを調査・研究していく。
 児童生徒名等の個人情報を印刷した申請書の配布は、誤配布等で情報漏えいの危険も想定されるため、導入には慎重な検討が必要だ。本市は学校で、提出書類や家庭状況等の確認を行っており、児童生徒や保護者に寄り添った手続きに心がけている。
 今後も、他政令市や県内他都市の状況を見極め、就学援助制度の効果が高められるよう、受付や簡素化について研究していく。

3、美浜区の諸問題・幸町地区の学校跡施設の利活用について
【財政局長答弁】
 幸町地区の学校跡施設利活用については、H25年3月に幸町第1小学校、第2小学校跡地施設利用について要望書が提出されたが、引き続き幸町地区の中学校統合の協議も行われていたことから、跡施設の利活用を中学校も含め地区全体を一体的に検討するため、地元代表協議会の中学校統合協議状況を見守っていた。H26年10月に、中学校の統合は当分見送る合意がされたため、以降は小学校跡施設2校の利活用の検討を本格させた。利用方針の策定は、「市公共施設見直し方針」を踏まえ、中長期的な視点から人口・世代構成や周辺施設の立地状況、地元代表協議会からの要望等総合的に勘案し、団地再生の考え方をURと協議し、利用方針案を策定した。
 幸町団地の果たしている役割についてだが、幸町団地は入居者の高齢化が進む中、地域医療福祉拠点の形成に向けた取り組みが進められており、高齢者が安心して暮らせるまちとして、他の団地のモデルケースとなると考えている。また、将来のまちづくりについて、美浜区基本計画の施策展開の方向性では、「誰もがいきいきと安全・安心に暮らせるまちづくり」へ「生きがいづくりの推進」「健康づくり活動支援」が、また「美浜区の個性を高める2つの取り組み」として、「団地の再生」が掲げられている。これらを踏まえ、URと協議しながら、URによる将来の団地建替えなどで活用する可能性を考慮し、幸町第1小学校跡施設の敷地を引き続き市が保有するとともに、校庭は「運動広場」として暫定的に活用する利用方針案を策定した。
 住民の意向に沿った協議をとのことだが、今回の利用方針案は、既に幸町団地自治会を含めた町内自治会長等を対象に地元説明会を実施し、現在、利用方針案への意見募集を行っているところだ。今後寄せられた意見を踏まえ、庁内で検討し、最終的な利用方針を策定したい。
 学校跡施設利用方針案は、先日行った説明会や7月中旬までの意見募集での意見の反映が可能かどうか、庁内で再度検討し、最終的な利用方針を策定していく。
 意見に対する庁内検討の結果を踏まえ、必要な場合はあらためて説明会の開催など、地元の理解が得られるよう努めていく。

美浜区の諸問題・子どもルームについて
【こども未来局長答弁】
 旧幸町第2小学校跡施設に設置している幸町地区子どもルームは、校舎等の解体に伴いH31年4月から幸町子どもルームに統合する予定だ。統合に際しては、利用の申し込みに状況等に応じて、受け入れ枠の拡大や高学年ルームの設置など、必要な措置を講じていく。
 幕張西小学校子どもルームは、定員120名だが、施設内の生活空間を分割して支援の単位を複数に分け、安全な運営に心がけている。増設については、本地域の児童数等を考慮し、適切に対応していく。
 高学年ルームに入所する3年生は待機児童として、低学年ルームの増設をとのことだが、高学年ルームで低学年児童を受け入れる場合は、設備や環境面など低学年ルームとの違いを保護者に説明し、理解を得た上で申込み頂いており、現時点では待機児童とは認識していない。今後、児童の様子や保護者の意見を参考に、より快適な環境の確保へ適切に対応していく。

 指導員に待遇改善・配置基準の見直しについては、高学年ルームでは、児童の成長で主体性や自律性、理解力などが高まるため、概ね40名の児童に指導員1名、補助指導員1名、合計2名を配置することになっており、基準は適切だと認識している。見直しは考えていない。