「予算案の組替え動議」提案理由説明(ふくなが洋議員) 

2003.3.6
 日本共産党市議団を代表して、平成15年度の千葉市一般会計予算案等の組替えを求める動議について、その提案理由と基本方針の説明を行います。
今日、地方自治体のあり方をめぐって大きな変化が起きています。住民を守るべき自治体本来の役割を発揮して、公共事業や環境問題で住民が大きな運動を展開しています。千葉市も含めた地方自治体は、(1)暮らしと福祉を守る。(2)破綻した開発を中止する。(3)政府の合併押し付けや財政切り捨ては認めない。などにより、「市民が主役」の自治体にすることが求められています。
 いま、自公保小泉政権のもとで、自治体独自の施策が削られています。千葉市では68.69歳の医療費助成制度の改悪などがあります。そして、国の基準にまで切り下げる動きが強まっています。全て国の基準でやるのなら、「自治体は何のためにあるのか」と言うことになります。
 地方分権の中で、市民が安心して住み続けられるようにするために、千葉市が独自の施策をすすめ、暮らしと福祉を守ることにこそ、自治体としての存在意義があるのではないでしょうか。
 もう一つは、千葉市がどんどん進めている「大型開発」の問題です。新年度は「蘇我特定地区整備事業」「中央第6地区市街地再開発事業」に多額の予算が振り向けられています。街づくりのコンセプトや財政の見通しも市民合意もなく、開発にのめり込んで行くことは重大な問題です。その積み重ねが千葉市の市債・債務負担行為・利子を合わせて、借金は約1兆2,994億円にもなっているのです。こうした予算は、借金依存型財政運営の改革も棚上げになっており、一層の深刻さを増しています。そこで、くらし・福祉を支える予算にするため、次の組換え基本方針により、予算の再提出を要求するものです。
 第1に、市民生活は、失業率5.5%にみられるように、さらに深刻な状況です。地域経済活性化のためにも、官公需を地元中小業者へ増やすよう強く求めてきました。75%の目標を持って仕事や雇用を直接確保することが必要です。
 第2に、民生費を増やし、子育て支援、高齢者、障害者の生活を支援する施策を行うことです。
 第3に、「蘇我特定地区整備事業」「中央第6地区整備事業」は、中断、凍結して情報公開、説明責任、住民参加で、市民の意見を聞き再検討すべきです。
 組替えの内容については、配布文書に記載してあります。その内容は市庁舎整備事業の廃止、千葉駅西口再開発事業、千葉中央港地区区画整理事業、蘇我特定地区の見直しなどと合わせて約79億円の財源を確保して、市民要望の強いものに予算を配分します。
 介護保険料などの公共料金は、物価が下がっている時に値上げすることは許せません。市民の切実な悩みに対する無料法律相談は、希望する全ての市民に応えられるよう予算を増額します。
 3歳未満の医療費の自己負担額200円は中止して、68.69歳の医療費助成は元に戻し、自治体としての施策の充実を図るべきです。
「蘇我特定地区整備事業」もサッカー場の建設や大型店のヨーカ堂の誘致でいいのかを含めて中断凍結して、市民全体の討議にかけるべきです。
これまでの歴史的な経過を考えて、環境対策を第一にし、千葉市全体の街づくりの中で再検討すべきです。
 「中央第6地区整備事業」は、子供科学館でいいのか、健康福祉センターが11階にあり使いづらいといわれています。現在の区役所、美術館のかかわりも含めて千葉市の中心街の賑わいを取り戻すために、市民参加で根本的に見直すべきです。
 また、これら蘇我臨海開発に1,520億円、第6地区には約382億円、合わせて約1,900億円もの事業に、市の多額の予算が投入されます。
その他にも、千葉駅西口再開発事業や中央港地区区画整理事業などに、莫大な予算を投資しても良いのかが問われるものであり、この点をまず明確にすべきであります。そして、都市景観を無視するような開発は規制して、街づくりを進めるべきです。
 千葉市民が安心して暮らせるように、環境にやさしく、芸術文化の香がする都市とするため、「開発会社型の予算」ではなく、市民の暮らし・福祉第一の予算に転換することを求めて、提案理由の説明とします。