かばさわ洋平議員の一般質問



2016.9.26

写真1.公立小中学校エアコン設置トイレ改修について
 まずは教育環境整備、公立小中学校のエアコン設置とトイレ改修についてです。
 スライドをご覧ください。千葉市の小中学校における平成26年度内科的症状で保健室利用した人数のグラフです。気温が28度以上へ上昇しはじめる5月から保健室利用者数が増加し、4月の5,313人に対して、9月は2倍以上に増加して11,410人となりました。子ども達が暑さのために健康を崩して、勉強できずにいる環境をこのまま放置し続けていいのかが問われております。
 また、学校現場から学校へ通う児童、そして保護者からの声として多いのが、エアコン設置と共にトイレ改修の要望です。老朽化した古いトイレで「臭い、汚い、掃除が大変」という声。また現在家庭のトイレが洋式化率は約9割といわれており、「和式トイレが利用できないため、大便を我慢してもらしてしまった」などという声も寄せられる状況下で、学校トイレの洋式化、床のドライ化含めたトイレ改修事業をスピード感もって進めることが求められております。そこで伺います。
 1つに、千葉市公立小中学校のトイレ様式化率は43%ですが、今後の目標値についてお示しください。また今年度と来年度におけるトイレ改修予定について伺います。
 2つに、防災拠点となる市内小中特別支援学校の校舎と体育館における多目的トイレの設置数と設置率についてお示しください。
 3つに、エアコン設置についてですが、夏場に保健室利用者数が増えていることは一目瞭然であります。今年の市内学校の教室内最高温度は32度と聞いております。一方である保護者からは教室温度が39度という声も寄せられています。教育委員会は学校衛生基準を上回っているという現状をどう受け止めているか。エアコン設置することで保健室利用者数を減らし、子ども達を適切な環境で学べるようにすべきと考えないのか。
 4つに、9日に開催された教育未来委員会では、「老朽校舎改修、トイレ改善とともにすべての教室にエアコンの設置計画を立てることを求める請願」が全会一致で採択されました。請願の結果をどう受け止めますか。
 今後の審議会においては学校現場の教員や児童生徒、養護教諭など現場の声をしっかりと聴取することを求めるがどうか。
 5つに、市民からの請願が複数回提出され、今年も学校エアコン設置を望む市民からの多数の署名が提出されたわけですが、市長は夏場の学校現場を視察されましたか。

2.給付型奨学金制度について
 大学生の2人に1人が借りている奨学金。しかし、「返したくても返せない」若者が急増しており、自己破産した件数は1万件にのぼるなど大きな社会問題となっています。学ぶことがリスクとなる社会を是正する責任が政治にはあると考えます。多くの未来ある若者や進学に伴う家族への影響を考えると、返済のいらない給付型奨学金制度が急務であります。先の参議院選挙で私ども日本共産党がかねてから求めてきた給付型奨学金制度について、自民党や公明党なども参院選挙公約に盛り込むなど、党派を超えて給付型奨学金制度創設の機運が高まっております。スライドご覧ください。一般家庭の大学等の進学率は73%ですが、児童養護施設退所者等の大学等への進学率は23%です。そこで伺います。
 1つに、本市が児童養護施設に措置した児童のうち高校卒業後大学等に進学した人数と進学率はどれくらいか、また入学して卒業できなかった児童がいることを把握しているのか、伺います。
 2つに、昨年の第2回定例会において、私が給付型奨学金を求めた一般質問の中で、経済的問題で進学を諦めたりしている市民がいることに関して、市の答弁は「子どもの将来が生まれ育った環境により左右されることのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図ることは重要であり、今後、そのための施策について検討して参ります」と答えていましたが、この1年どのような検討をして進展したことがあるのかどうか、検討状況について伺います。

