吉田まさよし議員の一般質問への答弁



2016.9.27

1.若者の雇用について
【経済農政局長答弁】

 日本国憲法に保障されている生存権と勤労の権利についてですが、生存権は、人間が人間らしく生きるために、全ての国民が健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有することを定めたものであり、勤労の権利については、生存権の保障を具体化するため、国民に勤労の機会を提供するよう努力することが国の責任である事を定めたものであると認識しております。
 非正規雇用の今後の拡大懸念に対する市独自策についてですが、国が、非正規雇用労働者の正社員転換や優遇改善に取り組む企業に対し平成26年度に制度化したキャリアアップ助成制度について、広く市内企業に情報提供するなど、引き続き、労働局と連携し利用促進に努めて参ります。また、雇用のミスマッチにより正規雇用から離職した結果、非正規雇用労働者となるかと少なくないことから、本市が若者の雇用ミスマッチ解消策として取り組んでいる合同企業説明会や企業見学バスツアーなどを充実させことで、非正規雇用の拡大防止につなげて参ります。
 参議院議員選挙における日本共産党の3つの提案に対する見解についてですが、市内企業が直面する深刻な人手不足に対応するためにも、生産性の向上を図り、最低賃金を引き上げることは重要であると考えております。現在、国では「未来の投資を実現する経済対策」において、「最低賃金引き上げの環境整備として、経営力強化・生産性向上にむけて、中小企業・小規模事業者への支援措置を推進・拡充する」として、業務改善助成金をはじめ、各種支援策に充実に着手していることから、国の動向を注視し、適切に対応して参りたいと考えております。
 市独自の相談窓口等の必要性と設置に向けた課題についてですが、本市では、若年者を始め、様々な求職者に対する就労相談や職業紹介等を行う「ふるさとハローワーク」を稲毛区及び緑区に設置しているほか、雇用や労働に関する専門的な相談を受け付ける「労働相談室」を蘇我コミュニティーセンターに設置し、国等と連携しながら各種相談に対応しております。また、市内には、国の「ハローワークちば」に、大学等新卒者や概ね卒業後3年以内の既卒者の就職を支援する専門の窓口として「千葉新卒応援ハローワーク」が設置されているほか、国・県が協力して設置している再就職に向けた様々な支援をワンストップで行う「ジョブサポートセンター」、さらに、働く事に悩みを抱えている若者とその家族を対象に相談支援を行う「ちば地域若者サポートステーション」が県により設置されており、若者の就労に関する相談支援体制としては、一定程度、充足されるものと考えております。
 最低賃金の格差についての見解と引上げの要請についてですが、地域別最低賃金は、その地域の労働者の生計費・賃金などを総合的に勘案して定めるものとされていることから、地域によって最低賃金に差が生じるものと認識しており、その引き上げについての要請につきましては、東京都周辺の他都市の状況等を見極めつつ、対応して参ります。

<2回目>

 川崎市の取り組みについて、「働くためのガイドブック」のようなパンフレットを作成し、労働関係法令の周知に取り組むべきではないかとのことですが、若者を含む市民に向けた労働関係法令の周知啓発につきましては、千葉労働局において、国が作成した冊子やリーフレットを管内の大学・高校等に配布しておりますが、本市といたしましても合同企業説明会や企業見学バスツアー等の機会を活用し同冊子等を配布するなど、労働関係法令のさらなる周知に取り組んでまいります。
 神奈川県のかながわ労働センターと共同で実施している街頭労働相談のように、市独自で相談を実施すべきではないかとのことですが、本市における雇用・労働に関する相談・支援につきましては、蘇我コミニティセンターに設置している「労働相談室」のほか、千葉労働局の「総合労働相談コーナー」や県の「労働相談センター」等において実施しているところであります。今後は、雇用対策協定を締結したちば労働局をはじめとする、関係機関と連携し、出張・街頭等による相談機会の充実につきましても検討してまいります。
 就労支援実施対象の若者への後追いの調査・アンケートを実施すべきではないかとのことですが、ハローワーク千葉においては、新卒応援窓口利用者に対する定着支援の一環として、電話アンケートを実施しているほか、労働法令の講座や相談先の紹介などを行う「フォローアップセミナー」を実施しております。本市においては、合同企業説明会や企業見学バスツアーへの参加者に対して、アンケートを実施しておりますが、その中で、雇用・労働関係情報の提供などの対するニーズを把握し、その結果をふまえ、フォローアップの手法などについて検討してまいります。
 市内の学生向けの労働関係法令の学習会などを早急に実施すべきではないかとのことですが、千葉労働局においては、大学・高校等からの希望に基づき、人員を派遣し、労働関係法令についての出張講座を実施しております。本市といたしましては、同出張講座の周知とその活用の促進を図るなど、労働局と連携した取り組みを進めてまいります。
大学・高校の就職担当や関係機関と連携して相談の情報を収集し、対策を実施していくべきではないか、とのことですが、大学・高校の就職担当を含む雇用・労働に関する関係機関等とは、日頃の業務を通じ情報交換を行っているほか、大学等の教育機関や市内企業、産業団体等で組織する「インターンシップ推進委員会」や「キャリア教育推進連携会議」等を通じ、課題などの情報共有を図っているところです。
 今後は、これら既存の会議体等を活用し、相談内容などについて情報共有に努め、取り組みの検討を行ってまいります。
 以上でございます。

