【子育て支援】


保育所の民営化について
(2007年9月議会・中村議員の質問要旨)
 政府の規制改革・民間開放推進会議は、05年12月に「規制改革・民間解放の推進に関する第2次答申」で、保育制度の公的責任を後退する方針を明確に打ち出しました。第2次答申の具体的な施策の1は、直接契約、利用者補助方式の導入です。
 市町村はサービス提供の責任がなくなり、情報提供のみとなります。多様な事業者の参入を認め、事業者は独立採算のために運営が不安定で、保育士のリストラ、パート化を行うことになり、サービスの質の確保に対する市町村の責任は問われなくなります。2は、保育料の応益負担化、混合保育方式です。上乗せ・横だしサービスを行い、ニーズに合わせるという名目で料金は青天井になる恐れがあります。低所得層の子どもは、必要な保育を受けられなくなる危険性があります。3は、要保育認定制度の導入です。要保育度ごとに、公的補助対象となる1ヶ月の保育サービス利用料の上限設定をします。国は、以上の3点にわたって公的保育制度を解体し、保育制度の介護保険化をもたらそうとしています。
 千葉市は、今年8月「公立保育所のあり方」を発表しました。千葉市の公立保育所60か所のうち半分の30か所を民営化するもので、パブリックコメントによる意見聴取を実施しています。
 千葉市は、これまで公立保育所の必要性、存在意義について評価して来ました。公立保育所の存在意義は、(1)地域の保育ニーズに直接行政が責任を持つ、(2)民間保育所の水準を引き上げる、(3)保育の専門家集団を自治体レベルで形成し蓄積できる、(4)子育て支援ニーズを行政の現業機関として把握する、(5)行政と父母が直接結びつく結節点である、(6)公立、民間、保育ルームのネットワークを築く中軸、(7)子育てしやすいまちづくりの担い手づくりとなる。以上の7点について、公的保育をになう立場を明らかにしてきたはずです。保育所の民営化をすすめても、これまでの存在意義が同様に保つことができると考えているのでしょうか。
 保育の民営化には6点についての懸念があります。(1)保育所の市場化で、お金のある人は質の高いサービスを得ることができ、公的福祉はそれなりのものにとどまってしまう。(2)保育に競争原理が働き、営利を目的に利潤追求に走ってしまう危険性をはらんでいる。(3)子どもの保育水準も保護者の所得水準・支払い能力によって格差が生まれてしまう。(4)保育所間での競争で生き残るために「見える保育」に力点が置かれ、質の低下が免れない。(5)過疎地や利益の上がらない地域から民間は撤退する。(6)福祉で働く人の労働条件が低劣化し、保育の質の低下に結びついてしまう。
 千葉市は、民営化にともなう以上の懸念に対し、市民に明確な方策を示すべきであり、拙速な民営化は中止すべきです。


保育所の耐震化問題について
(2007年9月議会・中村議員の質問要旨)
 今回の保育所の耐震化問題では、すでに保護者から陳情が出され、代表質問でも議論されていますが、千葉市が保護者の意見も聞かずに耐震化対策を発表し、保育所の休止と転所をすすめようとしたことに端を発しています。
 私は、幕張第二保育所の老朽化の問題を昨年の9月議会で取上げ、「老朽化した幕張第二保育所は移転するのか。応急処置に留めるのか。現状で災害時に耐えうる施設という認識なのか」と質して、早急な改築を求めました。それに対して「仮換地指定後に移転する予定で、それを考慮しつつ公立保育所全体の老朽化対策の中で、適切に対応してまいります」と答弁していました。
 千葉市は、10年前から耐震診断を行っており、保育施設の耐震性には問題があると認識していたはずです。にもかかわらず議会では、老朽化を懸念し建て替えを求めても、何ら対策を取らずに来たのです。この千葉市の対応は、議会を軽視し説明責任を放棄したものといわなければなりません。
 耐震性に問題があると認識しながら、「民営化の慎重な検討や財政事情により、現在に至った」としていますが、倒壊の恐れのある保育施設を財政事情などで放置してきたことは、千葉市の子育て対策そのものが問われる重大な過失です。子どもの安全より、経済効率を優先したことになるのです。
 耐震性に問題がある7か所の保育所への対応について、すでに2か所では今後の方向性が出されましたが、残りの5か所についても、保護者への説明と対応を急がなければなりません。危険な7施設の子どもと職員約800人を他の保育所に分散することは、多くのリスクや負担を子どもや父母に強いることになります。地震はいつ起こるかわかりませんから、危険な7施設全てを建て替えるとともに、子どもの安全を第一に考え、応急措置を行うべきです。


