○相次ぐ環境問題の不祥事で申し入れ (4/25)
 党市議団は4月25日、違法排水・データ改ざん問題で社会の批判を受けているJFEスチールが、今度は、千葉市との事前協議なしに施設の撤去を行っていたこと。また、小山町に計画中の産廃処分場の業者に、市が反対住民の個人情報を漏らしていた事実が明らかになったことから、千葉市の環境行政を改善し、必要な措置を講じるよう求めて申し入れを行いました。

JFEスチールの度重なる協定違反に対して
千葉市が告訴も含めた強力な行政指導を行うよう求める要望書

2005年4月25日

千葉市長 鶴岡啓一 様

日本共産党千葉市議会議員団

 違法排水と水質データの改ざんが重大な問題となっているJFEスチール(株)で、4月15日、シアン化合物の排出元とされる冷却塔を無断撤去していたことが、過日の千葉市の立入調査で明らかになりました。
 今年2月の「水質汚濁防止法」や「公害防止協定」に違反し、その改善計画を進める中で、汚水原因の施設を無断で撤去する工事を行ったことは、「証拠隠ぺい」とも取られるものであり、市民に対する重大な背信行為です。
 「情報伝達の不備が原因」だと報道されていますが、こんな説明では誰も信じることはできません。JFEの前進である川崎製鉄時代から、環境白書(2000年)でも、千葉製鉄所長が「来る21世紀は環境の世紀といわれ、私たち全てに、今まで以上に環境に配慮した行動が求められています」と述べ、環境方針として「従業員の環境教育・訓練により、環境意識、技術の向上に努める」としていることにも反する行為です。千葉市は、4月20日、公害防止協定に基づく改善指示を出しましたが、JFEスチールに厳格な対応を求めなければなりません。
 そこで、改めて以下の点を申し入れます。

  1. 違法排水・データ改ざんや今回の施設無断撤去などについて、千葉市として市民にきちんと説明責任をはたすこと。
  2. 「水質汚濁防止法」の視点から、JFEのずさんな環境体制を告発し、JFEスチールの社会的責任を問うこと。
  3. 千葉市が行った改善指示の内容、改善結果を公表するとともに、「シアン対策専門委員会」の検討内容を明らかにし、市民参加で問題解決を図ること。
  4. 製鉄工場は環境汚染の原因物質が多くあり、他に「公害防止協定」違反はないのか。また、ハーバーシティ・球技場のオープンに伴い、工場全体の環境対策は万全なのか明らかにすること。

以 上


小山町の産業廃棄物処分場計画問題にかかわり
環境行政の改善を求める要望書

2005年4月25日

千葉市長 鶴岡啓一 様

日本共産党千葉市議会議員団

 4月21日の環境建設常任委員会では、地元関係者から出されていた「産業廃棄物の最終処分場計画を許可しない請願」が全会一致で採択されました。
 谷津田や里山などの貴重な自然を守り、水源や貴重生物を保護することは行政の重要な仕事です。産業廃棄物最終処分場建設問題は、全国的に「自然環境を破壊する」として深刻な問題となっています。
 さらに、千葉市の場合は、市が反対派住民の個人情報を、こともあろうに処分場建設業者に漏洩していた事実が発覚し、市民の信頼を著しく損ねています。
 これは、最終処分場建設計画問題の解決を困難にしたうえ、住民に大きな不安を与え、「産廃処理業者寄りの行政になっている」との不信を高めるものとなっています。
 多くの自治体では、産業廃棄物処分場建設計画に対し、自治体ぐるみで環境を守る立場からの対応が行われています。
 千葉市でも、独自に条例を制定するなど規制を強化し、自然を保護することが必要となっています。そこで、以下の点を要望するものです。

  1. 千葉市は、小山町への産業廃棄物最終処分場建設を認めない立場を貫くこと。
  2. 環境局任せにせず、産業廃棄物処理場建設計画や環境破壊に対する問題は、市全体で取り組むシステムを早急に確立すること。
  3. 効果のある「産業廃棄物規制条例」や「水源保護条例」などを制定し、産業廃棄物処分場建設による環境破壊や健康被害から市民を守ること。
  4. 処分場建設に反対する住民の個人情報を漏洩した問題で、千葉市は、真相を究明し、関係者への謝罪と再発防止について明らかにすること。
  5. 国に対して、産業廃棄物の排出責任や発生抑制など、産業廃棄物処理にかかわる法整備を強力に求めること。

以 上