2.稲毛東の納骨堂建設問題について
【保健福祉局次長答弁】

 本件は「墓地、埋葬等に関する法律」第1条からも問題があるのではないかとのことですが、事前手続き、経営主体等に基準は法の主旨を踏まえて「千葉市墓地等の経営の許可等に関する条例」で具体的に規定したものであり、本市はその基準に基づき審査しているところであります。
 審査結果が出たあとの地域住民への対応についてですが、千葉市墓地等の経営の許可に関する条例施行規則においては、経営予定者に協議結果を通知することになっております。なお、地域住民等から協議結果について問い合わせがあった場合には、経営予定者の同意を得た上で、お答えすることは可能と考えます。
 トラブルに対する対策の検討についてですが、本市では、墓地や納骨堂の建設をめぐる近隣住民とのトラブル等を踏まえて、平成25年に条例を改正し、経営予定者は事前協議前に周辺住民等に対して必要な事項を説明し、意見があった場合は協議を行うよう義務付けたところです。

<2回目>

 永続性の確保、経営主体の安定性の審査についてですが、納骨堂を経営するために十分な財産その他の経営的基礎を有しているかについて、経営計画書、納骨堂資産計画書、法人収支決算書、財産目録等の書類の提出を求め確認しております。
 なお、本市では、納骨堂の設置等の費用は原則自己資金とし、また、借入の場合は横浜市と同様、銀行等に限定しています。
 住環境への配慮についての審査ですが、墓地条例では、周辺環境との調和を踏まえて、墓地、納骨堂には障壁や一定規模の緑地等の設置基準を定めており、これに基づき審査しています。
 不要な墓地整備への対策についてですが、本市では、墓地等の過剰供給の抑制や経営の適正化を図るため、平成19年には宗教法人による墓地等の経営は市内宗教法人が宗教活動の一環として行う場合に限定し、さらに、平成25年には宗教法人の事務所設置年数を市内5年以上に限定する改正を行ってきたところであります。
 なお、経営計画書、使用予定者名簿、法人登記事項証明書等によりこれらを確認しております。

3.JR稲毛駅東口の再開発について
【都市局長答弁】

 平成17年度の改修工事の経過についてですが、稲毛駅東口駅前広場は、バス、タクシーが多いうえ、一般車が入り込んで混雑していることが課題となっておりました。そこで、現状の駅前広場の広さの中で課題を解決することを目的として、13年から稲毛駅東口駅前広場の交通混雑緩和について検討を始め、その後、警察やバス、タクシーなどの交通関係者、地元自治会の皆様などと協議を進めながら、17年度に、公共交通機関と一般車を分流させるための一般車乗降場の設置や、一部バス停留所位置の変更と経路変更、バス停留所前の歩道拡幅などの整備を行っております。
 旧日本たばこ産業跡地を買い取りしたイオンへの要請の状況と同跡地の整備についてですが、跡地を取得したイオンモール株式会社へは、周辺交通の円滑化のための幹線道路に繋がる道路の整備や生活機能拠点としての機能強化、にぎわい創出のための商業的土地利用をお願いしているほか、混雑している東口駅前広場を補完する機能の検討、整備をお願いしております。現在、イオンモールからは、既存建物の除却工事を実施中であると聞いておりますが、跡地の具体的な整備計画は示されておりません。
 稲毛駅東口の現状の認識についてですが、平成17年度に一般車乗降場を設置したことなどにより、バスとの分流の促進など一定の効果を得ております。しかしながら、当該駅前は多くのバス路線の結節点であり、JRとの乗り換えによる利用者が多く、車と歩行者の動線が輻輳しているとともに、バスやタクシー、一般車が混在していることから、利便性や安全性に課題があると認識しております。
 今後どのような対策を進めていくのかについてですが、駅前広場自体を広げることが混雑解消には有効ではありますが、既に多くのビルなどが立ち並んでいるなど、現状のままでは広場の面積拡大は非常に難しい状況であります。そこで、現在、進められている旧日本たばこ産業跡地開発のあわせた駅前広場機能の補完などに関し、イオンモールと協議を進めていくほか、駅前地権者等の動向を注視してまいりたいと思います。