乳幼児医療費助成について
(2002年12月議会、小関議員の討論より)
 日本共産党とお母さんたちとの長い年月の運動で、やっと乳幼児医療費助成の現物給付が来年4月1日より実施されることになった。また、3歳以上児で入院7日以上への助成制度に適用していた所得制限の撤廃は前進である。よって、本議案は了とするものである。
しかし、1診療あたり住民税の所得割課税世帯には、200円の自己負担を求めたのは問題を残している。例えば、1日に2つの科を受診すると400円になる。せっかくの現物給付なのだから、浦安市のように自己負担なしにすべきだ。

乳幼児医療費の現物給付について
(2001年9月議会、野本議員の質問)
 乳幼児医療費助成の現物給付について、日本共産党市議団は千葉県の態度まちにならず、千葉市独自で実施するように求めてきた。鶴岡市長は、選挙公約で「次代を担う子供達のために」「子育て支援・幼児教育に全力」と市民に約束している。ただちに、来年度から千葉市独自で現物給付を所得制限無しで実施すべきだ。そして、年齢引上げについても、計画的に進めるよう求める。

子育て支援について
(2001年9月議会、中村議員の質問)

 保育所の待機児童解消を

 旧労働省が、仕事と育児を両立するために必要な施策の調査を行なった結果、子どものための看護休暇、保育施設の時間の延長、休日保育、育児休業中の経済的支援の増額、保育施設の整備、拡大、事業所内託児施設の設置に対する要望があげられた。政府は、保育所の待機児対策で2004年度までの5年間で15万人の解消を目標にしているが、今年度の保育所施設整備は72億6,810万円で前年から4億円も減額された。運営費も前年度比で3%増やしただけ。待機児の解消に、国は定員・施設の設置要件緩和し、年度後半から認可定員の25%を越えた受け入れを認めるとしている。そのため、保育の質や安全面での心配がでている。
 9月1日現在、千葉市は待機者が3歳未満児で227人、以上児が109人、合計336人となっている。待機者解消のための施設づくりをもっと積極的に行うべきだ。
保育所・保育園の施設整備について
 食器洗浄器は家庭でも普及している。保育所でも必要な器具だ。保育所・保育園の調理場にも食器洗浄器を設置すべきだ。また、保育所・保育園に洋式トイレを設置すべきだ。

 学童保育について

 現在、こどもルームは市内全体で66か所ある。「新5か年計画」では20か所設置される。昨年から公設公営化になり、利用者は急増している。市は、こどもルームの確保に努力しているが、実際には用地の確保が難しく、学校内にも設置できず、民間の土地に設置せざるを得ない状況となっている。民間の施設を借り上げているルームの改善を、指導員や父母の意見を聞き早急に行なうべきだ。また、障害児を受け入れている施設には、指導員の加配と指導員の研修が求められている。施設への運営費補助は、現在、少人数のルームに配慮されるようになっているが、50人以上の場合は運営費が頭打ちとなっている。運営費は、50人以上でも人数に見合った形で支払うべきだ。公営になったため入所希望が増えている。女性の社会参加が増えていることや、不況のためこどもを預け働きたい人が増えている。千葉市は需要調査を行ない、それに見合った整備計画を、前倒しで行なうべきだ。

 病児保育について

 子どもが病気のときは、仕事を休んで看病したいというのは親の願いだ。しかし、子どもを預けてでも働かざるをえない場合がある。そういう親のための施策が病児保育だ。2年前から緑区、中央区、今年7月から花見川区でも開設された。現在、利用者は増加し、市が認めた4人枠だけでは不足している。いま千葉市は、1施設年間約500万円の委託料で実施し、1日4人の枠を設け一人1日2,000円の利用料で受け入れている。設置していない区にも、早急に病児保育施設を整備するとともに、4人枠にこだわらず、定員を増すべきだ。さらに、市の補助金を増し、利用料を値下げすべきだ。

乳幼児医療費助成について
(2001年6月議会 木田議員の質問要旨)
 千葉市長選挙の中でも、乳幼児医療費助成の充実を願う市民の声は高く、「お金がない時でも安心して病院でみてもらいたい」「ぜひ、他の政令市のように病院の窓口で支払をなくしてほしい」との声が寄せられた。他の政令市では現物給付が当たり前になっている。「新5か年計画」のなかで現物給付制度の実施を決めている。それなら、県が実施しなくても市独自に実現すべきだ。また、ここ3年間足踏み状態の4才児未満までの対象年齢の引き上げを行うべきだ。