3.土気駅北口周辺道路整備について
 まずは、土気駅北口に接道している千葉大網線いわゆる大網街道と土気小学校や土気中学校へつながる土気停車場千葉中線の道路整備について伺います。スライドをご覧ください。土気駅北口の交差点付近の土気停車場千葉中線であります。満足な歩道整備がないなか、狭い路肩を雨の時はすれ違うのも困難で危険な駅前道路となっています。日本共産党千葉市議団の市民アンケートを実施しますと毎年のように、「土気駅北口道路整備はいつできるのか」「子どもや高齢者が安全に通れる歩道整備を」と要望が寄せられ続けております。本年3月には『土気安全・安心な街づくりの会』と共に市当局へ、土気駅北口の大網街道交差点の改良、歩道拡幅整備、土気駅北口から土気小学校入口交差点までの道路における拡幅と歩道整備を早期に実施することを求める要望書を提出したところであります。そこで伺います。
 1つに、千葉大網線と土気停車場千葉中線における整備内容について伺います。また現時点における進捗度と完成見通しについてもお示しください。
 2つに、スライドご覧ください。市当局へ提出した要望書には、狭く危険な交差点である土気小学校入口交差点の改良も要望しましたが、土気小学校入口交差点の改良計画ついて伺います。また、交差点の拡幅には用地買収が必要かと思われますが、交差点付近には老朽化した空き家があるがどのように対応しているのか。

<2回目>

順番を変えて質問します。
1.土気駅北口周辺道路整備について
 今回の一連の道路整備事業以外でも土気地域住民から様々な改善を求める声があります。そのひとつが土気小学校入口交差点から土気中学校にいたる道路において、歩道が狭く段差が大きく、障害者や土気中学校生徒など地元市民から歩きやすい歩道に改善してほしいという声が寄せられています。そこで伺います。
 土気小学校入口交差点から土気中学校にかけて歩道拡幅段差解消等の安全対策を求めるがどうか。
 土気地区のマンションや宅地造成が進み、多くの児童生徒が通学で利用する土気17号線の通学路グリーン化と舗装改良整備等含めた安全対策をしてほしいという声も寄せられております。そこで伺います。
 土気小学校入口から土気17号線の通学路路肩グリーン化等の安全対策の早期実現を求めるがどうか。
 土気駅北口周辺道路は中野インターにもつながる道路ということで大型トラックやバスが頻繁に通過します。近隣に保育園、幼稚園、小学校、中学校が隣接しており多くの子ども達が車すれすれで歩いていますので、市民の安全第一の観点からも早期実現を求めるものです。今回新たに要望した道路安全対策含め、土気駅北口道路整備の早期実現のために来年度適切な予算措置を強く求めておきます。

2.給付型奨学金について
 千葉市における児童養護施設退所者の進学率も27%ということで厳しい状況が理解できました。進学すれば安泰ということもなく、大学の中退者は年間約8万人にものぼるとされており、とりわけ深刻なのが児童養護施設出身者で、3人に1人が中退している極めて深刻な状況です。私も児童養護施設の児童から進学を諦めた話など伺っているところです。そこで伺います。
 市の児童養護施設出身者等から進学において、実際にどのような声を聞いているか。

 全国各地で給付型奨学金制度を独自に実施する自治体が増加しており、現在では62の自他体で給付型奨学金制度を実施しています。スライドをご覧ください。世田谷区がこの4月からスタートさせた「児童養護施設退所者等奨学基金」です。楽天株式会社の会長兼社長の三木谷浩史さん、落語家の林家木久蔵さんなど多数の著名人が『全ての子ども達が夢に向かって進む権利は平等であってほしい』と寄付などで支えて事業が立ち上がっています。世田谷区では8月末時点ですでに約1,300万円の寄付が寄せられ11名への給付が実施されています。日本共産党千葉市議団が本議会に条例提案した「児童養護施設退所者等奨学基金条例」は世田谷区の事業に学び、千葉市でも生まれ育った環境に左右されず、1人でも多くの子どもが同じく進学のスタートラインに立てるよう奨学金を給付して支援しようというものです。千葉市も市長が先頭に立って広報し、個人、法人など多様な呼びかけを展開すれば必ず寄付は集まると確信します。そこで伺います。
 給付型奨学金制度について必要と考えるかどうか。まずは進学率が低く困難を抱える児童養護施設退所者等への給付型奨学金等の支援策を求めるがどうか。

 日本財団による試算では、大学に行きたい、進学したい人が増えると、社会への経済効果として2.9兆円税収が増え、1.1兆円社会保障財源が、減少して述べで約4兆円の経済効果があるとされています。支援が必要な子ども達に援助することは社会を明るくします。私は、もっと子育てしやすい街千葉市、貧困と格差をなくして若者の未来へ応援し投資する千葉市にしていきたい。そのためにどうか千葉市は国待ちではなく、本年度から立ち上がった子ども未来局、保健福祉局、教育委員会の庁内連携会議で児童養護施設退所者等への支援策や給付型奨学金について施策化を急ぐことを重ねて求めておきます。

