市長へ予算要望書を提出する党市議団

　市長は、地方分権一括法関連の条例案を４３件提案しました。この中で、市施設等の管理運営基準を市の条例で定めることになったことから、「義務づけ･枠づけ」の見直しが行われました。特別養護老人ホームに関する基準の変更では、廊下の幅が、これまでの国基準よりも狭く設定されることで、歩行リハビリなどに支障が出る恐れがあります。また、居室定員を４人以下とし多床室を認めることは、財政力によって入居が差別されたり、プライバシーの侵害にもつながるもので、容認できません。

　児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の制定でも、千葉市が独自に５.５平方メートルと定めていた基準を、乳児室の１当たりの面積を３.３平方メートルと後退させるものです。保育室･遊戯室の設置でも、「遊戯室を保育室として使用できる」とすることに対し、党市議団は、「待機児童解消を理由にした基準の後退は許されない」と反対しました。

　今議会では、成立しなかった市長提出議案がありました。特別職員(教育員会、選挙管理員会、人事員会)の報酬を、これまでの月額制から日額制に改める条例案です。党市議団は、慎重な議論が必要であるとの判断から継続審議を主張。総務委員会での採決の結果、賛否同数となり委員長判断で継続審議となりました。

　党市議団は、代表質問や一般質問を通じて、新年度予算が市民の暮らしと命を守る予算となるよう要望・提案を行いました。市長は、原発・消費税・ＴＰＰなど、市民生活に重大な影響を与える問題について、明確な態度を示さないのは認められません。その一方で、党市議団が要望し続けている住宅リフォーム条例の制定には「考えていない」との冷たい答弁を繰り返しました。そんな中でも、市民とともに要望してきた、校舎・屋内運動場の耐震補強について、１２月補正で前倒しして予算化されました。また、商店街の街路灯補助率が、これまでの５０％から７５％に引き上げられ、津波対策として海抜表示板が設置されるなどの前進がありました。

　今議会での他会派の特徴は、自民党が市長の予算・決算に賛成しながら、市長の政治姿勢を追及する矛盾した立場を示しました。さらに、自民･民主･未来･みんなの質問者が、ＩＲ(総合リゾート構想)についての質問を集中させたのも特徴的でした。

　ＩＲ構想は、ギャンブル場を建設しようとするもので容認できませんが、議会で議論を活発化させても、地元関係者の賛同がなければ進めることはできません。

　党市議団が条例提案した「千葉市障害者スポーツ振興検討委員会設置条例」については、他会派も賛意を示しながら「障害者に限定せずスポーツ全体で議論すべきだ」「既存の組織で対応を」などの理由で、全会派が反対し不採択となりました。

　熊谷市長は、６月の市長選への出馬について、森田県知事が進退を明らかにしないことから、「仕事に専念する」と答弁しましたが、第1回定例会での出馬表明を予定しており、党市議団は、総選挙の結果に踏まえつつ、来年の知事選、市長選、参院選で市民の暮らしを守る政治への転換に向け奮闘します。

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