１０億円で伊藤忠商事から買取る予定の中央コミュニティセンター

　第4回定例会は、11月25日から12月14日まで開催されました。党市議団は、市長提出の20議案中17議案に賛成、3議案に反対しました。また、本会議に上程された意見書5件に賛成し、請願2件の不採択に反対して討論を行いました。
　一般会計補正予算中、「中央コミュニティセンター民間所有持ち分等取得」に10億円の予算化は、市財政評価委員会の答申をそのまま受け入れただけで、市も議会も評価額の妥当性に対する調査･検証が不十分であり、今議会で結論を出さず慎重審議を続けるべきだとして反対しました。
　国の補正予算76億7,586万円による、学校施設改修、福祉施設等防犯対策費助成、道路整備、市営住宅整備、農業振興などは、関係者や住民の要望に沿ったものであり賛成し、合せて「放課後子ども教室･子どもルーム一体型事業」については、指導員の待遇改善を求め、有料化プログラム導入は教育が企業の利益の場となる危険性を指摘し、子どもの権利条約の順守と教育の平等性を保障するよう強く求めました。
　今議会に提案された8施設の指定管理者の指定のうち、千葉市科学館の指定管理者の指定は、10年間にわたりサービス向上に努力してきた実績や継続性を考慮せず、プレゼンの内容だけで評価し、管理者を変更することが、施設を利用する子どもたちにとって意義があるのか、職員の雇用継続は保障されるのかなどが不透明であり、管理料の低減を図ることは認められません。また、蘇我スポーツ公園第2多目的グラウンド(南)の指定は、他の蘇我スポーツ公園4施設と併せて、同一の事業体に委ねるものです。多額の財政を投入して整備しても、利用者数・稼働率が思うように増えず、整備した意味が問われている中、新たな管理料は財政を圧迫するだけであり、賛成できないと2件については反対しました。
　党市議団の代表質問では、国民多数の声を無視して暴走を続ける安倍政権によって、市民の中にも貧困と格差が広がり、先の生活への不安を募らせているもとで、ＴＰＰの強行採決や南スーダンへの自衛隊派遣など、日本が危険な道に足を踏み出そうとする情勢に直面して、熊谷市長の政治姿勢、市民のくらしと安全を守る覚悟を質しましたが、「閣議決定したことであり」「今後の政府の動きを注視」する。「国会において審議されており」「国の動向を注視」する。「建設的な議論が展開されることを期待」するなど、市民への思いが欠落した答弁でした。
　市長就任後の8年間で、財政難を理由に市民と市職員に対し強要した負担増とサービスカットは250億5,000万円にも及んでいる一方、不要･不急の大型開発に243億円投入している事実を示し、市民のくらし･福祉優先に切り換えるよう求めました。しかし、市長は「必要な分野に予算配分してきた」とし、今後も「都市の魅力･活力向上」に資する投資を推進すると強弁しました。他都市では常識化している学校へのエアコン設置や老朽化した公民館･市営住宅の改修等は「必要な分野」と考えない姿勢は正さなければなりません。
　党市議団が提出した「千葉市障害者スポーツ振興基金条例」案は、障害者スポーツの普及・促進、障害者スポーツ選手と指導者の育成、障害者が気軽にスポーツに親しめる施設や環境整備のために設置するものです。千葉市の関係予算は、昨年度1,644万円、今年度は284万円ですが、障害者の大会支援等であり、とても障害者スポーツの振興とはいえず、本格的な資金が必要とされています。しかし、他会派の委員会審議や議会討論では、「趣旨は理解できる」が、「障害者だけでなく、健常者も含めたスポーツ振興が必要だから」などの理由で反対し、否決されました。党市議団は、審議の中で、市当局が「スポーツ振興基金をつくる」との答弁を評価し、その中に障害者スポーツ振興策をしっかりと組み入れるよう求めました。
　また、市民から2件の請願が提出されました。「国民健康保険制度の充実を求める請願」は、所得の1割を超える高い保険料となっており、一般財政から繰り入れて保険料引き下げを求めるものです。「制度の維持･負担の公平性」を主張する市の姿勢に呼応した議論で、日本共産党以外の会派が反対し不採択となりましたが、国保は社会保障制度であり、市民に過大な負担を押し付けず軽減を図るよう求めました。
　「事故調査特別委員会設置を求める請願」も日本共産党以外の会派の反対で不採択となったことから、請願者の思いに寄り添い再発防止に力をつくすよう求めました。
　党市議団は、地方政治や国政で見られる強引な施策の推進をくい止めるため、広範な人々との協力共同を重視し、これからも全力で取り組んでまいります。