4.防災対策について
【総務局長答弁】

 避難所運営委員会の設立・活動には、どのような支援が行われているのか、についてですが、避難所運営委員会の設立に向けた準備会議において、必要性の説明や先行事例の紹介を行っているほか、規約や組織作りの助言などの支援をしております。
 また、設立後には、会議や訓練の際に避難所担当職員を派遣するとともに、避難所開設・運営マニュアルの作成例を示し、適宜、開設・運営に関する助言を行っているほか、マンホールトイレの取り扱い説明会の開催根度の支援を行っております。
 なお、避難所運営の際に使用する事務用品や腕章、メガホンなどの品物につきましては、昨年度までに全避難所へ配備しております。
 避難について「自助「共助」「公助」の役割と対策についてですが、「自助」につきましては、大規模災害時に備え市民一人一人が日頃から自分でできる防災対策を講じておくことが役割と考えており市政だよりや市ホームページ、防災マップなどを通して家具の転倒防止策や、最低3日分、できれば1週間分程度の食料や生活必需品の用意、自宅近くの避難場所・避難所の確認、家族の安否確認方法などについて啓発を行っているところであります。「共助」につきましては、大規模災害時には「自助」及び「公助」には限界があることから、地域において、お互いに助け合う協力体制を作ることが役割と考えており、初期消火や避難誘導を行う自主防災組織の結成、避難所の開設・運営を行う避難所運営委員会の設立、避難行動要支援者の支援体制の構築など、地域による共助の取り組みを支援しているところであります。
 「公助」につきましては、市民の生命、身体、財産を災害から守るため、基礎自治体の役割として、避難所となる学校や公共施設などの構築物をはじめ、道路・橋梁・下水道等の耐震化を図るほか、災害時に市民が安心して避難生活を送っていただくため、食料等物資の備蓄や調達制度の整備を進めるとともに、自助、共助の取り組みを推進するため、市民の皆様への防災意識の普及及び啓発などを進めております。
 避難所運営委員会など防災に関心を持つ方の交流会や学習会の開催についてですが、現在、全市的に、新任の委員向けの避難所開設・運営に係る基礎的な研修会を行っているとともに、緑区、美浜区においては、区内の避難所運営委員会を対象に独自に研修を行なっております。また、防災に関心を持つ方などを対象として、防災ライセンス講座や防災リーダー研修会を実施しております。今後も、避難所運営委員会の活動が活性化するよう、区と連携し、防災意識の向上を図ってまいります。
 防災用品や非常食の展示会についてですが、九都県市合同防災訓練の千葉市会場において「展示・体験コーナー」を設けており、民間の協力団体が防災用品の展示や非常食の紹介、試食などを行なっております。また、自然災害に備えた家庭での備蓄を推進するため、日頃から自宅で利用している食料や日用品がを少し多目に買い置きし、消費したぶんを補充する、いわゆる「ローリングストック」は、家庭でも取り組みやすいため、九都県市共同で啓発に取り組んでおります。
 今後も、市民が災害に備えた自助の取り組みがしやすいよう、効果的な啓発に取り組んでまいります。

<2回目>

 避難所運営委員会の活動への補助は、市として一律にすべきではないかについてですが、避難所運営委員会の活動への補助は、現在、一部の区で自主企画事業として実施しておりますが、避難所運営委員会の設立が進んでいることから、今後、全市における実施を検討してまいります。
 備蓄食品等を住民の意見や要望をもとに対応していくべきではないかについてですが、現在、想定避難者数、約19万5千人に対し、発災から3日間に必要となる食料、飲料水、トイレ、生活物資等の備蓄を平成26年度より5年計画で段階的に増強しているほか、要配慮者用の備蓄品として「おかゆ」や「紙おむつ」「床マット」などを各避難所に配備しており、今後も、住民のニーズに応じて適切に対応してまいります。
 震災に限らず、あらゆる災害に対していくための学習会の実施についてですが、 防災ライセンス講座では、「自助」「共助」による地域の防災力の向上を図るため、震災のほか、風水害などの災害に関する講座を開設しております。また、防災リーダー研修会では、年1回、防災に関する専門家により様々なテーマに基づく講演を行なっております。引き続き、市民の防災意識の向上を図るため、様々な災害を想定し、災害の新たな様相や変化に応じられるよう講座や研修会などを開催して参ります。