もりた真弓議員の条例提案説明



2016.9.5

写真 発議第9号千葉市営住宅条例の一部改正について提案理由の説明を行います。
 今回の千葉市営住宅条例の改正は、「入居者の費用負担」の第24条第1項にただし書を加えることにより、市営住宅の空き家に係る共益費を市の負担とするため、条例の一部を改正しようとするものです。
 一般的に住宅の共益費は、賃貸借契約にもとづいて、借主の住居に係る分が支払い対象とされています。ところが、千葉市営住宅においては、借り手のない住宅部分、つまり空き家部分まで他の借主が共益費を負担する仕組みとなっています。こうした状況は、何の合理性もなく不当なものであり、改善されるべきです。
 また、市営住宅では「千葉市営住宅長寿命化・再整備計画」のもと、老朽化した市営住宅の建替えなどが進められ、耐用年限を超過した住宅とあわせて、耐震性が劣る住宅の再整備計画にも取り組まれています。そうした住宅は「募集停止住宅」として新たな入居者を募集せず、多くの住宅が空き家となっています。千葉市がこうした「政策空家」として新規入居の募集を行わない住宅は市内で1,200戸とされ、現在はそのうちの571戸が実際に空き家となっています。特に、若葉区の千城台第6団地では、2016年4月時点での管理戸数144戸のうち空き家が101戸を占めており、残り43戸が入居中ですが、現在、入居している43戸で全144戸分の共益費をまかなう結果となっています。
 市営住宅は、高齢者や障がい者、母子家庭、また生活保護受給者など社会的弱者といわれる世帯の入居率が高い住宅です。今後、千葉市が「市営住宅長寿命化・再整備計画」を計画通り進めれば、予定する1,200戸の政策空家部分の共益費を他の入居者に負担させ続けることになります。
 千葉市が進める政策で空き家を増やしておいて、市営住宅の入居者に空き家部分の負担を強いるのは理不尽であり道理が通りません。千葉市営住宅条例の一部改正を行うことで市営住宅の空き家に係る共益費の負担を、入居者から千葉市へと適正な運用に変更し、改善を図ることにご賛同いただきますよう求めまして、提案理由の説明といたします。