保育行政について
(2001年6月議会 木田議員の質問要旨)
 国は、1997年の児童福祉法「改正」で措置制度を外し、98年には「保育所入所の円滑化をはかる」として、定員25%まで入所を可能とする入所定員の弾力化を行ない、2000年4月からは保育所の設置、運営に企業の参入を認めている。国、自治体の責任を投げすて、保育を市場化させ保育制度を根底から崩すものだ。厚生労働省は、待機児童を2003年までに解消するため都道府県、政令市、中核市に対し、(1)公立保育所の運営業務委託先に企業も認める。(2)25%を超える定員の弾力化を認める。(3)乳児の面積基準の考え方について、最低基準の規定を理由に待機児を発生させないため保育所の余裕スペースを活用する。などの通知をだした。しかし、これでは保育水準の低下は免れない。子供の成長、発達を保障する保育事業は、非営利性、公共性、持続性が重要であり、今必要なことは規制緩和で保育条件切り下げや、営利目的の企業に保育を委ねることではなく、国や自治体の公的責任で保育所の整備を拡充し、最低基準の抜本的な改善で豊かな保育を実施することだ。

<保育水準の改善、待機児童解消のために>
1、国に対して、保育所の保育水準を引き上げるため、「最低基準」を抜本的に改善すること。保育に対する公的保障を拡充するために保育予算を大幅に増額することを要求すべきだ。
2、保育水準の低下につながる保育所への企業参入は絶対に認めるべきではない。
3、千葉市は、待機児童解消に向け定員の弾力化や増築で対応してきたが、働く女性や子供たち実態に見合ったものになっていない。昨年度の保育受入枠は9,420人、今年度は9,574人で、全体では154人増だ。これでは待機児童の状況から見て解消される保障が見えない。定員枠を超えた入所受け入れではなく、待機児童の実態調査をし、必要な保育所を設置すべきだ。

<認可外保育施設への援助を>
先頃、東京池袋の無認可保育所「ちびっこ園池袋西」で生後3カ月の赤ちゃんが窒息死し、同園社長らが業務上過失致死で逮捕された。そこで千葉県は、同園の県内3施設の立ち入り調査を決めた。また、その他の無認可保育所の実態把握も行なうとしている。市内の認可外保育施設は、事業所内保育所21カ所、ベビーホテル27カ所、無認可保育所7カ所、計55カ所あり、乳幼児の約1,000人前後が保育を受けている。市は、これらの施設を年に一度監査を実施しているが、子供たちの健全な発達を保障し良好な環境を整える点から、施設の充実が急務となっている。千葉市は、企業内保育施設には開設時に10万円、その後年間4万円助成しているが、その他の施設には助成されていない。認可保育所の補完的役割を果たしており、補助制度の充実が求められている。無認可施設を視察したが、職員は、子どものためよい環境をつくる努力をしていた。市民は、認可保育所に入れず、やむなく高い保育料を払っている。保育水準を上げるためにも、行政からの助成が必要だ。認可外保育施設の助成制度を早期に拡充すべきだ。

少子化対策について
(2000年12月議会 木田質問の要旨)
 平成11年度の合計特殊出生率は、全国平均の1.34に対し、千葉市は1.22で政令市の中でもさらに深刻な状況にある。その千葉市こそ、子育て支援策を抜本的に強める必要がある。

乳幼児の医療費無料化

 党市議団は、乳幼児医療費無料化と現物給付を一貫して取り上げてきたが、あらためて現物給付を新年度から早急に実施するよう求める。また、乳幼児の医療費無料化の年齢を引き上げることは、子育て中の親たちへの支援につながるものであり、4歳までの年齢引き上げを求める。

保育所建設

 保育所の改修や定員の増員はしたものの、まだ待機者は10月1日現在で380人もいる。少子化でも働く親は増えていて、「新5か年計画」での保育所建設2か所では到底間に合わないことは明らか。保育所新設の計画を追加すべきである。

学童保育の充実

 施設の老朽化が進み、修理や新設の希望が多数出されている。老朽化した施設の改築計画をつくるべきだ。指導員についても、正規指導員の不足を解消すること。配置基準の見直しを行なうこと。研修を抜本的に充実させること。待遇改善を行なうことが必要だ。