3.小中学校エアコン、トイレ改修について
 小中学校エアコン設置、トイレ改修についてです。まずはトイレ改修についてから質してまいります。さきほどの答弁では、体育館の多目的トイレの設置はわずか8%ということでして、トイレ洋式化と共に多目的トイレ整備の更なる推進が必要だと感じます。スライドをご覧ください。2013年文科省による調査で東日本大震災のとき避難所で問題となった施設の第1位はトイレです。「高齢者は足腰が弱く簡易和式トイレはほとんど使われなかった」こうした専門家からの指摘がされています。そこで伺います。
 災害時の避難所において、障害者や高齢者、女性などがシャワー付きの多目的トイレを利用できる環境整備が必要です。学校内及び体育館への多目的トイレ設置の推進を求めるがどうか。
 次に、トイレ洋式化ですが、先の答弁で15年かけて80%ということで、10年以上先も先の学校が複数あり、遅いと言わなければなりません。スライドをご覧ください。川崎市を先般調査しましたところ、通常トイレ工事とは別に設計工事としない、床の乾式化、洋便器化など、トイレ改修メニューのうち最小限の項目をできる範囲で施工しているという学校トイレの簡易な改修事業に取組んでいます。平成30年度までに、市内全小中学校の最低1系統のトイレの洋式化を完了させるよう予定しているそうです。そこで伺います。
 設計工事とはしない洋便器化工事を増やすこと、また来年度以降更なる予算措置するなかで早期のトイレ洋式化を求めるがどうか。
 国の補助金措置が適切にされないなか遅れている側面もありますが、財政当局には補助金有無に関わらず、急ぐ必要がある事業ですから教育委員会が要求した学校のトイレ改修ができるよう適切な予算措置を求めておきます。
 次に学校エアコン設置についてです。さきの答弁で市長は学校現場の視察すらされてないということがわかりました。私は9月1日に市内中学校の教室を視察してきましたが、教室温度は31度を計測していました。窓を開けているものの文科省の学校衛生基準30度を上回る劣悪環境であり、生徒たちが顔を真っ赤にして、汗が噴き出している状態で「暑いです、早くエアコンつけて」と多数の生徒に声をかけられました。この状態で集中して学べというのも酷だと改めて痛感しました。
 私は先般、我が会派の中村議員、盛田議員と共に、学校エアコン設置を進めている福岡市と北九州市を視察してきました。両市とも共通していたのは、福岡市の高島市長、北九州市の北橋市長とも学校現場を訪問し、教室内温度を肌で感じ、これでは子どもの健康と命に関わると設置判断をしたことです。エアコンより他の教育施策という考えで、有識者の意見を聞かないとエアコン設置の判断ができないという市長の姿勢は改めて問題だと言わなければなりません。
 普通教室へのエアコン必要性について議論しておきたいのが、学習効果であります。スライドをご覧ください。北九州市では設置後に中学校5校の校長先生にアンケート調査を実施しました。健康管理や生活面の影響など5項目について尋ね、とりわけ重要なのが学習面への効果についてであります。全て5校の校長先生が「とても効果ある」と最高評価をつけました。校長先生の意見からも「空調がよく効いている時は、教師と生徒から学習しやすいとの声があがった」また別の意見でも「空調を使用する前と後とでは、生徒の学習時の集中力に明らかな差が認められる」と理由が語られていました。受験を控える中学3年生をはじめ、学ぶ環境が悪く、体調を崩す児童が増えれば、受験や将来を左右すると言っても過言ではありません。関東の政令市で設置計画すらないのは千葉市だけです。今後学習結果が関東政令市間や県内自治体間で差異が表面化してくることを私は危惧します。そこで伺います。
 学習効果という観点からのエアコン設置の必要性はどう考えているか。
 先日の教育未来委員会の請願審査において、私が「学校環境衛生基準30度を超える状況で集中して学べる環境だと考えるか」と問いましたら、教育委員会は「30度を超えた状態で学習するということは、望ましい状況から外れていると考えます」と答弁しました。この認識と食い違うかのような今回の答弁ですが、もう一度聞きます。30度を超える状況で集中して学べる状況だと考えますか。
 エアコン設置の必要性の最大のポイントは子どもの健康と命を守ることです。発達障害を持つ子どもが普通教室で学ぶ割合は年々増加傾向であり、今や5〜6%とも推計されています。また、温度調節が苦手な子どもも多く、請願審議の市民による意見陳述でもありましたが、暑さのために体調を崩し2日に1回保健室を利用する子どもが現実にいる状況です。少数だから仕方ないと切り捨ててはいけないと考えます。そこで伺います。
