新年度予算案について報告する市議団

　第１回定例会(予算議会)は３月５日、市長提案の７１議案を可決し閉会しました。
　党市議団は、今議会に「千葉市放課後児童健全育成事業の整備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例」案を提出。あぐい武夫議員が提案理由の説明を行ないました。「子ども子育て支援法」による千葉市の「放課後児童健全育成事業」に関する条例は従来の基準より後退しており、質の確保と安心して預けられるよう、４年生以上のルームには正規指導員２名の配置を定める内容を説明しました。
　教育未来常任委員会審査では、他会派が「現状でも問題ない」「予算確保が困難」「実施状況を見てから」などと反対。採決では市民ネットの賛成は得ましたが、反対多数で否決されました。

　今議会に提案された予算や条例等の議案に対し、ふくなが洋議員が党市議団を代表して質疑を行いました。国政との関わりや新年度予算について、市長の基本姿勢を質しました。沖縄への新基地建設をめぐる政府の高圧的対応や集団的自衛権行使容認、原発再稼動、消費税増税など国民多数が反対する問題、「アベノミクス」による格差拡大などに対し、自治体首長としての考えを問いましたが、市長は「国民の理解と協力を得る努力が必要」「国政の場で議論されるべきだ」などと、いずれの問題も明言を避け、市民の不安に応え、暮らしを守る姿勢はありませんでした。市の新年度予算についても、敬老祝金の廃止は、高齢者の増加で医療･介護費用が増大し、削減はやむを得ないとする一方、新庁舎建設は、情勢が変化し建設費用は増えるが、長期的には一番少ない費用だと計画推進を強調。蘇我スポーツ公園整備や千葉駅西口再開発に加え、新たに千葉駅東口再開発を推進。批判の強い幕張新都心へのカジノ誘致も、カジノ推進法案での「国の動向を注視」すると、カジノに固執する姿勢でした。

　党市議団は、予算の組み替えを求める動議を提出。もりた真弓議員が提案説明を行いました。緊急性･必要性がない大型開発、負担義務のない国・県事業への支出を見直して財源を確保し、敬老祝金の継続、国保・介護保険料の値上げ中止、廃止された難病見舞金等を復活するよう求めました。しかし、予算組替動議は他の全会派が反対し否決されました。

　中村きみえ議員は、新年度予算案への意見表明と反対討論を行いました。新年度予算案は、（１）安倍政権による国民生活を無視した暴走政治から市民を守る役割を果たしていない。（２）市民の福祉やくらしを犠牲にした大型開発事業優先の予算であると指摘し、増税による消費税交付金５７億円は、地方財政法が義務づけた社会保障関係事業に、２１億円だけでなく全額充てるべきだと批判。そして、党市議団が提案した予算の組み替えこそ、市民の暮らし・福祉を守るものだと主張しました。また、市民から提出された「給付型奨学金制度創設を求める請願」が否決されたことに対し、「状況は知っている」「必要性は認める」と言いつつ、「反対」するのは道理が立たないと批判しました。

　一般質問は、佐々木ゆうき議員と野本信正議員が行いました。佐々木議員は、「青少年への影響が心配だ」「賭博で税収を得るなど行政のやることか」など、市民の声を紹介しながら、カジノ誘致の断念を求めました。市は断言を避け、法案の「様子見」の姿勢に対し、カジノ誘致はきっぱり断念して、市内の中小企業・商業者への支援を強めるよう求めました。また、訪問介護･看護時の駐車スペース確保について質問。市の「ＵＲとの協議で検討する」との答弁を得ました。
　野本議員は、新庁舎建設問題を取り上げ、「建設費が高騰しているこの時期に推進するのは誤りだ」と批判。「市民に負担増や福祉カットをしながら、庁舎建設では市民理解は得られない」「耐震補強にとどめるべきだ」と、見直しを求めました。また、ＪＲ鎌取駅･誉田駅の利便性向上を求めて質問。市として「混雑緩和へＪＲに働きかける」ことを約束しました。

　新年度予算には、党市議団が要望し、市民の願いが反映された施策もあります。「ひきこもり地域支援センター設置」「肺炎球菌予防接種補助の増額」「消防団員の報酬･手当増額」「生活困窮家庭の子どもの学習支援事業継続」「子どもルーム対象学年拡大」「プレミアム商品券発行」などです。党市議団は、ひきつづき市民要望の実現へ全力をつくしてまいります。みなさまのご意見・ご要望をお寄せください。