 全ての子ども達の健康配慮と共に、温度調節が苦手な子どもへの障害者差別解消法に伴う合理的配慮として、普通教室へのエアコン設置をする必要があるのではないか。スライドご覧ください。福岡市が学校エアコン設置を決める上で調査したデータです。保健室利用者がエアコン設置のある学校と設置なしの学校でどう違うのかを表しています。エアコン未整備校の方がエアコン整備校よりも、保健室へ来室する児童が多い傾向にあると分析しています。千葉市もエアコン設置できれば、体調を崩す子どもが減らし学習に集中できる環境になるのではないでしょうか。そこで再度伺います。
 エアコン設置すれば保健室利用者が減ると考えないか。学習権を奪う現状を放置せず、早期にエアコン設置して学習環境を整えることが教育委員会の責任ではありませんか。
 養護教諭の聞き取りで保健室来室者数増は暑さも要因にあるという答弁です。教育委員会も逃げずに市長に設置に踏み切るよう強く求めるのが教育委員会の責任だと私は考えます。しかし最後は予算の話になると市長の決断に委ねられるわけです。そこで財源について質したいと思います。これまで市長は「他の教育施策ができなくなる」とか色々できない理由を並べ立てていますが、福岡市では、平成27年度予算をみますと、大規模改造事業に37億円、トイレ改修含む施設整備事業に31億円、エアコン設置事業に35億円と老朽化対策やトイレ改修事業の予算は従来通り実施し、エアコン設置はあくまで追加的予算措置で学校施設整備に影響がでない予算編成されていました。千葉市も現状の教育予算内でのやりくりではなく、一時的に3年だけでも教育費を増やして対応することが必要であります。スライドご覧ください。平成27年決算における政令市の教育費を児童生徒一人あたりの額で比較すると、千葉市は37万3千円であり、20政令市で下からワースト5に入る低さです。そもそも教育予算が少ないところに千葉市学校環境整備を遅らせている原因があります。
 熊谷市長就任以来、平成22年度から27年度の大型公共事業決算額は243億円も注がれています。こうした大型公共事業の予算編成を見直し、必要ある施策に市民の大事な税金を割り振ることが市長の努めではありませんか。さらに言うと、27年度決算では45億円の実質収支黒字となりました。私どもの提案として、黒字となった財政を補正して優先的に教育費に充てること、20億円を3年間措置することで小中学校普通教室のエアコン設置は完了でき、トレイ洋式化、老朽化対策の同時進行は十分可能であります。先般の教育未来委員会請願審議で他会派のある委員から「エアコン問題はもはや政治判断であり市長が決断するタイミングではないか」と早期予算化の請願に賛成し、市長の決断が必要と語られていました。私も同感であります。そこで予算編成権のある市長に伺います。
 子ども達の健康や学習権を守るために、予算編成を見直し、学校環境整備予算を増やして、普通教室エアコン設置の決断をすべきと考えますが、市長の見解を伺います。
 9月に市内小学校の養護教諭とお話する機会がありました。「9月は特に暑さもあり熱中症のような症状で保健室を訪れる子どもが多い」と語られていました。熱中症で病院には行かないまでも、それに近い症状で保健室を訪れた児童がその時、2人も保健室に運ばれて休んでいました。私はその時本当に、いつまでも千葉市だけ決断できないで申し訳ないと心の底で思いました。もはや、何年も先伸ばしは許されません。そこで市長に伺います。
 有識者の意見を待つだけでなく、まずは市長自らが学校現場に訪れてこども達が置かれる状況を自分の目で確認して意思決定をすることを求めますがいかがですか。
 私から、最後に申し上げたい。2020年東京五輪パラリンピックが開催されますが、千葉市でパラリンピック開催の裏で学校にエアコンすら設置できない都市では本当に恥ずかしいと思います。東京五輪までにエアコン設置完了を!この思いをどうか、市長、会派を越えた議会で共有して国にも補助金措置の働きかけを強めることや、教育予算を増やして環境整備を推進して、子ども達に誇れる千葉市を共につくっていこうではありませんか。私たちは決して諦めません。市民の願いに寄り添う市政への転換、そして何より千葉市小中学校に通う児童生徒7万人の願いに応えるために、教育環境充実を全力で求めていきます。必ず学校エアコン設置を実現すべく引き続き力を尽くすことを訴え、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。